ゾアノイド

概論
バルカスが調製技術を遺跡宇宙船の制御球から学びとり、調製方法が確立していった。400年もの間、その戦闘性能を引き上げるべく研究が続けられ、その意味では降臨者の実験成果を超えている面もあると思われる。

調製
調製とは、特殊なウィルスによりゾアノイド遺伝子を付加し、その発現により獣化現象(ゾアントロピー)が起きる。調製においては半数が失敗すると言われ、その難易度は高めである。ただ、量産型と呼ばれるゾアノイド種においてはより失敗数が少くなる傾向があるらしい。

獣化現象
獣化現象は、全身的な変身が伴い、多大なエネルギーを消費するその獣化状態は、戦闘もないのに常時そのままでいるのは効率的ではない。そのため、人間にいつでも戻れる可逆状態にある。
その変身機構は、筋力増強だけでなく外見なども変化する。また、ゾアノイド種によっては人間には備わっていない熱線砲が発現したりする場合もあり、肉体組織の再構成に近い状態が起きている。このような特殊発現では、筋力増強だけのゾアノイドより調製難易度が高いとされている。
筋力などの高い出力を支えるため、その内臓の構造もかなり変化していると考えられる。獣化では恐らく血圧も急激に上がるため、血管壁は極端に頑強になり、それでも足りない場合は血圧の緩衝作用的組織も発現しているかもしれない。当然、心臓も通常よりかなり心拍数が引き上げられ、それに耐えられるようにその構成が変化していると思われる。
獣化後は、基本的に服が破れるほど巨体に変化するが、その体重は獣化前後で変化しない。そのため、獣化に必要な物質を獣化前にはどこかに格納する必要がある。例えば、そのままでは機能しないいつでも利用可能なタンパク質などを、未調製の人間にある体腔部分に格納するなどである。無論、雑格納するわけではなく、内臓を圧迫を避けるように加減する必要はある。

獣化の生理的説明
獣化機構そのものは、まだその理論は公開されていないが、これまで考えられてきたところをまとめると、組み込まれた獣化遺伝子の中に、獣化にスムーズに移行させる因子(以下、獣化促進因子)も同時に組み込まれ、それが思念など脳から発せられたシグナルにより獣化移行因子が発現し獣化現象が始まる。
獣化は細胞レベルから変化するもので、その発生過程は成長過程にあるものとは様相が異なる。獣化思念シグナルを細胞が受けると、それが細胞膜から核に至る。これは通常の細胞シグナル機構と同じである。遺伝子の働きを切り替える極端なシグナル事例が獣化であり、獣化因子に重きを置かれることで、それと引き替えに使われなくなる因子(細胞の活性・代謝レベルを負担少なく安定させる因子など)が生じることになる。これが獣化促進因子の働きの一つと考えられている。

獣化時の思念シグナル
思念シグナルは弱いものではなく、ある一定の集中から出される強度が必要で、ちょっとした誤作動で獣化が起きないようになっていると思われる。また、未調製の人間ではそのような思念シグナルはないため、調製時にそのシグナルを脳内から発生させられるように、脳神経の部分的改変が行われていると推測される。獣化には、獣化する本人の思念シグナルにしか反応しないかは難しいところで、アプトムに捕食されそうになった時や、ゾアロードにより強制的に獣化させられる場合も解釈によっては他者から獣化を引き起こされるようにも見える。しかし、アプトムの捕食時の獣化は、捕食される危険を察知したからこそ獣化しただけかもしれず、またゾアロードの場合も、ゾアロードが思念波で獣化指令を行っただけで、直接はゾアノイド自身の獣化思念を出していただけのようにも見える。

獣化の回数限界
獣化は種によってその肉体負担が異なるものの、負担であるがゆえに何度も行えるものではない。ゾアロードの場合はクリスタルに肉体が守られる事情もあり、肉体負担は避けられると思われる。
短期的にはそう言えるが、長期的に見た場合はどうだろう。戦闘はそれほど何度も頻発するものではなく、一回の戦闘で生き残ればその後猶予期間もある。その間に肉体的回復が見込めるか、また調製槽にて回復効果を起こさせるのか、そこはよくわかっていない。プロトタイプやロストナンバーでは、獣化ごとにその消耗が顕著になり、死という形で獣化回数限界も生じ、その回数の回復も見込めなかった。正規ゾアノイドであっても基本使い捨てであるため、あまり消耗や回復は考えないかもしれない。ただ、超獣化兵などのように、貴重な戦闘部員には回復を考える必要が生じるため、獣化による肉体の劣化の研究は欠かせない。
例えば、先に述べた格納蛋白が獣化→人間に戻り→獣化・・・を繰り返すことで活性酸素などで酸化され変質したりした場合に、これを交換するなどである。また、肉体そのものも獣化で傷つく場合は、その修復も綿密に行う必要があるが、この手の治療(細胞活性化による自己修復の増進)は、調製技術の中にも含まれると思われ、クロノスとしてはそれほど難しい部類にはないと思われる。

降臨者の調製レベル
降臨者でもクロノスで行われていることと、その効果としては基本的に同じ方法と思われるが、調製を行うその実験レベルが異なる。降臨者は遺跡宇宙船で調製実験も行っており、宇宙船でありながら、その細胞操作の高度研究施設としても使用されていたと思われる。
降臨者の技術は、遺伝子の分子構造も自在に改変させる技術体系をもち、それはユニットからも見てとれる。
クロノスでは、どうしてもそこまでの水準に達しておらず、調製でウィルスを利用できるまではわかっても、その挙動まで制御できるわけではない。つまり、運任せの要素が大きい点が、クロノスと降臨者の技術の差でもある。
また、クロノスでは、遺伝子だけあれば肉体ごと回復させられる技能はないが、降臨者にはそれがある。宇宙船での実験もその水準にあると思われ、核クローンならクロノスで可能でも、遺伝子データのみから復元させられる降臨者の技術と比べればまだ低レベルに位置される。

ゾアノイドの種類
これまで開発された種は、時を追うごとにどんどん増えていき、この点はバルカスですら全てを把握できているわけではない(一応報告はされるようだが、目を通さない場合がある)。各支部でゾアノイド開発の裁量は任されており、各支部を信頼しているというより、ゾアノイドの定義を守っている限りは誰が何を作っても問題ないと判断してのことなのだろう。
ゾアノイドには、近接で戦うタイプから、熱線砲による遠隔攻撃まで様々ある。獣化前に誰がどのタイプかは一般にはわからないが、マニアの目からしたらわかるらしい。ただその根拠は今のところまだ薄い。
ただ、調製のバランスを考えた場合、獣化前に獣化後の形態痕跡が残るということは有意義な面もある。本来は、見事なまでに人間と見分けがつかないことで、一般社会にうまくとけこめた。しかし、それが必要だったのは地球制圧前の裏組織クロノスという立場だからであり、表社会で堂々と君臨した場合は逆に「獣化効率をより上げる」ことが重要となる。
これは、例えば角を生やすゾアノイドがいたとして、骨まで獣化前後で引っ込めたり生やしたりするのはとても効率が悪い。それが獣化前に過度の負担にならないなら、放置して残した方が獣化する負担も減るという考え方もある。ナンパされたときにグレゴールと気が付いたのは、グレゴールが量産型で多く出回っており、そのいくらかのデータからその筋肉の状態から顔つきなど、獣化前の状態でもグレゴール的に骨格が収斂した意味から言っているとしたら、あながち的はずれとも言い難い。

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最終更新:2011年07月27日 22:37
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