21-808「紙をめぐる戦い」

人生何が起こるか分からないと言うけれど、今日のようなことは二度と起こらないで欲しい・・・
その日、俺は自分の家で佐々木と勉強していた。ホントそれだけで終わればいいのに
何で複雑になっていくんだ?皆少し自重しろ・・・・・・

   ~数時間前~
「佐々木、さすがに休憩しないか?集中するのはいいが昼飯を食わんとやってられん。」
「キョン、一日位食べなくても平気さ。むしろ始めてすぐに寝る君と勉強することが
やってられないと思うが・・・まぁ昼ならせっかくだ、僕が作ってあげよう。」
「いや気にしないでくれ佐々木。カップめんでも作るから。せっかくお前が集中しているのに
邪魔はできないしな。」
「あー!急にお腹が空いてきたな!キョンの言うとおりだ。昼は抜いちゃいけないよ、うん。だから…」
「そうか、ちょっと待ってくれ。今からお前の分のカップめんも探すから・・・」
「ちょっ、いいかいキョン聞いてくれ、カップめんは体に悪いんだ。僕が自分の分も作るついでに
キョンの分も作ろうと思う。いいね!」
「痛い、痛い。分かった、分かったから肩を握っている手をどけてくれ。冷蔵庫のを勝手に使っていいから。」
そこまで言うと佐々木は部屋から出て行った。まったく今のあいつの気迫はすごかったな。
あんなに必死な佐々木は初めてみた。どうしてああなったのか分かる奴は俺に教えてくれないか?
しかし佐々木の飯か…食べても大丈夫だろうか?え~と胃薬、胃薬っと ガサゴソ
ピンポ~ン おや、宅急便かな?珍しい。ちょっと見てくるか・・・
「は~い。ちょっと待ってください。」
「キョン!SOS団の活動が休みだからって休むなんていい度胸じゃないの。」
バタン ガチャリ 俺は何も見ちゃいない、とくにSOS団のメンバーだけは…
「キョン、誰か来たのかい?」
「いや、よくある勧誘ってやつだ。気にするな、佐々木。」
「そうか、じゃあもうすぐできるから楽しみにしていてくれ。」バタバタ
カチャリ キィイイ
「へぇ、佐々木さん来てるんだ。それは活動に参加できないわよねぇ、キョン。」
「そもそも今日は休みだからどうしようと勝手だろうとか、何で他の奴は知ってるのかとか
聞きたいこと山ほどがあるが、まずどうやって開けた?」
お前が俺の家の合鍵を持っているなら一大事だ。長門に変えてもらおうか…
「有希が鍵は開けられるらしいから開けてもらったの。ホントに有希は何でもできるわね。」
ナニヲシテイルンデスカ長門さん?ピッキングは犯罪ですよ?
「……家の中から私のブラックリストに入っている声を確認…危険度AAAと断定……シカタナイ。」
最後棒読みだろ。ブラックリストって何だ?
「ところで私たちは今まで歩いて疲れているので上がらせて欲しいのですが…。」
お前は黙ってろ。このナンチャッテ超能力者。その涼しい顔のどこに汗なんて掻いてるんだ?お前は。
「確かに今日も暑いですよね。彼岸は過ぎたのに…。」
そうですよね、朝比奈さん。どうぞどうぞあなただけは入ってください。
クーラーぐらいあなたのためならいくらでも付けますよ。
「キョ~ン、昼ご飯できたy……チッ
「佐々木さん、こんにちは。今家に上がろうとしていたの。」
「……そうですか。今から私たちは
  二人っきり 
で昼ご飯なのでキョンの部屋で待っていてください。」
「……二人でご飯は寂しいわよね。私たちも是非ご一緒させてください。」
いやお前ら人の家を何で自分の家のように振舞っているんだ?別に俺はかまわないが…
あーそういや結局胃薬見つからなかったな……
「ハルヒ、居間は向こうだ……って走らなくてもいいぞ、長門!」
危険って言ってたけど俺の居間になんかいるのか?ハルヒの前で宇宙人とは闘いたくないなぁ…
しかし俺らが居間に着いたとき見たものは佐々木の作った昼飯をものすごい勢いで食べる長門の姿だった。
ええい、TFEIの胃袋は化け物かっ!佐々木の分くらいは残しとけよ……
「……殲滅完了。」
「ナイス!良くやったわ、有希!」
「あぁああ。僕がキョンに…(アイジョウ)…こめて作った料理が…。」
「おい、長門。佐々木の沈んだ顔を見ろ。どーすんだ?あいつも腹が減ってたんだぞ。」
「……うかつ。」プィ
「ちょ、ちゃんと目を見て話しなさい!」
「キョン、食べ物ぐらい買ってきたから大丈夫よ。気が利く副団長に感謝しなさい。」
「サポートはばっちりですから安心してください。」
こうなる前にサポートしろよ。
「フフフフ、ハハハハハハ。涼宮さん、せいぜい今は勝ち誇っているがいいさ。」
「なんですって!。」
「おい、古泉。佐々木が空腹で壊れたがサポートできないか?」
「空腹のせいじゃないと断言できますが無理ですね。」
「役立たずな機関だな。」
「いえ、あなたがちょっとでも乙女心が分かれば早いのですが…。」
すまんが俺には乙女心はさっぱりわからん。
「ふぇぇ、衛生兵はどこですかぁ?」
朝比奈さんには悪いんですがちょっと今は黙っていて欲しい。
「キョン、僕がどうして一年間君との連絡なしで平気でいられたかわかるかい」
「ん?そりゃいつでも会えるからじゃないか?」
「ハハッ、キョン君は実に馬鹿だなぁ。僕がこんな長い間、会わずに普通平気なわけないじゃないか。
気づいてくれてるかと思ったけど鈍感な君には無理だったようだね。理由はこれさ」
「それは俺の中三のときのノート!?何でお前が持ってんだ?」
どうりでないと思った。いや、なくても平気だけどな、どうせ捨てるだけだし…
「これでこの一年君の筆跡を練習したんだ。いや、これがなかなか難しい。
君の字はいつも見ていたが書くとなるとね。くっくっ、でももう僕は二種類の筆跡が使える」
お前、去年暇だったんだな。やっぱ連絡ぐらいすればよかったかな?
「まさか、佐々木さんあなた……
「さすが、涼宮さんは感づいたようだ。そのとおり婚姻届を書いたんだよ、ほら」
そこには確かに婚姻届と書かれた一枚の紙が……うわ~マジで似てるよ、見分けつかねぇ
「料理の途中で妹さんに家の判子を貸してくれないかと言ったら快く貸してくれたよ。
後は二年後に役所に届けるだけだ。どうだい涼宮さん?君が現状に満足している間、
僕は必死に努力したんだ!」
「努力のベクトル違うぞ!佐々木!」
「アーアー聞こえなーい」
「SOS団!あいつに判子を押させるなぁっ!」
「いーや、限界だ。押すね」
ポンッ
「来る日も来る日もフラクラばかりの人生。でも今日でそれは終わり!これで僕がキョンの嫁だ!」
「……あの判子と文字の情報解除の許可を申請する。ムシロアノオンナヲ・・・」
長門さん!佐々木はバックアップじゃないですよ?落ち着いてください!
「長門さん、それは無理よ。もしもの事を考えて一度書いたら消せないよう九曜さんに頼んだから」
「……ならその上書きをするだけ…ワタシノナマエニ…」
「??なんか良くわからないけど、とりあえず破けばいいのよね?」
「お前らこの家が俺の家ということ忘れてるだろ!!」
十数分後、家の居間が半壊になっていた。今日親いなくてホントよかった。
乱闘をやめたらもっといいのに……片付け親が帰るまでに終わるかなぁ
         バターン
「みんなのアイドル、ポンジーイエロー!」
「百合っ子疑惑の、ツインホワイト!」
「──いろいろ──不服の────コンブブラック──」
「「「佐々木団、参・上!」」」
「私たちが来たからには悪事はそこまでなのです。四対一とは卑怯ですよ」
……うっわ、またややこしいのが来たよ。しかしこの藤原ノリノリだな。目が輝いてやがる
「橘さんっ来たなら早く助けて」
ちょ、八人で乱闘はやめて欲しい。でも暴れている朝比奈さんの上半身を見ると
正直いろいろともてあmガハッ椅子が三つも飛んできやがった…
「何いやらしい目つきで見てんのよ!このエロキョン!!」
「…………………最悪………」
「キョン!君が僕と紙の上で交わした誓いは嘘なのかい?」
それはお前の嘘だろうと小一時間ほど…ん?
「佐々木、その紙はどこだ?」
「え、あれっ?ない!ない!ない!橘さんたちが持ってるのかい?」
「いいえ、持ってないですよ?佐々木さんじゃないんですか?」
「ということは…でかしたわね!で?誰が持ってるの?」
「………ない…」
あれ?じゃあ誰が持ってんだ?
「キョ~ンく~ん」
「こ、こんにちは。お兄さん」
「ああ、君か。ごめんな、今家が散らかってるんだ。あとお前はいろいろ話すことがある」
「ん~なに?」
……まぁこんな無邪気な子供に言っても理解できないよな
「いやなんでもない。ところでなんか用か?ここにいると危険だぞ」
「シャミの絵が上手に描けたの。見て見て」
そこにあったのは我が妹にしては良くできた絵と絵を描かれた婚姻届だった
佐々木が言うには一度書いたら消せないらしいからこりゃ使い物にならないな
「あれ、どうしてかな?前がかすんで見える。キョン、この家は雨漏れでもしてるんじゃないか?
だって僕の顔…濡れてるよ?」ウワーン
佐々木が泣いているのを見るのは初めてだ…じゃなくてどうしよう?俺謝ったほうがいいのか?
「キョン!何私以外の女の子無断で泣かしてんのよ!」
「いやいやお前も原因の一つだろう!」
「分かってるわよ!私も悪ふざけが過ぎたからキョンが罰として佐々木さんを家まで
送りなさい!これは団長命令だからね!」
誰がこの惨状を元通りにするんだ?メチャクチャだぞ
「……私が直す。コンブブラックと」
まぁこいつらがやれば一分かからないだろう。長門さんその名前はやめたほうがいいですよ?
後ろの方が恐ろしいことになってるから
「じゃあ有希たち二人は残るとしてみんな帰るわよ」
「ふんっ、決着も付けないまま帰るのか?」
「そんなに決着が付けたいなら僕の家でどうです?一対一の勝負ですよ」
「一対一、お前分かってるな。で、何の勝負だ?」
「行けば分かります。新しい世界に目覚めるとだけ行っておきましょうか」
そして俺らは解散した。藤原、お前の無事を祈ってるぜ
「僕の…グスッ…僕の婚姻届が…ウッ…この一年の…ズズッ…苦労が…」
「佐々木、妹にはよく言っておくからそろそろ泣き止んでくれ」
「じゃあ僕をもらっt「だが断る」
・・・・・・
「どうやったら僕を嫁にしてくれるんだい?」
「んーお前の努力しだいだ」
ガシャン
「これは何だ?佐々木?」
「キョン、君が今言ったじゃないか。僕の努力しだいって」
「たしかに言ったがそれとこの手錠にどんな関係が?」
「これから君が結婚できる年になるまで僕の部屋に監禁するよ。
大丈夫、ばれないように努力するから。たとえばれてもこの手錠が
ある限り離れることはないから安心してくれたまえ。家の中では勉強も
寝るときもちょっと恥ずかしいがお風呂も一緒だ。くっくっ、
涼宮さんや長門さんには決して負けない自信があるよ。キョン、僕の
愛を受け取ってくれ!」ハァハァ
「だからベクトル違う!つーか反省してないだろ、お前!」
「アーアー聞こえなーい」
その後俺はマジで監禁されそうになった。あいつ目が据わってたぜ…ガクガクブルブル
俺がどうやって逃げたかは詳しくは語らない
まぁあいつを立てないようにしたとだけ言っておこう
やっぱりこれ責任取らなきゃいけないよなぁ

そのころのSOS団団長…
「これがキョンの中学のときのノート…今年は文字の練習ね」 (終)

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「[[21-923「紙をめぐる(ミヨキチの)戦い」]]」に続く?

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最終更新:2011年10月18日 18:54
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