バルカス


 バルカスは、クロノスの中でも特に最重鎮であり、アルカンフェル後、今から400年ほど前にゾアロードとなった初めての人物でもある。翁、ハミルカル、ドクターなど呼称は様々である。 フルネームはハミルカル・バルカス。アルカンフェルからはハミルカルと呼ばれることもある。歴史上の人物でハミルカル・バルカと呼ばれる人物がいるが、バルカスとの関係は年代的にも関係ないと思われる。
 かつてはダーウィンのように航海先で様々な見聞を行い、それを情報源に思索する一研究者だった。
 あるとき、シラー島近くで船が難破し、偶然にもバルカスだけが生き残り、シラー島と呼ばれる島に到着した。航海で様々な生態系を見てきたバルカスではあったが、シラー島はそれらとは異質であり、物語でしか聞いたことがない生物の数々に出会うことでただただ恐れおののいた。
 しかし、運良くそれら不可思議生物に危害を加えられることもなく、ある建造物にてアルカンフェルと出会うことになる。

バルカスの調製をしたのはアルカンフェルか

 バルカスは、アルカンフェルの次に調製されたゾアロード(アルカンフェルのような正規のゾアロードからすれば亜と付けたくなるほどの劣化ゾアロードではあるが)である。考えてみたら、調製というものは相当すぐれた自動化システムがなければ自分に施すことはできないため、どうしても他者の介在が必要となる。バルカス以外の知恵者アルカンフェル以外シラー島にいたとは思えず、おおよそバルカスを調製したのはアルカンフェルの可能性が高い。シラー島には、他にも調製体がいるが、どれもゾアロードの核となる情報を知り得た者はいなかったと思われる。シラー島には、制御球のような叡智の厳選がなかったからである。
 アルカンフェルが地上に散っている遺跡を探したのはバルカスの調製後だから、その前に何らかの形でバルカスにゾアロードの秘密を伝授し、制御球によってそれをさらに磨く必要があった。

 ただ、バルカスが本当に調製されたゾアロードかは実のところよくわかっていない。シラー島には、遺跡によって残された生命維持槽(バイタル・ポッド)のようなものがあるだけで、これで調製が可能だったかはわからない。降臨者が調製実験を行う場合、制御球との通信により調製プログラムを構築し、それによって調製を行うことは可能だったが、シラー島に残された遺跡は制御球を失っており、そういったことができる状況にはなかったと思われる。
 つまり、バルカスはワフェルダノスと同様に、ただクリスタルを与えられただけなのかもしれない。バルカスの力がどのようなものかはわからないが、ギガンティックダークとの戦いで危うく死にかけたときでも、結局その力を見せることはなかった。これは、出し惜しみしているだけではなく、下手をしたら獣神変は一回限りのかつ強力なものではないかとも予想されるが、こればかりは実際にバルカスの力を見ないとよくわからないところでもある。
 どういう場合でも、バルカスがゾアロードになるには、まずアルカンフェルのクリスタルを分割培養する必要があるが、その分割にも相応の技術が必要であり、そのあたりはアルカンフェルが熟知してバルカスに伝授し、分割培養を行ったと思われる。ただ、分割培養(14巻)では、作りはそれほど複雑ではないが近代的な培養容器が描写されていた。400年前にそれが作れるような設備や技術がシラー島にもあったようである。
 もし獣神変するなら、何らかの方法で調製を受けた結果とも取れるし、それを施したのはやはりアルカンフェルということになる。

バルカスのゾアロード適正

 ゾアロードは、その選出に時間がかかるほどその適正者を探すのは難しい。それに比べ、バルカスは偶然島に着いただけであるだけの一市民に過ぎない。しかし、その後のバルカスの能力を見ると、むしろ他のゾアロードより上の力(透視や思念波強度など)を発揮する場面も少なくない。バルカスはたまたまゾアロード適正が高かったということなのだろうか?
 かつてバルカスの身に起こったことを思い起こすと、偶然シラー島に着いて、船員はバルカスだけしか生き残っていなかった状況だった。この生き残ったことが偶然でないとしたら、フィールドに入れる人間を選別していたことにもなるが、その確証は全くない。
 異なる点があるとしたら、どのような調製過程であったかであり、例えばアルカンフェルに調製されているとしたら、それだけで特殊な条件となり、普通のゾアロード調製より能力が底上げされた可能性もあるが、未調製のままクリスタルだけが与えられただけかもしれない。

バルカスの能力

 バルカスはこれまでかなり窮地、というよりほとんど死んだも同然の状態でも、なぜか獣神変を行わない不思議さがある。そこまで出し惜しみする理由はワフェルダノスあたりは知っていたようであるが、そのあたりは未だ明らかになっていない。
 もしかしたら一回限りの超強力な獣神変タイプという位置づけかもしれないが、そうだとしたら変身を複数回行えるプロトタイプにも劣ることになる。これは、先のバルカスのゾアロード適正値は実際の所それほどでもなく、獣神変に耐えられない可能性がある。
 獣神変をせずとも、透視能力に長けていたり、思念波強度がそれなりに強かったりと、ゾアロードの質としてはそれなりに高くなっている。また、400生きたことでその知識の蓄積は通常ではありえないほど高まっており、バルカス自身が戦うよりもそちらの方がクロノスにとっては重要となっている。また、一介の調製技術者では触れることが不可能な制御球から直接知識を得ている点でも、技術者としては抜きんでた存在である。



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最終更新:2015年06月25日 04:50
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