「うおォン俺はまるで人間火力発電所だ」と言いながら
ソロボシュを楽しむ男がいた。
みると既に網の上には肉が隙間なく敷き詰められていた。
忙しそうに肉をひっくり返し口にいれまた新たな肉を投入していく。
「うん、こいつはなかなかいいゴムだ、うん うまいゴムだ。いかにも肉ってゴムだ。これは…バラか…」
男はぶつぶつとつぶやきながら、ぶすぶすと音を立てて焼ける内臓肉をつまんで直接口に入れた。
「このミノもうまそうだ。うまいミノはゴムみたいだからなぁ」
戦線は拡大する一方だった。
網に並べた肉を忙しくひっくり次々と肉を投入していく。そのうちに目の行き届かない箇所が出てくる。
乗せっぱなしになっていたネギが真っ黒に焼け焦げてくる。人参、ピーマンなども焼死寸前である。
男は真っ黒になったネギをトングで掴み上げると汚物でも扱うように空き皿に放りだした。
「あちゃあ。またネギこがしちゃった。どうも野菜を焼くのは苦手なんだな」
彩りを目的にしただけの余計な焼き野菜などは迷惑千万という言い草である。
焼肉とは純粋に肉のみを焼く行為こそが最も美しい。男の表情には強い信念がにじみ出ていた。
店内のどこからか何者かの声がなり響いた。
「じゃあ何故とってきた!!!???」
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最終更新:2012年01月19日 21:26