1-571「市内アマチュア野球大会」

「しかしまあ、随分と大所帯になったもんだな」
駅前に集まった新SOS団の面々を見渡して、俺はひとりごちた。
何しろ今までのSOS団メンバー5人に加えて、佐々木たち4人が加算されて合計9人。
流石に仲良しグループって行動単位じゃないぜ。というか嫌なことを思い出しちまう。
しかし何でこいつがいるんだよ。とっとと未来へお帰りいただけないものか。
「黙れ。僕だって好き好んでここにいるわけじゃない」
くだらない、と吐き捨ててそっぽを向いているそいつは藤原だった。
一体全体、どういった強制力でこいつはここへ来させられているのだろう。
「そういえば……」
俺は首をめぐらして辺りを見回す。が、いない。
「おいハルヒ」
「何よ」
「佐々木が来ていないようだが」
そう言った後のほんの一瞬、まるでカオスの窓を覗いたのかと錯覚するほどの複雑な表情を浮かべたが
「ちょっと遅れるって連絡があったわ。何か探してたみたい」
すまし顔で答えるハルヒ。さっきの表情はなんだったんだ?
「噂をすれば、かしらね。あんたの親友が来たみたいよ」
ハルヒに促された方を見れば、佐々木が小走りで向かってきていた。
佐々木さーん、とよく通るでかい声で呼びかけるハルヒ。
「やあ、申し訳ない。ちょっとこんなのがあったのを思い出してね。せっかく9人もいるんだし」
瞬間、慄然とするものが背中を走り抜けた。佐々木よ、まさかとは思うが、そいつは。
「なんだキョン、知ってたのか? 『市内アマチュア野球大会』」

-続かない-

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年11月15日 09:52
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。