24-386「驚愕ラストの妄想」

「ありがとうキョン、キミとなら次の再会が何年後か、それとも何十年後になるかは分からないが、変わらぬ友誼を約束出来るよ」
それが、『佐々木』を見た最後だった。

その後も俺達はハルヒと馬鹿騒ぎを繰り返した。
ハルヒの力は徐々に無くなっていき、観察者達も去っていった。
まず、藤原が未来に帰り、朝比奈さんも卒業と同時に未来に帰った。朝比奈(大)とは1度しか会わなかった。
思念体と天蓋領域のインターフェイスは、そのほとんどが、肉体の殻を捨て去った。
長門と九曜は人間として、幼児から再出発した。
橘は関東の実家に帰り、古泉は地元の北海道の大学に行った。
そういえば、ハルヒとは3年から別のクラスだった。
入学当時、一人孤独だったハルヒは卒業時には多くの友人に囲まれるようになった。

そして、俺は、ハルヒと別の大学に入った。
さすがの俺も高校3年の時には真面目に勉強して、その甲斐あって、何とか地元の国立大学に入ることができた。
ハルヒは生意気にも日本の最高学府に入った。
「休学して俺の浪人に付き合う」とハルヒは叫んでいたが、丁重に断った。

「卒業してもあたしは団長で、あなたは団員その1。この関係は一生続くのよ。
大学にいる間は、暫く会えないけど、卒業したら2人でベンチャー企業を立ち上げるわよ。
あたし達の関係は普通の友人、いえ恋人よりずっと深い絆で繋がれているのよ。
浮気したら許さないわよ」
それが卒業の時のハルヒの言葉だった。



大学の入学式
高校時代の友人達と別れ、憂鬱な気分で登校していた。
「キョン、お早う」
この聞き覚えのある声は
「佐々木」
「キョン、残念ながら、もう佐々木じゃないのだがね。両親の離婚が原因で」
「そうか、佐々木。って今は違うか」
2年ぶりに見た佐々木は見違えるほど美人になっていた。

「できれば下の名前で呼んでくれないか?」
「それは良いが、お前の学力なら最高学府も狙えたのじゃないのか?」
「最高学府の教育が最高とは限らないよ。というのは冗談で、君と同じ大学に行きたくてね」
お前、冗談と本音が逆だぞ
「何にせよ、これから4年間よろしく。僕は二度と中学時代の過ちは繰り返さないよ」
お前、何か大きな失敗したっけ?

1月も経たずに、俺と佐々木は中学時代のように恋人どうしとみなされるようになり、
すぐに本物の恋人になり、夏休みに学生結婚して夫婦となることに決まった。
今はやりのできちゃった結婚だ。全く自慢できないけど。

そして、その結婚式の席上でハルヒに「浮気者」と言われてぶん殴られ、参列者一同に白い目で見られた。

(終わり)

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最終更新:2007年11月08日 11:38
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