23-194「九曜VS八面六臂:恋愛編」

涼宮さんのSOS団、僕達の佐々木団、古泉君の機関の人々と朝倉さん、喜緑さんで遠足に行きました。
秋晴れの素晴らしい日曜日のこと。

「ふー、もう駄目」
「朝比奈さん、大丈夫ですか?」
「キョン君おんぶしてー」
何?!!!ビキビキビキビキビキビキ
その場の女性の半数が、その一言で切れかかった。
(この刺すような視線。恐いよー、未来に帰りたいよー)
「朝比奈さんは限界だ、ここらで休憩すべきだと思うが」
「僕もここで休むべきだと思います。山登りのペースは一番体力の無い者に合わせるのが鉄則ですし。」
「わかったわよ。皆ここで休憩」

「何で涼宮さんが仕切っているの?何様のつもり?」ヒソヒソ
「エミリお姉さま。落ち着いて。私達は本来余所者ですし、このくらいの扱い当たり前です。」ヒソヒソ
「意外と我慢強いのね」ヒソヒソ
「そうでなきゃ委員長なんてやってませんよ。」ヒソヒソ

(ひょっとして、キョンはみくるちゃんをよくおんぶしているとか?ということは、ちょくちょく2人で会って、そして、、、)ビキビキビキ

「おい、古泉、朝比奈は排除した方が良いのでは」ヒソヒソ
「手荒なことは止めて下さいよ。折角の美人が台無しですよ。森さん」ヒソヒソ

「佐々木さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫、神人は出さないよ」
「佐々木顔色が悪いぞ。大丈夫か」
「いつものことだよ。それとも君がおぶってくれるかい?僕たちの荷物は九曜さんが何とかしてくれるよ。」
「冗談言えるなら、まだ大丈夫だな。」

(あ、今度は佐々木さんと。キョンの浮気者)ビキビキ
「おい、古泉、奴はいつもこうなのか?本当に自覚してないのかよ」ヒソヒソ
「そうなのです」

「そろそろ出発するわよ。」
「すいません。まだ歩けないです。えーん、睨まないで下さい。」
しばらく考えていた涼宮さんだったが
「しょうがないわね。古泉君、みくるちゃんをおんぶしなさい。」
「了解しました。団長」
「えーと、はい。よろしくお願いして良いですか?」
「そして、この荷物はキョン、あんたが全て持ちなさい。」
「ちょっと待て、俺一人でかよ」
「みくるちゃんをおんぶする古泉君の身になりなさい。みくるちゃんが軽いといっても40キロはあるのよ。」
「朝比奈さんと古泉の荷物は良いとして、何でお前と長門の荷物まで持たないといけないんだ。」
「うるさい、罰よ罰」
「罰って、俺が何をしたんだよ。」オレモ、アサヒナサンノホウガ、ヨイノダガ
「みくるちゃん、それじゃだめ。体の力を抜いて胸を押し付けないと古泉君が疲れるじゃないの。
古泉くん、大変だから後からゆっくり来たら良いわよ。遅れても怒らないわよ。先にご飯食べているかもしれないけど。」
「キョーン、早く来なさい。」
「そんなに元気なら自分の荷物くらい自分で持ったらどうだ。」
「重そうだな。君自身のリュックを僕が持ってあげようか。」
「え?良いのか?」
「遠慮することないよ、親友じゃないか」
「すまん、恩に着る。」
(また佐々木さんと)ビキビキ
(しまった、その手は私が使うべきだった。迂闊)
「佐々木さん。これはキョンへの罰なのよ。勝手に甘やかせないでよ。」
「でも、キョン自身の荷物を誰が持っても自由じゃないの?」
「だったら、あたしが持つわよ。」
「いえいえ、団長はいろいろ大変だから無理しないで。それに、そう思うのだったら自分の荷物を持ったらどうです。」
「わかったわよ、フン。有希、行くわよ。」

「涼宮さん。墓穴を掘っているわね」
「有希ちゃんまで巻き込んで、有希ちゃんかわいそう。」

「すみません、九曜さん。荷物を軽くして下さい。」ヒソヒソ
「実は無理しているのですか?」ヒソヒソ
「―――透明―――巨大・・・水素・・・風船―――」
「ありがとう。九曜さん」

ハア、アツイナ、オモイナ、ツカレタヨ
「君が何を考えているか、僕にはよくわかるよ。」
「何?」
「朝比奈さんをおんぶしたかったのだろ」
カナリ、バレバレデシタカ
「残念ながら朝比奈さんは古泉君の方が好きみたいだな。君が嫌いというわけじゃないが。
君は自分より良い男がいてコンプレックスなんだろう。」
(キョンさん信じているのです。さり気ない大嘘を。佐々木さんすごいのです。)
「心配しなくても君には僕がいるじゃないか。何なら帰り道、僕をおんぶするかね。中学時代のように。」
「いや、光栄だが、そこまでの体力が。」
「なら、残り1kmの間ならできるのじゃないかな?」
「その時に体力が余っていたらお願いするかも。」ササキハ、トキドキ、クルウノ、ダヨネ。イマハ、ソノ、チョウコウガ、アル。チュウガクジダイハ、タイヘンダッタ。
(ここまでして、恋人じゃないのですか?どういうことですか?)

「奴の言う親友は恋人以上夫婦未満のことなのか?」ヒソヒソ
「ありえるな」ヒソヒソ
「これは、涼宮ハルヒに勝ち目無いな」ヒソヒソ
「恋人の佐々木の前で堂々と浮気を、奴はどういう神経だ」ヒソヒソ

「そういえば藤原は?」
「未来人どうしの話し合いで、朝比奈さん達の所です。」
「古泉に聞かせても良いことなのか?」
「そうらしいですね。」
「お前は行かなくて良いのか?」
「後で藤原さんに聞くのです。」
フタリキリデナクテ、ヨカッタ
目的地に着き、古泉君達が追いつき、弁当を食べ終わった頃
些細なこと?で九曜さんと思念体TFEI 3人娘の喧嘩が起きました。
そして、八面六臂の合体と巨乳未来人魚雷のおかげで九曜さんに勝利した思念体TFEI3人娘だった。ちなみに、涼宮さんは気絶中だ。

「朝比奈さん、朝比奈さん。大丈夫ですか?」
「キョン、君はそんなに巨乳が良いのかね。親友の僕というものがありながら。」

「良ければそこにいる佐々木さんも、お耳を拝借して下さい。」
「何、古泉君」
ヒソヒソヒソヒソヒソヒソ
「素晴らしい・・・」
「素晴らしい案だわ。さすがガチホモ」
「僕はノーマルです。」
「早速やっておしまい。涼子ちゃん。」
「ラジャー」
「キョンの裸、キョンの裸」
「どうしたのですか、佐々木さん。目がイってますです。」

というわけで、朝倉さんがキョンの服をナイフでバラバラに切り裂くこととなった。
「キョンの裸、キョンの裸、また一枚服が切られて、」
「何脱いでいるのですか、佐々木さん。服を着てください。キョンさんと2人きりでは無いのですよ。」

あれ?急に朝倉さんが脱ぎ出したぞ、許さない、キョンは僕の物だ。
「キョンは僕の物だ。誰にも渡さない。」
野良猫がネズミを捕まえるように、目にも止まらぬ速さでキョンをさらって行く佐々木だった。
「あれ?何時の間に?」
「早すぎるわね。さすが神様。」
「佐々木さんたらパンツとブラジャーだけの格好で。全くはしたない」
「やっぱり彼女は神様にふさわしくないですね。」
「そんなこと無いのです。多分。って鼻血出ていますよ古泉さん。」

このまま閉鎖空間に直行だ。よし着いた。もう大丈夫だ。
「おい、佐々木、何て格好しているんだ」
「キョン、夫婦になろう。」
「第一に、結婚できる年齢じゃない。第二に、恋愛は精神病じゃなかったのか?第三に俺なんかで良いのか。」
「この病気を治せるのは君だけだ。結婚年齢の法律なんて、いじくっても何の問題も無い。」
「だが、しかし。」

「佐々木さん、帰るのです」
「キョンと夫婦になったら帰るわよ。」
「第一そんな雰囲気では、キョンさんがその気にならないです。」
「そうね、雰囲気はもう少し考えるわ。忠告ありがとう。」
「いやー、もう限界なのです。さようなら」タチバナ、モウキエタヨ

テレポーテーション。着いたのは、雰囲気の良いホテル
「君は僕のことが嫌いか?」
「いや、そうじゃなくて。一時の感情で突っ走るのは、後で後悔するぞ」
「ずっとこの気持ちを抑え続けてきた。決して一時の感情じゃない。」
「佐々木」
「キョン、キスしてくれるか?」
(佐々木さん助けて下さい。お願いしますです。)
長門さんと朝倉さんに八つ当たりされるのね。
「いい所なのに、もう。しょうがないわねー、はい。」
東京まで飛ばしたからこれでしばらくは大丈夫でしょう。そうだ、長門さんと朝倉さんに釘を刺しておかないと。
「あなた達、キョンと良いところなんで邪魔しないでよ。大人しくしていてね」
「どうした、佐々木」
「橘さんを逃がしてきた。朝倉さん達にいじめられる所だった。それより、続きをやろう。」
そういえば中学時代も3度ほど佐々木にこんな風に迫られたな。その内2度は俺がシャワーを浴びたら正気に戻ったな。
「よし、シャワーを浴びよう。」

結論を言うと、シャワー浴びてキスをしても佐々木は正気に戻らなかったし、閉鎖空間から脱出することもなかった。
すったもんだの末、閉鎖空間からは無事脱出した。
しかし、佐々木は今も正気になっていない。
戻って気が付くと、当たり前の様に佐々木が俺の部屋に泊まり、佐々木団の連中が俺と同じ学校に通い。
書類上佐々木と結婚していることになっている。

部室にて
「長門よ、いつ、佐々木が正気になるのかわかるか?」
「知らない。」
「むしろ今のままの方が良いのでは?僕は今のままが良いですが。」
「多分、狂っていたのは今までなのです。今が正気なのです。」
「これが『消失』で光陽学園を改変して涼宮ハルヒと古泉一樹を送り込んだ理由。
佐々木の学校に送り込んだら勝ち目は0だと思ったから。」
「何言ってるんだ長門。」

「そういえば朝比奈さんを見かけないが、どうしたんだ」
「やっと気づきましたか、佐々木さんと禁則事項しまくってボケましたか。」
「朝比奈みくるは存在しない。」
「え?知らない内に未来に帰ってしまったのか?」
「彼女の未来は消滅した。」
「え?それじゃ」
「自然の摂理。朝比奈みくるの未来と藤原の未来のいずれかが消滅する運命だった。
あなたが選んだ。『陰謀』であなたがやったことと同じ。」

「古泉君、デートに行くわよー。」
「お待ちしておりました。涼宮さん。」
「古泉君、これからはハルヒと呼びなさい。それからキョン、これからあたしをハルヒと呼んだら打ち殺すわよ。」
「はい、団長殿」
アカンベーをして立ち去るハルヒじゃなくて団長殿。

そういえば、最近、長門が元気無いな。
「長門、何だか元気が無いが、大丈夫か?」
一瞬、長門の顔が緩んだような気がしたが、すぐにまた悲しそうな顔に戻った。
「私に優しくしないで欲しい。」
その時、コンピ研の会長がやって来た。
「長門さん。いっしょに映画に行きましょう」
「行く」
アカンベーをして立ち去る長門。もしかしてハルヒの真似か?

「何にしても団長と長門に彼氏ができて良かった。幸せそうで何より。」
「長生きしますよ、キョンさんは」
「そうだな、佐々木の料理は健康的だからなー」
(まだ、フラクラしますか。)

「キョン、いっしょに帰ろう」
「おう、帰ろう」
「私も行くのです。」
(おしまい、おしまい)

重要告知:勃発編は九曜スレで、決闘編は喜緑スレ、折檻編は朝倉スレに投下予定。参照してね。

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最終更新:2007年10月20日 13:35
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