31-325「Yシャツを着た佐々木」

『Yシャツを着た佐々木』

「キョン、朝ご飯ができたよ」
「もう少し寝かせてくれよ」ムニャムニャ
「起きないと駄目だ」
体が優しくゆすられる。今日は妹のボディプレスは無しか?
「佐々木?佐々木か?なぜそこに?夢の続きか?」
「家族はみんな旅行だからよろしく、と君の御母堂様に頼まれたのたんじゃないか」

そうだった。しかし、俺と佐々木を信頼しているとは言え、若い男女が二人きりで寝泊まりするのはどうなんだ?うちの親は何を考えている?
とりあえず起きるか。ってお前何て格好しているんだ。


俺を起こしに来た佐々木の格好はYシャツ一枚だった。
上2つのボタンを止めてなく、Tシャツもブラも着けてないみたいだ。下は、まさか履いてないとかいうことは…?
「キョン、冷めない内に朝ご飯食べるよ。早く起きてくれ」
「いや、なに。軽く着替えるから出て行ってくれないか?」
今、佐々木の前で起きれない。理由は言いたくない

着替えて、トイレに行って素数を数えたら何とか治まった。

台所にて。佐々木は相変わらずYシャツ一枚だった。
「どうだい?僕の料理は?」
とてもおいしそうです。佐々木さんもおいしそう、って違うだろ
「手はちゃんと洗ったかい?これから食事をするよ」
「「いただきます」」

もしかしてYシャツの下にパンツ履いてない?まさか、そんなことは…

相変わらずそんな馬鹿なことを考えているのが佐々木にもわかったのだろう。佐々木は俺を疑わしそうに見つめた。
「キョン、今日は変だよ。もしかして僕の料理がまずいとか?」
「料理は最高だ。ただ、今まで勉強してこなかったけど、そろそろ始めないとやばいかなー、って思っただけだ。はははは」
俺の息子は自己主張しすぎなんだよ。全く
「それよりも、その格好は寒いだろ。何か着た方が良いぞ」
「なるほど、そういうことか。そうか。安心したよ。じゃスカート履いて来るよ」
佐々木は勝ち誇ったような目でジロジロと見つめた。
どう安心したのだ?履くのはスカートだけで、実はノーパン?バカバカ。ノーパンのわけないだろ。

その後、佐々木に毎日勉強を見てもらう約束をした。
興奮してたんだろうな、その他にもSOS団なんか辞めるとか、大学入ったら佐々木と結婚するとかいういい加減な約束をいろいろしてしまった。

あの約束無かったことに、なるわけないか。既に手付を貰っているからなー。
俺の人生は既にレールが敷かれた。残念ではあるが、そこそこ幸せな人生が約束されていることだけが救いだ。

(終わり)

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最終更新:2008年03月27日 22:32
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