15-417「佐々木さんの、姉ちゃんとしようよの巻」

佐々木さんの、姉ちゃんとしようよの巻

キョン「ただいまー」
佐々木「やあ、おかえり。遅かったねキョン。また涼宮さんにからまれていたのかい。くっくっ」
キョン「佐々木、また俺の部屋に勝手に入ってるし」
佐々木「毎回思うのだがね、その佐々木というのはやめないか。僕は君の唯一の、最愛の姉であるのだから、
     お姉様とか姉上とか、より相応しい呼び名があると思うんだ。もちろん、呼び捨てでもかまわないよ」
キョン「そうは言っても佐々木は佐々木だろう。他に呼べといわれても困る」
佐々木「む、まあト書きの関係上、僕も強くは出られないのだが」
キョン「ト書き?」
佐々木「気にしないでくれ。ちょっとだけメタな話題さ。くっくっ」
     そんなことより、数学の宿題が出ただろう。見てあげるから、さっさと片付けようじゃないか
     ずっと待っていたんだよ」
キョン「そもそも、佐々木が休み時間にずっとくっついてくるから、ハルヒが何故かイチャモンつけて、
     そのせいで遅くなったんだよ」
佐々木「姉弟として当然のスキンシップじゃないか。他人にとやかく言われることではないだろう?」
キョン「他の女子が近づいてくると、露骨に警戒するのもやめてほしいんだが」
佐々木「姉として当然の義務じゃないか? 君に悪い虫がつかないよう、僕がまず品定めしてあげているだけさ。
     まあ、涼宮さんたちが君に近づくのをゆるしているのは、彼女たちのバイタリティと傍若無人さに
     僕が敗北したのと、そうしないと世界と未来と自分の命が危ないと朝比奈さん他が泣いて頼み込んだせいだが」
キョン「おかげで全然女性と縁のない高校生活なんだが」
佐々木「くっくっ。それを本気でいうところ、我が弟ながら恐ろしいよキョン」
キョン「だいたい、学年は一緒なんだからそんなに姉貴風吹かせられても」
佐々木「確かに学年は一緒だが、僕が遅生まれ、君が早生まれで、11ヶ月の差があることは
     事実だろう。それとも何かね? 君は僕が姉でなかった方が、道ならぬ思いを成就できるから望ましい、
     とでも告白してくれるのかい?」
キョン「まあ少なくとも、帰って着替えるまもなく自分の部屋を占領されてる事態はないわな」
佐々木「ああ、着替えたかったのかい? 手伝おう。ほら、手を伸ばして」
キョン「やめろって。自分でできるから。何でそう何でもかんでも世話焼こうとするんだよ。
     ガキじゃないんだから」
    (佐々木さん一時退場)
佐々木「くっくっ、キョン。先ほどの勇ましいセリフは、せめて制服をきちんとしまってから言いたまえ。
     ほら、乱雑に脱いだものだから、皺になりかけてるじゃないか」
キョン「いや、いちいちたたまなくていいから」
佐々木「毎日毎日同じことをしているのに、なぜその度に気にするのかね、キョン。
     僕が好きでやっているのだから気にしないでいいのに。さ、それより宿題だ。ノートを出したまえ、キョン」
キョン「へいへい」
    (べんきょうちう)

キョン「あーわかんね。どうして姉弟で、こんなに頭のデキが違うかねえ」
佐々木「君の頭のデキは、僕に劣るものではない。ただ単に君のやる気の問題さ。
     僕はこういう授業が苦にならない。君はそれに没入するほどの魅力を感じない。
     それだけの差だよ」
キョン「そうはいっても、お前がクラスのトップ争いで、俺が谷口と最底辺争いってのは、
     正直めげる状況ではあるんだがね」
佐々木「大丈夫。僕がずーっとつきっきりで教えてあげるから。クラスが変わろうが、
     大学へ行こうが、就職しようが、姉弟という絆だけは変わらないからね。
     僕がずーっと面倒見てあげるから、まあ大船にのったつもりでいたまえよ、私のキョン」
キョン「なんかそれヒモ宣言みたいで凄くイヤだぞ」
佐々木「くっくっ。文句があるなら僕より先に産まれることだね。姉としての権限で、君の訴えは却下させてもらうよ」

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最終更新:2007年07月26日 23:04
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