71-87『お弁当』

不思議探索。ハルヒは皆が作ったお弁当に不思議があるかも知れない、と佐々木を含めて呼び出した。
性格を除けば、パーフェクトなハルヒ。お弁当は素晴らしい味だった。
俺は普通の弁当だ。まぁハルヒ達と佐々木の弁当は違うがな。
「あんた、佐々木さんの弁当だけ違うのね。」
「ああ。シーフードパスタを中心にしている。」
「まるで、あんたの部屋の匂いね。」
「さも来た事があるかのように言うな、馬鹿。」

やれやれ。変わらず浮気だとは見せつけてくれる。
「佐々木さんのお弁当も、彼のだけ変わっていますね。お粥ですか。」
古泉くんが声をかけてきた。
「ああ。でんぷん質は、唾液と混じった際に甘味を感じるからね。」
「そうですか。」
古泉くんは疑惑の視線だ。匂いを嗅ごうとしてきたので、慌てて引き離した。ネタをばらされても敵わない。それに顔が近いんだよ、気持ち悪い。
キョンが鬼の表情を向けているが、知った事でないね。浮気の罰さ。
お弁当を皆でつつく。

「うん、美味しい。」
佐々木はシーフードパスタを美味そうに食べている。……苦労したんだぜ?シーフードパスタの上にかけるソース。

「旨い。」
キョンはお粥を美味しそうに食べている。……苦労したんだよ?お粥にかけるタレ。

「(こ、古泉くん……)」
「(ええ……)」
シーフードパスタから、伝聞に聞くアレのような匂いがし、お粥のタレは無色透明だが、磯臭い。
「(まさかとは思うけど……あれって……アレ?)」
「(ぼ、僕にも何分経験がありませんで……。ただ、確かにシーフードパスタは匂いが似ています。)」
「(み、みくるちゃん?!)」
「(あ、あのタレは、アレっぽい匂いです!ふ、ふええ!)」

しかし上手いものだね。イカを磨り潰して、ペースト状にしたのか。多少イカ臭いけど、そこは後程に指摘するか。

何かやると思っていたが、佐々木はうま味調味料を薄く使い、無色透明なタレを作ってきた。多少磯臭いのは、昆布からだろう。発想の勝利だな。

「分けて欲しい。」
有希が二人に声をかける。だ、ダメよ!あれは二人の……。有希が佐々木さんからパスタを、キョンからお粥を貰う。
「……パスタは、バジルなどの香草を効かすといい。烏賊のペーストソースの匂いに対し、全体的に香りが弱い。」
「成程。」
……え?
「お粥は、胡麻などをアクセントにするといい。無色透明な出汁は面白いが、そのままでは平坦すぎる。」
「ふむ。改善の余地があるか。」
…………はあぁあぁああああ?!

不機嫌になったハルヒに、何故か俺が徹底的にやられ、古泉、朝比奈さんにもやられた。
大規模な閉鎖空間が起き、古泉が悪戦苦闘。朝比奈さんが団室で虚ろな瞳で鍋を空炊きしていたのは、また別の話だ。

「……俺が何をしたというんだ。」
「日頃の行い。」
「日常じゃないか。」
「……ユニーク。」

END
ヤンデレ弁当、勘違い篇w

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最終更新:2013年06月02日 03:51
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