ダンゲロスキャラクターストック

一〇&一二

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■キャラクター名
一〇&一二(にのまえ のまえ&にのまえ のあと)

■性別
無・両性

■年齢(学年)
中学2年生

■エントリーする部門
最強

■特殊能力
能力名「1/2」

互いの思考・感情・記憶をリアルタイムで共有できる能力。母胎内で同時に覚醒して以降、2人で1つの能力、2人で1人の魔人である。


■キャラクター説明
一族中の魔人率が99%を超える戦闘破壊家族、一家(にのまえけ)の双子の兄妹。魔人として生まれてきたため年齢の割に一家の子供たちの中では古株である。

零は中性的な容姿をした銀髪の美少年で、二はウェーブのかかった銀髪を持つ美少女。とても優しい妹と、彼女を寄り添うようにして守る兄は、生まれる前からその能力によって互いを完全に理解していたし、この絆が脅かされることなど無いと考えていた。が、その一方思春期を迎え、相方に自分より好きな対象が出来ることを何より恐れてもいた。相手の心が自分以外に向き、それを自分では如何ともし難いと言うことは、相手の心を把握出来る彼らには何より耐え難いことだったから。

そんなある日、零はその半身を奪われる。突然現れた男は二から「心」を抜き取っていった。彼女の心を独り占めしたくなった、そう言って。以後、二の肉体は眠り続けている。そして、それ以来零には二の「心」が流れこんでくることは無くなった。必ずあの男を見つけて殺し、妹の心を奪い返す。彼はそう誓い、戦いのために牙を研いでいる。

グングニール

魔人能力によって鍛えられた魔槍。その名は勿論北欧神話の最強の槍に由来するが、「必ず敵を貫く槍」では無く、「剣戟の衝突音」を意味する名の通り、「音で敵を貫く槍」である。この槍の穂先が発する斬撃音を聴いた者は音の大きさに比例したダメージを受ける。音を認識できない者には効かない。槍の能力は中2力によって発動するため、魔人が持っていなければ能力を発揮せず、また持った魔人は自身の能力を使えない。使い手にも効果は及ぶため零は耳栓をして戦っている。


■アピールポイント
近親恋愛が好きです。誰よりも身近にいるのに、だからこそどれほど想っても一線を超えることは許されない二律背反に苦しむ姿には胸が熱くなります。能力名は川本真琴の同名の曲に由来しますが、歌詞にある「神様は何も禁止なんかしていない」という一節は曲中の2人が世間的に許されない恋をしていたのでは、という妄想を掻き立ててくれます。また、すでに一線を超えている関係は、恐らくこの2人はずるずると堕ちていくのだろうと想像しつつ、互いだけの世界で愛に溺れる様を思うとゾクゾクします。

そして上記の趣味とはまた別に、シスコンのキャラクターが好きです。大抵スペックが高い彼らが妹にメロメロで周囲が見えなくなる様には胸が熱くなります。兄妹モノは半分くらいシスコンの兄を期待して見ています。

そんな思いから生まれたのが妹を取り戻すために戦う兄というキャラクターです。美しくて狂っていて素敵です。

■プロローグSS
「一兄さん。二の世話ありがとう」

弟にそう言われた一は照れたように「家族だから当然だよ」と返した。向き合う2人の少年はどちらもあまりに美しかった。美少女としか思えない顔立ちと柔和な雰囲気を持つ一に対して、銀髪の少年・〇は中性的で高貴な印象を与える美少年だが、気品ある物腰の底に激情を隠したような、そんな危うさがわかるものにはわかった。

天蓋付きの大きなベッドには1人の少女が眠っており、2人は横に立って彼女を見下ろしていた。〇と同じ長い銀髪に、人形のような顔立ちは二卵性とはいえ流石双子だと思わせるモノがある。

「そういえばき…!」

「今日で2年だね…二が『心』を取られてから…」

一が言いかけて口をつぐんだ台詞を零が紡いだ。2年前の今日、小学生だった学校帰りの兄妹の前に、1人の男が現れた。長身で、どこか哲人のような雰囲気を纏った髭面の男は身を低くして、二とその奥にいた〇の顔を覗きこむと端正だが気難しげな顔に宝物を見つけた子供のような笑みを浮かべた。

「君たちの心を見てみたい…」

「(二…!逃げて…)」

なんだかわからないが、危険だ。怯えながらも動けないニの心中が伝わってくる。それに対して即座に行動できた〇は優秀だった。しかし、男と二の前にさっと割って入った〇の、そしてその背後の二の胸を男の腕が貫いていた。音も出血も無く、まるで腕が幻影であったかのようにその身を貫かれたはずの零は意識を失うまで何も感じなかった。

「…ッ!」

恐らくほんの数秒だったのだろうが、落ちていた零が意識を取り戻したとき男はその手の中にある小さな光に見惚れていた。彼の足元には二が倒れているが身動き一つしていない。

「のあっ…とぅ…お…」

体が動かない。発声すら満足に出来ない。零の声に気づいた男は彼へと視線を移した。

「無理をしないほうがいい。抜いた心を戻したばかりなんだ…しばらくは動けないさ」

全く威圧しようという気を感じない声音が却って恐ろしかった。しかしそれでも男を睨み続ける〇に男はやや感心したような笑みを浮かべると続けた。

「君の『心』はそんなに好みじゃなかったからね…返させてもらったよ…だが彼女は素晴らしい。容姿以上に美しい輝きだ。」

そう言って手の中の「心」を少し高く掲げて見せた。その淡く、神々しい輝きに〇も思わず魅了される。

「の…二のこ…ころ…?」

心などという形而上学的なモノを、形にして取り出すことが出来るものなのか…だが、そういった超常を可能にするのが自分たち、そして男もそうなのだろう-魔人という存在だ。そして、生まれてから今まで、睡眠時の夢までも、絶えず伝わってきた片割れの心の動きが一切感じ取れない。そのことが、男の言葉を裏付けていた。

「かえっせ…のあとの…返せ…ぼ、ぼくの…ここ…ろをやるから…」

ずるずると男の足元へ這いながら、そう言う〇を男は拒絶する。

「言ったろう…?君の心は好みじゃないと…。欲しいモノと欲しくないモノの交換など君ならするかね…?」

それを最後に男は〇に背を向け、歩き去っていった。遠くなる背中を這いながら追いかけ、再び意識を失うまで「待て」「返せ」と小さく叫び続けた。


それから2年。二の体に異常は無く、脳波も正常。寝たきりなので肉が落ちてはいるが、体も一応は成長している。が、意識が戻ったことは一度も無い。恐らくこのままでは永久に意識が戻ることは無いのだろう。医学的な昏睡状態とは全く別で「心を奪われた」のだから。

「僕は…また二の心の声を聴きたい…そのためならなんだってする…」

「〇君…」

〇の顔を覗きこんだ一はぞくりとした。ただ妹を取り戻そうとする兄の目ではなく、確かな狂気を湛えていた。そしてそれは、表面化したのは間違いなく2年前の今日が境だが、それ以前、一家に来た当初から先達である彼ら2人共に感じていたモノだった。狂愛。幼い日、自分を求めるあまりの凶行に走ったあの人と同じ。いつも相手がそばにいるから静かだった狂気が、奪われたことで烈しいモノへと変わったのだった。

ポケットのなかで携帯電話が振動し、〇は応答した。

「はい。アメリカ…わかりました。ありがとうございます。」

「○君…また…行くの…?」

「うん…行ってくるね。姉さん達にごめんなさいって言っておいてくれるかな…。」

あの日以来、一家の情報網と、自身がこれまで築いたコネクションを以って〇は男の情報を集めていた。それまでに、手にした槍「グングニル」はどれほどの血を吸ったのか、彼の心はどれほど闇に染まったのか。

「○君…死んじゃあ駄目だよ…」

「うん。心配ないよ。今度こそ、二の心は戻ってくる。また、前みたいに暮らせるようになるよ。」

そう言って笑う〇の目に宿った狂気が、また少しその濃さを増したように思えた。

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