本来の用途


 ユニットは本来降臨者が装着するために作られたもので、その仕様なりは降臨者にどういった恩恵を与えているかが重要となる。そのほとんどが、あらゆる環境下(ユニットが耐えられる範囲内)で、生存可能な状況を生み出す意味で使用されている。高温耐性には限界があるのだろうが、冷温では長時間晒されても活動力は落ちるが生命維持には問題無さそうである。液体であれば、強酸ではわからないが、呼吸に関しては担保されているようである。呼吸さえ問題がなければ、恐らく真空程度には耐えられると思われる。
 これははっきりとした特性を示しているわけではないが、降臨者がもし何億年も生きられる存在であるなら、その恩恵もまたユニットから与えられていると思われる。ユニットは、その状態維持効果を、病害を駆逐することにも流用可能であり、つまり装着時に健康であれば、それが最も良い状態として、何らかの形でその健康が害された時はその健康時に復元させることも可能である。これを応用した場合、老化もまた健康面で負のものとメタルが判断すれば、若かった活性の高い頃に戻される。それが繰り返されることで不老化するわけである。
 ただ、そうなると、成長もできないのかと思われてしまうが、メタルには逐次記録の更新が行われる面がある。そうでなければ、装着するたびに、初殖装時点の状態に戻ってしまうと、殖装者の記憶も当時に戻され、それが進まないことになる。それでは装着の意味がないため、当然その記憶は更新され続けることになり、万が一の時はその記録を元に再生される。その更新記録機能は、仮に人間が幼少期に装着して、それを続けたとしても、成長は普通に行われそのたびに更新記録されていく。20代で活性が最も高くなるまでそれが続き、そこから体力が下がるなどのことが起きた場合には、先に記載したように、劣化した状況は元に戻すということになる。

 また、殖装者同士の思念通信も可能で、声を発することなく、また障害物に邪魔されること無く通話が可能である。問題は距離が離れている場合だが、もし地球の裏側からでも通信が可能である場合には、単純に空気を伝わる電波なりの方式では無理がある。方法としては、異空間を通して通信を可能とする場合だろう。
 このメタル通信機能は、宇宙船の制御球とリンクすることで逐一その記録が蓄積され、かつそれが宇宙船それぞれに共通して共有されていく利便性もある。また、この通信機能は、降臨者が異種族で構成されてれば、通話可能なレベルで翻訳を行っている可能性もあり、これが降臨者の日常では最も重要な機能ではないかと予想される。


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最終更新:2015年06月25日 03:59
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