アプトム

概要
アプトムは最初、万能型と呼ばれる様々なタイプのゾアノイドに変形できる柔軟性をもった種として開発された。しかし、その調製で無理があったのか、大きな痣や生殖不能になる典型的なロストナンバーとなってしまった。
その後、バルカスに興味を持たれ、度重なる調製を受けた末に、ゾアノイドの範疇を超えた全く異なる存在へと変貌して行った。そのことは、調製にあたったバルカスですら予想できなことであり、バルカスもせいぜい擬態がより精巧になるぐらいにしか思っていなかった。

アプトムの素性
万能型というこれまでなかった実験的試みは、イコール実験体としてぞんざいな扱いとなる。
仮にアプトムが幹部候補として招致されたのなら、万能型はより完成されたものである必要がある。そのため、実験体として拉致されたと思われる。
ただ、肉体の質が万能型に対する適合した意味では優秀かもしれず、そのことが強殖生物としての進化に繋がったとしたら、優秀どころか希有なただ一人の存在であるのかもしれない。

アプトムの強殖生物化
バルカスがアプトムを興味深く思ったのは、確かに既存のゾアノイドとはかなり違った点もあったが、それだけでバルカスの気を引いたかどうかがわからない。
時を同じくしてガイバー2が敗れ、その組織が丁度手に入った時期でもあった。バルカスは柔軟性において、ガイバーとアプトムを重ねてみたのではないだろうか?
無論それは仮説に過ぎないが、アプトムが強殖生物化したことが偶然でないとしたら、ガイバーの強殖組織の研究が関わっているとしてもおかしくない。
ただしこの説では、なぜバルカスがアプトムの危険な強殖性に気が付かず放置したのかの説明ができない。
そのことから、今のところはアプトムの強殖性が偶然発現したものとして扱うこととする。
結果的に、このような体質はどこを切っても、果ては細胞塊程度でも個性を保つ特殊性となり、不死身性を大きく向上させることとなった。

アプトムの擬態性能向上
バルカスは、度重なる実験により、アプトムの性能を飛躍的に向上させた。それは擬態性能の向上である。ガイバー3とほぼそっくりに擬態していたことから、皮膚の質感調節機能がまず高められた。
しかし、高周波ソードが作れるわけではなく、形状を真似るに過ぎないのは再調製前と同じである。

アプトムの肉体構造
肉体が全消滅しなければ脳が破壊されようと個性も保ちつつ生き残れる、このことを完全に説明する理論はいまのところないが、いくつかの説がこれまでに提唱されている。
強殖生物説はその中でも最も有力である。これまでのアプトムの捕食活動を見る限り、強殖生物としての性質は十分満たすところである。
ただ、脳が破壊されて以後も記憶や個性を残している点から、強殖生物説では不十分とされ、アプトムの核酸生物説が提唱された。アプトムの肉体は細胞ではなくDNAなどの核酸のみで構成されている考え方で、どこを切っても、極小の単位で肉体の記憶が万全であれば問題なく記憶は残される。この場合、アプトムは捕食とは逆の、相手の細胞内に侵入する形を取る。寄生という形であれば、特定DNA(ゾアノイド遺伝子)を残し組み込む場合の説明がしやすい。それは、単純消化作用では、核酸など選ぶようにはできておらず、特定DNAだけ残すことは難しいからである。核酸生物であれば特定DNAを組み込むように予め仕込んでいれば、遺伝子は消化作用を行っていないため破壊されず、組み込みやすい。
ただ、核酸生物というものがどういうものかわからないことや、普通の細胞であってもある意味で核酸生物であり、本質的に核酸だけで出来ているという説明は今の時点では難しい。
ただ、アプトムが獣化遺伝子を選択し発現するという高度な核酸操作を行える点で、核酸操作生物としての進化が一歩進んだことは言えるかもしれない。
戦闘については、バルカスがどれほどアプトムに戦闘性能を期待していたかがよくわからない。正確な擬態によって多少の戦闘力向上は望めるものの、本来的には擬態による攪乱が目的とされていたと思われる。そのため、バルカスは、以前のような粗末な変化から、より細かい単位で皮膚上にシグナル受容体を増やし、正確な形状を得る皮膚に改良した。これはデジカメなどのドット数がより増したような感じである。あとは、イメージ信号を神経に乗せて変化したい部分に送ることだが、以前より明確なイメージ力が必要となることはあるのだろう。

アプトムの自己進化
アプトムは、これまで一人につき一つの獣化遺伝子付加の常識を打ち破り、複数の獣化遺伝子をこれまでに十では効かないほど取り込んできた。
その中で有用とされる因子を選択して発現することが可能で、さらに通常ゾアノイド遺伝子は全身発現が普通でありるのに対し、アプトムの場合には任意の場所だけに意図的に特定の発現を行うことができる。
このことはアプトムがゾアノイドの運用を単独で極端に高めた初の生物であることを意味する。熱線砲を望めば、ある程度筋力を犠牲にする必要があったりと、肉体の付加バランスはうまく調節されていた。それをより高めた場合には、ハイパーゾアノイドのような幹部にもなる。
しかし、一端組み込んだゾアノイド遺伝子は、再調製されない限りはいくら不要でも変わることはない。アプトムでは再調製と同等かそれ以上のゾアノイド遺伝子変化を得ており、さらにはそれに十分耐えるどころか逆に強化まで果たす。
この所作について、どのように選択発現しているのかについてもいくつか説が提唱されている。
まず、進化的発現説では、アプトムが選択するわけではなく、より強い遺伝子が勝手に発現するという説で、この場合取り込んだ遺伝子は取捨選択されることになる。確かにこの場合には、意識的に取り込んだ遺伝子からチョイスする説明は不用であり、例えばハイパーゾアノイド5人衆を取り込んだときの発現形式では、実は選択的発現ではなく、最も戦闘効果の高い肉体変化を肉体が自ら選んだことになる。
アプトムは長らく5人衆バージョンで活躍しており、それまでに取り込んだ弱いゾアノイドの遺伝子が邪魔をせず安定発現できた点では、確かに説明に足る説ではある。
しかし、その後明らかに5人衆より弱いであろう遺伝子を次々発現していることから、この説は崩れつつある。取り込んだ遺伝子は、今日では任意で発現していると見られる。
速見のバイオフリーザ性能は一見弱いが、これまでにないタイプの発現形式であるため、強さというより改良効果が高いことで発現された可能性もある。しかし、それより少し前にカブラールに操られたことで多くのゾアノイドを取り込んだとき、無茶苦茶な形で発現していたことがあった。もしかしたら、5人衆よりも強いハイパーゾアノイドがいたかもしれないが、弱いゾアノイドも確率的に多かったはずなのに5人衆の気質が全く発現しなかったことは、自動的に取捨選択する理論には合わない現象である。
ということは、やはり従来の意図的にシグナルを細胞に送り込むことで、それに沿った獣化が起こる説が有効であると思われる。獣化現象では基本的に特有の獣化シグナルが発生すると考えられ、それを脳内に記憶する。それを繰り返すことで、獣化シグナルデータベースを感覚的に習得し、それを選択発現の基盤としていると思われる。ただ、どこまで微細な違いまで感知可能かはわからず、かなり個性的なゾアノイドでなければ選択発現が難しい場合もあり得る。
アプトムが速見を捕食しかけたとき、瞬時にロストナンバーと知った時があった。これなどは、自分がロストナンバーということもあり、すでに普通のゾアノイドとのシグナルの違いを把握していたことで見分けられたと推測される。

出力強化
アプトムは、取り込んだゾアノイド遺伝子を忠実に発現するが、その出力がなぜか大きく向上している。アプトムの場合、特殊な肉体による代謝の引き上げでパワーアップした可能性もある。ただ、代謝の向上(相当の代謝変化があれば別であるが)しただけで、数倍もパワーが変化するとは考えにくい。そこで、着目したのはアプトムの体重である。アプトムの身長は、他のゾアノイドとそれほど変わりない。なのに、体重が数倍に達している場合がある。つまり、同じ堆積に圧縮して栄養なり細胞が詰め込まれていることになる。面積あたりの細胞量が数倍あれば、単位面積あたりの出力が向上するという単純理論である。ただ、細胞が数分の1に圧縮されることで、細胞活動が阻害される心配もあるが、アプトムが特殊な肉体構造を持つということで今は逃げることとする。

群体の形成
群体=クローン形成は、今のところアプトムにしかできない芸当で、肉体のどの部分も本体と成り得ることを利用し、他者の肉体に自分の組織を植え込むことで自分と全く同じクローン形成を可能としている。
アプトムが何人もいるということは、敵方にとってはかなり恐怖であるはずで、戦略的にどのような手段(自己犠牲による特攻、アプトムが死んだ思い込ませるなどの騙し、擬態による潜入など数々)も取り得る極めて有効な技と言える。
だが、現在までに群体形成が行われたのは、ハイパーゾアノイド5人衆を捕食したときの一回限りである。なぜアプトムが戦闘で有利な群体を利用しないのかだが、後の意識の統合が難しい説が提唱されている。3人に分裂すると、短時間でもそれぞれの経験が生じることになる。アプトムは、肉体のどこでも記憶を内包するため、群体から単体に統合してもそれぞれの記憶も同時に統合される。群体形成から統合まで数時間?程度だったためそれほど記憶の混乱は生じないが、これが数日~数年後の統合である場合、異なる記憶の統合により意識障害が起きる可能性がある。これが短時間でアプトムもそれを感じたために、群体形成を封印したという説である。
現在の町中にいる多くのゾアノイドは、世界制圧後の一般市民であり、古株のゾアノイドとは見分けがつかないために、群体形成のために犠牲を強いることに躊躇があるのかもしれないが、一般人かもしれないラモチス警官をあっさり捕食したこともあったので、今のところこれは考えにくい。
ただ、今後、追いつめられれば群体技を使う可能性もあり、どの説もまだ完全な理由付けとは言い難いところである。

アプトムの他の能力について
アプトムは、捕食、群体、半不死身性、自己進化など数々の能力が見られるが、その他にも敵の気配を感知したり、遺伝形質を読み込んだりもできる。
遺伝形質の読み取りは、これまで取り込んだ獣化遺伝子固有の発現シグナルから照合されるものと考えられ、取り込めば取り込むほどに照合はより正確になると思われる。
気配を感知する能力については、なぜアプトムで発生したかはよくわかっていない。ゾアノイドでは、思念波を感知する能力があるが、この思念波が気配として感じられる可能性もあるが、アプトムは思念波を受け付けないが、思念波受容体がある程度残っていれば感知するだけなら可能かもしれない。また、思念波ではなく生体波動を感知しているようでもあり、ゾアロードなどは感知しやすいのかもしれない。
この気配からヴァモアを見分けたこともあるなど、固有の波動として感じ取ることができる。これも先に述べたシグナル的な照合であるかはよくわかっていない。ゾアロードは、思念波通信で誰と話しているかわかることから、思念波から固有の波動を感じているかもしれない。

ゾアロードの捕食
現時点でもステルス機能や瞬間冷凍など、次々と能力を得ているアプトムであるが、それでもゾアロード相手に対抗するにはまだ足りないところもある。
アプトムがさらに戦闘力向上を図るなら、ゾアロードを捕食する以外にはない。しかし、ゾアロードはクリスタルによってアプトムの侵食を防御するため、簡単にはいかない。
ギュオーなどは正規クリスタルを持たず、ゾアロード遺伝子を保持している点で狙い目ではある。しかし、ただギュオーを捕食しただけではだめで、イマカラムからクリスタルを奪う必要がある。
クリスタルについてはわからないところも多く、形が違うことからそれぞれ能力や相性の個性がある説では、イマカラム以外のクリスタルを得ても意味がない可能性もある。
しかし、ワフェルダノスのように人間ではない生物でも適用されたように、クリスタルには相性というものはなく、誰が付けてもそれなりの威力を発揮するとも考えられ、アプトムが複数のゾアロード+複数のクリスタルを得ることで、アルカンフェルには及ばないものの超強力なゾアロードができるかもしれない。クリスタルによって浸食されないが、逆に侵食する側としてはその作用が失われるか否かがよくわからない。ワフェルダノスも、クリスタルを外さないと前の能力が使えなかったこともある。だが、クリスタルを得て十分強くなったアプトムに、もはや融合捕食作用は必要ないだろうし、どうしても融合したい場合はクリスタルを一時取り外せば良いだけである。
クリスタルが思念波受信と連動していれば、アプトムがクリスタルを得ることで降臨者に逆らえなくなる。無論、クリスタルに思念波受信体があるとは限らず、またその思念波受信シグナルに元々思念波を受信しないアプトムが反応しなければ問題ない。

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最終更新:2011年07月27日 21:04
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