31-306「闇鍋」

「さて皆、用意は良いかな?」
「だし汁もとったし大丈夫なのです」
「電気消すよ」
「――――真っ暗―――」
「闇鍋だからね。見えたらつまらないだろう」
「材料はもう入れていいのか?」
「もういいと思うよ」
「いつごろ食べれるんだ?」
「ある程度煮込んでからだね。はしゃぎすぎじゃないかポンジー」
「べ、別にはしゃいでなんかないからな」
~数分後~
「じゃあ私から取りますね…ん?取りづらいですね。それに重い…」
「熱っ、熱い!佐々木の家か?部屋にいたはずなんだが…」
「キョ、キョ、キョンさんじゃないですか!何で鍋の中に?
というより入れたの誰ですか!?」
「橘さん、なんで君がとるのかな?キョンを食べていいのは僕だけだろう
せっかく神の力を使ってキョンを部屋から引っ張り出せるようにしたのに…」
「佐々木さん、そんなことに力を使わないでください」
「やぁキョン。『水も滴るいい男』とはこのことだね
ところで来て早々なんだが君は僕と橘さんのどっちに食べられたい?」
「謹んで辞退する」
「ほう、君は食べられるより食べるほうが好みと……ずいぶん積極的だね
僕はどちらでも構わないけれど?キョンは攻めっと」メモメモ
「誰もそんなことは言ってない。服がびしょ濡れなんだが着替えはあるか?」
「え?キョン、君は女装趣味があったのかい!?カミングアウトは慎重にしないと大変だよ
僕らだからいいものの……ちょっと待ってね」
「佐々木の服じゃない」
「――乾かす?――――」
「そうしてくれ。風邪を引きそうだ」


「何してたんだ?」
「闇鍋さ。キョンも参加するかい?」
「あの…佐々木さん?私の食べるものは…」
「食べられる人が拒否したので橘さんは一回目はなしだね」
「そんな……」
「じゃあ次は僕だな。もうオチはひいたから大丈夫だろ…
なんだこれ?昆布じゃないし」
「――――長靴―――ゴムの―――」
「え?え?これ食べるのか?」
「引いたからには食べないといけないな」
「…………」
「アレハタベモノアレハタベモノアレハ・・・」
(なんか食べないほうが幸せな気がしてきたのです)
「さ、次は九曜さんだよ」
「――これは―――――から揚げ?―」
「まともな具だね。入れたのはポンジーだろうか?」
「―――から揚げだけに―――チキン――――――」
「九曜、トドメはまだ刺さないでやれ」
「ポンジーが不憫なのです」
「じゃあ次は僕だね。……橘さんこれは何?」
「え?恋文に決まってるじゃないですか。佐々木さんへの愛が詰まっているので
読むのもよし、飾るのもよし、食べてもいいですよ」
「皆、食べ物を入れろ!食べ物を!」
「佐々木さんだってキョンさんを入れたじゃないですか
あれは食べ物じゃないですよ」
「おい、本人を目の前にして『あれ』言うな」
「じゃあ僕が食べれることを証明すればいいわけだ。やってやろうじゃないか!」
「佐々木、落ち着け」
「キョン、大丈夫。僕は落ち着いているから…だからいただかせて」
  終

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最終更新:2008年03月27日 22:32
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