(中学3年生の2月中旬)
佐々木(僕はキョンとは違う高校を受験し、進学する。
そう、つまりこのバレンタインが、学校でキョンにチョコを手渡せる最後の機会!
彼の性質を考えた場合、ただ渡しても友情の証だとみなす可能性が非常に高い。
ここは綿密なリサーチで、彼の好みのチョコを選択し、僕の想いを誤解なく表現せねばならない)
佐々木「そーゆーわけで、妹くん。特に深い意味はないのだが、キョンは、どんな甘いもの、
特定する意味は全然ないけど、どんなチョコレートが好きか、なんてことを教えてもらえないだろうか」
妹「えー、キョンくん甘いものそんなに好きじゃないよー。虫歯になりやすいから、
じゅけんまえに虫歯になるとイヤだから、って、チョコとか最近食べないようにしてるみたいだよー」
佐々木「そ、そうなのか! しまった。私の受験が楽勝だから眼中になかったけど、
キョンも私も受験を控えた身。そこで嫌いなチョコなど持っていったら、
”うわついている”なんて思われて却って好感度ダウンかもしれない?」
妹「佐々木ちゃん、思ってること、全部口にでてるよー」
佐々木「くっ、非常に残念だが仕方ない。バレンタインデイ作戦は中止する他あるまい。
ここは”バレンタインにも浮かれないまじめな佐々木”をアピールすることにしよう。
ありがとう妹くん!」
(バレンタイン当日)
妹「キョンくーん、はい、バレンタインのチョコぉ。ほら、みよちゃんも照れないでわたそー」
ミヨキチ「お、お兄さん、はい、コレ……」
キョン「お、わざわざ有難うな二人とも。ははっ、しかし受験前とは言え、
もらえるのが妹とその友人からの義理チョコだけってのもさびしい話だなまったく」
妹「学校ではもらえなかったの? ダメだねえキョン君は」
キョン「ああ、まったくだな。はは」
妹(みよちゃん、応援してるからね)
ミヨキチ(う、うん)
受験後、「妹とその友人くらいからしかチョコもらえなかった」ことを聞いた佐々木が、
五寸釘とわら人形を持って深夜に徘徊する姿が見られたとか見られなかったとか。
佐々木「うわーん、妹くんのバカー!!」
最終更新:2013年03月03日 01:27