ものの歩登場人物紹介


かやね荘

高良信歩 (たから・しのぶ) 通称 アスペ・ア歩・ガイジ・トンマ・ノブホ・教祖・妖精・てんす
「そっちかーい」

12月31日生、15歳。身長176cm、体重71kg。好きなものはカロリーフレンド(フルーツ)、緑茶(市販の)。嫌いなものは殻付きのエビやカニ(うまく食べれない)。趣味は一切無し!!

 本作の主人公。名前に「歩」の文字がある。不動産屋の手違いという体で、奨励会員しか入居できない『かやね荘』に来てしまうが、泰金の好意で住まわせてもらうことになる。
 些細な事でも無駄に深く考える性格や、父親の期待に応えようと「形に残る努力」に力を注いだ結果、何をやっても成果が出せず、「才能が無ければ努力をしても無駄なのか」と思い悩んでいた。
 しかし、泰金に誘われて詰将棋をやったところ、将棋に特化した才能『一点集中型の思考力(トンネルマインダー)』を覚醒、将棋歴1日で駒の動かし方を全部把握してないのに15手詰を解いてしまう。
 その結果、将棋の才能を悟ると同時に勉学に見切りをつけ、プロ棋士を目指すと宣言。わずか3ヶ月で才能を周囲に認められるようになるが、かやね荘で甘やかされ続けた代償として、日常生活能力が大きく低下した。

 前作同様、作者の自己投影キャラなので、嫌われて当然だと言うべき傲慢さ、自惚れ、勘違い、ありえない成長速度など多数のツッコミ点が存在する。
 勉強部分だけで見ても、詰将棋を数日やっただけで初心者ではないと判断し、指摘されると逆ギレする。人の話を無視して勝手に詰将棋をはじめる。15手詰めを脳内で解けるのに3手詰をしばしば間違える。わずか3日で天井に達するほどのノートを積み上げたが、2ヶ月後にはあっさりと全て捨てる。授業中に顔にテープを貼って寝ないようにする・・・という有様。
 しかし彼の周りには信歩の才能をほぼ無条件で賞賛する者しかおらず、アンチからは「教祖」と呼ばれるようになった。
 また、将棋の才能発揮により心に余裕ができたからなのか、それともかやね荘で甘やかされ続けたせいなのか、コミュ障問題はあっという間に解決してした。よって、人との会話が出来なかったのも、自分を褒めてくれる人がいなくてグレていただけだろう。

 幼いころに死に別れた母親の「まっすぐいきなさい」という遺言を忘れないために、常に右手に布を巻きマジックでまっすぐ線を引いている。しかし作中では1話でしか触れられてないうえに包帯は頻繁に消えているので、母親の事はそこまで大事ではなかったようである。

 二年後は奨励会1級になっているが、降級点がついている。

直井泰金 (なおい・やすかね) 通称 メガネ・半纏・ヤスカネエ・ポンコツ眼鏡
「僕たちは、仲間だ」

4月12日生、25歳。身長175cm、体重69kg。好きなものは洋菓子(ケーキ、スコーン)、お茶全般(特にハーブティー)、ワイン(ロゼ)。趣味は映画(泣き系とスプラッター)、出かけた先でカフェに入ること。

 かやね荘の住人その1で元家庭教師。名前に「金」の文字がある。三段。奨励会同期の歌川と共にかやね荘を設立した。
 単行本1巻のプロフィールによると「管理人みたいなこともしているが、あくまでシェアハウスの住人」。しかし、歌川は泰金を「かやね荘の主」と認識しており、他に管理人がいる様子もない。
 子供の頃は常に笑顔で、歌川に「将棋が楽しい、将棋が好きなだけのガキだが鬼のように強い」「斑木が神の子なら泰金は神そのもの」と評されるほどの超天才だった。しかし天才過ぎたせいで、将棋への執念や覚悟が育ちきる前に三段リーグという魔境に放り込まれてしまい、真面目過ぎたせいで自分の覚悟に疑問を持ち、歌川が三段リーグに入った頃には抜け殻になっており、稀代の天才と呼ばれていた姿は既になかった。
 かやね荘の主としての役割に目覚めてからは笑顔が戻ったが、それから泰金の将棋はただ強いだけの腑抜けになり、魂の抜けていく姿が許せない歌川はかやね荘を去っていった。
 そして将棋とまっすぐ向き合えないまま歳を重ねていったが、三段リーグでは万年3位にとどまり、フリークラス入りしないまま他のプロ候補を10年近く潰していった。三段リーグの年齢制限である26歳が迫っているのにプロ入りを全く焦っている様子がないのもこれが理由である。

 三段リーグを突破できず駒音ノイローゼになった泰金は、駒音を無くすために「普通の子でもいい」とリクエストを出し、その結果来たのが信歩だった。
 信歩のトラウマ克服のために将棋を教えたが、そのせいで才能が覚醒。楽しいだけではいずれ絶望すると知っている泰金は、プロを諦めさせるために「東京で一番になっておいで」と曖昧な指名を下す。
 同時に、駒音を消すために様々な細工に精を出し、何が凄いのか分からない蒼馬の3七角を凄い手だと断言する、住民がゲロを吐いていようが放置、かやね荘では基本的に棋譜並べしかしない、都大会前日に信歩を誘ったのを見た住人に「指すのを久しぶりに見た」と発言される、しかもこの対局を開戦前に中断する、などの行為を行っている。
 しかしどんどん強くなる信歩を見て心変わりし、都大会の結果は団体準優勝、個人戦不参加という結果を見て「頑張ることに意味がある」と説教し、プロとのコネがない信歩のために勝手に事務手続きを済ませてしまった。

 なお、かやね荘で全く将棋が指されないことから、アンチスレでは「泰金は精神異常者で、将棋ごっこをしながらシェアハウス住人に介護されている」という説が序盤から提唱されていたが、弁解オフラインによって正しかったことが証明された。

 二年後は六段になっており、順位戦B2、棋竜戦は4組で、タイトル挑戦者になっている。忙しくて共同生活が難しいのでかやね荘を去っているが、定期的に訪問しては将棋を指している。
 「二年後」の具体的な時期は不明だが、大半のキャラが半袖を着ていることから平成30年の夏頃と予想されている。しかし順位戦は4月スタートなので、泰金はC1が限界のはずである。

県銀雅 (あがた・ぎんが) 通称 黒いの
「コーヒー買ってくる」

10月10日生、24歳。身長183cm、体重75kg。好きなものは寿司、日本酒(辛口)、ウイスキー(スコッチ)。趣味はコーヒー(好きなものとは違う)、チェス(将棋仲間と指す)。

 かやね荘の住人その2。名前に「銀」の文字がある。三段。周囲に興味を持たない。フルネームはコミックス1巻で判明。
 見た目はクールなアニキだが、実は登場機会の少なさの割に上位レベルのクズ。周囲に興味が無いはずなのに、玄関前で構ってアピールしている信歩に押される形で、マンツーマンの秘密指導を行った。しかも香月との事前約束をすっぽかしており、約束を破ったことを追及された際には「悪い」の一言で流している。
 その結果、香月は事前調整が上手く行かず、奨励会の対局で負けてしまい、シェアハウスで悔しゲロを吐いてしまう。しかし銀雅はその現場を見ていながら、後悔や詫びを入れるそぶりすら見せなかった。
 また、かやね荘の打ち上げで寿司屋に行くきっかけを作ったり、頻繁に缶コーヒーを買いに行くなど、無駄な出費に大きく関わっている。
 泰金と一緒に出かけることが多いので、外出中の介護は彼が担当しているようである。

 二年後は五段になっており、比古川オープンで九段を二人破って優勝している。忙しくて共同生活が難しいのでかやね荘を去っているが、定期的に訪問しては将棋を指している。かやね荘が平成30年に新入居者を募集していることから、プロ入りしたのは平成30年と思われる。

弥代桂司 (やしろ・けいし) 通称 チャラ男・タレ目・棒銀
「素直に棒銀かぁ~ッ」

2月3日生、16歳。身長172cm、体重58kg。好きなものは肉、アメリカのお菓子(アイス、チョコ、グミ)。嫌いなものは魚、ガム(食えないから)。趣味はゲーセン(プライズ、体感系)、フットサル(地元の友達と集まる)。

 かやね荘の住人その3。名前に「桂」の文字がある。初段。コミュ障の信歩にも気さくに話しかける親しみやすい青年。成香のモノマネが持ちネタの巨乳フェチ。フルネームはコミックス1巻で判明。
 信歩が来る前から理不尽な目にあうことが多かったせいか、信歩を含めたかやね荘住人がどんなに無礼な態度を取っても明るく振る舞える強さを持つ。
 かやね荘では「将棋で負けた奴が家事をやる」というルールがあり、実質的に最弱の桂司が全ての家事を担当している。信歩が来てからは信歩が家事担当になると思いきや、信歩の家事能力が壊滅的なので桂司が後始末をするハメになっており、状況が悪化している。
 信歩が入居してからは率先して応援団になっている。かやね荘の全体レベルを落とし、家事担当から逃れるためとも、信歩の後始末はどうせ自分がするので、少しでもご機嫌取りをして負担を減らすためとも言われているが、日頃からクズ共の被害を受けている桂司の些細な抵抗を、誰が責められようか。
 将棋の研究はサボりがち、センスで指しているらしいが、マトモな盤面描写が一度もないので詳細は不明。実の兄である歌川が弟をかやね荘に放置している理由も不明だったが、こちらは単行本5巻の歌川のプロフィールで一言だけ補完されている。
 面倒見の良さが評価されたのか、二年後はかやね荘のリーダーになっており、泰金のお古と思われる半纏を着ている。

櫻井香月 (さくらい・かづき) 通称 ヘッドフォン・鎖骨・ゲロ・ゲロ男・ゲロ月
「もう将棋しかないんだよ!!負けたら人間でいられないんだ!」

9月23日生、16歳。身長158cm、体重45kg。好きなものは魚(生以外)、キシリトールガム、健康食品。嫌いなものは肉、高カロリー食品。趣味は音楽(ジャンルはひみつ)

 かやね荘の住人その4。名前に「香」の文字がある。初段。鎖骨フェチのドS。かやね荘では唯一スリッパを使っている。フルネームはコミックス1巻で判明。
 「一人くらい主人公様に歯向かう奴がいるだろう」という発想から生まれたキャラ。しかし主人公ageしか考えていない作者がマトモに描けるはずもなく、僅か11話で理由もなく信者に成り下がった。
 奨励会の対局で負ける度に家で悔しゲロをするほど精神が弱く、その後の掃除は桂司に押し付ける一方で、誰かが共有スペースを汚した場合は桂司に八つ当たりをするなど、性格が全く統一されていない。しかしクズにならないと生き残れない環境で身につけた生き方を誰が責められようか。
 中性的で整った顔立ちのため女性説がささやかれているが、2話で「女々しい」と言われたり、番外編では女性のサービスシーンのような描写があり、最終回では男装女子と思われる会話のやりとりがあるが、作者は気分で設定をコロコロ変えるので、真相は最後まで不明である。

風丘みなと (かざおか・みなと) 通称 痴女・露出狂・みなとょ・とょ・ょ
「みなとょ」

8月1日生、15歳。身長161cm、体重49kg。好きなものは辛いもの・甘いもの(味が強ければいい)カロリーフレンド(最近)、嫌いなものはカフェごはん、趣味は銭湯(家ではシャワー) 。
3サイズはB86(アンダー65)/W58/H87。ブラはE65、なければD70か、E70でホックを一つ内側に。パッドが大きめならF65。

 かやね荘の住人その5で唯一の女性。名前に「と」の文字がある。1級。信歩と同じ高校に通う同級生。フルネームはコミックス1巻で判明。
 ツンデレ、赤髪、ツインテール、巨乳、タンクトップ、ブラチラ、ホットパンツ等々、エロ要素のテンプレを詰め合わせたようなキャラ。かやね荘ではすぐに脱いで下着姿になる、パンツのタグを毎回はみ出させる、いつの間にか信歩に好意を持っているなど、オタクが好みそうな設定も網羅している。さらに番外編では毎回どこかしらで脱いだり、肌の露出が多い服を着る露骨さが功を奏し、ファンの感想が「みなとかわいい」だけで埋まる程度には評価を得ている。しかし、腕の曲がりがおかしかったり、お腹の位置が分からなくなったりと、体のデッサンは崩れまくり。
 少なくとも中学時代からかやね荘に住んでいるが、ちょっと嫌なことがあるとすぐに暴力で解決しようとする。箸の持ち方も酷いので、かやね荘では甘やかされているようである。信歩がすぐにかやね荘に馴染めたのも、これらの行為や体のバランスを指摘する人がいない甘さ故だろう。単行本では乳首を解禁し、全裸で教祖の上に跨るという暴挙に出た。

 「と金」は「歩」の成駒であり、「歩」とは表裏一体の存在。よって、本作でも主人公の専属キャバ嬢を務め、信歩に色々と世話を焼く。指摘内容が奨励会員とは思えないものばかりだが、気にしてはいけない。カロリーフレンドが信歩の好物なのも気にしてはいけない。
 「女を捨ててるから勝てるなど言われたくない。言い訳したくない」という理由で、例会の日は毎朝2時間かけて化粧をしている。コミックス1巻のプロフィールによると、厚着が嫌いで外行き以外では布面積が少ない。外面維持のため美容には気を使っている。「美少女すぎる棋士の裏の顔」というイメージ。

 二年後には作中で女性初の三段リーグ入りが決まり、信歩の前でだけ脱がなくなった。ただし信歩への暴力を行うようになっている。また5巻のおまけ漫画では信歩に突然キスをするなど、キャバ嬢としてのランクを着実にアップさせている。
 ところで、作者は過去に「ToLOVEるを読んでいたら虐められる」と発言しているが、この作品は子供に読ませて大丈夫なのだろうか。

奨励会員と受験者

藤川竜胆 (ふじかわ・りんどう) 通称 いちごパンツ・イチパン
「頭 っかしーのかてめェ」

4月19日生、初登場時で15歳。身長173cm、体重69kg。好きなものはハンバーグ、オムライス、コーラ。嫌いなものは味噌汁、ピーマン。趣味は特に無し!!

 信歩と同じ高校の同級生で藤川元名人の孫。名前に「竜」の文字がある。名人の孫で奨励会員にも一目置かれる存在だが、蒼馬と信歩に出会ってしまったせいで、人生が大きく狂った悲劇の男。
 ひょんなことから蒼馬と将棋友達になり、「藤川杯を取ったら奨励会に入る」と宣言していたが、藤川杯決勝で、蒼馬がずっと手抜きをしていたことを悟る。これを機に本気の蒼馬と対局するのが目標になり、部活の大会なら本気で戦うはずだという結論に辿り着き、祖父のコネで校長に便宜をはかってもらい将棋部を立ち上げ、1人で活動するようになる。その執念は尋常ではなく、将棋部に籠っては延々と同じ棋譜並べており、この棋譜を何枚もバインダーに挟んで朝から晩まで持ち歩いており、あっという間に「バインダーを手放さない男」と噂になっていた(後述の通り、信歩に出会ってからあっという間にバインダーを手放し、以降この設定は無かったことになる)。
 入学直後、信歩に棋譜を全部ふっとばされ、更にズボンをずり降ろされて、いちご柄のトランクスを晒されるという形で出会ってしまう。そしてこの時から、作品のあらゆる歪みを全て背負わされてしまうことになる。
 信歩が棋譜を全部回収しても「いらねーって全部覚えてるから」と受け取りを拒否する。信歩に対して「俺は遊びじゃねぇんだ」「勝つか死ぬかなんだよ」という威勢のいい言葉を吐くが、手を抜いている桂司には気づいても怒らず、自らも手を抜いて指している。そして一匹狼を気取りながら、信歩と十歩の初心者同士の対局を見るために現場へ走って駆けつけたり、自分はもちろん信歩にも意味のない特訓に付き合う保護者っぷり。また、何の約束もしていないのに蒼馬が学生大会の個人戦に出てくると思い込んでいたり、団体戦では舐めプされる可能性を考えない頭の悪さなど、例を上げればキリがない。
 ちなみに、竜胆の回想は作中で何度も出てくるが、重要な部分の描写が毎回変わっているので、記憶能力に異常があるのではと推測されている。
二年後は二段になっているが、黒星一つの差で王四郎より昇段が遅れたことを根に持っている。髪は違う色に染めなおしたようだが、何色なのかさっぱり分からない。

斑木王四郎 (まだらき・おうしろう) 通称 運命論者・オッドアイ
「間に合う運命だったという事なので、感謝の気持ち自体は全然ないんですけど」

3月7日、14歳。身長165cm、体重45kg。趣味は宇宙関連(天体観測、プラネタリウム)、苦手なものは色のあるもの。

 平成28年度の奨励会試験受験者。四兄弟の四男。一億人に一人と言われる病気持ちで視力が悪く、右目は全く見えない。
 長年の入院生活で学校に行けず、目に悪いからと真っ白な部屋に隔離され、テレビやゲームも禁止されていたため、何が起きても「そういう運命だった」と認識する運命論者になった。
 兄たちが暇つぶしにと病室に置いていった将棋盤に触れたことで才能が開花。その結果、奨励会で期待の星と呼ばれていた兄3人は王四郎の将棋を見て心が折れ、仕方なく東大に行って医者や弁護士にならざるを得なかった。
 勝負所になると左目を手で塞ぎ、右目を開けて考察するクセがある。

 病弱のはずだが、真夏の朝6時から4時間歩き続けても倒れない底なしの体力と気力を持っており、その直後に行われた奨励会1次試験初日の3局を全勝で乗り切っている。きっと絶望しきった兄3人からの嫌がらせに耐え切った効果なのだろう。
 ちなみに、医者は「一億人に一人と言われる難病」と発言しているが、病気の珍しさと治療の難易度は比例しない。

単行本5巻のプロフィールにて、眼が疲れるという理由から(身の回りのものを)真っ白で揃えていることが判明したが、実際には白が一番目に悪い。
作者によると、王四郎が信歩を引っ張る存在となり、最終的には打ち負かされる展開を書きたかったようだが、「諸事情により登場直後に打ち切りが決まリ、伏線が全く回収出来なかった悲運の子」と後書きで述べている。

二年後は二段になっており、将棋会館の会議室と思われる場所で元気に将棋を指している。

青山 (あおやま)
平成28年度8月時点での三段リーグ1位。名前以外の情報は不明。
ニ年後は誰も話題にしていないので、プロではまだ実績を残せていないようである。

城嶋 (じょうじま)
平成28年度から三段リーグ入り。しかし最終決戦前で同率2位の成績を残しており、大森からは怪物と評されている。
対局中にかやね荘の連中に乱入されても心を崩さない、タフな精神を持っている。

立花明日美 (たちばな・あすみ) 通称 ボクっ子、腹黒、ランドセル
「へへ・・・さっきの見てたよ。おんぶのお兄ちゃん!」
信歩と同時期の奨励会試験受験者。勝つためには手段を選ばず、あらゆる煽りで盤外戦術を仕掛けてくる。
盤外戦術は口撃がメインだが、8月下旬なのに長袖を着ている、しかし信歩の手を握った時だけ半袖になる、夏休み中なのにランドセルを背負っているなど外見でも仕掛けている。
信歩に盤外戦術を仕掛けた彼が洗脳されないはずもなく、奨励会試験2日目には信歩の対局結果に注目し、1次試験通過者が発表される直前には信歩を励まし、信歩が合格した時は一緒に喜ぶなどしている。
五所川原とは相性が悪く、奨励会1次試験日時点での戦績は0勝3敗。
二年後は信歩の推薦で、かやね荘の新入居者に選ばれた。そして見学中、女性モノの服を好む男だと判明した。

五所川原満 (ごしょがわらみつる) 通称 ミッチー、四字熟語
「寂然静虚・・・対局前は静かに。集中したいので」
信歩と同時期の奨励会試験受験者。高梨八段門下。見た目がお坊ちゃまで、台詞に四字熟語を混ぜている。
おそらく試験結果で「この発表おかしくないですか?」「前代未聞」と言わせるためだけに生まれたキャラクター。
二年後は信歩の推薦で、かやね荘の新入居者に選ばれた。しかし、適性テストと称してパンツ一丁で現れたみなとを見て鼻血を出し、そのまま逃げ出した。

??? () 通称 ???
「やったっ♪」
奨励会試験での信歩の初戦相手。いつも通りの負け役のモブメガネと思いきや、居飛車穴熊で信歩をコテンパンにした。
事実、試験の結果も5勝1敗の成績上位者であり、中々の実力者だったようで、
負けた信歩も「こんな小さな子が、都大会で戦った誰よりも強く感じる」と感想を漏らした。
おそらく名前は望月稔。


左沢 (あてらさわ) 通称
 小鳥遊の弟子。三頭身。有段者。師匠を「元真剣師なので人を見る目がある」と評したり、「でもいいジンクスもあるんだ。今一番ノッてる若手の歌川七段みたいに、ウチからプロになった人は必ず大成してる」と発言し、信歩を後押しするのが仕事。
??? (???) 通称 ノッポ
 小鳥遊の弟子。ヒョロガリ。有段者。「小鳥遊門下のジンクスを信じている」「師匠が小鳥遊でなかったら将棋をやめていた」など、信歩を後押しするのが仕事。二年後、結局どちらもプロにはなれなかった模様。


プロ棋士

将棋連盟会長 通称 会長
 名前等は不明だが存在する。真剣師時代の小鳥遊に勝利し、プロの道に誘った。
 作品世界でのモラルを観察する限り、相当の無能だと推測される。

小鳥遊阿門 (たかなし・あもん) 通称 師匠・マフィア
「将棋連盟所属プロ棋士 小鳥遊阿門七段、信歩君の師匠です」

8月20日生、43歳。身長184cm、体重79kg。好きなものはおもちゃ、ゲーム、(金を賭けない)賭け事。苦手なものは辛いもの。趣味はぬいぐるみ鑑賞、ゲーム。

 元・真剣師。現会長に負けたことで真剣師をやめ、37歳でプロ棋士になった。自称 七段。将棋は愛で指す力戦派らしいが、意味は不明。
 一期のみだが順位戦A級に在籍しており、タイトル戦に何度も登場するなど第一線で活躍していたが、自分ではタイトルを取れないと早々に判断して一線を退き、現在は「デカい賭け」と称して後進育成に力を入れている。
 作者が過剰な愛を注いでいるキャラの一人で、ぬいぐるみやゲーム好きという設定、弟子にひたすら甘いシーンなど、作者の願望が丸出しである。
 信歩のこともほぼ無条件で気に入っており、どんなに無礼なことをしても一切怒らない。事務員の手違いが判明した際には高梨に「真面目過ぎるから言葉には気をつけろ」「本人に悪気はない」など過剰なフォローを送り、信歩の父親説得軍団に混じった際は「必要経費は全て自分が出す」と発言。信歩が奨励会1次試験をお情けで突破しただけで50年もののワインを開けようとしていた。

 単行本プロフィールよると、「こんな愉快な師匠がいいな」と作者の理想を詰め込み、ふわっとだが複数のモデルがいるキャラなので、コケるわけにはいかないと力が入ったらしい。その結果、本誌では大好評だったらしいが、十歩、岬の時も同じことを言っていたので、いつもの妄言だろう。
モデルはおそらく花村元司九段。真剣師でプロに編入、A級在籍経験はあるがタイトルはとっていない、弟子の面倒見の良さなどが共通している。ただし花村は60歳でA級返り咲きを果たすなど、晩年まで強い実力を見せていた。

 本紙連載時は七段を自称しており、巻末コメントでもミスに触れないので左沢の発言と矛盾していたが、単行本でようやく八段に修正された。ただしプロフィールで「(本誌で七段と記載されましたがA級在籍経験があるので、誤りです。)」と弁解オフラインもセットで。
 また、年齢も明らかになったが、2010年に真剣師からプロになるという作者の時代感覚のズレ(真剣師の活動が見られるのは1990年代までで、それも最後の方は表立ったアマチュア大会での活躍(小池重明など)で注目される存在だった。柴田ヨクサル『ハチワンダイバー』のような、独自の設定があれば別だが、もちろん本作ではそうした解説はない)、プロ入りから最大でも6年で順位戦A級まで上がるほどの才能を持っているのに、早々に身を引いて前進白髪になるほどの精神の弱さ、弟子を取るのは一線を退くと決めてからなので、歌川を弟子にしてから最大でも2年程度しか経っていない、なのに桂司からは「奨励会員の墓場」と呼ばれる、歌川の設定が壊れることで岬の設定も同時に壊れる、などの矛盾を生み出した。
 43歳にしたのは、信歩パパが小鳥遊を壮年と呼んだことへの弁解オフラインだと言われている。
パパの台詞を中年に変更しなかったかは不明だが、作者は気に入らないキャラをコテンパンにしないと気が済まない性格なので、「気に入らないキャラ」の像を壊せなかったのだろう。そのせいで他の設定が大量に崩壊しようとも。


歌川雪之丞 (うたがわ・ゆきのじょう)通称 ゴエモン

10月10日生、26歳。身長194cm、体重90kg。好きなものはファッション。苦手なものはダサいもの、わさび(ダサくはない)。

 若くしてタイトルに挑戦する有望棋士。小鳥遊門下初のプロ棋士になった七段。扇子に「美」と揮毫する。父もプロ棋士で、弟の桂司は何らかの理由で別れた母に引き取られた。
 少年時代に奨励会同期の泰金と共にかやね荘を立ち上げるが、腑抜けていく泰金に耐え切れずかやね荘を去っていった過去を持つ。彼も泰金と同じく中学生で三段になっているが、三段になったのは泰金より遅い。
 小鳥遊門下でプロになった棋士は必ず大成すると言われており、彼もそれを体現している。しかし、彼が五段時代にタイトル戦で行った潔い投了は、岬が歪んだ将棋を指すきっかけとなってしまい、駒音ノイローゼに陥った泰金には”七段でタイトル初挑戦”したと誤認するなど、彼自体に非がなくとも彼の影響を受けた人物は不幸になってしまうようである。泰金がきっかけで弟弟子となった信歩も、将棋の才能開花と引き換えに日常生活能力が壊滅的になっている。
 身長が194cmとかなり高いが、マスコミ取材を受けてる時は身長が高く感じられないので、歌川の周囲にいる人物は身長が急激に伸びてしまうようだ。また体重が90kgと非常に重いことから、格闘家並みの筋肉を持っていることが察せられる。
 ゴエモンの由来は、「カミドリ」の主人公・五衛門と見た目が被っていることから。恐らくは十歩同様リテイクだろう。
 二年後は作中で15年ぶりの新名人となっている。

高梨 (たかなし)通称 イギリス
 八段。本来なら信歩の師匠になるはずだった人物。人格者のようで、かやね荘住人からも慕われている。
 小鳥遊とも交流があり、「あの人の所も面白い」と評している。弟子の五所川原は平成28年度の奨励会入会試験を受けている。
 信歩の師匠探しの際に、当初の約束を反故にし小鳥遊の元に戻りたいという要望を受け入れた。しかしこれは、小鳥遊の弟子になりたい信歩と、信歩を弟子にしたくない高梨の利害が一致した結果という疑惑もある。
 通称の由来は、小鳥遊が彼をイギリスと呼んでいることから。


大森  通称 もったいないおじさん
「合格としました」
奨励会幹事で、平成28年度奨励会試験の責任者。外見はメガネに白髪で優しそうな印象を受ける老人だが、常に下の歯が見えるくらい豪快な喋り方をする。もしかしたらアゴが外れて戻らないのかもしれない。
奨励会幹事になって長いせいか「5勝以上にのみ負けた3勝の11名を救済する」というトンデモ救済策を認めさせる影響力を持ってしまっている。既に有段者レベルの王四郎に負けた受験生だけを救済するならともかく、他の受験生も救済したのは、明らかに信歩を合格させるための権力乱用である。
また、王四郎と信歩を1次試験の時点で「なんとなく分かる。新しい風を呼ぶ子は」と評したり、三段リーグの対局に乱入しようとする連中を堂々と見逃すなど、あっさりと教祖の支配下に置かれてしまったと思われる描写がいくつかある。
歌川にはかやね荘の連中を贔屓するよう頼まれていることからも、悪い意味で業界に顔が利くようだ。
二年後も奨励会の幹事を続けている様子。

佐野 (さの)通称 佐野六段
 六段。本作で初めて登場したプロ棋士。対局中に相手を睨みつける盤外戦術の使い手。その姿は十歩が将棋を指すきっかけとなった。ある意味、十歩編における諸悪の根源。
 デザイナーの佐野研二郎氏との関連は不明。

藤川雁龍 (ふじかわ・がんりゅう)通称
 物故棋士。竜胆の祖父。竜胆曰く、伝説の名人で生涯現役を貫いた勝負師。
 孫に一度も将棋を教えなかったからか、竜胆はプロにもならず寄り道して舐めプを繰り返す小者に育ってしまった。
 一方、王四郎のことは「神の子」と評しているが、ずっと入院していた彼の将棋をどこで見学したのだろうか。

将棋部


百合峰蒼馬 (ゆりみね・あおば)通称 ソーマ
「プロにはなりません 将棋は遊びなので」

6月16日生、16歳。身長179cm、体重68kg。好きなものは菓子パン。苦手なものは騒がしい場所。趣味は竜胆との将棋、散歩、犬と遊ぶ。

 将和高校1年生。名前に「馬」の文字がある。12話の煽り曰く「竜胆の未来を閉ざした男」。
 竜胆の家に逃げた動物を追いかけたのを機に将棋と出会い、ほぼ独学で学びながら竜胆と将棋を指すようになる。ある日、竜胆に勝てる手を見つけてしまうが、勝ったら将棋を指してもらえないと判断し、以降舐めプで指すようになる。そして藤川杯の決勝、竜胆はプロになるからもう指せなくなる、ならば負かしてもいいと判断して全力で指した結果、竜胆に大きなトラウマを植え付けた。
 ちなみに、蒼馬は竜胆を「数年間スランプで成長が止まっていた」と評価しているが、原因は蒼馬の舐めプだと予想されている。

 単行本プロフィールでは「学校編のボスとして信歩と戦う予定だったが、竜胆含め色々考えた結果、上手くいかずボツにした。初登場は強そうに出てこれたと思ったので惜しかった」と述べられている。
 なお信歩との関係は、駒師の店で少し指したこと、竜胆の友達というだけである。

相良十歩 (さがら・じっぽ) 通称 ジッポ・漏斗・taspo
「あっ、モブA発見!Aボタン!Aボタン!」

3月21日生、15歳。身長159cm、体重42kg。好きなものはゲーム、エナジードリンク。嫌いなものは学校、先生、素で話すこと、口の中がパサパサになるもの。趣味はRPGなど対戦要素のないゲーム、ネットサーフィン。

 信歩が初めて参加した大会で登場した高校生プロゲーマー。名前に「歩」の文字がある。
 単行本2巻のプロフィールによると、元々は没になったネームの主人公で、十歩を主人公に10本以上書いたが全部ボツになっている。そのため作者にしては珍しい、主人公以外でageが目立つキャラとなっている。作者は「流用できる機会があってよかった」とコメントしているが、本作でも初登場次点では信歩に次ぐレベルのクズだったので、全ボツくらった理由は何も学習していないようだ。

 様々なゲームをすぐに廃れさせることから「コンテンツ殺し」の異名を持つ。漏斗型思考(ファンネルマインダー)の持ち主で、将棋歴1ヶ月で初参加した大会では、大会優勝候補の有名アマを、スマホを含めた四面指しで撃破という離れ技を見せた。
 しかし、2回戦で信歩と対局してからは信者となり、プロゲーマーを引退。連絡先を交換して信歩と毎日ネット将棋、信歩から連絡がないと自分が悪いと思い込む、宿なしとなった信歩を自宅に案内する、信歩のために大量の資料をプリントアウトする、夕食に頼んだピザを食べずに信歩が帰ってもラブコールを送るなど、かなりの重症である。
要するに、精神不安定な自己愛性人格障害キャラなのである。「強い奴に会いたい」はともかく、「自分の姿を見て欲しい」「遊び相手が欲しい」という願望は、明らかに十歩の行動が原因である。自分が相手を見ようとしていないのに、相手が自分を見てくれるわけがないと気づくのはいつになるだろうか。
この手の「ネットで叩かれる自分が可哀想」という自己愛性は誰かさんを彷彿させるが気のせいだろうか。

※作者が十歩に愛を注いだ結果
+ ...
 ・プロゲーマーなのにコンテンツ殺し
 ・初対面の信歩をモブ呼ばわりして話しかけてくる。
 ・2015年の作品で台詞がドラクエのコマンド風。
 ・「将棋大会を荒らしてみる」というタイトルで生放送を行うが、相手の撮影許可を得ていない。
 ・大会運営は「取材許可みたのは貰っている」「盛り上がるなら良いんじゃない?」とスルー。
 ・対局中のスマホは、カンニングは認められなかったので失格にならず、口頭注意のみ。
 ・コロコロとゲームタイトルを変えるので全然稼いでいない。
 ・ファンネルマインダーは、盤面を幅広く使えると言うだけ。こんなの誰でもやっている。
 ・ゲーム大会の優勝インタビューで「ゲームは1日20時間」と回答。
 ・観客がゲーム画面を見て盛り上がっていても、生放送で視聴者がたくさんコメントを残してくれても、「誰もオレを見ていない」と思い込む。
 ・将棋を始めたきっかけは、次にやるゲームに悩んでいた時に、テレビでプロ棋士が相手を睨んでいる姿を見て、自分を見てくれると思ったから。
 ・将棋歴10日の信歩を「自分と対等に遊んでくれる強敵」と勝手に期待しておきながら、悪手を一手指されただけで失望し、将棋に見切りをつけようとする。
 ・信歩との対局中評価を「スライム」「倒されるだけの道中のモンスター」「勇者」「ザコモブ」など頻繁に変えているが、基本的に見下している。
 ・信歩に勝利後、勝手に満足して大会を棄権。もっと強い奴に会えるチャンスを自ら放棄する。
 ・都大会では詰まされても投了せず、机を叩きつけて無言で逃走して試合放棄。
 ・都大会決勝では「信歩は弱点攻めなどという効率のいい攻めはしない」と謎のage評価。
 ・信歩に追いつかせるためだけに、大会優勝で奨励会1級に編入できるトンデモ大会で優勝させる。もちろん、現実にそんなものは無い。現実には、特定のアマチュア大会で全国優勝 or 準優勝すると奨励会初段編入試験の受験資格が得られる。編入試験合格という形にしなかったのは、初段編入させると1級の信歩より格上になるので作者に許されなかったのだろう。


岬真悟 (みさき・しんご) 通称 扇子・岬さぁん
「君とは美しい将棋が指せそうだ」

9月3日生、17歳。身長169cm、体重52kg。棋士のおやつタイムに憧れ和菓子を買うものの本当はショートケーキが好き。趣味はプロ棋戦の観戦、棋譜集め、棋士グッズ収集(歌川先生中心)。

 都大会で優勝候補と評されている駒江第一高校の部長。読者からは沙田美月や九条昴と外見が被ると言われている。
将棋を始めたきっかけは、テレビ対局で早投げした歌川五段(当時)の「これ以上粘っても悪あがきにしかならない」発言をカッコイイと思ったから。そして「序盤だろうと劣勢になったら潔く投了する」という歪んだ美学を持つようになり、「序盤から優勢を維持したまま勝ち切る逃げ馬タイプと評される」ようになる。また、後輩にも将棋の美学を押し付けている。
 外見から入るタイプのようで、将棋を始めてすぐに高価な扇子を買ってもらうくらいの愛着を持っており、例え両手があり得ない曲がり方をしていようと、扇子を持つのをやめない。また、自分の美学が原因でチームを敗退に追い込んでからは、序中盤を徹底的に鍛え、1年間で一度も劣勢になったことがないと評されている。
 ただし私生活での美意識は低く、読者が気づかないうちに半袖と長袖を瞬時に切り替えたり、「将棋」を「将期」と間違えたり、部室で全身モザイクがかかるような変態行為を行ったりしている。と思いきやコミックス3巻で、岬の袖が突然変わっているのは「ジュースをこぼしたから」、将期は「バカだから」で修正されなかったのに対し、信歩が突然ネクタイをつけていたのはしれっと修正されている。しかし、岬がジュースを飲んでいたシーンはおろか持っていたシーンすら見当たらず、更に信歩が間接キスをした際に「この辺に自販機はない」という説明があるので、どちらにせよ彼は具現化系能力者だということが判明した。
 二年後も服の袖を一瞬で変えるスキルは健在。


士彰人 (つかさ・あきひと) 通称
「自分なりに潔い投了です」

6月30日生、16歳。身長183cm、体重71kg。好きなものはサンドウィッチ、実は嫌いなものは運動。

 駒江第一高校の副将。フルネームはコミックス3巻で判明。高校で将棋をやるつもりはなかったが、岬に釣られる形で続行している。
 コミックス3巻のプロフィールによると、(昨年の)東京都の新人戦で優勝している。また、「背が高いので運動部にめっちゃ勧誘されるが、運動神経が悪いのでクールに断り続けている」らしい。


仙國元春 (せんごく・もとはる) 通称 ドラゴン・ウンコマン・ウンコ部長・ウンコ
「では私が間違っていると?」

1月8日生、17歳。身長175cm、体重80kg。好きなものは将棋一筋。苦手なものはわさび。趣味は金魚の飼育。

 昭和高校将棋部部長。堅苦しい口調と老け顔が特徴。昨年の都大会個人戦覇者。
 奨励会の入会試験に落ちたことで将棋を嫌いになりかけたが、嫌いになりたくない一心からお山の大将を目指す。そのために蒼馬に土下座して将棋部に勧誘し、周囲からは「勝つのだけが目的って感じ」「将棋が好きとかじゃなさそう」と言われるが、団体戦で全国優勝することが己の使命と信じ、雑魚狩りを繰り返すことで自己満足を満たす高校生活を送っている。
 奨励会を目指す人物にはコンプレックスを丸出しにしており、決勝直前にトイレで信歩と遭遇した際には嫌味を飛ばすが、普段は正論を言わない信歩にすら正論を返されて逆ギレした。もちろん、決勝戦はで信歩の才能にビビった。
 奨励会の入会試験を受けられる程度の実力を持っているはずだが、信歩の地下鉄飛車が完成するまで気づかない、穴熊の端攻めをされて過剰に驚く、信歩が端に戦力を足したら「あくまで端を突破する気か」と反応する、自分を追い詰めた信歩が3勝3敗のお情けで1次試験を突破しているなど、実力に疑問がある。

 初登場は12話だが、本名が判明したのは都大会決勝が始まる27話。また、準決勝終了まで信歩との絡みが全く無かったため、決勝直前のトイレでいきなり邂逅して、インスタント因縁をつけて立ち去った。
 通称ドラゴンの由来は、卓球漫画ピンポンに登場するドラゴンこと風間竜一に特徴、立ち位置が似ていることから(中身が似ているわけではない)。渾名のほうはトイレで凄く失礼な挨拶をしたことから。

 単行本プロフィールによると、「『信歩も天才である』というのは一見テーマに反するようで、しかし奨励会に行くために書かなければいけないことだと思っていた。信歩が主人公たりえるには普通の天才とどう違うのかを書かなければならず、複雑な話になった。上手く書けなくてごめん、部長。」


オールラウンダーくん
「一年生であの実力。他の戦法は犠牲にしたに違いない」
 都大会2回戦での信歩の対戦相手。みなとには「相手に合わせて指し手を変えるオールラウンダー」と評されていた。
 信歩の一回戦の棋譜を見ただけで、矢倉しか指せないと見ぬく能力を持っている。しかし、3人制の大会に2人で出場すれば1敗も出来ないのに信歩を「捨ての大将」だと思い込む、頭脳スポーツで年齢と実力は比例しないと気づいてない、「常識的にあり得ないからこそ、振り飛車側にとっても経験の少ない戦い」という理由で相手の守りを全く崩せず自滅するなど、わずか1話で決着が着くまでに何度もツッコミを提供してくれた。
そのためオールラウンダー(笑)とも言われる。おそらく信歩の棋譜から感じ取った「圧」にやられて、即座に脳味噌が壊れてしまったのだろう。

その他

三上浩輔 (みかみ・こうすけ) 通称 大学生・番大君
「感謝してほしいね、将棋っていう社会の厳しさを教えてやったんだから」
 7話の「公民館とはいえ結構大きめの大会」において、信歩が1回戦で当たった相手。ネット将棋では味わえない快感を求めて参加する。
 時計を自分の利き手側に置いたり、定跡を外して指すことで信歩を少しずつ追い詰めていくが、突如冷静になった信歩に詰みを発見され、敗北した。
 嫌味な小者として書かれているが、「大きめの大会」に参加しながら対局マナーを知らない信歩にも非はあるので、結果的に「口こそ悪いがマナーを教えてくれる親切な人」になっている。
 名前の「番大君」の由来は前作「クロガネ」の登場人物、城礼高校の番田君に顔つきや役回りが似ており、彼を大学生にしたようなキャラクターであるため。
 ただし、番田君は弱者がルール内で知恵を絞って強者に勝つことを至上の目的としていたのに対し、こちらは弱者が負けるのを間近で見たいから、と番田君ほどの気高さはない模様。

清水
 公民館の大会の1回戦で、四面指しの十歩に負けた参加者。有名アマも参加している状況で優勝候補と言われていたので、作中キャラの強さの指標になるかと思われたが、池沢理論の前では無意味だった。

ヤニ川 (やにかわ) 通称 事務員
 将棋連盟の事務員。小鳥遊と高梨の勘違いを引き起こした元凶。
 その抜けっぷりは左沢や小鳥遊でも知っているほど。

じいさん (じいさん) 通称 公民館のじじい
「・・・対局中は静かにしてろ、ボーズ」
 7話の「公民館とはいえ結構大きめの大会」に登場した公民館に棲むじいさん。
 仕事一筋で会社を支え、四十年間社会の荒波に揉まれながら生きてきた。
 信歩たちの言う「社会の厳しさ」など彼に言わせれば鼻で笑う程度の事だろう。
 定年退職後の余生は公民館での将棋に費やしており、現役時代を合わせればその将棋歴はおそらく20年以上。
 アマチュアでありながらもその実力は計り知れない。
 信歩と大学生との対局の中盤で劣勢な状況の信歩が勝つことをすでに見抜いていた。


女生徒 (じょせいと) 通称
 信歩のクラスメイト。6話で信歩をカラオケに誘ったが断られた。
 彼女の素っ気なさから考えて、誘ったのは社交辞令だろう。
 描いたのはたぶんアシスタント。


能塚 (のづか) 通称 隣の席の子、十歩ファン
 信歩の隣に座っているクラスメイト。初めて名前が判明した時は「のうつか」とルビが振られていた。単行本4巻のキャラ紹介では「野塚さん」と書かれている。5巻ではキャラ紹介を使いまわしているので一切の出番が無いのに載っており、誤字もそのままである。
 十歩のファンであり、「荒らしてみる」配信で信歩と十歩の対局を観戦。翌日、学校で信歩に「かっこよかったよ」とエールを送った。
 次に登場したのは都大会編の会場。この大会に十歩が参加することは信歩すら知らなかったし、彼女が将棋に興味を持っている様子もなかったのだが、ファンの予知能力恐るべし。しかし、十歩ではなく信歩の対局を観戦し、みなとに解説を求めていた。池沢先生的には上記の「かっこよかったよ」のシーンで信歩にべたぼれしていていることになっており、生で観戦しに来たのだろう。信歩のファンでも無いのに何故来たのだろうか。また、仮に十歩の対局を見に来たとすると、十歩の試合が行われている場所に案内しない信歩とみなとのクズさ加減が浮き彫りとなる。
 突如登場したキャラだが作画に気合が入っており、前作「クロガネ」のヒロインBBP白鳥乙鳥を彷彿させるような作者のフェチを体現したキャラデザである。番外編は水着で巨乳もアピールしている。
 よって、主人公専用のキャバ嬢2号となり、信歩を巡ってみなとと争う展開になるのは明らかだと思われていた。しかし、都大会編終了直後に打ち切りが告知され、彼女の出番も同時に終了した。

信歩の父親 (しのぶのちちおや) 通称 信歩パパ
 本名不明。
 作中では珍しい、正論のほうが多いキャラ。都合の悪い話を一切聞かないクズ息子を未だに見限っていないのは、愛情からなのか義務感からなのか。何にせよ色々と複雑な家庭環境のようである。
 奨励会入会試験を受けたいと相談に来た信歩と家族会議中、冷静に信歩を観察したうえで自分の意見を述べ、その評価が不満で乱入してきた不審者達にもお咎め無しで対処し、淡々と論破していく様子は、池沢漫画にあるまじき真っ当な展開であった。同時に今の信歩を取り巻く環境の歪さを浮き彫りにした。
 だがイケザワールドの法則に抗えるはずもなく、小鳥遊には「話を聞かないガキ」とまで呼ばれ、最終的には「信歩が沢山の仲間を得ている」ことを理由に突如陥落した。
 しかしこの人物、他のキャラに比べてリアリティがありその主張も矛盾がなく整合性が整っている事から、作者が生み出したとはキャラとはとても考えにくく、もしかしたら作者の父親がモデルになっているのではないか?という説が浮かび上がった。
 それどころか、作者が親に言われた事をそのまま書いているんじゃないか?という疑惑も生じた。


信歩の母親 (しのぶのははおや) 通称 信歩ママ
 故人。信歩に「まっすぐ生きなさい」と遺言を遺した張本人。子供は己の才能で他人の存在を否定する人物になっているが、希望通りに成長したのだろうか。
 なお、作中に出てきた写真を見る限り、信歩の容姿は母親似である模様。


池沢春人 (いけざわ・はると) 通称 池沢君
ものの歩の作者にして真の主人公。コミックの後書きやルポ漫画で現れては、作中のミスの弁解に明け暮れている。


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最終更新:2018年11月03日 00:52
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