難民流入による悲喜劇~ある南国人の悲劇(?)~
「寒い、寒いじゃねぇか!」
プレハブの片隅で叫ぶ男。
無理もない、男はつい最近まで暑い南国の地で暮らしていた、南国人であった。
無理もない、男はつい最近まで暑い南国の地で暮らしていた、南国人であった。
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(ちくしょう、なんでこんな事に…)
ISSが解体、治安と経済が不安定になって心配な時に…そう、隣のおやっさんに
国を脱出しようぜ、その方がきっと生活が楽になる、とそそのかされて…
ISSが解体、治安と経済が不安定になって心配な時に…そう、隣のおやっさんに
国を脱出しようぜ、その方がきっと生活が楽になる、とそそのかされて…
よりによってこんなくそ寒い所に送られるとは。
ぶつぶつ思いながらガタガタ震えていた、その時。
ふと、背中にふわりという感触があった。
ふと、背中にふわりという感触があった。
ふと見ると、背中に毛布がかけられていた。
毛布をかけた相手は、白い髪に白い肌…この国の人間のようだ。
毛布をかけた相手は、白い髪に白い肌…この国の人間のようだ。
「大変でしたね。寒い僻地ですが、今はどうぞよく休まれてください」
その言葉に、ここ最近の荒んだ生活が思い出される。
故郷とは離れてしまったが、ここでもうまくやっていけるだろうか。
故郷とは離れてしまったが、ここでもうまくやっていけるだろうか。
まだ寒い事には変わりは無いが、心が少し温かくなった気がした。
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