33-631「足がしびれた」

「どうした佐々木?」
「うん、ちょっと足がしびれてね。すっかり感覚がない」
「大丈夫か?」
「ほら、シャーペンで刺してもいたくない。不思議な体験だね、まるで他人の足のようだよ」
「立てないのか?しょうがないな、ほらよっ」
「わっ、やめてくれキョン。むりに立ちあがると、あっ、ああ…」
「今おまえすごい顔してるぞ」
「~~~~ッッ!!!」
「……」
「~~~~~~~~」
「……」
「~~~~~~~~……ふぅ、ああ、どうなるかと思った」
「……直ったか?」
「まだビリビリとしびれがあるよ。でも、ずいぶんラクになったようだ。おや、どうしたのだいキョン」
「…いや、佐々木にもこんなところがあるのかと思ってな。ちょっと意外だ」
「こんなとはどんなだい、キョン。僕だって足のひとつやふたつしびれることはあるさ。キョンはどうだい?」
「俺か?最近はないなぁ…」
「本当かい?」
「なんだよその目は?こんなことウソついてどうするんだよ」
「いや、前からちょっと聞いてみたいことがあったのを思い出したんだがね」
「足のしびれのことでか?変なやつだなおまえ」
「足がしびれたあと、感覚がもどってくるときの感覚は筆舌に尽くしがたいものがあるね、そう思わないか、キョン」
「ああ、あれはたまらんな。で?」
「くっくっ、たまらないかい。で、その、ええとだね、これは以前何かで読んだのだが、」
「うん」
「僕にはどうもわからないので、ぜひともキョンに聞いてみたかったんだがね、」
「なんだ、やけにもったいぶるな。佐々木にわからんことが俺にわかるのか」
「あの感覚は男性がのぼりつめたときの感覚に似ているそうなのだが、実際のところどうなんだい、キョン?」
「そうか?全然違うだろ。あれはむしろ……、ってオイ、なんてこと聞いてくるんだよ佐々木」
「むしろ何?じつに興味深いよ。キョン」

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最終更新:2008年06月18日 22:06
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