第21話~第30話ボス



【エクスデス・メカ】(第21話)

ダンナーザの故郷の文明世界を滅ぼし、両親をも殺害した仇敵。
復讐のため、サンシャインブリッジの聳え立つ城で待ち受けている。
この世界で手に入る強力な魔法、マスターサンダースパークが有効かと思いきや、
やはり同じ世界に存在する弱点には対策をしっかりと立てていたらしく、
それをはじき返すコーティングバリアーを装備していた。
台詞からすると精神を残しつつ全身の肉体を機械化していたようだが、
マスクの中身は実は死んだと思われていたダンナーザの父親であった。
最期の台詞で「すまんあやつられていた許せ」と言っていた事からして、
エクスデス・メカのボディはダンナーザの父を素体に改造された機械であり、
それをエクスデスの精神が遠隔操作していたという形だったと推測される。
全身を機械化しているからには、本体たる精神がその中にいるとは限らない。
台詞からのこちらの先入観の裏をかいた、実に狡猾なトリックだったといえる。
操られながらも、既に滅びてしまった世界を精神力で持たせている父親が悲しい。

第14話に登場したエクスデス・ブロスもそうであったように、
エクスデス達は「復讐」のためにベリュル達に襲い掛かってくる事が多いようだ。
ベリュルが10年以上前からエクスデス達の恨みを買いながら冒険していたのか、
あるいは全てのエクスデスにとって許せない「何か」をしてしまったのか。
ベリュルはかつてエクスデス達の世界で過ごした事があるというが、
エクスデス達の復讐の連鎖のルーツは、あるいはこの幼少時代にあるのかもしれない。

主な台詞:
「そうだ、復讐するため精神いがいメカになったのだ無敵だ死ね」
「ダンナーザ、すまんあやつられていた許せ、ぐ・・」

コーティングバリアー

サンダー系最強(21話時点)の魔法を手に入れたと思ったら
いきなりそれを無効化するボスが登場する、という絶妙のボス配置に唸らされてしまう。
この玄人向けの仕様に魅入られたプレイヤーは多いはず。

幼少時代

後の88話でベリュルは『俺を利用して育てた』と語っている事から
幼少時代のベリュルは既にエクスデス一族の思惑を察していた、とも考えられる。
ベリュルはどう考えても成人する前の方が聡明なので、可能性は無いとも言えない。

エクスデス・メカの説得力ある考察に目から鱗が落ちて死にました。
思い入れたっぷりの読み込みが命だったぜ。

【ダルダルス】(第22話)

1万年前に滅びてしまった亡霊達の世界で活動する、レジスタンツのリーダー。
レジスタンツの活動内容は不明だが、人類の滅亡に細々と抵抗していたようだ。
魔物の襲撃でレジスタンツが全滅した後は、一時的にベリュルの仲間になる。
共に支配者を倒しに向かう事になるが、実はそれら全てはダルダルスの策略であり、
実は本当の支配者とは他ならぬダルダルス自身であった。
正体は人間ではなく、顔はライオン、胴体は蛇、手足はサイ、尻尾はサメという、
凶悪というかなんというか、イメージに苦しむ姿で襲い掛かってくる。
だがその知能は本物であり、全ての魔法を習得している上に、
それらを状況に応じて使い分けるという高度な戦法でベリュル達を苦しめた。

FFSの黄金律、「いきなり仲間になるような奴は信用できない」の記念すべき一例である。
(アイスメリアやシュグレスも裏切るが、加入して即裏切ったのはこいつが初めて)
不自然なほどタイミングよく他のレジスタンツ達が全滅したのも、
ベリュルという駒を新たに手に入れた事で、彼らの力は不要になったためだろう。
人間を装いながらもリーダーという地位を確立していた点や、
自らは表に出ず、他人の力を利用して「支配者」を倒す計画を一貫して進めていた辺り、
やはり相当の知性派であった事が伺える。
ちなみに、「レジスタンツ」の表記は原文通りである。

主な台詞:
「お願い、ここの支配者を倒すのを手伝って」
「フフ、ばれたか、お前たちは十分役に立った、死んでもらおう」

【支配者の亡霊】(第22話)

湖にたたずむ城に存在する、滅亡した世界の支配者……と思われていた人物。
だが実は支配者ではない、と思わせておいてやっぱり支配者だった。ややこしい。
具体的な特徴は不明なものの、アンデッドとしての属性を持っているらしく、
聖なる力に極端に弱いため、2連戦でも特に苦戦せず勝つ事ができる。
「(ダルダルスを)倒してくれてありがとう」との台詞からも、
ダルダルスより戦闘能力が劣るのは自分でも認めるところだったのだろう。
実はこの支配者も亡霊であり、1万年前に滅びた人間のそれだと推測される。
ダルダルスとこの支配者を失った世界は消滅していった。
エクスデス・メカの例を見ても分かる通り、破綻した世界を存続させるためには、
生命が存在しなかったとしても、何かの意思だけが存在していれば十分なのだろう。

ダルダルスと対立関係にあった事は明らかであり、
つまりこの世界には少なくとも2つの勢力が同時に存在していた事も分かる。
ダルダルスの側は、ダルダルス自身の正体から考えて「魔物」の勢力と思われる。
これは、レジスタンツを唐突に全滅させたのが魔物だった事からも推理できる。
逆にこの支配者が率いていたのは、牢屋の看守等「亡霊」の勢力だったに違いない。
しかしこの話は、とにかくベリュルが利用されっぱなしのエピソードである。
相手の正体すら分からないのに、支配者と聞くや否や、ダルダルスに言われるまま
何も考えずに倒しに向かったベリュルにも問題があると言わざるを得ないだろう。

主な台詞:
「だまされているのはお前たちのほうだ、そのダルダルスが本当の支配者だ」
「ハハハ、倒してくれてありがとう、これではれて私が支配者だ」

ダルダルス

FFS世界での強い動物と言えばゴリラ。
そのゴリラの特性を持たなかったのがダルダルスの敗因だと分析するのだ。
胴体が蛇と言うのも頼りなさに拍車を掛ける。

世界を維持していたとは言え、亡霊と言うある意味希薄な存在だった支配者と
インパクト満点の肉体を持ちながらも支配者を滅ぼす事は出来なかったダルダルス。
結局二人とも悪だった訳だが、両極端な二者の力が拮抗しているという構図が面白い世界でもある。

【キング・サファギンヌ】(第23話)

もはや説明不要の大人気キャラクター、キング・サファギンヌ。
たった一つの無人島以外は全てが海という世界の、海底魔城に出現する。
海底人による地上支配を目論んでいたのは確かなようだが、
この世界の大部分が海中に沈んでいるのはモアイの「1回で涙に沈んで」の
予言が実現しただけだとも思われるので、こいつの力かどうかは不明である。
海中という特殊状況で戦うため、雷系の攻撃は痛み分けになってしまうが、
魔法剣等で直接魔法を叩き込めば電気は散らないらしく、簡単に倒された。
他では滅多に使われない「圧勝した」という表現を使われていることからして、
本当に心底弱いボスだったのだろう。FFSスレでの人気とはまるで真逆である。
海底魔城の崩壊と共にモアイは血の涙を流し、2度目の予言が実現。世界は滅びた。

それにしても不気味なのは、無人の島にただ一つ聳えるモアイの存在である。
モアイ自体がキング・サファギンヌの作り出した何らかの兵器とも思われるし、
元からあったモアイの予言が実現した結果、海底の勢力が伸びたとも解釈できる。
見るものが誰もいないであろう予言詩と、血の涙を流し世界を崩壊させるモアイは、
単純なホラーとはまた別の、圧倒してくるような神話的な恐ろしさがある。
だがそれはそれとして、キング・サファギンヌのネーミングセンスは実に秀逸である。
サハギンという平凡なモンスターを、何故こうも脱力感溢れる語感にできるのだろうか。
こんな名前を思いつけるのは作者くらいだろう……と思って検索してみたら、
何故かあの般若の数学の登場人物の一人に加えられていた。誰がやったんだ。

主な台詞:
「地上人め、我らは世界を支配するのだ死ね」
「これが太陽の力か・・」

【オーディーン】(第24話)

召喚魔法の宝庫、異次元に取り残された町の屋敷のダンジョンの奥に潜む。
台詞からは異次元の町に人間禁制のルールを定めている事が推測され、
町の住人がほぼモンスターで構成されていた理由も、
オーディーンが人間の侵入者を常に排除し続けてきたためだろう。
それもあるいは、召喚獣達を人間の手から守るためなのかもしれない。
能力的には、5ターンごとに全滅確定の斬鉄剣を使用してくる強敵だが、
同じ町で手に入るゴーレムや、竜騎士のジャンプ等で対策する事もできる。
特にゴーレムは、今後の展開を考えると是非手に入れておきたいところ。
氷系の攻撃が弱点。倒すと戦闘前の物騒な言動とは裏腹にころっと仲間になる。

召喚魔法は手に入れたが最後、大抵はそのまま放置が基本のFFSでも、
割と活躍が多い方の召喚獣である。やはり即死の斬鉄剣が特徴的なためだろうか。
そして意外と亜種も多く、ギガディーンはもちろん双子の兄のボーディーン、
ゴールデンオーディーンや地獄のオーディーンであるヘルディーン、
オーディーン達の神のゴッディーン等、もはやなんでもありの状態である。

主な台詞:
「そうだこの異次元の町は人が入ったらだめなのだ、だからお前たちは全員死ね」
「仲間になる」

【エクスデス・マインド】(第24話)

精神だけの存在になっても、やっぱり話の流れに関係なく突然現れるエクスデス。
異次元の町から出ようとしたベリュルを引き止め、戦う事になる。
精神体だけに直接攻撃の効果は1/10と薄く、さらに魔法攻撃を一切無効化する。
また、詳細は不明だが混乱を与える攻撃も仕掛けるらしく、
エクスデス・マインドという名前に相応しく、精神干渉を得意とする事が伺える。
「精神になっても恨みを晴らす」や「またしても貴様にやられたか」の台詞から、
過去にベリュルに倒されたエクスデスが精神体として復活した姿なのだろう。
あるいは、エクスデス・メカを操作していた「精神」だったのかもしれない。

ベリュルを引き止める時の台詞が「待ちたまえ」。意外と紳士的な奴である。
余談だが、FFSに登場するエクスデス達は、特に新しい冒険に登場するものは、
軒並み魔法攻撃に対して高い耐性を備えている事が多いようだ。
さらに言えば、魔法以外にも強力な防御力、耐久力を持っている事すらある。
さすがは死を超える者、魔法を知り尽くした暗黒魔道士といったところだろうか。

主な台詞:
「待ちたまえ」
「そうだ我は精神になっても恨みを晴らすのだ死ね」

【泣く巨人】(第25話)

あらゆる生物が10倍の巨大さと10倍の能力を持つ巨人の世界で、
嘆きの神殿の中に10万年も閉じ込められていた巨人の支配者。
神に閉じ込められた事を嘆き、泣き続けている。
神殿の名前にもなっている辺り、かなりの頻度で泣き続けていたようだが、
むしろ10万年もの間閉じ込められていてよく精神が持ったものである。
自分のみでなく他の生物をも巨大化する能力を持っていたようで、
倒される事で全ての生物の巨大化は解除され、普通の世界に戻った。

主な台詞:
「おお、神は私をココに10万年も閉じ込めておいた」

【ファラオマシーン】(第25話)

巨人を倒した後に出現する砂漠のピラミッド地下の迷宮最深部を守っている。
巨人を倒して普通に戻ったものと思われたこの世界は、
実はこのファラオマシーンの実験プログラムに支配された世界だった。
そして恐らくは、こいつこそが巨人を10万年幽閉していた「神」の正体である。
事実、「世界の力をしり、自らを巨大モンスターに変わった」とあるように、
巨人を利用してあらゆる生物を巨大化した世界のデータを採取する事で、
その巨大化の力を自分に取り込んで応用する方法を得たのであろう。
ファラオやピラミッドというガジェットこそそこはかとなく旧式臭いが、
世界を作り支配するだけでなく、作り出した世界でシミュレーションを行い、
さらに自分の戦闘力にフィードバックするという、高度なマシーンなのだ。

ミニマムの逆の効果の「ジャイアント」がこの世界でしか使えないのも、
この世界が実験プログラムに支配されていたと考えれば納得できる。
そもそも巨大化の世界はファラオマシーンのシミュレーションの中にしか存在せず、
巨大化の魔法を使えるのも、巨人とファラオマシーンの力があってこそである。
攻撃方法は不明だが、倒すと土のイエロークリスタルを入手できる事からして、
もしかするとクリスタルを動力源として稼動するマシーンだったのかもしれない。
他のFFでもよく見られるように、クリスタルが世界を構成する重大な要素ならば、
それを用いる事で世界規模のシミュレーションが可能だったとしてもおかしくはない。

主な台詞:
なし

【アギガ】(第26話)

まるで迷路のような無人の町をオメガ亜種が闊歩する世界で、
ボスの館の奥の金庫室を警護する、オメガ以上の性能を誇る戦闘機械。
機械でありながらサンダー系の弱点を克服した、とんでもないやつである。
あのオメガの上位種という時点でFF5経験者には既に驚愕ものだが、
弱点まで失われた事で、まともにダメージを通す事は至難の極みだろう。
とはいえ、その脅威の生命力は逆にアギガ自身の弱点でもあり、
なんとアンデッドでもないのにケアル系の魔法がダメージとなってしまう。
それでも圧倒的な防御力を誇ったものの、魔法剣ケアルガの連発により倒れた。

戦闘が急展開過ぎるせいかなかなか強さが掴み難いボスの多いFFSの中で、
オメガとの比較があるおかげで、その恐ろしさが分かりやすいボスである。
機械なのに「脅威の生命力」でケアル系に弱いという部分は不可解だが、
もしかすると、弱点の雷を克服する手段として、電子回路の代わりに
神経細胞のような生体部品を用いて機体の制御を行っているのかもしれない。
事実FFSは、脳を組み込んだ機械が普通に出てくるような世界観なのである。
当然ながらこれも耐久力や再生力に優れた細胞を用いているのだろうが、
精密な回路の役割を果たしている部位だけに、回復魔法を用いられると、
さながら癌細胞のように、再生した細胞が他の回路を侵してしまい、
結果的に機能不全に陥るのではないかと考察する事もできる。
またこのエピソードでは、FFSでは魔法剣ケアルガが使用できる等、
魔法剣に従来のものにはない応用性があるという事も判明した。
今後も新魔法は続々登場するので、魔法剣の効果を想像してみるのも面白い。

主な台詞:
なし

【マテラ】(第26話)

アギガを倒して入った金庫室の中で待ち受ける、アギガのさらに上位種。
サンダー、ケアルを含むあらゆる弱点を克服した、究極のオメガである。
外見こそ今までのオメガ亜種と比べて小型化されているが、
その分、これを開発した連中の技術力の高さが伺えるというものである。
一切の攻撃を無効化するバリア機能を備えた、まさしく無敵のマシーンだが、
やはり小型な本体に搭載しなければならない故に継戦能力に劣るのか、
30回攻撃を続けるとバリアは破壊され、以後はダメージを与えられるようになる。
とはいえ、オメガクラスの敵からの攻撃を耐えながら30回も攻撃を加え、
その上で相手の体力を一から削っていかなければならないとなれば、
それだけで攻略に要する苦労と根気は並大抵のものではないだろう。
しかもこいつを倒して金庫から手に入れられるアイテムが次の世界の鍵であり、
ストーリー上必ず倒さなければならないボスだというのも辛さに拍車をかける。
ベリュルに倒されるものの、機体内部には核自爆装置が仕込まれており、
世界を爆破して消し去るという、死してなお恐るべきボスであった。

アギガ、マテラ共に、一切の台詞はなくそのバックボーンも語られる事はない。
この辺りの機械ならではのストイックさは元ネタのオメガにも通ずるところがある。
それにしても怪しいのは、この世界の冒頭に残された血だらけのメモの主である。
町全体が迷路化している点、ただの館に入るためにクリスタルの収集が必要な点、
何より「ここを救ってくれ」と書かれている割にオメガ種以外の住人が全くいない点から、
この無人の町の世界が、巧妙に偽装された要塞である事は明らかである。
最強のマテラと戦わせようとした事からも、メモは確実にベリュル抹殺が目的だろう。
アギガやマテラは、同時にそれを生み出した技術力の持ち主の存在も示している。
第25話の引きでは、このメモの主が誰なのか、僅かに臭わせる描写があるのだが……
この第26話の時点で疑っていた読者も多いかもしれない。

主な台詞:
なし

【恐竜魔人ダンガデスグランド】(第27話)

恐竜が支配する国で、世界全体を見渡せるキングゴッド・マウンテンの頂上に住む。
今までの敵の10倍もの体力と力を誇る恐竜達を使役する支配者だったが、
その正体はなんと、ずっと探し求めていたベリュルの父親だった。
その上支配の邪魔をしたベリュルを始末するため、自分自身に恐竜のDNAを注射し、
炎を吐き高い攻撃力を誇り、魔法も使えて全ての回避率が70%の優れもの、
恐竜魔人ダンガデスグランドに変身して襲い掛かってくるのであった。
単純なスペック的に非常に凶悪な敵で、今までに最大の苦戦を強いられる事になる。
かなり無茶な変身方法なのに特に弱点を持たないのも、さすがの技術力といったところ。
悲しみの中倒されるも、ベリュルの父の意図はベリュルの強さを試す事であり、
死の間際に真の悪魔デスグレンザーを倒す使命をベリュルに託して息絶えた。

2話に渡る伏線の後に現れたベリュルの父親だが、その行動はかなり怪しい。
後に分かる事だが、そもそも彼はベリュルの実父ですらないのである。
この世界も、元から恐竜が支配していた世界という可能性ももちろんあるが、
恐竜のDNAを用いた自己改造技術等のオーバーテクノロジーを操り、
その上人間の身でありながら恐竜を使役して世界を支配していたベリュルの父が、
遺伝子工学を用いて恐竜達を人工的に作り出していた可能性は極めて高い。
そして、彼がベリュルと戦った目的は、ベリュルの「強さを試す」事である……
やはりダンガデスグランド=研究者説はかなり整合性の高い解釈だといえるだろう。


主な台詞:
「父を越えることが出来るかな」
「たのむ、早いところデスグレンザーを倒すのだ、やつが真の悪魔」
「待って、お前たちの中の・・・ギャア」

【エクスデス・インセクト】(第28話)

鏡の迷路を抜けた先の、虫に支配された世界を支配するエクスデス。
実験に失敗して虫に支配された人間を「傲慢すぎた」と断じ、
人間の姿を装いながらも虫を支配して人間を食料としていた。
戦闘力としては、カブトムシの力、カマキリの切れ味、トンボの飛翔と、
まるでダルダルスのごとく複数の虫の長所を組み合わせた能力を持つ。
だが、虫だけに炎には弱いままらしく、風水士の永久ファイガに倒れた。
分かりやすい弱点を持ちながらもそれを克服していないというボスは、
ここ数話のFFSでは珍しい。ベリュルにまでその愚かさを指摘されている。

「あえなく撃退」という表現が珍しい。他にあえなく倒されたのは、
FFSを通して見ても第8話登場の黒き存在くらいなものである。
既に人間が絶滅していた世界の食料が人間だったというのは不可解だが、
エクスデス・インセクトが倒れた事で「生物がいなくなった」という事は、
最初から虫達はエクスデス・インセクトの使い魔のようなもので、
実は人間を食べなくても存続できる存在だったのかもしれない。

主な台詞:
「人間は傲慢すぎた食われて滅びるべきなのだ」
「私に戦いを挑むとは人間とはおろかだ・・・」

【エンジェルスター】(第29話)

鳥は歌い、花は咲き、住人は皆美女、宿屋は無料で泊まれる上に、
強力な武器も安く防具はタダという、まさにパラダイスな天国世界。
その統治神殿・バリュナスの一番奥で待ち構えている。
ベリュル達に褒章として安らぎや富、栄誉を与えようとしたが、
なんと何故か逆上したベリュルに突如として襲い掛かられてしまう。
HPはたった10万程度しかないものの、ケアルガ、リジェネ等の
豊富な回復魔法を使いこなすため、相当な長期戦を覚悟しなければならない。
しかし肝心の攻撃方法に関しては描写されておらず、不明。
もしかしたら無抵抗のまま延々と回復魔法を唱え続ける敵なのかもしれない。

これまでの話の中でも度々理不尽な振舞いの見られたベリュルではあるが、
さすがにこの話のベリュルは酷すぎると言わざるを得ない。
何しろベリュル一行はこの世界では何ら被害を受けていないというのに、
ベリュルが自分から「襲い掛かった」とはっきり描写されているのだ。
地の文で「天国の罠」「天国という名のあくの世界」と書かれている以上は、
やはりこの世界にも何らかの罠があったと見るのが妥当だろうが、
それにしたってこの猜疑心の塊のような一連の行動は明らかにどうかしている。
冒険の再開早々、アイスメリアやダルダルス、ダンガデスグランドに騙され続けて、
さすがのベリュルも精神が参っていたのかもしれない。

主な台詞:
「ここまでたどり着いたあなた方に、安らぎ、富、栄誉をあたえます」
「なんてことを・・・あなたは天国を否定するのですか・・・」

「なんてことを・・・あなたは天国を否定するのですか・・・」

こういう事を言う連中はだいたい嘘つきなのが相場なのだが
今回に限ってはそこまでの悪ではなかったようにも見えて来る。

ベリュルの逆上をナレーターが肯定しているような口ぶりなのがツボ。
結構最初の方から仲が良かったらしい。

【ライズサンデスト】(第30話)

一億年もの時を経た洞穴、です・ザエンドラビリンス、またの名を地下150階において、
太陽の光で輝きを放つ最下層で侵入者を待ち構える、伝説の化物。
シュグレスの衝撃的な裏切りと共に、閉じ込められたベリュル達に襲い掛かってくる。
太陽の魔物とも噂される存在だけに炎属性を持ち、ブリザド系に弱い。
そのあまりにあっさりとした描写から、ともすれば存在を忘れられそうなボスであるが、
実は今後長きに渡り活躍する主要キャラ、メリアナニーが仲間になるきっかけでもある。
しかし、何故メリアナニーが地下150階の洞窟の奥で一人で居たのかは不明である。
台詞からは、このライズサンデストに捕らえられていたように取れるが……
実は、メリアナニーのバックボーンを読み解く鍵の一つになっているのかもしれない。

せっかく「この旅最大の危険」を演出するボスなのに、台詞の一言すらない。
恐らく、10年後の冒険でダンナーザと共に初期メンバーだったシュグレスの裏切りという、
ゲームがゲームならクライマックス級のイベントを際立たせるために、
同時に襲ってくるこいつのキャラクターはあえて薄味にしてあるのだと思われる。
しかしそれにしたところで、こいつに関して読者が得られる情報といえば、
「太陽の魔物とうわさされる」というナレーション程度のものである。
唯一の強さの根拠が、よりによってただの噂。本当にそれでいいのか。

主な台詞:
なし

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最終更新:2009年11月17日 23:33
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