第51話~第60話ボス



【暗闇のくも】(第51話)

かつて世界を脅かした、容赦のない真の闇の世界。その最深部で蠢いている。
道中で襲ってくる2ヘッドドラゴンや闇の4せんし等のネーミングからも分かる通り、
FF3のラスボスとして登場した暗闇の雲本人だと思われる。
攻撃方法は多彩になっており、本来の波動砲に加えてグリーンビームやハイたつまき、
電磁レインなど、プレイヤーにとって非常に嫌らしい攻撃パターンとなっている。
さらに、聖属性以外の攻撃は全て無効化する防御性能をも誇っているらしく、
エクスカリバーやホーリーを活用しなければ打倒は困難な難敵である。
前回の第50話から引き続いてFF3の用語を用いている事から、
ゴールドランドとこの闇の世界は連続した世界観の世界とも考えられる。
「闇のついに支配するのだ!」という台詞は、ゴールドル・ゾンビが倒れた事により、
今度は逆に闇の力が台頭し始めたという事を示しているのかもしれない。

倒すと世界は1000年ぶりに闇の支配から解き放たれるものの、
闇に覆われた世界の荒廃は手の付けられない状態であり、そのまま滅んでいく。
しかしこのキャラを語る上で外す事ができないのは、ゴゴゴ・・の迫力感も当然だが、
なんといっても死に際の台詞の異様な卑屈さであろう。
「幹部の中でも実力は最低最弱」「幹部と呼ばれるのもはずかしく」
その上「他の幹部に指一本で殺される」とよりによって自分で言うである。
倒した敵がこんな事を言い始めたら、いたたまれなくなる事うけあいだろう。
ところで、暗闇のくもはこの台詞の後に「永遠の闇に葬られた」とあるが、
これがそのまま比喩表現として闇の中に没したいう意味なのか、
あるいはFF9に登場した「永遠の闇」が葬りに来たという事なのかは不明である。
だとすれば、永遠の闇が闇の勢力の幹部の一人という可能性は十分あり得ると思われる。

主な台詞:
「ゴゴゴ・・・・来たか、闇のついに支配するのだ!しかも私は幹部の一人!」
「ゴゴゴ・・おろかな、私は幹部の中でも実力は最低最弱、幹部と呼ばれるのもはずかしく、他の幹部に指一本で殺される」

【2ヘッドドラゴン・デビル】(第51話)

FF3のトラウマボス、2ヘッドドラゴンの亜種と思われるモンスター。
実力は健在で、かつて光の勇者を殺したとすら言われている。
攻撃は2回ヒットながら一撃で9999のダメージを受けるという猛烈さであり、
なんとゴーレムの防御すらも突き破られてしまう。
だが、どうやら2人に1人は常にゴーレムを使わせる戦法で打倒したようだ。
倒すとリボンを手に入れる事ができる。まともな台詞こそないものの、
FF3と同様、14話に登場したケルベロスとは随分と格差があるようだ。

主な台詞:
なし

【エクスデスストーン/ラーヌルデ・ギャベントイ】(第52話)

壁画や石像が襲い掛かってくる、美術と芸術の世界ジョリーム・ゼルデナルド。
美術館の奥にあるエクスデスの石像も、案の定奇襲を仕掛けてくる。
FFSのエクスデス、しかも石という時点で防御力が低いはずもなく、
恐るべき防御力故か、並の魔法も無効化されてしまう。
また、戦闘では全員に成功率50%のブレイクを唱えてくる初見殺し仕様でもあり、
リフレク等の対策を事前に準備して挑まなければ、厳しい戦いを強いられるだろう。
さらに、エクスデスストーンを倒したとしても、その石像の中からは
本体である芸術家ラーヌルデ・ギャベントイが飛び出し、二連戦に突入する。
このギャベントイも描いた絵を実体化させる事で多彩な攻撃を仕掛けてくる上、
絵で作り出した召喚獣をも使いこなす強力な能力を持っているが、
あくまで絵であるため、炎属性で現象をかき消す事が可能。
倒すと、ギャベントイと同様の能力を扱える、絵家のジョブを入手できる。

恐らく、ギャベントイこそが前回語られた「芸術だったがソレを利用するやつ」であろう。
自らの作品を街の芸術に紛れ込ませる事で、侵入者に対して奇襲を仕掛けていたと思われる。
また、悪事を働いていたキャラがエクスデスの正体を現すというパターンは
これまでのFFSでも度々描写されていたが、ギャベントイのパターンはその逆である。
石像に封じられていた描写や、「とりこになりここでお前たちを待っていた」台詞からも、
ギャベントイがエクスデスに支配されていた事が明らかなのにも関わらずである。
数々の世界を滅ぼしてきたベリュルとわざわざ戦うために待ち構え、
芸術の町を丸ごと利用して壁画や石像のトラップに満ちた要塞を準備していたことからも、
その行動原理には自身の生み出した芸術の強力さへの並外れた自負がある事も伺える。
敵とはいえ、倒されたことでこの世界の芸術が全て滅び去ってしまった事から、
その芸術への強烈な執念が推察できるキャラクターである。
もしかすると彼は、エクスブリザードやエクスナイト以前に
自分の精神力のみでエクスニズムを打破できた人間だったのかもしれない。

主な台詞:
「ワタシハエクスデスストーン、オマエモワタシノセキゾウニナリシネ」
「そう、私は芸術家だが強いものを作るうちにとりこになりここでお前たちを待ってたさあ死ね」

【音】(第52話)

音楽の館の中にあるピアノを調べると襲ってくる「音」そのもの。
実体がないという設定の敵はRPGでは然程珍しいタイプでもないのだが、
音波そのものが敵という状況はその中でも相当にレアなケースではないだろうか。
当然、単なる空気の振動である音に物理攻撃や魔法が効くわけもなく、
同じく「音」である歌によって波長を打ち消すしか手段はない。
芸術とは、絵画や彫刻だけに留まらない。音楽までもが襲ってくるという事だろう。

主な台詞:
なし

【デスグレンザーの影武者】(第53話)

辺り一面を死騎兵が覆いつくし、怪しい者は即座に殺される圧制の世界。
人骨で作られた城の中では、因縁の敵デスグレンザーがベリュルを待ち構えていた。
見た目こそ人間と大差はないが、悪魔の尻尾と竜の羽、鷹の足、猫の目など、
複数の動物の身体的特徴を兼ね備えた、ダルダルスを彷彿とさせる個性的な外見である。
戦闘でも3連続で高威力のいなずまを繰り出す等の厄介な攻撃を仕掛けてくるらしく、
「今までのボスとは桁が違う」とすら言われる各種ステータスの高さを誇る。
しかもこれほどの実力を持ちながらも、実はデスグレンザーの影武者に過ぎなかった事、
そして本物のデスグレンザーの実力はそれ以上である事が、倒れた彼の口から語られるのだ。
さらに、真の幹部の一人、悪魔の薔薇と呼ばれるビラッバラまでもが登場。
ベリュルに敗北した影武者を指一本で消滅させると、ベリュルに殺害予告を突きつけるのだった。

よく考えると中々面白い外見をしているキャラではあるが、結局は偽者に過ぎない事や、
幹部であるビラッバラの個性的な言動などから、どうにも影の薄いボスである。
とはいえ、ビラッバラの登場に伴う恐怖のリアクションには非常に素晴らしいものがあり、
とりわけ「穴田は大変恐ろしい、ベリュルたちより10倍恐ろしい!」の一文は、
脱力感溢れる二人称「穴田」や、「10倍恐ろしい」などと妙に具体的に示される恐怖感など、
幹部達の前座に過ぎないキャラとはいえ、とてもいい仕事をしている事が分かるだろう。

主な台詞:
「フフフ・・・ワタシハデスグレンザー様の影武者、本物がこの程度だと思ったら大間違いだ」
「あっあなたさまは真の幹部の一人悪魔の薔薇と呼ばれるビラッバラ様!」
「お・・お許しを・・・穴田は大変恐ろしい、ベリュルたちより10倍恐ろしい!」

【ビラッバラ】(第53話~第54話)

前回から引き続き登場する、デスグレンザー一味の真の幹部。
悪魔の薔薇という異名を持ち、デスグレンザーの影武者からも、
その実力と残虐さは「ベリュルたちより10倍恐ろしい!」とまで畏怖されている。
影武者を指一本で消し飛ばし、謎の光でガラフを完膚なきまでに絶命させる等、
実際に底知れない恐ろしさと風格を演出していた敵なのだが、
この54話にて、なんと一行で撃破されてしまう。
あれほどの前フリがあったのにも関わらず、一行である。
あげく直後に現れた真の幹部、カインダラとエクスデーションからも、
「幹部として実力が半分にも満たない未熟な男」などと馬鹿にされる。
確かに、真の幹部にはブレイブレイドが有効だとされていたのだが……

実は、シュグレス等の大ボスを除いて、2話またぎで姿を現した初の敵だったりする。
しかし、敗北した配下の始末という明らかに閑職らしい仕事しかしていない辺り、
彼が幹部として中途半端な実力だったというのも、また事実なのかもしれない。
その冷酷なキャラに反し、一人称が「ビラッバラ」なのが中々ユニークである。

主な台詞:
「なんというざまだお前は」
「ハハハ・・・会うときを楽しみに待ってるぞ、殺すから」
「おろかな・・ビラッバラにそむくとは」

【ガラフ】(第54話)

ブレイブブレイドの入手のために訪れた勇気の試される世界の勇気の塔にて、
逃げずにボスのコンバードを打倒したベリュルの勇気を診断するために現れる。
このイベントはFF5のムーアの村での2択イベントを踏襲したものであり、
その結果によってブレイブブレイドかチキンナイフのどちらかを貰えるのだが、
なんとここで貰えるブレイブレイドは死の呪いのかかった呪いの剣であり、
実は悪に寝返っていたガラフは突如として襲い掛かってくる。
暁の戦士の実力は健在であり、何千年間も蓄えた力でさらに強化されている。
また、づっぴんマスターという珍妙なジョブについているため、
ケアルガを含むあらゆる魔法や、火炎放射やみだれうち等の多彩な技も使用する。
ナントカ倒すと正気に戻り、自らが操っていた黒幕の正体を述べようとするが、
ここでも現れたビラッバラの攻撃を受け、一瞬の光で絶命する事になる。

エクスデスや暗闇の雲といった歴代のFFボス達に続き、
ついにFF5では味方であったはずのガラフまでもが敵に回ってしまった。
今後もFFSで度々出てくる、悪こそが正義と知った男の記念すべき一人目でもある。
とはいえ、敵に回っていてもしっかりとブレイブブレイドは渡してくれるし、
呪いの罠も封印が解けたので、結果的にはベリュルを助けていたという見方もできる。
ガラフを操っていた者の思惑を考えれば、その解釈でも一応の整合性は取れるだろう。
どちらにせよガラフは操られていたわけだが、戦闘前の台詞では自信満々に、
「操られているのではない」と言っている。考えてみれば当然の事ではあるが、
操られている人間の言動など全くアテにならないものだという事がとてもよく分かる。

主な台詞:
「おお・・お前は勇気ある男、どんな困難にも逃げず仲間を守り勇気じゃ」
「操られているのではない、わしは正義が無駄だと知ったのじゃ、悪こそ正しい」
「はっわしは操られていたようじゃ、わしを操っていたのは・・・ギャア!」

【コンバード】(第54話)

今まで誰も生きて帰った事のない、勇気の塔の頂上に出没する、恐ろしいトリ。
麻痺にしたりHPを1にする等、思わず逃げたくなるような攻撃を繰り出す。
実際に逃げられるかどうかは不明だが、このボスから逃げずに倒す事が、
直後に現れるガラフの出現条件となっていると思われる。
活躍こそ少ないが、「逃げたら殺す」というシンプルな脅迫がかえって恐怖を煽る。

主な台詞:
「逃げたら殺す」

【カインダラとエクスデーション】(第54話~第55話)

思わせぶりな引っ張り方をされた割に、ろくな戦闘シーンもないままたった一行で倒され、
しかも死後も唐突に現れた仲間に侮辱されるという悲惨な扱いを受けたビラッバラだが、
FFSの世界にはさらにそれを超える悲惨なボスも存在する。それがこいつらである。
初登場時は、ベリュル達が苦戦の末倒したビラッバラの背後から出現し、
ベリュルが「一歩も動けなかったぜ」と恐れ慄くほどのプレッシャーを放った。
さらに幹部の身でありながら支配者として世界を操る権限も与えられているようで、
ビラッバラの死に些かも動揺せず、「幹部は我々二人だけ十分のだ」とすら豪語していた。
……が、第55話冒頭の一行であっさり撃破。勿論戦闘シーンや会話も皆無である。
ビラッバラといいこいつらといい、攻撃力290のブレイブブレイドが強すぎたのだろうか。
それとも、デスグレンザーの真の幹部達が弱すぎただけなのだろうか。真相は藪の中である。

唯一の見せ場の第54話ではベリュルを恐怖で金縛りにしたのだが、その情けない状態から、
「アナタノユウキガワタシノフウインヲトイテアナタノユウキガフエマシタ」の台詞と共に
何故かブレイブブレイドの封印が解けるというツッコミ所満載の現象が起こってしまった。
最後の台詞となる、「いつか会う日まで殺す・・・・」という独特の言い回しも記憶に残る。

主な台詞:
「所詮ビラッバは幹部として実力が半分にも満たない未熟な男、幹部は我々二人だけ十分のだ」
「いつか会う日まで殺す・・・・」

【デスグレンザー】(第55話)
第27話から実に28話越しに登場した因縁の敵、真の悪魔デスグレンザー。
しかしついに辿り着いたデスグレンザーの世界は、男のいない女性のみの世界であり、
デスグレンザー自身も実は女性だったという信じられない事実が明らかとなる。
衝撃はそれだけで終わりではなく、なんとデスグレンザーは実は敵ではなく、
ベリュルの父に頼まれて今まで彼らを試していた事までもが彼女の口から語られる。
ダンガデスグランドの最後の言葉は、ベリュルに試練を与えるための方便だったのだ。
さらに彼女はベリュルに危機に瀕したこの世界を救うように頼み込むが、
その瞬間、仲間であったはずのマリアリスが反旗を翻し、デスグレンザーを殺害する。
マリアリスは実は「やるたらの刺客」であり、最初からその目的で同行していたのだ。
デスグレンザーは代わりとなる新たな仲間、ダンギャステルを託し、息絶える。

FFSを語る上で避けて通れない孤高の戦士、ダンギャステル初登場の回であると同時に、
一瞬のうちに敵味方の立場が激しく錯綜する激動のエピソードである。
味方の突然の裏切りや敵の意外な正体等の急展開は以後のFFSでも度々見られるが、
こうした予想だにしない展開が、読者を引き付ける一因である事は間違いないだろう。
とはいえ、彼女が本当にベリュルの味方だったかどうかはかなり疑問の余地が残る。
デスグレンザー勢が、死騎兵によって虐殺を行う、人骨で城を建設する、
かつての英雄ガラフを洗脳し殺害する、といった非道を働いていたのは事実であり、
これが全て「あなた方を試していたのです」の一言で済むのはどう考えてもおかしい。
彼女がマリアリスを筆頭とした「やるたら」と敵対していたのは事実だろうが、
もしかするとデスグレンザーもまたマリアリスとは別種の悪の勢力であり、
「父親に頼まれて」や「あなた方が救える」といういかにもな台詞も、
ベリュルを上手い具合に篭絡するための出任せであったと解釈できるかもしれない。
これならばベリュルの父=研究者説を採る場合、デスグレンザーを倒してくれ、との遺言は
言葉通りの意味であり、ベリュルをデスグレンザーと共倒れさせるための誘導と解釈できる。

主な台詞:
「あなたがたの父親に頼まれて、あなた方を試していたのです」
「この世界は今、危ないですが、あなた方が救える」
「なんてこと・・・私は死ぬが、マリアリスはやるたらの刺客だが、代わりの仲間」

【アーリマンボム】(第56話)

地球の3000倍もの大きさの巨大惑星が空を覆い尽くす、死の衛星の世界。
アーリマンの故郷でもあるこの衛星の中でも最大の洞窟、
ジャックマン・ダンジョンの最下層に待ち受ける巨大なボムである。
外見こそボム系に見えるが、当然アーリマンとしての特性も備えており、
他の戦闘と同じく、10カウント以内に倒さなければこちらが全滅である。
必然的に、相当に猶予のない高速戦闘を強いられる事になるのだが、
こいつのHPは20万もあるため、削り切るのは至難の業。
残りHPが15万以下になると、自爆でこちらを道連れにしようとしてくる。
どう攻略しようがこちらを殺す気満々という、恐るべきボスである。

勿論普通に戦えば詰み確実なのだが、自爆イベントを引き起こすと、
加入したばかりのダンギャステルが身を挺してベリュル達を庇ってくれる。
いきなり登場していきなり仲間に加わっていきなり活躍していきなり死ぬという、
イチジクコバチもびっくりの爆発的に短い一生であった。
圧倒的強さの割りに台詞の一言すらなかったアーリマンボムなどより、
このダンギャステルの壮絶な死に様の方が印象に残っている人も多いだろう。

主な台詞:
なし


【アガス・ギリャーベンド】(第56話)

ダンギャステルが壮絶な爆裂死を遂げた後、追いかけてきたメリアナニーを加え、
これから長きに渡って運命を共にする、真の4人パーティーがついに結成される。
そしてダンギャステルの死に、ベリュルは死神アガス・ギリャーベンドへの復讐を誓う。
ダンギャステルは勝手に飛び出して勝手に犠牲になっただけだというのに、
いきなり復讐されるギリャーベンドににとっては逆恨みもいいところだろう。
ともあれ戦闘力は高く、高い回避力と3連続魔デス等、攻防共に非常に強力。
ホーリーには弱いものの、ベリュル一行を復活アイテム切れにまで追い込んでいる。
ギリャーベンドが倒された後は、アーリマンボムの爆発の威力のためか、
惑星が大爆発して世界は消滅する。地球の3000倍の質量が爆発したのならば尤もである。

この世界の10カウントの戦闘制限が、恐らくは死の宣告によるものであると考えると、
アガス・ギリャーベンドは死の宣告の最後に出てくる死神なのだろうか。
何しろアーリマンばかりの世界なのだから、商売が繁盛しそうである。
しかしそのように解釈してもダンギャステルの死因は自爆によるものなのだから、
どいらにしてもギリャーベンドはとばっちりで殺された事になってしまう。
八つ当たりで殺された不運さといいインパクトの弱さといい、なんとも哀愁漂うボス。

主な台詞:
なし

【ラバーエクスデスゴム】(第57話)
メガフレア、ハイホーリーといった禁呪が多数存在するミシディアの世界。
魔法収集の一環として伝説の山に向かい、邪悪ゾンビスを倒したベリュル達だが、
その間にミシディアの町が何者かの襲撃を受け、あえなく滅ぼされてしまう。
怒りに打ち震えたベリュル達は残酷者の塔の頂上へと辿り着き、
再び現れたエクスデスの一人、ラバーエクスデスゴムと対峙する事になる。
例によってというべきか、エクスデスだけあってとてつもない防御性能を誇る。
異なる性質の16層のゴムで構成された装甲は、あらゆる攻撃を必ずどこかの層で止めるのだ。
物理攻撃も属性攻撃も効かないと思われるが、意外にも魔法剣グラビデが弱点だった。

ミシディアの町の壊滅イベントの直後に戦う事になるため、
(ベリュルの逆恨みでなければ)恐らくはミシディアの町を滅ぼした張本人だろう。
台詞中にも「伝説の本当の魔法」の所在についての言及があったため、
彼もまた、ミシディアの町の魔法を略奪するためにこの世界を訪れたのかもしれない。
ゴム製エクスデスというのはよく考えると間抜けなようだが、ミシディアの住人には、
魔法剣グラビデ以外のあらゆる攻撃手段を防ぐゴムの装甲は脅威だった事だろう。
それにしても、ラバーエクスデスゴムという常識の埒外のネーミングは、
FFSでは多数存在するエクスデス族の中でも図抜けた存在感を放っている。
悪行を働きながらも、あのベリュルと戦って死なずに済んだ貴重なエクスデスでもある。

主な台詞:
「た・・助けてくれ・・わかった、教える、伝説の本当の魔法はこの先のアガハの遺跡中だが」


【バハムートエクスデス】(第57話)

伝説の本当の魔法の在り処である、アガハの遺跡の最深部に出現。
あのバハムートを操り、その上に乗って戦いを仕掛けてくるらしいが、
実際の戦闘描写はなく、詳細な戦闘方法やその目的等は一切不明である。
倒すと伝説の本当の魔法、召喚魔法ギガディーンを手に入れる事ができる。

恐らく同じエクスデス同士、ラバーエクスデスゴムと共謀して動いていたのだろう。
ラバーエクスデスゴムが実働部隊として前線基地の残酷者の塔から略奪を仕掛け、
奪った魔法を本拠地の遺跡に潜むバハムートエクスデスが保管していたと思われる。
ベリュルの「これが欲しかったんだ」という台詞からしても、
伝説の本当の魔法であるギガディーンは、他の世界にも名の知れた魔法だったに違いない。
それを狙って襲撃してきたエクスデスにミシディアが滅ぼされ崩壊してしまったとしたら、
あっさりと手に入った割に、実はかなり因果の深い魔法であったかもしれない。

主な台詞:
なし

【エクスレイズ】(第58話)

モンスターや王様等、住人が一人残らずゾンビと化してしまった恐怖の世界。
なんと、かつての仲間マリアリスまでもがゾンビ化して襲ってくる中、
ボスの待つ塔へと向かったベリュルは、新たな敵の驚愕の正体を目にする。
エクスデスとは真逆の属性の、生を超えた新たな勢力、エクスレイズ族の初登場である。
最初に登場したエクスレイズは生命エネルギーを操作する能力を持っているようで、
世界中の生命体から生命力を奪い取り、抜け殻となった肉体をゾンビと化していた。
生命力の強さは戦闘スタイルにも現れているようで、強力な再生力のためか、
毎ターン3000ものHPを回復され、しかもケアルガまで用いた長期戦を仕掛けてくる。
しかしリフレク対策はしていなかったため、リフレクをかけられて回復魔法を反射され、
それが元で倒される事になる。彼の死と共に、全生命を失った世界も滅びていった。

FFSのエクスニズム解釈の集大成とも言えるエクスレイズが、ついに登場。
「死を与える」エクスデスに対して、「生を奪う」エクスレイズ。
属性こそ正反対だが、やはりベリュル達にとって強大な敵である事に変わりはない。
とはいえ、エクスデスとは異なり自身の弱点に対して対策がなっていない点などは、
やはり新興勢力ゆえの、戦いの年季の違いといったところだろうか。
生命を象徴する存在が逆にゾンビを使うという発想は、予想外で面白い。
また、あのマリアリスがゾンビになってしまうという衝撃のイベントも起こっている。
だがこれは、後の話でマリアリスが何事もなかったかのように再登場する事や、
マリアリス自身がエクスレイズ勢力に加担していた様子があった事等を鑑みると、
本人ではなくベリュルの動揺を誘う為の罠であったと考えた方がいいかもしれない。
だとすると、第16話で登場したダンナーザクローンとの関係性も気になるところ。
この新種の登場を発端として、後にエクスデス族、エクスレイズ族、ベリュル一行の
三つ巴の争いが勃発する。しかし新たなエクスレイズ族の再登場はまだまだ先である。

主な台詞:
「生きるのは私だけで後は死人になり力は貰うようにしたのだ」
「お前もゾンビで幸せに」

【バイハルト】(第59話)

生活の痕跡だけを残して人類が消え去り、ただ風だけが吹きすさぶ無人の世界。
この世界のすべての住人を食べてしまった恐るべき男が、宿敵バイハルトである。
世界分割以前から存在する、1億年前の世界最古の遺跡の奥に待ち受ける。
「長生きして力を溜めてたのか」とベリュルが感想をもらした事からすると、
遺跡内の古代生物と共に、相当に長い間この世界に巣食っていた事は間違いない。
悠久の時を生き、世界の人間すべてを喰らい尽くす旺盛な生命力に相応しく、
戦闘においても、なんとHP無限という信じられない特性を誇る。
防御性能が高いという次元ではなく、どれだけダメージを与えても死なないのだ。
しかし、時折唱えるメガメテオの詠唱時間(1.3秒)の際には一瞬無防備になるらしく、
この隙に武器の追加効果や、デス等で即死を与えると、なんと即死してしまう。
タイミングを計る事が重要なため、魔法よりも武器の追加効果に期待するべきだろう。
さすがにHPが無限というボスは他のゲームでも中々見かけないだけに、
FFSのボスの多彩さが窺い知れるエピソードである。

唐突に登場した宿敵だが、実は第47話の最後に伏線がある。名前が微妙に変わったが。
とはいえ、外見描写もなく、エクスデスや研究者勢との関連があるとも思えないため、
宿敵という割には影がやや薄く、正体も判然としないボスである。
FFS恒例の凶悪さの表現として、世界の住人を全員「食べた」とされているが、
バイハルトを倒した事で「魂を開放する事が出来た」という描写や、
またバイハルト自身の異常な生命力の強さ等から、これが単なる捕食ではなく、
世界の住人の生命力を自身のものとして取り込んでいたという事が分かる。
ところで、第42話によると世界分割は2億年前の出来事だとされているのだが、
今回の話では、1億年前の遺跡が世界分割以前のものと説明されている。
単なるミスかもしれないが、ベリュルの世界移動の時間的な不規則性を考慮すると、
この世界が現代から1億年以上前の時間軸に位置しているためと考える事もできる。

主な台詞:
「待っていたぞ・・・だが私の力は無限だから私の大勝利だ死ね」

【黒豹のベッシュ】(第60話)

バイハルトを打倒した後、唐突に修行の一人旅を思い立ち、仲間と別れたベリュル。
狩人の谷を通りかかったところ、上から監視していた神の狩人達に目をつけられる。
その中の一人、今まで仕留められなかったものはないほどの凄腕が黒豹のベッシュである。
戦闘法は実に周到。突如矢で手足を狙撃した上で、谷の出口で待ち伏せをしてくる。
谷の上で獲物を待ち受けていたのも、逃げ場のない谷の地形を利用するためであろう。
戦闘は当然1対1となるが、こいつはみだれうちを使ってくるので非常に苦戦する。
だが、今までの怪物じみた連中と比べると、特技がみだれうちだけというのは
どうにもインパクトに欠ける。手負いのベリュルと1対1で負けている辺り、
やはり一人旅の最初のボスといった程度の実力である。
台詞は「私が・・・」の一言だけ。戦闘法といい、寡黙でクールな男という印象がある。

主な台詞:
「私が・・・」


【神の狩人】(第60話)

神の狩人と呼ばれ、世界を圧巻した謎の集団。ベリュルを新たな標的と定めた。
リーダーが「だれがしとめる」と口にしている事からして、
リーダーと黒豹のベッシュ以外にも、少なくとも何人かの構成員が存在すると推測できる。
描写はさほど多くはないのだが、リーダーの説明的かつ謙虚すぎる台詞が印象に残る。
黒豹のベッシュが一言名乗りを上げただけで、彼の実力を長々と持ち上げる様は、
リーダーというよりむしろ、太鼓持ちとかコバンザメといったポジションを想起させる。
しかもそれだけ褒め殺しながら、最後に「まあいいや」で送り出す。何がしたいんだ。
勿論、リーダの地位を脅かすベッシュを倒したベリュルに勝てるはずもなく、あっさり全滅。

主な台詞:
「新しい獲物だ、我ら神の狩人と呼ばれ世界を圧巻した、だれがしとめる」
「き・・貴様は黒豹のベッシュ!今までしとめられなかったものは無いというほどの凄腕で、リーダーの私の地位も危ないし、貴様が行くほどの事もないと思うが、まあいいや」

【クリスタルキング】(第60話)

一方、ベリュルと別れたダンナーザ達はクリスタルキャッスルにてクリスタルキングと出会う。
その名の通り、クリスタルで出来た城の城主であり、ダンナーザの恋人でもあった。
かつての約束通り、彼女に結婚を迫るが、悪に染まっていたために拒絶される。
尺の都合なのか、拒絶の理由を一息で言い切るダンナーザの迫力が凄まじい。
力の信奉者であり、「力がこの世の全てだと思うのだ」と、やや自信なさげに自らの信念を語る。

戦闘方法すら不明のままナントカ倒されてしまうが、ダンナーザの恋人という点も含め、
そのネーミングはどこか後のゴールデンボーイを連想させる。
ゴールデンボーイにもシルバーガールやブロンズボーイという家族がいたが、
もしかするとクリスタルキングも関係者の一人だったりするのかもしれない。
同じくネーミング繋がりでも、某ロックバンドとは何の関係もないだろう。
確かに、愛をとりもどそうとはしていたみたいだが……
そんなわけで三者三様に個性的な、一人旅編のボス達なのだ。

主な台詞:
「おおダンナーザ約束どおり結婚しよう」
「力がこの世の全てだと思うのだ」


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最終更新:2010年02月14日 21:52
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