[作戦要領]p78
＜全般＞
・ＭＩ（ミッドウェー）作戦とＡＬ（アリューシャン）作戦は一体のものとし、
敵がいずれの方向に出現しても、両作戦部隊が相互に支援できるように兵力配分する。
・両作戦とも戦略的奇襲が成り立つと判断
＜知敵、警戒要領＞
[MI作戦]
・敵はミッドウェーを基地とする航空兵力で、戦場付近を広範囲に索敵できる。
その索敵範囲は約６００浬（PBY）
・我が方は使用機の性能や戦略対勢から、戦場となるであろうミッドウェー付近の
海面や、敵艦隊が反撃に出る場合の進出予想航路であるハワイ、ミッドウェー間海面を
索敵することはできない。
また我が作戦部隊の進出航路も十分阿警戒はできない。
そのため聯合艦隊は、内地、南鳥島、ウエーク、マーシャルから、出来得る限りの
飛行哨戒を行う他は無かった。
戦略的奇襲が成り立つと判断していた聯合艦隊は、潜水艦の大部を以って、ハワイと
ミッドウェー間に広正面の哨戒線を構成し、ミッドウェー攻略作戦開始直前以後に、
反撃のためハワイ方面から出撃するであろう米艦隊を捕捉する配備を選んだ。
・ミッドウェーを攻略したら、速やかに航空兵力を進出させ、飛行哨戒を開始し、
反撃のために来攻するであろう敵艦隊の捕捉に努める。
そのため設営隊、基地員、基地物件を搭載した輸送船を、上陸作戦部隊と同行させ、
一刻も早く同島基地を整備し、飛行哨戒を開始させることとした。
同地に進出させる飛行機隊（飛行艇/陸上攻撃機）は、マーシャル及びウエークで待機
＜攻略要領＞p79、85
[ミッドウェー攻略要領]
・空母基幹部隊（主力空母６隻基幹）をもって同地の奇襲を行い、同島の航空兵力を撃滅し、
基地の使用を一時不可能とする。
・その後攻略船団は、同島の飛行哨戒圏とみなされる６００浬圏内に突入する（Ｎ－３日）
※Ｎ日（攻略予定日）は６月７日
・空母基幹部隊は同島北方海面に進出して、同島の航空兵力の制圧と防御施設の破壊に努め、
上陸部隊の上陸戦闘に協力しながら、敵艦隊の出現に備える。
・上陸船団と直接護衛兵力は、サイパンを出撃、ミッドウエー島に向かい、キュア島に
水上機基地を設営して、水上機母艦の兵力を進出させ、上陸作戦に協力させる。
主力はＮ－１日（６日）にミッドウエー沖に到着、上陸を開始し、Ｎ日（７日）に占領する。
・攻略部隊主力は、船団部隊の間接護衛にあたり、ミッドウエー島付近海面に進出して、
米艦隊の出現に備える。
・戦艦基幹部隊は、空母基幹部隊のあとを追って進出し、途中兵力を二分して、
主隊は空母基幹部隊の後方一昼夜航程にあって、全作戦の支援に任じ、
分離した一隊は北上して、キスカ南方約５００浬付近に進出、両作戦支援の配備に就く。
・基地航空兵力のミッドウェー進出
設営隊は攻略部隊の船団に同行する。
ミッドウェー島の水上機基地が整備されたらウォッゼ待機中の飛行艇６機が進出
合わせて十一航戦の水偵も進出し、飛行哨戒を開始する。
・イースタン島の滑走路が使用可能となり次第、空母に分乗している第六航空隊の零戦２７機、
およびウェーク島に待機中の陸攻１２機を進出させ、上空警戒と飛行哨戒を開始
・サンド島に飛行場を新設（１か月半で概成の予定）
最終的には第二十六航空戦隊全力を進出させる。
[攻略後の防衛処置]
・攻略後、航空基地の修復を急ぎ、一刻も早く基地航空兵力を進出させて、前記の
哨戒を開始するとともに、基地航空部隊の戦闘機を各空母に搭載しておき、基地が
使用可能となれば、直ちに進出させて防空に任ぜしめる。
・同時に荷揚げと防備を急ぎ、一週間で第一段階を概成する。
同島の防備部隊は、攻略作戦を行った二聯特（第二聯合特別陸戦隊：大田実少将）
・サンド島にも陸上航空基地の新設を急ぎ、基地航空兵力の増強を図る。
（註）滑走路があるのは、イースタン島のみ
・防備兵器、資材を急送して、同島の防備強化を行う。
この増強輸送は第一艦隊（扶桑型、伊勢型戦艦）に担任させる。
[敵艦隊捕捉撃滅要領]
・聯合艦隊は、ミッドウェー攻略後、米艦隊はハワイ方面から反撃に出てくる公算が大きい
と判断していた。
・基地航空兵力の同島進出を急ぎ、その飛行哨戒と、ハワイーミッドウェー間に散開配備
させている潜水部隊をもって、早期に来攻する敵艦隊を発見捕捉するよう努める。
・空母部隊や攻略部隊の決戦兵力は、ミッドウェー付近海面にあって待機し、敵艦隊出現せば
急速南下して、基地航空兵力の傘下で艦隊決戦を行う。
・戦艦部隊は、その後方にあって、これを支援する。
・状況によっては、ＡＬ作戦の決戦兵力の大部を急速南下させ、戦闘に参加させる。
・敵艦隊の出現に備える期間は、ミッドウェーの応急的防備が概成するまでの約１週間
・敵有力部隊が北方海面に出現する場合は、ＭＩ作戦部隊の適宜兵力を北上させ、
これが捕捉撃滅に参加させる。
