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剱・立山春山合宿渡辺報告
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剱・立山春山合宿報告
法学部法律学科渡辺悟
法学部法律学科渡辺悟
5/2 横浜キャンパス部室→扇沢
授業の後部室に集合し、火気・テントの点検、不足食料・行動食の買出しを行う。その後団体装備の仕分けを行いパッキングをし、9時半ごろ横浜から出発。
5/3 扇沢→室堂→雷鳥沢BC設営→雪上訓練
落合さんの車で仮眠を取った後、朝一番のトロリーバスに間に合うよう扇沢駅へ。扇沢の駅には豪雪のため剣山荘、剱沢小屋が営業していないということと、雪崩多発のため剱沢での幕営自粛を呼びかける張り紙が何枚も張られていた。
6時半の一番バスで扇沢を出発。その後ケーブル、ロープウェイ、またトロリーと乗り継ぎ、9時過ぎに室堂駅に到着。ここで三つ峠合宿のときに山田先輩が差し入れてくださった五目おこわで朝食をとる。朝食後最後のパッキング。その後日焼け止めを購入し顔中に塗りたくる。
外に出てアイゼンを履き雷鳥沢へ向けて行動開始。みくりが池を経由し、雷鳥沢へは小一時間ほどで到着した。雷鳥沢にはすでに色とりどりのテントが張られていた。曽根さんと菊池さんがスキーで先に行き、整地をしてるといっていたが、コールをかけても返事がない。西田さん、宮守先輩が合流したので、幕営の候補地を探しにかかる。ロープで区切られた区画の中にはもう二張り並べて張るスペースがないので、ロープのすぐ外を幕営地に決め、整地にかかる。曽根さん、菊池さんも合流し、整地も終わったのでテント設営にかかる。テントは入り口同士を向かい合わせ、その間に雪を掘り下げてテーブルを作るという配置で設営。
その後昼食をとり雪上訓練へ。まずつぼ足でのキックステップ、トラヴァースを徹底的に復習する。その後ピッケルストップの練習に入ったが、なぜかビレイと引き上げの講習になってしまい、一度もピッケルストップをすることなく終了してしまった。
テントに帰還し、夕食のキムチ鍋を作り、食す。明日の朝食の準備をし就寝。
5/4 雷鳥沢→剱御前→前剱→剱岳→前剱→剱御前→雷鳥沢
3時に起床。朝食はラーメン餅。食後行動用の装備を整えるが、ここでサブザックがないことに気づく。室堂で見かけたのが最後だから、あそこでパッキングをしたときに忘れてしまったのだろうか。落合さんからザックを借りて対処する。
皆で軽く準備運動をし、6時に出発。今日はまず剱御前まで上がり、その後いけるところまで行動するとのこと。歩き始めてすぐにアイゼンの調整がおかしいことを指摘された。
三つ峠でアイゼン登攀をするかもといわれ、革靴用にサイズ調整をしたまま直し忘れたのだろうか。いや、とにかくアイゼンがずれて歩きにくくなるだけならまだしも、スポっと外れたらことだ。とにかくバンドをこれでもかというほど締め上げて、平地に出たときに調整しなおす。なんとも基本的な失敗をしてしまった。今後アイゼン調整にはより気を使わなければならないだろう。途中東海大の山岳部隊に会い挨拶を交わす。その後少し遅れて剱御前に到着。ここまで約一時間となった。稜線上を歩きつつふと剱沢を見ると30張りほどのテントが見えた。雪崩による幕営自粛願いもあんまり守られてないのかとぼんやり考える。その後剣山荘への長いくだりを尻セードすることに。しかし尻セードの体制に入ったとたん、不意に制御できないまま滑ってしまった。これはやばい、ピッケルでの制動もうまくいかない、幸い止まりきらなくても大事に至るような斜面ではないが、それでも止まらないわけには行かない。なんとか体勢を入れ替えピックを斜面に叩き込む。昨日まったく練習できなかったピッケルストップを実地でやることに。なんとかとめることに成功し、体を安定させ再度尻セード。今度は制動も安定し、斜面を軽快に滑り降りることができた。剣山荘で休憩を取り、登り始めて数分のところでいきなり左足をつる。その場で何とか左足を伸ばし、再度出発。荷物は立川さんが持ってくださった。その後西田さんにサポートしてもらい、なんとか前剱へ。ここに荷物をデポし頂上を目指す。はしご場、鎖場のトラヴァースと難しい場所がいくつかあったが無事通過。早月尾根との合流付近で宮守先輩、田中さんら先に頂上へ着いたグループとすれ違う。12時半、剱本峰登頂。七年前、白馬の山頂からいつか登りたいと眺めた山、その山にようやく登頂した喜びで、思わずピッケルを振りかざし雄たけびを上げてしまった。行動食を口にし下山にかかる。下山といっても登り返しが結構多く、蹴りこむ足に力が入らなくなった。鎖場ではビレイをしてもらい通過。一箇所ザイルにテンションをかけて通過するところもあった。剣山荘以降の道程では数歩歩いて1分休み、数歩歩いて1分休みとペースが格段に落ちてしまった。剱御前から雷鳥沢へのくだりは尻セードを交えておりる。最後の登り返しの前に来たところでテントからコールが聞こえたのでコールを返す。そして宮守先輩がカフェオレをテレモスに入れて迎えに来てくれた。カフェオレで体を温めテントまで一気に上る。日も暮れてきた18時30分、12時間半の行動を終了しBCに帰還した。夕食はカレー。疲れた体に程よい辛さがいい刺激となる。ただ蟹缶はカレーに入れると味が落ちると思う。
5/5 レスキュー訓練
こどもの日ということもあり、防風ブロックには小さな鯉のぼりがさしてあった。
この日も3時起床。朝食は前日に続きラーメン餅。先に下山する山口君と西田さんを見送り、レスキュー訓練の準備に入る。
まず実際に少し切れた斜面におちた状態で引き上げの練習を行う。三つ峠以来の引き上げとなるので、記憶からやり方を呼び起こす。その後コンテニュアンスの作り方を習い、実際にその状況でトップが落ちたことを想定し引き上げを行う。今までの引き上げと一部手順が違い、またサードも今までにやってない動きが課されるため、必死にメモを取り覚える。また、昼食のためにテントに戻るときは、実際にコンテニュアンスで歩いてみた。
午後もみっちりレスキュー訓練。さっきはメモを取っていただけだったが、実際にやってみると細かいミスもいくつか出てきた。その後コンテのときのポジションごとの役割を確認し、ある程度のオーダーも組まれた。自分はトップを受け持つことに。16時ごろまで訓練をし、テントに帰還。夕食はカレーと五目飯。五目飯はもう少し酢が利けばよりうまくなると思う。
5/6 雷鳥沢BC撤収→室堂→扇沢→帰浜
5時に起床。朝食は昨日の残りのカレーと雑炊。朝食後テントを撤収。パッキングが悪し。ザックの後ろにスキーを繋ぎ、牽引の訓練をかねて室堂へ向かう。ブル道はなだらかながらスキーが後ろに引っ張られたり、くだりでは足を追い越そうとして足に当たったりとなかなか歩きにくい。9時半ぐらいに室堂着。ピッケルを落としたことを宮守先輩より指摘される。ピッケルバンドをザックのメインの紐に付け忘れていたようだ。深く反省。
室堂で北陸組のOBの方とわかれ扇沢へ下山。
今回剱へのアタックは12時間半の行程となったが、デナリ遠征の際にも頂上アタックの日は、ペースによっては12~14時間かかることから、今回それだけの行動ができたのは収穫といってもいいだろう。反省点は装備の管理、調整などだろう。室堂に忘れたであろうサブザック、ザックから落としてしまったピッケル、調整を忘れたアイゼンなど、どれもひとつ間違えれば命にかかわることだ。今後は装備を慎重に、より大事に扱っていきたい。また今回落合さんから精神的な弱さを指摘された。今回ロング行程を乗り切ったということを自身に持ち、前の人にとにかくついていくという気概を持たねばだめだと感じた。
授業の後部室に集合し、火気・テントの点検、不足食料・行動食の買出しを行う。その後団体装備の仕分けを行いパッキングをし、9時半ごろ横浜から出発。
5/3 扇沢→室堂→雷鳥沢BC設営→雪上訓練
落合さんの車で仮眠を取った後、朝一番のトロリーバスに間に合うよう扇沢駅へ。扇沢の駅には豪雪のため剣山荘、剱沢小屋が営業していないということと、雪崩多発のため剱沢での幕営自粛を呼びかける張り紙が何枚も張られていた。
6時半の一番バスで扇沢を出発。その後ケーブル、ロープウェイ、またトロリーと乗り継ぎ、9時過ぎに室堂駅に到着。ここで三つ峠合宿のときに山田先輩が差し入れてくださった五目おこわで朝食をとる。朝食後最後のパッキング。その後日焼け止めを購入し顔中に塗りたくる。
外に出てアイゼンを履き雷鳥沢へ向けて行動開始。みくりが池を経由し、雷鳥沢へは小一時間ほどで到着した。雷鳥沢にはすでに色とりどりのテントが張られていた。曽根さんと菊池さんがスキーで先に行き、整地をしてるといっていたが、コールをかけても返事がない。西田さん、宮守先輩が合流したので、幕営の候補地を探しにかかる。ロープで区切られた区画の中にはもう二張り並べて張るスペースがないので、ロープのすぐ外を幕営地に決め、整地にかかる。曽根さん、菊池さんも合流し、整地も終わったのでテント設営にかかる。テントは入り口同士を向かい合わせ、その間に雪を掘り下げてテーブルを作るという配置で設営。
その後昼食をとり雪上訓練へ。まずつぼ足でのキックステップ、トラヴァースを徹底的に復習する。その後ピッケルストップの練習に入ったが、なぜかビレイと引き上げの講習になってしまい、一度もピッケルストップをすることなく終了してしまった。
テントに帰還し、夕食のキムチ鍋を作り、食す。明日の朝食の準備をし就寝。
5/4 雷鳥沢→剱御前→前剱→剱岳→前剱→剱御前→雷鳥沢
3時に起床。朝食はラーメン餅。食後行動用の装備を整えるが、ここでサブザックがないことに気づく。室堂で見かけたのが最後だから、あそこでパッキングをしたときに忘れてしまったのだろうか。落合さんからザックを借りて対処する。
皆で軽く準備運動をし、6時に出発。今日はまず剱御前まで上がり、その後いけるところまで行動するとのこと。歩き始めてすぐにアイゼンの調整がおかしいことを指摘された。
三つ峠でアイゼン登攀をするかもといわれ、革靴用にサイズ調整をしたまま直し忘れたのだろうか。いや、とにかくアイゼンがずれて歩きにくくなるだけならまだしも、スポっと外れたらことだ。とにかくバンドをこれでもかというほど締め上げて、平地に出たときに調整しなおす。なんとも基本的な失敗をしてしまった。今後アイゼン調整にはより気を使わなければならないだろう。途中東海大の山岳部隊に会い挨拶を交わす。その後少し遅れて剱御前に到着。ここまで約一時間となった。稜線上を歩きつつふと剱沢を見ると30張りほどのテントが見えた。雪崩による幕営自粛願いもあんまり守られてないのかとぼんやり考える。その後剣山荘への長いくだりを尻セードすることに。しかし尻セードの体制に入ったとたん、不意に制御できないまま滑ってしまった。これはやばい、ピッケルでの制動もうまくいかない、幸い止まりきらなくても大事に至るような斜面ではないが、それでも止まらないわけには行かない。なんとか体勢を入れ替えピックを斜面に叩き込む。昨日まったく練習できなかったピッケルストップを実地でやることに。なんとかとめることに成功し、体を安定させ再度尻セード。今度は制動も安定し、斜面を軽快に滑り降りることができた。剣山荘で休憩を取り、登り始めて数分のところでいきなり左足をつる。その場で何とか左足を伸ばし、再度出発。荷物は立川さんが持ってくださった。その後西田さんにサポートしてもらい、なんとか前剱へ。ここに荷物をデポし頂上を目指す。はしご場、鎖場のトラヴァースと難しい場所がいくつかあったが無事通過。早月尾根との合流付近で宮守先輩、田中さんら先に頂上へ着いたグループとすれ違う。12時半、剱本峰登頂。七年前、白馬の山頂からいつか登りたいと眺めた山、その山にようやく登頂した喜びで、思わずピッケルを振りかざし雄たけびを上げてしまった。行動食を口にし下山にかかる。下山といっても登り返しが結構多く、蹴りこむ足に力が入らなくなった。鎖場ではビレイをしてもらい通過。一箇所ザイルにテンションをかけて通過するところもあった。剣山荘以降の道程では数歩歩いて1分休み、数歩歩いて1分休みとペースが格段に落ちてしまった。剱御前から雷鳥沢へのくだりは尻セードを交えておりる。最後の登り返しの前に来たところでテントからコールが聞こえたのでコールを返す。そして宮守先輩がカフェオレをテレモスに入れて迎えに来てくれた。カフェオレで体を温めテントまで一気に上る。日も暮れてきた18時30分、12時間半の行動を終了しBCに帰還した。夕食はカレー。疲れた体に程よい辛さがいい刺激となる。ただ蟹缶はカレーに入れると味が落ちると思う。
5/5 レスキュー訓練
こどもの日ということもあり、防風ブロックには小さな鯉のぼりがさしてあった。
この日も3時起床。朝食は前日に続きラーメン餅。先に下山する山口君と西田さんを見送り、レスキュー訓練の準備に入る。
まず実際に少し切れた斜面におちた状態で引き上げの練習を行う。三つ峠以来の引き上げとなるので、記憶からやり方を呼び起こす。その後コンテニュアンスの作り方を習い、実際にその状況でトップが落ちたことを想定し引き上げを行う。今までの引き上げと一部手順が違い、またサードも今までにやってない動きが課されるため、必死にメモを取り覚える。また、昼食のためにテントに戻るときは、実際にコンテニュアンスで歩いてみた。
午後もみっちりレスキュー訓練。さっきはメモを取っていただけだったが、実際にやってみると細かいミスもいくつか出てきた。その後コンテのときのポジションごとの役割を確認し、ある程度のオーダーも組まれた。自分はトップを受け持つことに。16時ごろまで訓練をし、テントに帰還。夕食はカレーと五目飯。五目飯はもう少し酢が利けばよりうまくなると思う。
5/6 雷鳥沢BC撤収→室堂→扇沢→帰浜
5時に起床。朝食は昨日の残りのカレーと雑炊。朝食後テントを撤収。パッキングが悪し。ザックの後ろにスキーを繋ぎ、牽引の訓練をかねて室堂へ向かう。ブル道はなだらかながらスキーが後ろに引っ張られたり、くだりでは足を追い越そうとして足に当たったりとなかなか歩きにくい。9時半ぐらいに室堂着。ピッケルを落としたことを宮守先輩より指摘される。ピッケルバンドをザックのメインの紐に付け忘れていたようだ。深く反省。
室堂で北陸組のOBの方とわかれ扇沢へ下山。
今回剱へのアタックは12時間半の行程となったが、デナリ遠征の際にも頂上アタックの日は、ペースによっては12~14時間かかることから、今回それだけの行動ができたのは収穫といってもいいだろう。反省点は装備の管理、調整などだろう。室堂に忘れたであろうサブザック、ザックから落としてしまったピッケル、調整を忘れたアイゼンなど、どれもひとつ間違えれば命にかかわることだ。今後は装備を慎重に、より大事に扱っていきたい。また今回落合さんから精神的な弱さを指摘された。今回ロング行程を乗り切ったということを自身に持ち、前の人にとにかくついていくという気概を持たねばだめだと感じた。