15-105「かまってMY☆シスター ~兄さんどいて! フラグ潰せない!~」

「折角兄妹水入らずで昼食を摂っていると言うのに、割り込みをするなんて酷いんじゃないかな?
 え? そんなに兄妹でベタベタするのはおかしい? 残念ながらこんなのは序の口なんだよ。

 家では居間でテレビを見ているときは、僕の指定席は兄さんの膝の上でね。夜更けの長編映画を
 見るときなんかは僕は途中で寝てしまうんだけど、いつも兄さんが抱っこして部屋に連れて行って
 くれるんだ。夢うつつの状態で凄く心地良くてね。最近は部屋を出て行く前に何故かしばらく
 僕の髪を手で梳いてから出て行くんだけど、…ああ、別に嫌な訳じゃないから気にしなくていいよ、兄さん。

 今は一緒にお風呂に入ってくれないんだけど、僕が中学二年になるまでは一緒に入ってくれていてね。
 兄さんの背中は見た目よりも広くてガッシリしているんだ。所謂脱いだら凄いんです?系なのかな。
 そんな背中を流すときは結構大変で、洗い終わる頃には腕が上がらなくなってしまうんだよ。
 お返しに僕の頭と背中を流してくれたんだけど、何故か他の部分は洗ってくれなくてね。
 そういえばいつもマイタオルを腰に巻いていて、湯船にタオルを入れないでって何度言っても聞いて
 くれなかったっけ。全く、兄さんも変なところで頑固というか。

 ああ、それで一緒にお風呂に入ってくれなくなったきっかけだけど、あれは僕の女性の初めてが来たときからかな。
 幸い家にいたときに来たから大事にはならなかったんだけど、僕はつい動転してしまって、大声で兄さんに
 助けを求めてしまったんだ。結局何から何まで兄さんにしてもらって、…あれは僕にとっての人生の汚点だね。
 ん? いや、気が動転してしまった事の方だよ。あの時兄さんがいてくれなかったらどうなっていたか、
 考えるのも恐ろしい。お腹を撫でながら一緒に寝てくれたことも含めて、僕はこの感謝の気持ちを一生忘れないだろう。

 ああ、話が逸れてしまったようだ。家でのスキンシップといえば、さっきのテレビを見ているとき以外だと、
 部屋で漫画や雑誌を見ているときかな。兄さんはよく息抜きだと言って…僕に言わせれば息抜きの間に勉強をしている
 ようなものだけれど、ベッドに寝っころがって漫画を読んでいるとき、僕も一緒に部屋から持参した雑誌を
 読んでいるんだ。大体背中合わせだったり、どちらかが座ったりしているんだけど、少し肌寒い日なんかは兄さんの
 腕の中にすっぽりと包んでもらってね。僕としては凄く暖かいし、兄さんも、湯たんぽ代わりだ、なんて言っているから
 正にギブアンドテイク、光熱費も抑えられるし家族の絆も深まるとても素晴らしいことだと思わないかい?

 でも最近になって下の妹も妙に兄さんに引っ付いてくるから、中々スキンシップの時間が取れなくてね。
 そういえば、この所どうも僕の化粧品に興味があるらしくて、といっても大した物は持っていないけど、時々つけてあげると
 その度に兄さんに感想を聞きに行くんだ。兄さんも似合っているとしか言わないから、また僕に頼みに来るの繰り返しさ。
 そういえば僕が最初に化粧をしたときの兄さんの顔、今も覚えているよ。ああ、あの時写真に撮らなかったのが悔やまれる。
 …そういうわけで、家では妹に兄さんを取られている分、こうして学校で少しでも近くにいるようにしてるのさ。

 まあつまり、残念ながら兄さんの隣は譲れないんだよ。ご理解頂けたかな? 涼宮さん」


「いかんっ! 下がれ古泉!! 直ぐに第二波が来るぞ!!」
「新たな神人が出現! 20、30…、駄目です! 数が多すぎて捕捉しきれません!!」
「僕は、僕は死にません! ある晴れた日の帰り道、彼と二人で歩きながら『僕たち、友達だよね』と言うまでは!
 食らえっ! 愛と憎しみと哀しみのっ! シャイニングイツキスパイラルふんもっふおかわりっ!!!」
「こ…、古泉ーーーーーーーーー!!」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年07月22日 21:16
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。