治癒性能



 ユニット特性としてまず目につくが、復元性能である。幾多の戦闘で、通常なら即死レベルの窮地を幾度となく越えてきたのも、この性能によるところが大きい。ユニットの強殖組織はいかようにも形を変えられる生命体であり、人体では不可能な変形状態(折れ曲がり、傷)においても生命活動を失わず、修復基盤としての生命であることは確かであるが、具体的にその強殖組織がどのように殖装者の治癒に結びつけているのかは未だによくわかっていない。

 生身の人間であればそれほど再生力はなく、致命傷の場合には傷が治る前に生命活動を失ってしまう。このような再生力に乏しい肉体に、ユニットが再生力を付加していくわけだが、ユニット装着時に殖装者が強殖組織と融合することで、先に述べた強殖組織のような肉体属性になっているなどである。ただ、戦いの中で肉体の破損により吐血していたことから、血管系はそのままであるようだ。
 もしくは、肉体と強殖組織は限定的に癒合しているだけであり、強殖組織はガイバーユニットと連携できるように神経系と繋がっているだけかもしれない。とすると、肉体の損傷で受けるダメージは、殖装前後ではあまり変わらず、ユニット側では痛みなどのショックを和らげる程度にしか作用しないのかもしれない。強食組織は、その少々を受けた場合に、その再生力を殖装者の損傷部位に注ぎ、細胞の再構築を高速に行っていく役割があるだけかもしれない。

 傷ついた殖装者の肉体を修復する場合、コントロールメタルの統括下で、強殖組織が殖装者の細胞の遺伝的干渉行い、再生を加速させるなどの手法がとられている可能性もある。この場合、殖装者の肉体細胞が、必ずしも強殖組織の属性に変化する必要はない。戦闘時に大量の吐血をするなども、ガイバーの中身が普通の人間に近い状態のままであるように見えなくもない。
 または、強殖組織が殖装者の肉体細胞を産生して構築させているだけかもしれない。イモリの再生実験のように、傷口に未分化の細胞が発生し再生を行う方式もありだが、ユニットの場合は殖装者の肉体情報がすでにあり、その設計を元に細胞をそのまま再構成させた方が早いかもしれない。ただ、強殖組織がその未分化細胞のようなふるまいをし、殖装者の肉体を生み出していっているようではある。
 ユニットを初めて装着した時、目、鼻、口、毛穴へと染みこんでくる感覚があると深町が言っていたことがあり、殖装者に何の変化も無いわけではないのだろう。このことが、ユニットと殖装者の融合的意味を指すのか、殖装者に対するユニットが必要とする情報の収集に留まるのか、ある程度しっかり融合することで、ユニットが自分の肉体の一部化のように操れるようになってるのか、そのあたりはまだ判然としない。

 ユニットの再生が優れているのは、肉体のほぼ全てを失ってしまった場合にも、再生が可能となっている点である。つまり、アプトムのように他者の肉体を苗床に再生する必要がなく、コントロールメタルだけで全身の再生を行えるのである。恐らく、真空中であっても再生が可能なのだろう。これは、メタル自体に細胞錬金的な機能があり、それは恐らく異空間にあらかじめ殖装者に必要な物質を格納しているのか、もしくは異空間エネルギーを用いて再生を行っているのだろう。これは、ガイバー1がエンザイムによりその肉体のほとんどを失ったにも関わらず、かつアプトムのような捕食対象がなくても完全に再生された現象から考えられることである。

 あと、ただ再生するのではなく、殖装者に違和感がないレベルで寸分の狂いもなく再生が行われる。イモリのような再生だと、依然と全く同じに再生される保証はない。例えば、腕が切られた場合に前より腕が長くなるなどだ。そのあたりの再生もしっかりコントロールメタルで制御されている。

 ユニットを解除したときに、誘殖組織以外は元の肉体となり、再生能力は未殖装の人間のときに戻る。

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最終更新:2017年05月23日 15:20
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