GUNDAM WAR

本カードゲーム「ガンダムウォーネグザ」の前身。
当wikiでは「GW」「旧GW」と記載される。
RPGマガジン(現:カードゲーマー)の「究極のガンダムTCGを作る」という企画から始まり、ガンダム20周年企画の一つとして1999年に発売した。

㈱バンダイが版権を有するガンダム作品であれば、アニメ・小説・ゲーム・雑誌企画・漫画などあらゆる作品の機体・登場人物・場面・作戦を、作品の枠を超えて自分の好きなように使うことができるのが醍醐味。
また収録されるカードはオリジナルの書き起こしイラストが多く用いられ、ガンダムファンからはコレクションカードとしても注目されていた。特にユニットのイラストは新規書き起こしが非常に多く使用されている。

販売されている全てのカードが(制限カードを除き)ほぼ全て使用できるのも大きな特徴で、ガンダムの世界観を再現しつつも本格的なカードゲームとして多くのユーザーに愛されてきた。

2011年6月に本カードゲーム「ガンダムウォーネクザ」が発表。
GWは約12年という長い歴史に幕を閉じ、機動戦士ガンダムAGEの放送開始と共に「NEXT AGE」、ガンダムウォーネグザへと名前を変えて再スタートを切った。

  • 一部のネット掲示板などでは「レギュラーセット第29弾 邪念再誕」という商品が2011年9月発売とあるが、これは一部ユーザーの「デマ」である。そのような商品は存在しない。
  • デッキの必須カードが極めて高額であり、さらにトーナメントレベルのデッキに投入されるカードはほぼレアであった。構築には多くの資金を必要とするのも特徴だった。
  • GWからガンダムウォーネグザへの移行には、ユーザー・販売店に対するフォローが非常に少なく、旧カードについても読み替えルールという厳しい条件と「GWフォーマット」限定という制約により、事実上のスタンダード落ちが確定、価値が暴落した。発表直後からGWを取り扱うシングルカード販売店では買い取り中止が行われた。
    • 加えて販売店に対しては、メーカーへの返品を「GWフォーマット」での使用可を理由に受け付けず、さらにネグザ発表前に発売された直近の28弾「絶対戦力」のメーカー入荷待ちが、不良在庫対策よる生産数絞込み(生産中止)だったため、販売店からは極めて強い反感を買った。

GWの歴史

ガンダムSEEDによるプレイヤー数増加(2002年8月~)

2002年10月に放送された「機動戦士ガンダムSEED」の人気と売り込みを始まりとする。
本編放送を前にレギュラーセット第9弾「相克の軌跡」で「ストライクガンダム」や「キラ・ヤマト」などが先行収録され、登場するガンダムが当時のユニットサイズより二回りほど大きい戦闘力を持ち、バッテリー稼働と実弾耐性を「PS装甲」と「特殊シールド」でデザインされるなど、「ガンダムSEED」の設定はGWでも再現された。

「ガンダムSEED」の売り込みの為にGWでも「ガンダムSEED」が積極的に収録され、同色のウイング系よりも優遇。本編放送中の2003年5月にドラマチックブースター第3弾「ガンダムSEED編」とドラマチックスターター第4弾「栄光のザフト」が発売され、本編を再現する特殊効果「換装」「PS装甲(X)」の登場、OP曲・ED曲を収録するシングルCDに「シンボルカード」と呼ばれるカードが封入されるなど過去に類を見ない売り込みが行われた。
特に上記のドラマチックシリーズでは本編に先駆け「フリーダムガンダム」を収録。さらに本編では敵対するキラアスランが死闘を繰り拡げる中、「切り開く力」という二人が和解して共に戦うイラストのカードが収録され話題となった。

この「ガンダムSEED」の積極的な売り込みと「ガンダムSEED」が人気を博したこともあり、レギュラーセット第11弾「蒼海の死闘」前後からGWはプレイヤー数を大きく伸ばした。

カードパワーのインフレと環境の高速化(2003年8月~2005年1月)

レギュラーセット第11弾「蒼海の死闘」(2003年8月)からレギュラーセット第13弾「烈火の咆哮」(2004年8月)の間に収録された、一部カードのカードパワーを発端とする。

GWは元より一見使いどころが無さそうなカードでも構築次第で充分に活用でき、様々な戦略が広げられるよう、デザイナーズデッキを含め絶妙なゲームバランスが保たれていたが、レギュラーセット第11弾~第13弾の間に発売されたエキスパンション以降それが崩れた。

特にレギュラーセット第12弾「宿命の螺旋」(2004年2月)で収録された、国力を発生する「チェーミン・ノア」など所謂「ブーストキャラ」、ベースドブースター3(2004年5月)に収録された「タイタニア」「加速する狂気」。レギュラーセット第13弾「烈火の咆哮」で収録された「ペーネロペー」「アプサラスI」「総攻撃」「気化爆弾」「Ξガンダム」「死の旋風」などのパワーカード及びパワーカードの補助を担当するカードの登場は環境を著しく乱した。

上記のカードの登場により、「パワーカードAで敵を圧倒し、そのパワーカードAをパワーカードBで押さえつけ、それをまたパワーカードCで…」という異常な流れが発生し、「3、4ターン目で勝敗が決する」「場が一掃されて何もできなくなる」などの事態が数多く見受けられた。

このような環境は極めて異常かつ不健全であったため、多くのプレイヤーがこの事態の改善の公式に要求、または事態の対処に動かない公式を見限って引退を決意した。

制限カードの登場と大規模エラッタの執行(2005年1月・2005年4月)

レギュラーセット第13弾「烈火の咆哮」環境における異常なゲームスピードと、レギュラーセット第14弾「果てなき運命」(2005年2月)までにおけるパワーカードに制裁を加えた措置。

当時は「タイタニア」「アプサラスⅢ」「Ξガンダム」「死の旋風」「加速する狂気」などを軸にした「ブーストタイタニア」「アプサラスデッキ」「死の旋風隊」「カウンターΞ」と呼ばれるデッキなどが国力ブーストを用いて台頭していたため、数ターン目で勝敗が決する異常なゲームスピードを支える「チェーミン・ノア」など所謂ブーストキャラが制裁を受けた。
(尚、制限カード(禁止カード)という処遇はこの時がGW初である)

また特殊効果「換装」のタイミングを変更し、「アプサラスI」「黒い覇道」「泣き虫セシリア」「カリスマ」「死の旋風」「加速する狂気」にエラッタを行うことでカードパワーを引き下げ、必須ドローカード「急ごしらえ」「密約」「中東国の支援」に「ターン1枚制限」を追加することでゲームスピードを抑えるなど、様々なカード・効果に制限を課すことで環境の改善が図られた。

ガンダムSEED&DESTINY限定大会の開催(2005年5月~2006年)

使用するデッキのカードを全て「S」マークのカードで構築して対戦する大会のこと。
ドラマチックブースター第5弾「ガンダムSEED DESTINY編」とドラマチックスターター第5弾「閃光のミネルバ」の発売に合わせて行われ、カードショップでは2005年5月~2005年8月、公式大会では2006年までサブイベントとして開催された。

この大会は明らかに当時放送中であった「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の売り込みと、上記ドラマチックシリーズの販売促進であったが、既存ユーザーのカード資産が通常構築戦に比べて大きく影響せず、上記のドラマチックスターターを1箱購入するだけでGWに触れることができる仕様がGWの敷居を大きく下げ、放送中の「DESTNY」効果も相まって新規ユーザーの獲得に大きく貢献した。

また既存ユーザーにとっても、公式大会で開かれた限定大会では1位に「グランドトーナメント(GT)」というGW最高峰のイベントの大会予選参加権が与えられたため、通常構築戦とは勝手の異なる仕様に各々が様々なデッキでしのぎを削った。

Gガンダム参戦アンケート(2005年)

公式ホームページにて行われた、当時未参戦の「機動武闘伝Gガンダム」参戦の賛否を問うアンケートのこと。

賛成が多ければ今後の参戦が決定し、反対が多ければ参戦を見送るという趣旨が告知された。当時はGガンダムの世界観が他のガンダムのそれと異なるため参戦には賛否両論が存在したが、アンケート結果は僅差ながら賛成票が過半数を占めたことにより参戦が決定した。

ただし、会員権の数だけ投票数が増加するアンケートシステムを用いたため、投票数の工作が可能であると批判するユーザーも存在した。

新戦闘エリア「リングエリア」の追加(2006年2月)

レギュラーセット第16弾「覇王の紋章」にて初参戦した、「機動武闘伝Gガンダム」の世界観を再現するために作られた第3の戦闘エリアのこと。

このリングエリアは通常の戦闘エリアと異なり、
  • 「MF」という特殊効果を持つユニットが1枚しか攻撃に出撃できず、また空ブロックできないといった特別ルール。
  • リングエリアにいるユニットのセットグループは、リングエリアにいるカード、または「リングエリアという記述を含む効果以外の対象にならない」といったアンタッチャブル
  • 攻撃側のユニットがいる状態で、防御側のユニットが防御ステップの規定の効果直後にいない場合は、敵軍手札、または敵軍ハンガーのカード1枚を無作為に廃棄するハンデステキスト。
が適用される。要は「Gガンダム」のリング同様、一対一の割り込みなしの勝負を再現した戦場であり、GWではこれにハンデス効果を付与することで勝負を半ば強要させるという仕組みとなっている。

このリングエリアは当然ながら「Gガンダム」参戦に合わせて新設された為、「Gガンダム」系のカードは単独で高い戦闘力を持つようデザインされ、収録された全てのモビルファイターが「MF」を持つ。そのため「高い戦闘力を持つ「MF」ユニットをリングエリアに出撃させて敵軍ユニットを破壊、またはハンデスを行う」ことを軸にした「MFデッキ」が登場。
これにリングエリアのルールを逆手に取った全体除去カード(「恫喝」「核の衝撃」など)で場を一掃し、リングエリアに残ったユニットで押し切るという形のMFデッキが誕生し、「恫喝MF」というトーナメントレベルで結果を残すデッキも現れた。

余談だが、上記の「恫喝」は「MFデッキ」登場前まではカスレアに近い扱いを受けていたが、レギュラーセット第16弾発売以降評価が見直されて1枚1,000円前後で取引された。そのため、古くて見向きもされなかったカードが環境の変化で急にトップレアに変貌した好例として良く挙げられる。

特殊効果「ヴァリアブル」の登場(2007年2月~)

レギュラーセット第18弾「戦慄の兵威」より登場した、本来の働き以外にもGとして場に出す事もできる特殊効果のこと。

これまでのGWでは、GGカードしか存在しなかったため、同様の働きをしているカードと入れ替えることでG事故を減らし、さらに既存のGカードと入れ替えることで、入れ替えたカードの本来の働きによって戦略の幅を広げることができた。

そのため、多くのプレイヤーは「国力を発生する『だけ』のGカード」より「国力を発生する事『も』できるヴァリアブルカード」を求めるため、同弾収録の「周辺警護」や「出土品」、「ロゴスの私兵」、後に収録される「救国の英雄」などはそれらの中でも高値(1,000円前後)で取引された。
またこれが新規層開拓の足かせになってしまったというプレイヤーが少なからず存在する。

シークレットレア「慈愛の眼差し」の収録(2007年5月)

ドラマチックブースター第8弾「前線のフォトグラフ」にて収録された、紫のヴァリアブル持ちのコマンドのこと。

コマンドとしては破壊無効の効果、Gとしては国力を発生しないものの、コイン以外の自軍カード1枚を取り除けば何度でも3回復するという効果を持つ。

「指定国力0」という、どの色でも使用可能で、かつヴァリアブル後の回復効果がかなり優秀だったこと、さらに期間限定販売のドラマチックブースターのみの収録で、シークレットレアという3BOXに1枚封入されているか否かという希少性。イラストが新規書き起こしの「ラクス・クライン」であることも相まって超高額カードとして市場に流通。当時は10,000円前後とGW史上最高価格としてショップで取り扱われた。
(過去におけるGW最高価格は「コスモ・バビロン」(5,000円前後)である。また後に高額カードとして取引される「ガンダムエクシア」や「ACE」「ユニーク」も2,000円~5,000円前後だったことを考えると、この「慈愛の眼差し」の価格は異常である。ただし、エクステンションブースター3(2009年11月)にてイラストを変更したものが再録され、最終的には2,000円前後で安定した)

因みに公式で紹介された際に「デッキに投入されてみてはいかがでしょうか」と公式が皮肉を述べた。

ガンダム00系ユニットの台頭(2007年8月~)

レギュラーセット第19弾「変革の反旗」(2007年8月)以降収録された、2つの指定国力を持つガンダム00系ユニットのカードパワーを発端とする。

2色の指定国力を必要とすることと、当時放送中の「機動戦士ガンダム00」の売り込みがあってか、「ガンダムエクシア(U-00-1)」や「ガンダムヴァーチェ(U-00-4)」といった00ユニットの性能が既存のものと比べ群を抜いており、秀でた戦闘力・展開力・回避能力・除去能力を持つそれらを用いたデッキが流行した。

さらに「ブリッツクリーク」という本国からユニットを複数場に出すコマンドを用いたデッキや、それをクイックGや2国力Gなどと呼ばれる特殊Gを用いて最速プレイするデッキが登場するなどし、既存デッキは大いに苦しめられた。
この00ユニットの台頭により、GWは「ガンダムダブルウォー」などと揶揄された。

その後、2国力Gが制限カードに指定され、さらに両方の指定国力が紫のカードのプレイルールが変更されるなどして、環境を席巻していた00系ユニットデッキは様々な形で派生。
加えて「クイック」が現在のものにエラッタが掛かり、以前のような高速展開が出来なくなったため、「ガンダムダブルウォー(ゲー)」と揶揄されることは最盛期に比べ少なくなった。

ただ、後に収録される「ダブルオーライザー(U-00-28)」や「ダブルオークアンタ(U-00-33)」といった大型の00ユニットがGW終了まで第一線で活躍したため、その俗称は一部ユーザーの間では終始口にされていた。

カードデザインの刷新と箔押しカードの封入(2008年2月~)

レギュラーセット第20弾「流転する世界」(2008年2月)で行われたGWの新たな試み。
以後、収録される全てのカードが新カードデザインで収録。さらに一部のカードは箔押しが施され、一部のセットを除きGW終了まで収録され続けた。

カードデザインについては、GWのゲームシステムが用いられた「クルセイドシステムカードゲーム」から逆輸入され、特徴欄がGを除くキャラクター以外にも追加。「特徴:ガンダム系」「MS」「専用「アムロ・レイ」」といった記述は本編をより深く再現し、「特徴:強化」といったコマンド・オペレーションの記述はGWに新たな戦略の要素を追加した。

またレギュラーセット第20弾が「ガンダムウォー10周年記念弾」だったため、「10th」という箔押しが施された「箔押し版」のレアカード(通称「10thレア」)が収録。ブースター・スターターに封入されるコモンの代わりに1枚封入されて話題となった。
(※上記の「ガンダムウォー10周年記念弾」はGWの10周年記念ではない。また「10thレア」はレギュラーセット第20弾の他に、レギュラーセット21弾「放たれた刃」でも行われた)

この箔押しは「10thレア」の他にも、レギュラーセット第22弾以降「アドバンスドレア(AR)」という「箔押し仕様」のカードが収録。レギュラーセット24弾「宇宙を駆逐する光」以降はさらに「イノベイティブレア(IR)」という「レインボー箔押し仕様」のカードが追加された。

Oガンダム問題(2008年5月~2008年7月)

Oガンダム(SP-63)」によるゲーム環境の乱れのこと。

このOガンダムは、戦闘ダメージを与えると「敵軍本国の上のカード3枚までを見て、その中にある(中略)カード1枚を自軍ハンガーに移す」という当時強烈に壊れているテキストを持っており、敵軍カードを利用しつつ敵軍のドロー内容の確認するプレイングが流行。
対戦相手への強烈な精神的負担に繋がり、Oガンダムを見ただけで気分を害するプレイヤーが続出した。この乱れで、GWは「Oガンゲー」などと揶揄された。

この事態は公式も重く見たのか、上記のOガンダムは2008年7月29日にエラッタが出て、対象が「敵軍本国」から「敵軍捨て山」に変更された。これにより本国操作が出来なくなったため、エラッタ前のような猛威を振るうことはなくなった。

関連


グラビアGの収録(2008年11月)

女性キャラクターが描かれたレアの基本Gのこと。ドラマチックブースター第9弾「戦場の女神II」にて初収録された。

イラストには店頭配布ポスター曰く「超豪華イラストレーター」が起用され、通常のレア枠とは別枠で、コモンの代わりに1枚封入されているのが特徴。紫を除く6種が1BOXにつき2枚程度封入されていて、イラストが大きく見えるよう工夫されていた。

その存在はガンダムファンやイラストレーターのファンからは好意的だったが、当時のGWにおいては異色であり、ごく一部のプレイヤーからは方向性を疑問視する声があがった。
しかしレア枠を消費せず、かつある程度のコレクター需要の結果、通常のカードが安価に入手できるようになったため、結果的にはプレイヤーからも好意的に受け止められた。

これの好評を受けてか、2010年12月にドラマチックブースター第11弾「戦場の女神ADVENT」にて、同様のGが紫を含む7種収録された。

俺がガンダムだ月間(2009年2月~6月)

カードショップで行われる大会のキャンペーンの一つ。

大会優勝者には当時非常に高いカード性能を誇る「ガンダムエクシア(U-00-1)」に新たに特徴を付与した「ガンダムエクシア(SP-70)」が配布された。

その希少性と元よりの高性能から高額(4,000円前後)で取引されたため、大会参加者の多くはガチデッキを用いて優勝を狙った。この期間はガチを望むプレイヤーからは歓迎されたが、カジュアルプレイを重視するプレイヤーからは敬遠された。

タメGの収録(2009年2月)

レギュラーセット第22弾「武神降臨」のスターターに収録されていた特殊Gの通称。

手札のキャラ・オペ・G・ACEを持ち主の本国の下に移すと国力に変換するという効果と、敵軍効果では破壊されない効果を持っていたため、既存デッキのG事情とカード配分を大きく変え、G事故の防止に大きく貢献した。

ただこの安定感がG事故という「運」と「構築」の要素を潰し、紫を除く6色全てのデッキが安定力を得てしまったことに不満のあるプレイヤーが少なからず存在する。

また、このタメGの安定力は後のデッキには絶対となったため、あらゆるデッキで制限枚数ぎりぎりの6枚積みされた。そのため、6色全てのタメGが高値(1,000円前後*6枚)で取引されることになり、ヴァリアブルカード以上に新規層開拓の足かせになってしまった。
(ただし、このタメGは2010年以降に「ブースタードラフト十字勲章」という形で上位入賞者用の参加賞として配布されることになり、既存タメGも含め(僅かながらだが)入手し易くなった)

イノベイティブレア「ACE」の収録(2010年3月~)

レギュラーセット第24弾「宇宙を駆逐する光」以降に収録された、新しい種類のカード。

ガンダムウォーネグザのカード同様、テキストの使用にロールコストを必要とし、さらに「ACEを対象にした効果以外の効果の対象にならない」という強力なアンタッチャブルを有していた。
また6色全てに一種類、それぞれの第一テキストが同じドロー補助、G・ユニットの展開補助、本国操作といった非常に便利なテキストを持っているのも特徴。

そのため一部を除けばトーナメントレベル必須であり、1箱に6色の内の(約)1枚しか封入されていないことも加え高額(2000円~3000円)で取引され、各色それぞれの第2・第3テキストの性能によっては価値はさらに上昇。「ウィングガンダムゼロ&ヒイロ」などは5,000円前後の値段で取引されていた。

高額なACEが必須になりつつあったため、レギュラーセット第26弾「戦いという名の対話」時に、第26弾のブースターやスターターを2000円以上購入すると、どの色でも使えるACE「ガンダムエクシア&刹那」が入手できるキャンペーンが行われ、入手に苦労していたプレイヤーに対しての救済措置が執られた。
しかしそれでも一部のライトユーザーからは敬遠され、GWは大金を必要とする資産ゲームとしての悪評を一層立ててしまう。加えて強力な第一テキストとアンタッチャブルによるゲームバランス崩壊を危惧したプレイヤーが引退を選ぶことは少なくなかった。

月間ガンダムウォー(2010年9月~2011年5月)

毎月ガンダムウォーの関連商品が発売されたことに対する俗称。
GWはレギュラーセットを(大体)半年に一つ発売させ、その間に関連商品を販売するという、3か月単位での商品展開を行っていた。
それがレギュラーセット第25弾「双極の閃光」以降崩れ、毎月関連商品を販売するという商品展開が行われた。

  • 月間ガンダムウォーの販売ペース
    • 2010年08月 レギュラーセット第25弾「双極の閃光」
    • 2010年09月 ウィナーズスターター第1弾「蒼空の覇者」
    • 2010年10月 コラボレーションブースター「ガンプラ30thメモリアルエディション」
    • 2010年11月 レギュラーセット第26弾「戦いという名の対話」
    • 2010年12月 ドラマチックブースター第11弾「戦場の女神ADVENT」
    • 2011年01月 ウィナーズブースター01
    • 2011年02月 レギュラーセット第27弾「雷鳴の使徒」
    • 2011年03月 ウィナーズスターター第2弾「純白の鋼翼」
    • 2011年04月 ブースタードラフトエントリーセット2011 vol.1
    • 2011年05月 レギュラーセット第28弾「絶対戦力」

上記のように毎月発売されるも約半数は再録である。このため既に入手しているプレイヤーには縁のないものであったが、新規・ライトユーザーにはトーナメントレベルに通用されるよう構築された「ウィナーズスターター」や「ウィナーズブースター01」は重宝された。

だが、その一方で使い道の難しいコモンが数多く収録され、特に「ガンプラ30thメモリアルエディション」はレアの半分と基本Gを除くそれ以外が全てバニラであったため、プレイヤーから反感を買うこととなる。
また一方ではレアのカードパワーが確実にインフレを起こしており、トーナメントレべルで活躍するカードは、必須カードを除けばこの間に収録されたものばかりである。

イノベイティブレア「ユニーク」の収録(2010年11月・2011年2月)

レギュラーセット第26弾「戦いという名の対話」とレギュラーセット第27弾「雷鳴の使徒」にて収録された特殊Gのこと。

本来はデッキに3枚しか投入できないなどの特殊効果であるが、GWにおいてユニークといえばその特殊Gを指す。「戦いという名の対話」では火力効果の「激しき情念」、「雷鳴の使徒」では回復効果の「通じ合う心」が収録されている。

いずれも紫を除く6色全てに一種類ずつ収録され、特殊Gの枚数制限に含まれないという特徴を持つ。そのため安定力確保として絶対的な存在であるタメGとの共存を可能にし、ユニークは通常のカード同様3積みされて既存デッキの弱点を補うことに貢献した。

だが、このユニークの登場は決して喜ばしいものではない。
ユニークの登場は色ごとの特徴・概念・弱点を大きく無視してしまい、さらにこれらユニークがACE同様1箱に6色の内の(約)1枚しか封入されていなかったためである。加えてトーナメントレベルでは3枚積みが基本であったため、AGE同様必然的に高額(2,000円~4,000円前後)で取引され、入手には多くの資産を必要とした。

これによりユーザー数減少に拍車が掛かり、入手の難しさと特殊Gの枚数制限に含まれない処遇はプレイヤーの不評を大いに買った。

特殊効果「弩級」の登場(2011年5月)

レギュラーセット第28弾「絶対戦力」にて登場した特殊効果のこと。

この「弩級」は、「弩級が付いているカードは弩級でしか対応することができない」という非常に強力な効果であり、従来のカードではカウンター不能・回避不能という仕様は、ゲーム環境の破壊を引き起こすであろうと誰の目にも明らかだった。

7色全てに得意分野の効果などを持つ弩級カードが収録されたが、その全ての使用・回収を可能とする「ガンダム試作3号機ステイメン(U-448)」と、それら弩級カードの本国サーチを行う「ガンダム試作3号機デンドロビウム」が繰り返し使えるようにデザインされていたため、ゲームバランスが崩壊。
特にこの時点で青は全ての色の得意分野が利用可能となったため、色ごとの特徴が無くなったといっても差支えない。

加えて「偏向メガ粒子砲」という「超過分が敵軍本国に与えられる貫通ダメージ」コマンドが猛威を振るい、さらに新たに収録された新型ACEの登場で、既存デッキでは歯が立たないほどゲームが乱れた。
そのためプレイヤーの多くはGWの存続に危機感を覚え、またその超越したカードパワーを持つ弩級カード及びそれに関するカードを、フリープレイで使わないようにするといった制限を課して遊ぶプレイヤーが意外と多く存在する。

ガンダムウォー終了の公式発表(2011年6月)

6月はじめに重大発表があると公式から案内があり、おそらく「機動戦士ガンダムAGE」の参戦だと考えられていたが、実際はGWの終了発表であった。

発表直後から「専用のスリーブを着用すれば旧カードは使える」との発表があったが、誰もが気になる旧カードの処遇は散々引き伸ばしになり、最終的には「GWフォーマット」限定で「読み替えルール」という制約を課せられてしまう。(※スリーブの着用は「なかったもの」とされている)
これによりネグザ発表で暴落していたGWの市場価値はさらに低下。カードショップではシングル・ボックスの投げ売りはもちろん、さらにカートン単位での投げ売りも見受けられた。

また当時、「グランドトーナメント(GT)」が延期になっていたため、多くのプレイヤーはGTの開催を「最後のガンダムウォー」として楽しみにしていたが、後に「GWフォーマット」での開催が発表。GT進出者がイベントに参加せず、GWを引退するという事態が見受けられた。

あまりに不誠実な対応と強引な移行により、多くのプレイヤーから強い反感を買い、多くはガンダムウォーネグザに移行することなく去った。

参考


GW終了から第1弾発売まで(2011年6月~2011年12月10日)

GW終了の公式発表以降、GWのオフィシャルホームページのネグザレポートにて、ガンダムウォーネグザの全体像の説明とルール解説が毎週火曜日に行われた。
その第6回(2011年7月26日)に読み替えコストが発表。この発表が進退を分けたとするプレイヤーは多い。

ここでネグザ移行を「行き過ぎたゲーム環境のリセットが目的」と肯定的に捉えるプレイヤーは「GWフォーマット」でも使えるカードの模索しつつネグザへ期待を寄せた。
ただ不誠実な対応と強引な移行でGWに不満を覚えたプレイヤーは非常に多く、それらは㈱バンダイに対する反発とネグザが短命になる危険性を考え他社カードゲームへの移動、または同社「クルセイドシステムカードゲーム」への移動、GWルールのままのフリープレイ、引退など様々な道を選択した。

その間、ネグザについては2011年9月より全国の公認店舗で遊び方を解説する「ガンダムウォーネグザ 講習会キャラバン」がスタート。それと同じくしてGWのACEを「武力介入」または「ガンダムAGE-1&フリットに交換できる「ACE換装キャンペーン」、参加賞として「プロモーションカードパックvol.1」の配布が行われるなど積極的な売り込みが始まった。

2011年10月9日より「機動戦士ガンダムAGE」が放送開始。新規ユーザー獲得に向けてかガンダムウォーネグザのCMも本編ED後に流され、その11日後の2011年10月21日に第1弾構築済みデッキ「GUNDAM feat. AGE DECK」と「SEED feat. AGE DECK」が発売。
GWは「ガンダムのカードゲーム」をネグザへとバトンタッチすることになる。

しかし公式から放送中の「ガンダムAGE」本編のネタバレが発覚し、第1弾ブースターパック「IGNITION NEXT AGE」の発売日が2011年11月11日から延期。最終的には2011年12月10日に発売されることになった。(詳細はゼダス参照)

この騒動は、大多数のGWプレイヤー及びネグザ移行プレイヤーから、先行きを不安視する声があがった。

参考


GW最後のグランドトーナメント開催(2012年1月15日)

GW最後のグランドトーナメントは、2012年の1月15日に「ベルサール秋葉原」の「ガンダムウォーネグザフェスタ」にて開催した。

このイベントでは「グランドトーナメント」以外にも、「ガンスリンガー大会」「ブースタードラフトキング2011 Final」「ネグザ体験会」「イラストレーターサイン会」、さらにガンダムシリーズの声優を務めるアムロ・レイ役の古谷徹さんとキラ・ヤマト役の保志総一郎さんがガンダムウォーネグザで対戦するといったステージイベントが行われた。

そんな中、「グランドトーナメント2011」が「GWフォーマット」にて開催。
最後のグランドトーナメントはガンダムAGE-1を中心とした紫単が優勝を飾り、2位が青赤、3位から6位までが1位と同じく紫単が飾った。
入賞したデッキにはGWの「ガンダムサバーニャ」「凌駕」「ガンダムエクシア&刹那」「嫉妬」「第三の勢力」「ヴァリアブル持ちコマンド」「ユニーク」「特殊G」などが採用されていたが、入賞したデッキの7~8割以上のカードがネグザのものという結果だった。

この結果は読み替えコストのルールがある以上、指定国力が1以下で合計国力が(できれば)低いもの、ネグザのゲームシステムの弱点を突いたカードや、相当なカードパワーを秘めたカード以外は採用に至らないことが証明されてしまう。
有志によって考察されていた「GWフォーマット」における優良GWカードは、本大会の結果で市場評価が改められ、価値がまた一段下がるという事態に発展した。

こうして約12年というトレーディングカードゲームの世界ではかなり長い歴史を持つGWは、この「グランドトーナメント2011」をもって完全に幕を閉じた。

参考

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最終更新:2024年03月12日 12:21