しゅくしょう番外編~夢の中へ行ってみたいと思いませんかくっくっくっ~


佐々木が小さくなった。胸のことでは無く身長のことだ。
見た目的には小学一年生ぐらいといえるだろう。

そしてご都合主義的に佐々木の両親は旅行中で家にいない。
そんな天涯孤独(?)なしゃしゃき―もとい佐々木を可愛そうに思った俺は佐々木の身の回りの手伝いをしてやることにした。
このお話はそんな設定とともに、世の理とか世間の目とかキャラの性格とか人権とかいろいろなこと無視したフリーダムなストーリーだ。

 

しゅくしょう番外編 ~夢の中へ行ってみたいと思いませんかくっくっくっ~

 

「やはりキョンさんに佐々木さんは渡せません!佐々木さんは神聖で不可侵な我らが佐々木団の団長様なのです!」
「あの…橘さん?私はいつの間に団長なんかに……?それに佐々木団てそのまますぎじゃ……」
「誘拐犯のくせに権利を主張してるんじゃねぇ。佐々木は俺の親友だ。お前になど危なっかしくて任せてられるかよ!」
あぁキョン。そんな必死に私の所有権を主張してくれるなんて嬉しいよ。
ただそこは「俺の嫁」と言って欲しかったな。
そしたら直ぐにでも拇印と婚姻届を持って来るのに。
「何言ってるんですか!キョンさんと二人きりの方が危ないに決まってるでしょう!?」
「どういう意味だ!何があろうと俺は佐々木を守ってみせるぞ。少なくともお前よりは頼りになるはずだ!」
カッコいいよキョン最高だよ…
『守ってやる』だなんて『百人の女性に聞いてみました意中の男性に言われたい言葉ランキング』とかで常に上位にランクインしそうなセリフじゃないか。
「何言ってるんですかそういう意味では無いのです!ロリキョン疑惑のあなたと可愛い可愛い佐々木さんを二人きりにしたら《禁則事項》とか《N(*゚ヮ゚)G》みたいな展開になるに決まってるじゃないですか!」
ななななな何を言ってるんだい橘さん!?
私のキョンはそんなことしないよ!ねぇそうでしょキョン!!
「ぐ……そんなこと……」
否定しないのかよぉぉぉ!!
そこはもっと強く否定しようよ!いや私はそれでもいいんだけど!いやそうじゃなくて!
人間性が疑われてしまうよ!?
「ほらやっぱり。あなたには任せられませんね!佐々木さんはうちで引き取らせてもらいます。まぁあなたが今この場で佐々木さんに愛の告白をしたら話は別ですけどねー!さぁ行きましょう佐々木さんハァハァ…」
待て待て待て君の方がよっぽど危ない気がするよ橘さん!?さっき自分で不可侵って言ってたじゃないか!
なんかハァハァ言ってるし!ヤバいこれは本気で貞操の危機か!

キョン………助け………

「くそっ、こうなりゃ言っちまえ!佐々木、好きだ!!だから俺のところへ来てくれ!」
次の瞬間私はキョンに抱き締められていた。
ああ……やっと願いが叶ったんだね………ありがとう神様…あ、神様は私か。
「キョン……僕、いや私もあなたが好きだよ…」
言えた………ごく自然に……。僕→私への移行も完璧だ。
ああ夢みたいだ。こうしてキョンと抱き合えるなんて。
何度夜闇の中丸めた掛け布団で練習したことか…
「全く世話がやけて困っちゃいますね!こうでもしないとお互いの気持ちすら素直に言えないだなんて。まぁ私もちょっとアレな人を演じた甲斐がありましたね。」
橘さん……今までのは演技だったのね………
ごめんなさい本気でそっちのケがあるのかと思っていたよ。だって目がマジなんだもの。
「酷いです……まぁこの際それはどうでもいいでしょう。さ!誓いのキスを!」
きす………?魚類の?
え?ちゅうですか?口と口の?
そそそそんなまだ心の準備が……
「佐々木………愛してるぞ…」
そんな真剣な瞳で見つめないでくれ溶けちゃいそうだ。

キョン………僕もだよ。愛してる………

体が元の大きさならよかったのに……
あぁキョンが腰を屈めて顔をこちらに近付けてくる…
目はつぶるべきだよね?
手はどうするの?キョンの手を握る?
あぁもうなんでもいい……
お父さんお母さんごめんなさい。私は大人になります……。


―――――――――――――

あれ?
何の感触も無い?

恐る恐る目を開けるとそこには……

「むー…………」
目をつぶり口を尖らせ私に迫るツインテール………
きゃぁぁぁぁぁ!!

「ぎゃぼっ!!さ、佐々木さん起きてらしたんですか?」
なんであなたがこんなことをしているのそっちのケは無いんじゃなかったのキョンはどこよ!!

「く、苦しいです首絞めないでください………」

ああそうか………夢ね。dream。
くっくっくっ……夢オチなんてベタすぎて最近では逆に見ることも少ないというのに少しは需要を考えて供給しなよダメ作者が!!
『一日お○ちゃん』を読んで佐々木さんが小さくなったら可愛いかもだなんて妄想に取り憑かれた挙げ句
こんな冷静と情熱の間を行ったり来りするわけでもないどっかで見たことあるような無駄に長い茶番を展開してキャラを崩壊させるとはお前は一体何様のつもりだ以下略!!


さっきのが閉鎖空間だったりしたら最高なのに何の変哲もない夢とは………くっくっくっ………本当に涼宮さんとは正反対じゃないか……
彼女は夢と思いながらも現実でキスしてるのに……

おっともうこんな時間か。いつの間に寝ていたんだろう私は。
そうだ鍋を火にかけている間少し休もうとテレビを点けて……寝てしまったんだね。全く子供じゃあるまいし………いや今は子供なのか。
「さて、橘さん。あなたには罰を受けてもらおうかな?」
「な、なんでしょうか……」
なんで嬉しそうなんだい?
「じゃあまずあの大鍋をテーブルに持ってきてもらえるかな。それと風呂掃除やり直し。モデルルーム並みに綺麗になるまで磨くこと。それが終わったら一番風呂をあげるよ。さぁとりかかるのだ!!」
「了解です!」
ものを言う前と後にsirとつけろ!!!
『sir,yes,sir!!!』


くっくっくっ…この私ともあろうものが寝起きで少々ハイになっているようだね。
さてキョンが帰って来るまでまたテレビでも見ようかな。にこぷんがはじまる頃だ。おっと今はぐーちょこだったかな。すぷらっぴスプラッタ。

 

そしてまたそのまま寝てしまう佐々木さん。

 

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最終更新:2008年01月20日 10:48
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