22-814「バレンタインにはチョコはあげない」

『バレンタインにはチョコはあげない』

「キョン、バレンタインだが、チョコはあげないことにしたよ。大体現代人は菓子の食べすぎだ。
僕はチョコの代わりに自作の弁当をごちそうするよ。」
「俺はどちらでも良いが、義理チョコはどうする。」
「それは考えてなかった。あげるべきかな?」
「少なくとも国木田と、あと○○と△△にはあげるべきだな。おい、国木田。かくかくじかじかだが、お前は何が欲しい。」
「僕もキョンと同じ弁当が良いよ。」

僕はバレンタインの義理チョコの代わりに、キョンの彼女の佐々木さんの弁当を食べることになった。○○と△△も同じだった。
佐々木さんのお弁当は薄味で野菜が多く、健康に配慮したものであり、それでいて素材の味を生かした素晴らしいものだった。
料理の素材の一つ一つにキョンへの愛が感じられ。
(キョンの奴幸せ者だなー)
(僕もそう思うよ)
二人を見ていると妬けてくるな。もしかして僕は佐々木さんが好きなのかな?それともキョンを取られたからかな?
その日、キョンの家に何人かの女の子がチョコを届けに行ったが、その全てがキョンの知らないうちに妹さんの胃袋に入った。
去年もその前も同じことが起きたらしいが。
誰もそのことをキョンには言わなかった。佐々木さんが可哀相だから。かな?

バレンタインから数日後
「キョンに僕の料理は味が薄いとまた言われてしまったよ。
まったく……キョンの体のことを思って僕は薄味にしてあげているのに……
まず塩分の過剰摂取はだね――」
「でも、僕は……好きだな。佐々木さんの料理。
優しい味だよ?」                        (813さんありがとう)
キョンも実は佐々木さんの料理を褒めていたことは内緒にした。
僕が私立の進学校に行かなかったのは、もしかしたら佐々木さんをこれ以上好きになるのが怖かったのかもしれない。
だって、親友の彼女だもの。
今は少し後悔している。涼宮さんといっしょにいるキョンを見る度。
もし、佐々木さんと同じ高校に行けば、どうなっていただろうか。
(終わり)

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最終更新:2013年03月03日 01:29
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