41-858「佐々木さんの休日」

あれはいつ位の事だったか、確かあれは中学を卒業してから高校に上がるまでの
新しい環境への期待と不安が入り乱れて俺の心を激しく揺さぶっていた時期だった
まあ少し修飾過多だが、それはそれとしてとりあえず俺は暇だったって事だ
毎日毎日学校が休みだからとはしゃぎまくる妹の相手も疲れたし
昼飯も食ったしもう一眠りしようかと思ったところに
ピロピロピロピロと携帯から電話が、俺は携帯を手に取り名前を確認
そして相手が佐々木だと分かるとすぐに通話を押した
「なんだ、佐々木かどうした?」
「や、やあキョン!」
何だ?佐々木にしてはやけにテンションが高い
「突然電話してすまない、キョンは今大丈夫かい?まさかいくら君でも今起きたなんて言わないでくれよ?くっくっ」
いつもの佐々木じゃないか大方佐々木が息を吐いた瞬間にでも俺が出ちまって
肺に空気が無い状態で無理やりひねり出したとかそんなんだろ
「ばか言え、いくら俺でも一時半には起きてるさ、今昼寝するきだったがな、それで何のようだ?」
「キョン・・・睡眠のとり過ぎは体には毒だよ・・・寝すぎると肩の筋肉が硬直してしまって
頭の皮膚が引っ張られて頭が痛くなるし、体のバランスを整えるホルモンの分泌がおかしくなったり
するのだよ・・・だから僕は一日あたり約8時間の睡眠をとる様に心がけている。君もそうしてみるといい」
「そうかい、長く寝るとなぜかいつも頭が痛いと思っていたらそういうことか・
‥佐々木はいつもいい話をしてくれるな・・・・ありがとう、それで用事は何だ?」
「そ、そんな!ありがとうなんて・・・・キョ・・キョン君のためなら私・・・・
‥‥あ、ああすまない、それで用事だったね、キョン、実はここにある人から譲り受けた2枚の某遊園地のチケットがあるんだが
実は有効期限が今日までなんだ、映画館や美術館なら一人でも行けるのだが・・・
さすがに遊園地に一人というのは流石の僕にも無理だ、捨てるのもくれた知人に悪いしね、
そこで君の出番と言うわけだよ!キョン!」
「それで?何で俺の出番なんだ?」
「!!!・・・落ち着け・・・落ち着け・・・キョンの鈍感さには慣れていたはずだ・・・・えーと・・
パターン1からパターン32へ・・・よし・・・・ぅんん!失礼、僕は君がここまで鈍かったとは
思わなかったよ、せっかく一様女性である僕が一緒に行かないかと誘っているのに・・・・」
「何だ遊園地に一緒に行きたかったのか?それならそうと早く言えばいいのに」
「!!!なっ!!何で君は人の話を聞かないんだ!!知人から貰ったチケットが2枚あるから
それで捨てるのも悪いし一人で行くのは、恥ずかしいからキョン君に一緒に来てほしいって
思ったの!!」
「何で君なんてつけてんだよ?普通にキョンでいいぜ?」
「!!!・・・・・・・落ち着け・・・・・・落ち着け・・・・と、とにかく今日は僕と一緒に遊園地に行ってもらえないかな?
そうしないと折角のチケットが無駄に地球温暖化に拍車をかける事になるが・・」
佐々木にしてはやけに落ち着きが無いなこいつはそんなに地球に気を配ってるのか
紙一枚でそんなに変わるとも思えないのだが・・・・今度ゴミの分別くらいはやってみよう
「ああ、今日は暇だし佐々木の頼みとあっちゃ断れないさ、それでいつどこに集まろうか?」
「・・・・・ありがとう・・・・キョン・・・・それで駅前に・・・そうだな今から30分後でどうだい?
ああ、後僕は・・・・その・・・す、少しばかりおめかしして行くから・・・わ、笑わないでくれよ?」
何だ佐々木のやつそんなに気合を入れて行くほど遊園地に行きたかったのか?
まあ俺だって一人で行けと言われたら断るさそれでも行きたかったら国木田辺りでも誘うと思うが
「笑わないさ、駅前に30分後だな?分かったじゃあ駅前で、じゃあな、」
10分後俺はついてきたがる妹をどうにか引っぺがして自転車に乗った
駅前まではそこまで遠くはないが途中で変わるのが遅いので有名な信号に引っかかってしまい
時間的にはギリギリだ、まぁそれでも5分前には着いたのだが
銀行の前に不法駐輪して駅前まで少し走る、少しばかり周りを見渡すと・・・・・一瞬・・・思考が止まった・・・
2分くらい固まっていただろうか、佐々木は俺のことを見つけると小走りで近寄って来て笑いかけた
「キョン!時間ちょうどにくるなんて君も女泣かせだね、これでも僕は五分前行動を心がけているから
少なくとも5分は待ったんだよ、それにここで2分ほど突っ立って何をしていたんだい?」
「・・・・・お前に・・・・・見とれてた・・・・」
「え!!!なっなっなにを??ぼ、僕に見とれただって??じょ、冗談はよしてくれ!!!」
「冗談じゃねぇ・・・凄く・・・綺麗だ・・」
「////////////////////・・・とぅ・・・・」
「今何つった?聞こえなかったんだが?」
「な、何でもない!それよりも早く遊園地に向かおう、時間は限られているからね!」
「あ、ああ」
‥‥‥そう・・・俺は佐々木に見とれちまった・・・・一瞬思考が止まっちまう位に・・・本当に心の底から綺麗だと思った
‥‥なぜかしらんが抱きしめてキスをしたくなった・・・しかも猛烈に・・その衝動を抑えるために
‥‥あそこで気を落ち着かせていた分けだが・・・・何でだろう・・・俺は佐々木が好きかもしれない・・・・
‥‥ちくしょうもう恥ずかしくて佐々木の顔見れねえよ!!
俺は妙に嬉しそうな佐々木の横に並ぶと開口一番こう告げた
「佐々木、俺お前のこと好きになっちまった」




~終わり~

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年10月07日 01:00
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。