奴は消えた…

 今日、今さっき…

 奴は消えた…

 クリスマスの日に…

 奴は消えた…

 カップル達のためだけの日に…

 奴は消えた…

 奴は消えた……

 奴は消えた………


「つまり!これが意味することは分かるな?」


 一人のギコ族の男が目の前で手を組みながら、周りに睨んでいる。

 こたつに入った、他の二人の男はみかんを食べながら話しを聞いている。


「隊長!理解は出来ても想像はしたくねぇッ!!」


 少し太った細目の男、手を挙げてが言う。


「隊長!僕にはどうしても!どうしてもッ!!
 この妄想が頭から離せられませんッ!!」


 顔を俯せながら、黒目の男が言う。


「そんな貴方にこの宗教はいかがですか!?
 この妖しいツボを買うだけで救われますよッ!!」

「隊長ッ!例え救われようがッ!
 そんな危なそうなオカルト団体には入りたくないのですがッ!!」

「これは上官命令だ」

「隊長ォォォォォッ!!」


 一つ屋根の下に騒がしい三人組の男が居座っている。

 そう、此処は知る人ぞ知る。

 もてない男のためのクリスマス実行委員会なのだッ!!

 どーだ!驚いただろッ!!


「つまりだッ!奴が消えたんだ…これから考えられることッ!!
 手を挙げて発言しろッ!!ハイッ!モナー君ッ!!」


 モナーと呼ばれた男は腕を組み、ミカンを人差し指と中指の間に挟んでニヒルに笑いながら、こう言ったッ!!


「隊長ッ!根本的な問題であり。基本的な質問だ」

「うむ、確認はいいから言ってみろ」

「奴とはァァァッ!いたぁぁぁぁっいッ!誰・な・ん・だ・ッ・!・!」

「分からないで今の今まで話に参加をしてたんかいッ!!」


 手元のゴッキー(ゴキブリ)退治用のスリッパでモナーの後頭部を叩く。

 長年、ゴッキー退治で鍛えてきた手首のスナップにより、繰り出される痛恨の一撃ッ!!

 今やその実力はゴッキーを一撃で倒す程ッ!!

 危うし!モナーッ!次回へ続くッ!!


「いや、読み切りなんだから続くのは困るって…」

 モララーの鋭いつっこみ。

「いや、僕の名前は出てなかったでしょ。なんで、いきなり出てくるのさ」

 エキストラAの鋭いつっこみ。

「それ、なんかやだなぁ…」

 その他の鋭いつっこみ。

「…だんだん扱い酷くなってない?」

 ゴミの鋭いつっこみ。


「ゴミ扱いにされっちゃったァァァーッ!!」

「うるせぇッ!この屑田ゴミ平ッ!!」

「何!?その小学生がやるような虐めッ!?」

「や~い!や~い!お前の母ちゃんで~べ~そッ!!」

「うわァァァ~ん!先生に言いつけてやるッ!!」

「…モララー。先生は先日、交通事故に会い。死んだでは無いか…。」

「先生ェェェェェェッ!!」

「よし、隊長命令だ。全員!先生の冥福を祈って、エェール用ォォォ意!オゥッ!そうれっ!!

 フレェェェェーッ!フレェェェェーッ!黄ィいィぐゥみィッ!!」


 その後、彼等は30分くらい運動会の応援歌を歌ってました…


「ふぅ…無駄な時間を過ごしたな!」

「何ッ!そのすがすがしさッ!?おかしいよッ!!」

「無駄な事をしなくてェッ!何が人間かァッ!!」

「それってェッ!ただの暇つぶしじゃ…」


 ズキュゥゥゥゥーz_ン!

 いきなり、DIOがキスしたような効果音が部屋中に木霊した。


「た…隊長が……」


 モナーは鳥肌が立ち、震えながら、涙を流している…。

 そして、彼はこう言ったッ!!


「隊長が人間の真理に辿り着いたッ!仏陀だッ!!キリストの再来だッ!!!」

「ちょっ!それッ!混ぜちゃったらキリスト教徒と仏教徒に怒られるってッ!!」

「何ッ!大丈夫だッ!!」

「隊長ッ!どっからその根拠がッ!!」

「奴らの…奴らの心の広さを信じようぜ…」


 嗚呼…隊長が輝いてる…。隊長が…。


「根拠ねェェェェェェェェェェッ!!」

「人が人を信じる心を忘れたらおしまいだぞ」

「いやっ!えっと…そうだけどッ!なんか…」

「モララー…」


 モナーがモララーの肩にそっと手を乗せて、

 困惑するモララーを宥めるように優しく微笑んでしる。


「諦めも…肝心だ」

「何をだァァァァッ!!」

「さて、俺の名言も出た所で本題に戻ろうか」

「隊長ォォォォッ!!」

「モララー。さっきから叫んでばっかでうるさいよ」

「え?あ、うん…ごめんなさい」


 モララーはなんとなく謝ってしまい、部屋の隅で小さくなった。


「そこォッ!!」


 隊長はなんと!手に持った、対ゴキブリ用凡庸であり最強兵器のスリッパで

 小さくなったモララーを素早く叩き潰した。

 プチッ(はぁと という、可愛らしい音と共に赤い薔薇が畳に広がった。


「……さて、本題なのだが」

「はい」

「まあ、やることは分かっているな?」

「彼女できちゃった疑惑にかかった奴にすることと言えば…」

「そう、あれだ」

「まさか、あの王道のッ!?」

「そう!尾行大作戦だッ!!」

「何ィィィィッ!…でも、場所は分かるのですか?」

「こんなこともあろうかと発信器を奴に付けといた」

「わぁ、本当だ。私にも付いてるや」

「……では、行くぞッ!!」

「オォーッ!!」


 雄叫びを上げながら、二人は部屋を後にした。

 部屋の隅に残る、一輪の薔薇。


 モララー。18歳。彼女いない歴=年齢。

 隊長にスリッパで叩かれて死亡。

 短い人生であった…。


 ありがとう、モララー!ありがとう、青春!!

 君のことは決して忘れないよッ!!


 ↑ここまで書いた!
 ↓今から書くぞッ!!


「この任務ッ!モララーのためにも絶対にミスれないな…」

「そうです!隊長!!
 彼のためにもこの任務!やりとげてみせましょう。」


 ここは商店街。商店街の真ん中にはどでかいクリスマスツリーが置いてあり。

 何故か、大量の人が首を吊って死んでいるという、自殺スポットでもある。

 それがいっそう周りの雰囲気をかもちだしている。

 まさにブラッデークリスマスに相応しい舞台だ。


「魔眼の力を見せてやるッ!!」


 キュピーン☆

 隊長の額から、第三の目が開眼されたッ!!


「見極めたッ!!」

「何をですか?」

「………」

「おや、あれが奴じゃないですか?」


 モナーがある男を指をさす。


「み~つ~け~た~ッ!!」


 隊長の身体から湧き出たドス黒いオーラが辺りを覆い尽くすッ!

 そして、その黒いオーラが隊長の右手に集束されて行く。


「ぎ~こ~ね~こ~…ソォー────ド!!」


 ドス黒く輝きを放つ黒い剣が隊長の手に構築されたッ!!


「グハァッ!!」


 だが、3秒後に消えてなくなった。

 隊長は血を吐きながら、前屈みに倒れ込んだ。


「持病の結核がッ!!」

「まさか!あの新撰組一番隊組長を苦しめた不治の病ですかッ!?」

「そうだ…カハッ!…くそ……どうやら…俺は……ここまでの……」


 ガクゥッ。ガクゥッ。ガクゥ…。(エコー)


「隊長ォォォォォォォォォッ!!」


 隊長。19歳。本名、ギコ・ハニャーン。

 気の使いすぎで死亡。

 その後、ドラム缶のコンクリ詰めにされ東京湾に沈められたという…。


 ↑さあ、盛り上がって来ました!
 ↓ここから、盛り下がる。


「隊長、貴方の志…。私が受け継ぎました…」


 只今、ゴミ箱に隠れながら移動中。

 対ぬ○ぽ兵器のあのタイプだ。

 そして、今、奴を尾行中って訳だ。


「まさか、このゴミ箱に潜んでいるとは誰も思うまいッ!!」


 奴の全く気付かない姿を見ると、思わず大声を上げて笑い出してしまう。

 おぉっと、危ない。後ろを振り向いてきた。

 底抜けのゴミ箱から出した足を素早くたたみ込み、気配を消す。

 ようするのあの遊びの状態に似ている。『だるまさんがころんだ。Lv.掛け超え無しver.』に。


「ハハハッ!奴の姿と来たら本当に無様だなッ!!」

 奴が近づいてくる。

「あれ?」

 残り5m。

「ばれた?」

 残り4m。奴は細長い物を取り出した。

「何故?」

 残り3m。鞘からそれを引き抜き、その中から鮮やかな刃が取り出された。

「銃刀法違反じゃないのか?」

 残り2m。奴は鞘を投げ捨てる。

「…どうする?あ~い~ふ~る~♪」

 残り1m。

「ジオン帝国ッ!バンザァァァァァイ!!」


 それが彼の最後の雄叫びであった…




  コンティニュー?

→・NO

  ・NO








   チャチャーチャ♪


       『ゲームオーバー』

                 チャーチャララー♪
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