24-222「漁夫の利」

俺の家には、年頃の女の子が8人もいる。
男が俺一人で、複数の女の子と同じ部屋にいるのはエロゲーでよくある、全ての男性が羨む設定だが、こんなに居心地が悪いのは何でだろうかな。
「涼宮さん帰ったら?あなたがいるとキョンの成績下がる一方だから」
「佐々木さん。心配しなくても、キョンの成績はあたしがドーンと上げてみせるわ」
「その根拠の無い自信はどこから来るのですか?ここは佐々木さんにまかせて。涼宮さんは自宅でオナニーでもしてれば良いのです」
おいおい、何卑猥なことを言い出すんだ、橘
「あわわわ。怖いでしゅ」
困った顔もかわいいですよ。朝比奈さん
「―――勉強会―――とても―――楽しい―――」

結論を言うと、ハルヒ、佐々木、長門、朝比奈さん、鶴屋さん、橘、九曜、ミヨキチが俺の家で勉強会だ。
数日前までは古泉や谷口達もいたのだが、何故かあいつらは来なくなった。
特に、女好きの谷口が来ないのは不思議だ。
しかし、よくこれだけの人数入るな。俺の家はこんなに広かったっけ?

「この問題が全部解ければ、この鶴屋さんがキスしてあげるっさ」
「それは、あたしがさせない」
鶴屋さん。またまたご冗談を
(お兄さん、急にやる気になって。幻滅です)

「みくるちゃんもそう思うよね?」
「え?そうでしゅね」
「そんな巨乳低能の意見は参考にならないのです。佐々木さんが正しいのです」
ハルヒに佐々木達、うるさいぞ。いつまで喧嘩するんだ。

「全問正解。お姉さん、めがっさうれしいさ。約束どおりキスしてあげるっさ」
長門にミヨキチ。何で俺を睨むんだ
「冗談じゃなかったのですか。それじゃ、手にお願いします」
鶴屋さんは少しがっかりしたようだったが、すぐ笑顔に戻って言った。
「次も満点なら、ホッペに、その次に満点なら唇にしてあげるっさ」
それはやる気が出ますね。全く鶴屋さんは冗談で人を乗せるのがうまい

「お兄さん。ここを教えて下さい」
「有希っち、教えてあげにょろ」
長門にミヨキチ。そんな悲しそうな顔をするな。涙目で俺を睨むな。

「すごいっさ。またまた満点にょろ」
「鶴屋さんの教え方がうまいからですよ。佐々木と同じくらいうまいですよ」
何故か、鶴屋さんはその瞬間ムッとした。
「キスする約束だったけど、してあげないにょろ」
俺も本気にはしていなかったですけど。

佐々木達はまだ喧嘩しているな。マイシスターまで巻き込むなよ
「妹ちゃんはお義姉さんにするなら、あたしと佐々木さんのどっちが良いかな?」
「私だよね」
「そんなの佐々木さんに決まってますよ」
妹は空気を読まずにこう言った。
「みくるちゃんが良いー」
佐々木達はフリーズしているぞ。天然は恐ろしいな

「しかし、鶴屋さんの彼氏になる人は幸せ者ですね」
「キョン君。褒めたつもりだと思うけど、鶴屋さんをめがっさ怒らせているんだよ。わかるにょろ?」
「すいません」
「わかってないみたいだけど、許してあげるにょろ。
そうだ、これから一年間、ずっと成績トップなら、キョン君を鶴屋さんのお婿さんにしてあげるにょろ」
しばらく静かにしていたハルヒ達だが、また騒がしくなった。
「みくるちゃん。あなたどういうこと?
そういえばあたしに隠れてキョンとデートしたこともあったわね」
「その乳、その乳でキョンをたぶらかしたのか!」
お前ら怖すぎるぞ。
「ひーん。あたしとキョン君とは何も。
あたしは未来じゃなくて実家に許婚がいるので、キョン君達とは友達以上になれないのでしゅ」
(涼宮さんも鶴屋さんもあたしを玩具としか見てくれないし、古泉君は今でもあたし達未来人を敵視するし、キョン君にとっては沢山いる女の子の一人だし。
もう嫌、未来に帰りたいよーエーン)

お前ら妹をいじめるなよ。ついでに朝比奈さんをいじめるな。
「それじゃ、妹ちゃん。朝比奈さんの次は誰かな?」
「ちゅるやさーん」
また空気を読まずに。俺は我が妹の将来が心配だ。
その調子なら、男の子に告白されたのを気付かなくて婚期を逃しそうだぞ。

「少年目を閉じるっさ」
鶴屋さんこうですか?って鶴屋さんそれは、
「キョーン。何やっているの」ビキビキ
「僕のことは遊びだったのか。そんなに金持ちが良いのか」
「佐々木さんの目の前で他の女とキスするなんて、この浮気者」
大声で泣く朝比奈さんとミヨキチをBGMにして、俺は佐々木とハルヒ達に拷問を受けた。長門も助けてくれなかったし。
死ななかったのは奇蹟だとしみじみ思う。



その後のことを少しだけ話そう。
ハルヒの閉鎖空間発生率が激増し、佐々木の閉鎖空間も発生するようになった。
ボロ雑巾のようになった古泉と橘が「何とかして下さい」と言ってくるが、俺には何もできないぞー
『成績トップなら鶴屋さんの婿になれる』という悪質なデマが流れた。何故か皆信じていた。
俺が何股もかけているジゴロと見なされるようになった。
男子生徒が『ギャクタマ』とか言いながら猛勉強している姿が目につくようになった。ギャクタマって何だろう
その中で成績トップを維持した俺は、ひょっとして頭が良い?

そして、ハルヒと佐々木は急に告白されるようになり、あれから何人もの男と付き合った。
何故か、男ができる度に俺に紹介しに来る。その度に相手の男にすごい形相で睨まれる。
中学時代にもこんな事があったような記憶があるが、気のせいだな。
残念ながら、どの男とも一月以上続かなく、決まってハルヒ達が振るので、相手の男がかわいそうと思える。やっぱり美人は高望みするのかなー
ハルヒも佐々木も最近は男あさりに飽きたのか、男と付き合うこともせず、おせっかいにも俺の進路を勝手に指定して来る。
ハルヒは「二人でベンチャー企業立ち上げるのよ」、佐々木は「いっしょに医学部に行って、僕の親戚の病院で働こう」と言ってくる。
そんな所だが、現在、俺は、鶴屋さんの会社で働くために、猛勉強させられている。鶴屋邸の一室に寝泊まりして
俺は「看護士になる」と言いはっているので、「鶴屋病院で働く」という条件で折り合いが付くかもな。部屋を借り奨学金をもらう立場で生意気だが
しかし、佐々木にしろ、ハルヒにしろ、俺のまわりの女達は何故か俺の進路を決めたがるのだよね―、おせっかいにも


「キョン君めがっさお疲れ。明日も頑張って」CHU
今日もお休みのキスをしてくれた。上流階級には当たり前でも一般庶民の俺には刺激が強いです。鶴屋さん
鶴屋さんは美人で明るくて楽しくて、鶴屋さんの彼氏になる人は幸せだろうな―。どんな人が彼氏になるのだろうか。
いかん。さっきので勃起した。俺のムスコよ恩人鶴屋さんに失礼だぞ。

(終わり)
妄想のまま書いたら鶴屋エンドになった。すまん吊ってくる

勝手に続き
「という夢を見たんだよ?俺がモテモテな訳じゃないからな」
ん?どうした?佐々木、それにハルヒ?物凄い顔になっているぞ?
「アハハハハ~鶴にゃんめがっさ照れちゃうにょろ?キョン君?正夢にするかいっ!お姉さんはいいにょろよ?」
そんな発言しても冗談なのは解ります。やれやれ…
「鶴屋さん頼むから本気にしないで下さい。まっ、どうせ夢だからな…おい、古泉と橘?顔が青いぞ?」

二人は世界の終わりとかほざいている。冗談だよな?冗談と言え、言ってください。
「「ちょっとキョン!いいから来なさい!(来るんだ!)」」
鶴屋さん笑ってないで助けてください。
朝比奈さんは涙目になっているし、宇宙人二人は液体酸素よりも冷たい目線で俺を睨んでいる。
どうやらこれらの所業は規定事項らしい…
佐々木とハルヒは夜叉顔負けする表情…夢を語っただけなのに、もう五体満足で帰ること出来ないな。
さよなら母さん、父さん、そして妹よ。先にいく俺を許してください。

そして俺はハルヒと佐々木にあるネオンが輝く某場所へ連れていかれたのだった。

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最終更新:2007年11月10日 00:06
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