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 目が覚めたとき、基地の中で看病されていた
はやり病にかかったわけでもない。前回の話を見た人ならわかるだろうが
黒いペペンギンとサタニスにいたぶられた
あと少しで死ぬところだったがウツブシのおかげで死なずにすんだ
ウツブシには不思議な力が備わっていた
今の今までレンたちには少しも話してくれなかった
どんな力かというと瞬間移動である
非現実的で考えられない技だが実際にやっていた


「・・・ここは?」
レンガ気がついた
「基地よ。貴方をなぞの黒いペペンギンが殺そうとしたの」
リサがいった
「危ないとこだったんだな」
ウツブシがいった
「なぜ助かったんだ・・・?」
レンが質問した
「ウツブシのおかげ・・・。ウツブシがいなかったらあなたはもう死んでたわ」
「そうなのか?ウツブシ」
「そうなんだな~、そういやあの黒いペペンギンが何か言っていたんだな~」
レンは思った。 なぜどんな深刻の問題でもウツブシは自分のペースで落ち着いているんだろうと
「たしか・・ゼロセイバーとか何とかいっていたわね」
「ゼロセイバー・・・っぐ!」
レンがその言葉を発したのと同時に突如頭に頭痛が走った
そしてなにかを思い出させるかのようになぞのビジョンが見えた
そのビジョンには・・・


 ―――記憶の中―――
「お父さん、向こうの方になんか赤いメラメラとした不思議なものがあるよ」
「あれは炎といってね、お祭りとかの時に起こすんだ、とても熱いから近いてはだめだよ」
「ふ~ん」
「でもお父さん、あの炎どんどん広がっていくよ?ここまで飲み込まれてしまうかもしれない」
「大丈夫だ。たとえ何があってもお前は俺が守る」
「約束だよ。お父さん」

•時が流れて・・


「お父さん・・・。約束したじゃないか。お父さん!!」
「に・・・にげろ・・・・お前はここにいてはいけない・・・」
「じゃあお父さんも逃げようよ。このままだとしんじゃうよ。」
「お父さんもすぐに追いつく・・・だから行け・・・」
「約束だよ、絶対の約束だよ」
「ああ約束だ・・・だから早く行け」
そして逃げた。

必死に逃げた
涙が零れ落ちそうになったが零したら最後
そこで泣きじゃくって止まってしまうかもしれない
僕は何があっても泣くまいと走った

そして背後から爆発音に似た奇妙な音を聞いた
確かに爆発だがその跡に妙な機械音

だがそれで止まってはいけない
心では分かっていた だが脳裏にふと父さんが現れた
そして一度振り返ってみると

そこには大きくて黒い塊がただひとつ先ほど居た町
そう、父さんが居た町をその黒い塊が埋め尽くしていた
その塊はブラックホールのようにすべてを吸収しているように見えた
じわじわとその黒い塊は縮小していくが正直そんなことはどうでもよかった
「お父さん!!?」
ふと足が崩れてそこに跪いてしまった

自分の住んでいた町は それで崩壊した

自分の父親とともに


「うわああああああああああああああああああ!!」
認めたくない現実
だが認めざるをえない現実
それが突然舞い降りた
ただひたすら泣いて喚いてそしてまた泣いた
そして改めて縮小した黒い塊の上部にひとつの影を見た
黒い ラノード

「お前が・・・・お前がお父さんを!!」
怒りに満ちた体が変化していく黒い獣のような姿

ほかの生物たちはそれを 『ウルフガイ』 と名づけた
その姿でラノードに突撃した

そしてラノードに撃ち抜かれた

ビジョンはそこで途切れた

―――基地内部――――
「レン!大丈夫!?」
改めて周りを見ると耳元でリサが怒鳴っていた
心配してくれているのだろう
何せ先ほどまで黒いペペンギンにやられていたのだから
「何だ・・・今の」
レンはただ疑問に思ったことをそのまま言った
「レンは今、目を開けたまま気絶したような状況だったんだな」
ウツブシが今の一瞬のレンの状況を説明してくれた
「レン?どうしたの?」
「いや・・・」
(今の何だ・・・自分?それでは今の俺は・・・?)
「もしかして何かの記憶なんだな?」
ウツブシこの言い方は無理がある
それを思いながら今見たことを語った

「・・・レン。あなたってそんなことがあったの?そして記憶喪失だった?」
単刀直入に聞かれた
それは当たり前だろう
現に同じ立場なら俺も聞いているから とレンは思った
「わからない。でもこれはあまりにも現実みがありすぎてそしてとても繊細なんだ」
「生き物はすべて覚えて置きたくない記憶は忘れようとするものなんだな~」
こんなときもマイペースに話せるウツブシはすごいと思う
「それはどういうこと?」
リサが聞いた
「そのままなんだな。生き物は皆自分の不都合なものは消そうとするんだな」
「不都合・・・?つまり覚えて置きたくない記憶・・・?」
「現に、レンを拾ったときレンはとてもひどい傷をしていたんだな」
「・・・ウツブシ!?俺を拾った!?馬鹿な! 俺は確か生まれてすぐ家族が死に、そしてお前に預けられたはずだ!!」
初耳だった
「レン・・・?」
リサも心配そうに見る
こんなに必死なレンを見るのは初めてだった
「やっと理解したんだな」
ウツブシの口調が少しにごる

「レン、お前が見たものはすべて現実であり、お前の過去だ。お前の父親はあの黒いペペンギンに殺された!!」

ウツブシが初めて強張った顔でそして語尾もいつもの様ではなくただ強く言った
「ウツブシ!?」
リサ一人のけものにされたかのような雰囲気が漂っているが気にはしない
ウツブシは続ける
「お前の今の記憶は偽りであり、自分で書き換えた記憶なんだよ!そしてお前にはあのペペンギンと違う特別な力を持っている!俺が持っているのとはとても違う。自分で戦うための力が!」
「記憶が偽り・・・?そしてそんな力が・・・?嘘だ・・・嘘だ嘘だ!あるわけない!」
「俺はただのペペンギン そう、ペペンギンのレンだ!」
レンは怒鳴った
自分を 今の自分を信じるように

ドーーーーン


爆発音が聞こえた
「敵襲なんだな!!」
ウツブシの語尾が戻った
「レン、逃げるわよ。このままここにいても解決しない。落ち込んでないで逃げる!」
リサはそういってレンの腕をつかんで走った

外に出てみると街が焼かれている
「嘘だ・・・嘘だ嘘だ!」
レンはひたすら否定している

「・・・見つけた!!」
ラノードがそういってこっちに飛んできた
一人を引っ張りながら走っているラピー一匹に追いつけないラノードなんていない
「見つけたぞ。ペペンギンのレン」
ラノードが言った
「どうして・・・俺の名を?」
レンが弱弱しい声で聞く
するとラノードはその姿をペペンギンえと変えた
「過去に起こした街を消滅させた血の粛清、それのたった一人の生き残り。そして今はその名も変えたか レンよ」
「おい、人が質問しているんだぞ!」
「ははは すまないすまない。 改めて言うべきだったな。僕の名はクウ 天使軍総司令官クウだ!」
「天使軍総司令官!?つまりあの伝説のクウ!?」
セラが驚きを隠せずに言っていた
だが実際レンには分かっていた
悪魔軍総司令官ジェネシスを打ち破ったクウのことはそれなりに語りつながれている
そしてペペンギンからラノードになる力を持ているのは クウ ただ一人
クウはその功績が認められ次期総司令官の役を任されていて
そして現在その役に就任しているのである
「君だって覚えているだろレン! 僕に襲い掛かってきたあのときの君はウルフガイだったか!とても怒っていたんだろうね。そうそう、やっぱこう呼んだほうがいいよね リオ!」
「リオ!?・・・・ううううううううわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
頭をたくさんの記憶がよぎる
「レン!?レン!!しっかりして!!!」
リサが声をかける

そしてすぐにレンは正気に戻った
だがそのめは真っ赤になっていた
「ああ、すべて思い出したよ クウ」
「ふふ 思い出してくれたか リオ」
「だからな・・・これだけは言わせてくれ 貴様をぶっ殺すってことをよおお!」
レンがそういうと体は漆黒でつつまれその漆黒が晴れたかと思うと体はウルフガイに変わっていた
ウルフモードに変形しクウに襲い掛かる
「ははは 変わってないなぁ あの時も君はそうやって襲い掛かってきた あの時はまだ小さかったが今は十分戦える歳だろう!」
「今の俺は違うぜ?あの頃みたいに普通に撃たれそうにはならない!お前が撃つ前に俺が切る!」
「あの時仕留めておけば君を追わずにすんだのになぁ・・・あの時はとっさに回避してくれたからあたりはシールドだけだっけ?」
「ほざけ!!」
クウにビームソードで切りかかるとクウは銃で受け止めレンの体を空に投げる
「もらった!」
クウは笑いながら銃を連射した
「甘い!」
レンは空中でブーストを出し緊急回避する


「甘いのは・・・君だよ?リオ!!」
地面に着地したときクウはレンの後ろに立っていた
ウツブシと同じ瞬間移動である
クウはレンの足を銃で撃った
「ぐ・・・・!」
弾は両足を貫通し、両足の内部ケーブルを切断
足は動かなくなった
そしてまた笑ったクウは空高く飛び銃を構えた
先ほど使っていた連射タイプではなく
大きい銃 大筒といったほうが似合う銃だった
それは・・・あの日町を破壊したときと使っているものと同じタイプであった

「!?」
やばい レンはとっさに思った

リサがこちらに走ってくる
「レン!立って!貴方は、今の貴方はリオじゃない!今まで使っていた記憶が嘘でも私やウツブシと一緒に居た時間は嘘じゃない!」
「そうなんだな!だからここでやられてはだめなんだな!」
励ましの言葉をくれる だがそれを今もらっているほど余裕はない
「皆!逃げろ!!あの銃は町を破壊したものと同じものだ!あれに巻き困れば皆消える!無になるんだよ!」

「レン!ならあなたも一緒に!」
話しているときクウが連射型の銃でこちらを狙っていた
「リサとかいったっけ?君、目障りだな 死んで!」
そういうと発砲してきた
「あぶないんだな!!」
ウツブシが体で受け止めた
「ぐうううう・・・・んだな・・・」

「リサ、ウツブシをつれて早く逃げろ」
「でも・・・!」
「いいから行けええ!あとで・・・追いつくから」
レンはまるであのときの父さんのように微かに微笑みながら言った
「うん・・・」
リサはそういい残すとウツブシをつれて逃げた
「それでいい・・・戻ってくるなよ・・・」

「いい場面だ 感動的だね だが無意味だ」
クウが言い放つ
「君があの子達に会うことはできない あのときの事件を見た君は 今ここで消し去る!!」


ウツブシはリペアパック2000で回復したのでウツブシに乗って逃げていた
そしてウツブシもリサも少々泣き顔で逃げていた
だがここで泣くと泣き崩れると思い決して泣かなかった
何よりも、レンはダメージを負っているが生きていると信じているからだった

そして背後から爆発音に似た奇妙な音を聞いた
確かに爆発だがその跡に妙な機械音

街は黒い塊で埋め尽くされていた



誰が泣いているのだろう

どこで泣いているのだろう

何が悲しいのだろう

それはその人しか分からない

たった一人で泣いているその人しか分からない
本当に悲しいのかそれともうれしいのか

それは その人にしかわからないものである




―――――最終話 終幕 完