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ASA 17-013-2006 天安門事件の活動家が拷問後遺症で精神障害

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ASA 17/013/2006(公開)、ニュース・サービス No:047、(2006年2月23日)
中国:天安門事件の活動家、釈放されるも、拷問の後遺症で精神病に

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事案の概要

喩東岳の事案

 天安門事件[1989年6月4日]当時の反体制活動家である喩東岳[ゆとうがく、Yu Dongyue]は、昨日、16年にわたる拘禁の後、ようやく釈放された。しかしながら、彼は精神に異常をきたしている。アムネスティ・インターナショナルは、彼の釈放を歓迎するとともに、1989年の民主運動に対する弾圧に巻き込まれて投獄された他の全ての人たちを釈放するよう求める。

 アムネスティの東アジア調査員であるコリンナ=バーバラ・フランシス[Corinna-Barbara Francis]は、「これはおそろしい事件である。喩東岳はようやく釈放されたが、16年にわたる不当な獄中生活を通じて定期的に殴られ、拷問を受け、長年独房に監禁されていたため、精神状態に著しい異常を来たしている。」と述べている。

『瀏陽[りゅうよう]日報』の副編集長であったジャーナリスト喩東岳は、天安門広場にある毛沢東の肖像画にペンキをなげつけたあと、「反革命破壊行為ならびに煽動」の罪状で1989年に投獄された。その後ただちに二年にわたり独房に監禁された。アムネスティは、同氏を良心の囚人と認定している。

 後日、別の監獄に収監中の同氏を尋ねた仲間の活動家によれば、氏は殴打や暴行を受けていた。頭の傷跡など様々な虐待のあとが見え、多年の友人に気がつかないうえ、同じことばを何度も繰り返すなど精神的に虚脱しているようであった。他の受刑者たちによれば、氏は柱に縛り付けられたまま数日にわたり炎天下に放置され、そのあとさらに二年間独房に監禁された。釈放された時、彼は家族を見分けることができず、独り言を呟いていた。

 コリンナ=バーバラ・フランシスは、「喩東岳氏の釈放にあたり、民主運動に対する1989年6月の非道な弾圧[=天安門事件]に対して、中国当局が党派から独立した調査を再度おこなうことを求める。数百名の被害者にとっては、いまだに正義が実現されていない。加害者を殺人と傷害への関与により告訴し裁かなければならない」と述べた。

その他の被害者:劉智華と胡石根

 当時の抗議運動に連座して、今なお、多くの人たちが収監されており、弾圧の被害者の法的権利を擁護するために働きかけたというだけで、それ以来勾留されている人たちもいる。

 「1989年の事件は、もう遠い昔のことだと思われがちだが、実は今なお獄中で苦しんでいる人たちがいる。中国当局は全員を直ちに釈放すべきだ」とコリンナ=バーバラ・フランシスは述べた。

 1989年の弾圧にまきこまれて投獄された人たちの中には、電機工場の労働者であった劉智華[りゅうちか、Liu Zhihua]や、北京外語学院の講師であった胡石根[こせきこん、Hu Shigen]も含まれている。

 劉智華は、政府が民主運動を暴力的に弾圧したことに対し、1989年6月4日の直後に、湖南の工場で1000人以上の労働者がくりひろげた抗議デモに加わったかどで逮捕された。「騒擾行為」ならびに「故意傷害罪」で、1989年に終身刑を宣告された。その後減刑され、2011年に釈放されることとなっている。

 胡石根は、労働・民主運動団体である「北京15」のメンバーだった。6月4日事件の記念行事を企画したかどで1992年に拘束され、のちに「反革命罪」で裁かれた。グループの指導者格であった氏は、最も重い20年の禁錮刑を宣告された。氏は、健康をひどく害しており、釈放が予定されている2012年まで生き残れるかどうか、友人たちは危ぶんでいる。治療を与えるため氏を仮釈放するよう家族が求めているが、当局は回答していない。

 (アムネスティ公開文書)

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