詩歌藩国 @ wiki

詩歌藩国下着うんちく

最終更新:

siika

- view
メンバー限定 登録/ログイン
詩歌藩国下着うんちく

文・画:豊国 ミルメーク



詩歌藩国トリビア:詩歌藩国民の正装は、パンチラである

 のっけからキャッチーなトリビアを紹介してみたが、いかがだっただろうか。これは嘘ではない。まぎれもない真実である。現藩王である九音氏も戴冠式のときはパンチラだった。もちろん列席者も、詩歌藩国出身者は全員そうだった。
 これは別に詩歌藩国民に特殊な趣味があるわけではない。まずは詩歌藩国の伝統的な下着についてご説明しよう。

 詩歌藩国は北国である。北国といえば、寒い。この寒さをしのぐために作られた一番内側に着る衣服が、この国の下着の始まりだった。
 防寒を目的とした衣服は密閉性が高い――つまり身体のラインに沿うように裁断され、細かい縫い目で縫製され、たくさんのボタンや紐で合わせ目を綴じられている、そういうものが適している。
 詩歌の下着は早い段階で上下に分かれた二部式となった。これは、ワンピースよりツーピースのほうがより身体に密着するためである。
このように詩歌藩国の下着の原型は、腰まで覆う長袖のシャツと足首までの長ズボンとして発祥した。この上にローブやコートなどの長衣や長ズボンを身に着けるのである。

 時代を重ねるにつれ下着も進化する。当初は否応無く実用的なデザインのままの下着たちだったが、建築技術が発達して屋内の保温能力が向上した頃から防寒一辺倒だったファッションの流れが変わった。
 より開放的なデザインの衣服が好まれるようになったのだ。しかしいくら技術が向上したとはいえ、暖房なしで生活できるほど室内が暖かくなったわけではない。実用と流行が真逆を向いてしまう時期があった。
 これを解決したのが下着である。そもそも当時の下着はまだ衣服の一種であり、隠すという概念が育っていなかった。そのため、この下着をうんと華やかにして、開いた襟や広がった裾から見せてしまえばよいという話になったのである。

 そんなわけで下着の袖や襟や裾が、華々しくレース・フリル・リボン・刺繍・宝石・毛皮(※1)で飾り立てられるようになった。
 「カーネーションが覗いているよう」と評されたこのファッションは、カーネーション・スタイルとして男性女性問わず流行し、そのまま詩歌の伝統的第一級正装となっている。
 もちろんパンツもしっかり見えている。ややゆったり目のデザインのドロワーズは子供・若い女性に好まれ、足にぴったりのカルソンは若い男女が特に好む。パンタロンはそれより上の世代が好むようである。このドロワーズ・カルソン・パンタロンは、詩歌藩国では全て長ズボンタイプの下着である。

①腰の下までの丈のシャツ     ②足にぴったりしたカルソン。裾に飾りをたくさんつける
③ペチコートは保温と装飾どちらの用途も兼ねている       ④後は上から服を着るだけ

 近年は藩王があえて性別を公表していないことから、詩歌藩国ではユニセックスデザインの衣類が好まれており、タイトな衣服よりルーズなデザインのものが主流となっているため、この見せる下着にもカジュアルな普段使いのものが増えている。

 また、従来のものとは違う新しい下着も最近出来た。
 伸縮性に富み、保温と湿度調節を両立できる新素材の開発がなされ、その素材を用いた全身を覆うデザインの下着が開発されたのだ。いわゆる全身タイツである。
 これはやや高価なため主に軍向けに使用されている。暖かく動きやすいがトイレにちょっと行きづらいという評判である。

 以上が詩歌の下着事情である。パンチラに胸ときめかせた紳士諸君の知的好奇心が満たされていることを祈る。

 なお、蛇足ながら詩歌で下着を購入する際の注意点を。
 王族なら下着も体に合わせたオーダーメイドなのだろうが、一般的にそんな贅沢はとても無理である。しかし詩歌の主婦/夫には標準装備されているとある技能があった。
 店で購入した下着に手を入れ、家族の身体のラインに合ったものに作り変えてしまうのである。これは代々防寒のために立体裁断・縫製技術を磨いてきた結果で、そのため詩歌で売られている下着はこれを見越して他国より大きめに作られている。
 メーカーによってはMサイズを買ったらLLだった、なんてこともあるので、くれぐれも試着してから購入することをおすすめする次第である。


※1 防寒目的で下着の内側に毛皮を用いることは多かった。しかし現在の詩歌藩国では天然素材は使われておらず、フェイクファーが使用されている。これは必要以上の殺生は避けようという風潮と、始めから形を決めて作れるという手軽さが合致した結果だとか。

タグ:

提出物
目安箱バナー