コントロールメタル


 コントロールメタルは、ユニット機能を統制する根幹であり、修復性能の高いユニットで唯一破損が許されない部分でもある。
 なぜコントロールメタルが修復可能な、例えば強殖組織のようなもので構成されなかったのかであるが、強殖組織のような浸食性の高い生物を統制する場合に、柔軟な有機体ではどのような構成でも捕食される可能性が高く、完全に浸食を受けず、かつ基本的なシステムを変化させず殖装者を守る、それらを満たすのは結果的に鉱物的なメタルが好ましかったのだろう。仮に再生可能なメタルであったとしても、それがしっかりと元に戻る保証はない。ユニットが再生する場合にはメタルの情報が元となって復元されるが、メタルが何を元に復元されるために、その上位にあるシステムがなければ、再生されたとしてもそれは初期化に近い再生となる。アプトムは、浸食可能な単位であれば、脳を失ってもことごとく再生可能だが、それは彼が一つの生物で出来ているために、その難易度はユニットとは大きく異なる。ユニットは、少なくとも強殖組織と殖装者の二つの生命体の統制を行っており、統制技術は単なる再生では収まらない。ただ、アプトムの場合も単純な再生では収まらない現象が見られるため、そこは別途考える必要がある。
 コントロールメタルは、地上には無い物質で構成されているらしく、アポルオンが装備していた鎧の組成が類似しているらしい。メタルの製造に関しては相当の技術水準にあるとされ、クロノスでも再現不能なレベルである。

メタルの強度

 ユニット時には、ガイバーⅡであったような爆発程度で破損したメタルであるが、殖装後には破損しにくいようである。殖装時にはセンサーや[ヘッドビーム]]が発現し、活動状態では自力で守ることが可能になる。また、殖装後にメタルがしっかり接合されることで、ユニット時のような隙間が生じることもなく、結果的に強度が増すなどの効果も一説にはある。酸などの金属融解に関する耐性についてはわからないが、ユニットが作られた目的が危険地域への探索も含んでいるなら、当然耐性についてはある程度考えているはずである。ただ、降臨者が殖装した場合の力量がそれほどでもなかった場合、恒久的に安全を図るには、ユニットよりも強固な遺跡宇宙船に籠もることが必要だったのだろう。地球の実験でも、宇宙船内部から出てくる描写は無かった。

コントロールメタルの統制力

 メタルの統制は、ほぼ神に近いほどの統制と変位を強殖組織に対して行うことができる。このことは、リムーバーを使った時に、それを強制的に初期化されユニットに戻される現象も、おおよそコントロールメタルが絡んでると思われ、融合したりひっぺがしたりすることがメタルには可能である。メタルがない状態で、強殖組織が人間に捕食した場合は、そこから安全に強殖組織と捕食された人間を再度分けて戻すことは不可能である。
 ユニットとして融合したことの意味合いであるが、強殖組織が、殖装者の細胞と結びつき、いわば遺伝的にその特性を加えたものである。キメラ細胞は、単純に異なる細胞をくっつけ、二つの特性が入り交じった状態で不安定に発現した状態であるが、融合となると、その特性を生かした状態でさも一つの生命体として昇華させた状態を得ている。
 コントロールメタルの制御(特殊な調製とも言うべきか)を経て、どのような意味合いで細胞融合を行ったかは定かではない。細胞を特殊変化させる方法はいくつか考えられるが、一つには細胞のシグナル的な統制であったり、またメタルそのものがゼロから細胞を構築できる細胞生成機構を持つことで、ユニット状態の細胞を作り出し、それを順繰りに入れ替えていく方法などがある。
 このあたりは、強殖組織が柔軟に融合状態を果たさないと不可能である。他者の遺伝子なり特性を導入するということは、ネオ・ゼクトールにも見られたように、細胞がその出力なり活性力に対して耐久力がなく、崩壊してしまう可能性が高い。これを可能とするのが強殖組織を基軸として作られたユニットであり、アルカンフェルのような高出力の存在であっても、強殖組織は問題なくその融合を果たし、高い出力を得るものと思われる。

 メタルの統制力では、アプトム、または深町の腕から再現された強殖生物が浸食してきた場合にも発揮される。そもそも、ユニットも強殖組織で構成されていることからも、浸食する相手が細胞体である限りは絶対不可侵と言えるほど、細胞体に対する制御性能が高い。 アプトムの場合には、特殊なパルスではじき飛ばしていたが、深町の腕の強殖組織はユニットに取り込まれてしまった。これは、アプトムが強殖生物としては別種であることが幸いしたと言っても良いかもしれない。もし、アプトムが同種の強殖生物であったなら、ユニットに取り込まれていたかもしれない。
 このメタルの生物侵入を防ぐ機能は、危険なウィルスや病原体に対しても大いにその駆逐効果を上げるものと思われる。


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最終更新:2015年06月21日 18:24
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