31-391「鶴屋さんとの出会い」

「今日はっ。あなた佐々木ちゃんだっね」
ある日、知らない女の人に呼びかけられた。
「あなたは誰?」
「キョン君から聞いていたとうりだっね」
キョンの知り合い?長く美しい緑なす髪、ふくよかな胸。明るそうな性格。もしかしてキョンはこの人のことが好きなのだろうか?
「私は鶴屋さんだっよっ。キョンくんの先輩だっさ」
私は鶴屋さんの顔をまじまじと見つめた。こうして見るとますます鶴屋さんが美人であることを実感する。
「佐々木ちゃんのことはキョンくんからめがっさ聞いているよっ」


私と鶴屋さんはと、ある喫茶店で語り合うことになった。
喫茶店といいながら一流フランス料理の店のような雰囲気。もしかしてすごく高いのじゃないの?
「大丈夫、お金は鶴屋のお姉さんにまさせなさいっ」
「でも、こんな高そうなのを奢ってもらうのは……」
「心配いらないっさ。めがっさ任せるにょろ」


鶴屋さんは鶴屋財閥のお嬢さんだった。私達は共通の話題であるキョンのことを主に話した。
話が面白くて笑顔がかわいい素晴らしいお嬢さん。話を聞く限りではキョンに対して友達以上の感情を持ってないみたいだけど。
私がこんなに自分に正直になったのは初めてかもしれない。
「まったくキョンったら、私のことなんてどうでも良いのだわ。いつも涼宮さんと遊んでばかり……」
鶴屋さんはそれを聞いてケタケタ笑った
「……?」
「ハルにゃんの言ってることと全く同じだったから。ハルにゃんから見れば少年は佐々木ちゃんにぞっこんなんだねっ」
涼宮さんも同じ気持ちなの?ということは、今の私にもチャンスがある?でも……

「鶴屋さんはキョンのことを好きなのですか?」
「好きだよっ」
そう言って鶴屋は悪戯っぽくニヤリと笑った
「キョンのどこが好きなのですか?」
「鶴屋財閥の娘と知っていて普通に接してくれる所かなっ?」
「そうですか……」

気まずい沈黙の数分が過ぎる
「でも大丈夫だよっ。一樹くんはさらにめがっさ好きだから」
「一樹くん?」
「ハルにゃんやキョンくんと同じクラブの古泉一樹くんだよっ。すごくハンサムで頭も良くてめがっさ好みなんだよっ」
安堵する私。それが鶴屋さんにもわかったのだろうか
「安心した?でもハルにゃんは強敵だからめがっさ頑張るにょろ」

「今日は奢っていただいてありがとうございました。楽しかったです。また会えたら良いですね」
「佐々木ちゃんはハルにゃんに負けてないよっ。めがっさ頑張るにょろ。押しの一手だよっ」
「よろしかったら今度奢らせて下さい。庶民の行く店でよろしかったら」
「めがっさ楽しみだねっ。そうだ、今度からササッキーと呼んで良いかなっ?」
「はい、喜んで」
別れ際、そう言って鶴屋さんはまた笑った。運転手付き自家用車で帰る鶴屋さん、金持ちなことを実感する。


その晩のこと
「僕と君が同窓会の司会をやることになったんだ。打ち合わせをしたいから次の日曜日に来てくれ。忙しくて駄目かな?」
「いや、大丈夫だ。お前の家で良いか?」
「うん。待っている」

そして
「今晩は橘さん。頼みがあるのだが……」僕は北高に編入するよ

初めて自分に正直に、積極的になれた日のことだった。
(めがっさ終わり)

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最終更新:2008年03月27日 22:33
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