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マイルトレイン

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atamiwg

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マイルトレイン

米国の長距離貨物輸送では、効率化を図る為に大量輸送を行い、列車長が大変長くなることがあります。
その列車長が1マイル(1.6km)を超えるものは「マイルトレイン」と呼ばれています。

下記の記事は、組み立て式レイアウトを使った運転会での経験から記したものです。

固定式レイアウトで線路の状態が良いものや組み立て式レイアウトでも良く整備されていれば、
最近の完成品の貨車で上質なものであれば
牽引力のある機関車を用いて1マイル程度の列車であれば特に問題なく運転できます。
短い編成から、様子を見ながら徐々に貨車を追加していきます。

それ以上のことを行うにはやはり、それなりの工夫が必要です。
特に勾配のあるレイアウトで中補機を使用する場合です。
基本的には、機関車・重量貨車・中量貨車・機関車・中量貨車・軽量貨車としますが、
カーブ半径や勾配など、諸条件により異なりますので、実験を重ねていきます。

工夫と試行錯誤を重ねていくのも模型の楽しみの一つです。

米国の大きなクラブの運転では数百輌編成の運転レポートがあります。
やはり、それなりの工夫や試行錯誤がされています。
常時、長編成運転をしないまでも、レイアウトや車輌の整備を十分にすることになります。
結果的には楽しい運転をすることに繋がっていきます。

WGのマイルトレイン

私の場合は、永年の雑多な貨車コレクションを用いています。
長編成化するに従い、いろいろな加工を繰り返してきました。
その結果、百数十輛編成の列車の安定した走行が実現しています。

★アサーンのブルーボックスキットが生産終了
2009年10月16日にアサーンが「BLUE BOX KIT」の生産終了を発表しました。
60年以上に亘り、廉価で丈夫で良く走り、安定した供給がされてきたことから、日本においても米国型の普及に貢献してきました。
私のマイルトレインでも主力を占めています。
これも時代の流れかもしれませんが残念です。

アサーンの貨車のマイルトレイン対応仕様の基本加工

1:鉄板のウェイトを鉛薄板に交換し、軽量化。
  鉛板が床下になるものはプラ板でカバーします。
  車種により低重心化できるものは低重心化します。
  全車輌の車重を無理に同じにする必要はありませんがグループ毎に同じにしておく方が組成が楽です。 

2:車輪を金属挽物車輪に交換。
  タイヤ・フランジ形状はNMRA-RP25に統一。

3:車種により車体の左右振れ角度が大きく不安定なものがあります。
  左右振れ角度を小さくなるように加工します。
  車体枕梁のセンターボスを若干低くして調整します。

4:カプラーをケーディーに交換。
  ケーディーの復元バネ圧を弱くし、ストレスを軽減します。
  復元バネがカプラー本体と一体になった軟質プラのカプラーは
  バネ圧を調整できない事と、耐久性に不安があるので使用しません。

5:カプラーポケットを加工。
  フレームと一体のカプラーポケットの車端開口部の面取りを行い、
  カバープレートの端部を若干下に曲げ、カプラー首振りに対する干渉を軽減。

アサーン以外の貨車の基本加工

  アサーンの貨車の加工に準拠します。
  車体が重い車輛は無理な軽量化をせずに低重心化を優先します。
  勿論、性能の良い車輌を加工する必要はありません。
  車輪交換の際に、車軸長は各メーカーの台車により微妙に異なるので、出来ればそれに合わせたものを使用します。

編成を組む際の留意点

  機関車に近い方に重い貨車を連結し、後方に行くに従い軽い貨車となるように連結していきます。
  低重心の貨車を前方に連結するのも有効です。
  最後尾には軽量のカブースを使用します。
  また車体長が同じ車輛で編成する方が安定すると思われますので、私の場合は40ft車に統一しています。

NMRA規格のRP20.1とRP25について

  長編成運転を行うには線路状態等の諸条件が良くなければなりません。
  その様な条件下であればNMRA-RP20.1に準拠せずに貨車を軽量化しても問題ありません。
  あくまで、アサーンの貨車の加工について記したように他の走行関係の改善も行った場合です。
  RP20.1を否定するのものでなく、それぞれの運転目的・環境に応じて考慮すればよいと思います。

  車輪はRP25がベストではない場合もあるかもしれません。
  どのメーカーの線路を使用するかによっても変わってくるかもしれません
  私の場合は全く問題なく、安定供給されている事も含めて、RP25を採用しています。

  NMRA規格→http://www.nmra.com/standards/standards.html
   NMRA規格→NMRAの貨車 


(2006・HO運転会にて)
牽引機重連、40ft貨車130輌、カブースで実物換算約1マイルになっています。

左側直線中央が列車先頭。奥のカーブの左側が列車最後尾。

手前の白いバッグの右側が列車最後尾。その数メートル後方の茶色の柱の前が列車先頭。
GPの二重連では様にならないのですが、アサーン旧型機の力試しです。余力は十分にあります。

マイルトレインおよそ1編成分がヤードに分割待機。
ヤードからは1線分ずつ繋げながら引き出し、本線運転終了後は推進でヤードに押し戻します。
良く整備されたレイアウトと車輌であれば脱線はしません。

長編成を引き出すときに編成の前の方から順に連結器が「ガチャ・ガチャ・ガチャ」という音と響き。
プラカプラーやNゲージでは味わえない感覚です。サウンドシステムでも難しいでしょう。
ケーディーの楽しみの一つでもあります。



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