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春夏秋冬 私達、恋してます。 (美怜)

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
陽気、温もり誘う春。
太陽、地面焦がす夏。
北風、木の葉散らす秋。
粉雪、銀世界作る冬。



どんな季節でも。
私達、恋してます。


 
Spring Episode
 MONER & REMONA SIDE



「モナーく~んw」
 突然背後から聞こえてきた、やたら高い、嫌でも良く見知った声。一気にモナは不機嫌になる。
「・・・何か用モナ?」
「あん、相変わらずつれないなぁモナー君ってばw愛の伝道師レモナちゃんはいつでもモナー君のミ・カ・タwなのにぃw」
「愛の伝道師ぃ??冗談きついモナ・・・それに「あん」って、本気でキモいモナよ?八頭身さながらモナ」
「いやだぁモナー君ったらw八頭身なんかとレモナは別モノよぉwあんなのと違って、レモナはちっちゃくって可愛い乙女なんだからぁw」
「・・・」
 いい子ぶった声でモナに擦り寄るレモナ。こうなると、もはや腹立たしいのを通り越して呆れるモナ。
「で?何か用モナ?いつもみたいに散々べたついて帰るのはなしモナよ」
「え?・・・えぇっとねぇ・・・えっとぉ・・・レモナ、モナー君にお話があるのよねぇ」
「お話?何モナ?」
 モナが尋ねると、レモナは突然目を伏せ、もじもじし出した。
「あの、そのぉ・・・・・・きゃー!やだぁ!レモナ、はずかしー!w」
「何1人で盛り上がってるモナ!早く言うモナ!」
「えー?愛しのモナー君の前でこんな事言って良いのかなぁ~?」
「じれったいモナねー・・・何でも良いから言うモナ」
「んー・・・じゃあ言っちゃうけどぉ、あのねー・・・」
 しばらくもじもじした後、ようやっとレモナは口を開いた。全く、こういう所だけは優柔不断なんだかr・・・



「できちゃった、カモw」



 モナとレモナの間で、ひゅるる~、と吹く、一筋の風。
「・・・な・・・何だってー!!??」
「きゃっ!」
 思わずレモナの胸倉をつかみ、モナは絶叫していた。
「何てこったモナ!ネカマのレモナに子供なんか出来るはずないって思ってたのにまさか!!これは夢モナ!ウツツモナ!幻mくぁwせdrftgyふじこ」
 気が動転して、レモナをがくがく揺さぶりながら意味不明の言葉を弾丸のごとくさらしていたモナ。レモナが慌てて、揺さぶられているせいで途切れ途切れの声をモナにかける。
「ちょ、ちょっ、と、モナー、く・・・!!」
「何モナ!?モナに出来ることは何でも言って欲しいモナ!!」
「今日、は、何、月、何、日!?」
「し、し、4月1日モナ!そんな事より大事なの・・・・・・あれ」
 自分で答えて、自分ではっと気づいた。4月1日と、言えば。
「あはははははは!慌てるモナー君、びっくりしたけど面白~いw」
「・・・・・・・・・」
 モナの目の前で大爆笑する、モナをだました張本人。彼女(?)の笑い声に比例して、モナも一気に恥ずかしくなる。



 穴があったら入りたいって、こういう事を差すモナね・・・



「・・・レ~モ~ナぁ~!!」
「きゃ~wごめんなさぁい~w」



 思わず、モナはレモナに掴みかかっていた。
 ・・・でも、何か。
 


 まんざらでもない気持ちが、心の片隅にあるのは。

 何でモナ?



Summer Epsord
 MORARA & GANAR SIDE



「ガツンとかじって♪ガツンと美味しい♪ガツンとみーかーん~♪」
 手の中で100円玉をいじりつつ、CMソングを大熱唱しながら僕の隣を歩く、オレンジ色の彼女。
「ガナー。そんなに美味い?その歌の奴・・・前に僕も食べたけど、ただオレンジの甘ったるい感じだけだったよ」
「んー?そんな事ないわよ?確かモララー、バニラ好きだったっけ?その方こそ、甘ったるいわね!」
 少し呆れながら尋ねた僕に向かって、ガナーはきっぱりと言い、
「かじればしゃっきり♪みかんですっきり♪ガツンとみーかーん~♪」
 再びCMソングを歌い始める。これでもう10回は聞かされたかと思う。



 そもそも、何故僕と彼女がアイスを買いに行こうとしているかと言うと。
 僕がその辺をぶらぶらしていると、ちょうど、例のCMソングで紹介されてるアイスバー「ガツンとみかん」を買いに行こうとしていたガナーと鉢合わせた。



「またあれ?ガツンと美味しいどうのこうのってやつ?」
「何よ、どうのこうのって!まあそうだけど」
「良く飽きないよな。春夏秋冬いつも食ってるからな、それ」
「良いの!女の子に甘いものは必需品なんだから!」
「ふーん・・・」
「ふーん、って・・・あ、そうだ。どうせ暇でしょ?一緒に買いに行かない?」
「え?僕はいいよ。まだおやつには早いし」
「つべこべ言わないの!とっとと付き合う付き合う!」
「・・・はいはい」



 ・・・という会話の後、無理やり彼女に引きずられて、今に至る。

 しばらく歩くと、目的の売店が見えてきた。ギコ族の親父が店番してる、あの店。
「あ、見えてきた!モララーも何か買いなさいよ!それで、そこの公園のベンチで一緒に並んで食べるんだからね!」
「分かってるよ。全く・・・僕、席取っとくから。何でも良いから買ってきて」
「うん、分かったー」
 渋々返事をした後、僕は懐から出した100円玉をガナーに預け、
「あ゛ー、暑い暑い・・・」
 ぼやきつつ、木陰に入るべく、足早に公園に入っていった。

 数分後、ガナーがちゃっかり「ガツンとみかん」を二つ持ってやって来たのは、また別の話。

 でも、何でだろ。



 1人で食べた時より・・・ちょっと美味しいかも。



「美味しいねw」
「・・・ああ」



Fall Episord
 FUSA & TWO SIDE



「オイ!フサ!!」
 背後からいきなり飛び込んできた、甲高い声。声の主は、わざわざ聞かずとも、十分過ぎるほど分かる。
「・・・つーか。何か用か?」
「ゴアイサツダナ! セッカク コノオレサマガ オマエノタメニ、ワ・ザ・ワ・ザ キテヤッタ ッツーノニヨォ!!」
 ほとほと迷惑そうに言ってやったら、これだ。この男女が。
 と、心の中で突っ込みを入れつつ(口で言ったら酷い目に遭わされかねない)、改めて尋ねる。
「俺は質問してるんだから。とっとと答えてくれないと、幾ら俺でも分からないから」
「ソーカソーカ、イヤァ オレサマト シタコトガ、スッカリ ジジョウヲ ハナスノヲ ワスレチマッタ。 ヴァカナ フサクンニモ キッチリ ナットク デキルヨウニ シテヤラネバナァ、アーヒャヒャヒャ」
「・・・良いから、早く話す」
 人を・・・否、AAを馬鹿にしたような口調は、いつ会おうと会うまいと相変わらずなこいつ。高笑いするのをとりあえずスルーして、ぶち切れそうになるのを理性で抑えつつ、俺は3度目の質問・・・否、命令をした。
「コヤツメ。ヒトノ ゴキゲンナ ワライヲ スルーシヤガッテ・・・マアイイカ。 ジャア、トットト・・・」



「コウヨウガリ、イクゾ!!」



「へ?」
 思わず間抜けな声で聞き返した俺を無視し、ツーは俺の腕をむんずと掴んで、そのまま俺を引きずって歩き出す。
「うわわわわわ!い、い、いきなり何するんだゴルァ!」
「コウヨウガリ イク ッツッテンダロ! ヒトノハナシ キイテンノカ アヒャ!」
「アヒャ!じゃねぇ!第一何処で紅葉狩りなんかすんだよ!」
「ンナモン コウヨウガ アリャ ドコデモ イイダロガ! テメーモ ツキアッテ タクサン カレヨ! マァ オメーニハ ムリダローガナ、アーヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
「にゃにおぅ!?俺だって本気になれば・・・ん?」
 言い返して、はっと気づいた。沢山狩れって・・・まさか。

「・・・つーちゃん?まさか君はとんでもない勘違いを?」
「ナンダヨ? モミジテンプラ クイタカ ネーノカ?」

 やっぱり。思いっきり勘違いしてやがる、こいつ。
 心の中で呟きつつ、俺は教えた。
「・・・つーちゃん。紅葉狩りってのは、紅葉を刈る物じゃなくて、見て楽しむ物だから」
「ナニ?・・・ハッハーン、ワカッタゾ。テメー、コノ オレサマヲ マンマト ダマソウッツー コンタンカ?」
「いやいやいや!何でそうなるんだよ!お前を騙そうが騙すまいが、事実だから!」
「・・・マヂカ?」
「まじだから」



 しばらく、沈黙があたりを支配した。



「・・・アヒャー、マア コノサイ ソンナコト ドウダッテ イイゾ! ドッチミチ コウヨウガリニ イクコトハ カワラナイ カラナ! ッテコトデ、トットト ツキアエ! コウエンハ モミジガ イパーイ ダゾ!」
「・・・おう」
 結局そうなるのか、と、俺は内心がっくりする。渋々、さっさと歩き出したつーの後を追うべく、小走りした。

 ・・・でも、ま。



 ああいう「トラブルメーカー」気質の奴に付き合ってみるのも。

 たまには、良いか? 



「おー、結構見事なもんだ・・・ぶえっくし!」
「アヒャヒャヒャ! フサゲ ノクセニ ダラシネー ヤローダナ!」



Winter Episord
 GIKO & C SIDE



「うー・・・寒ぃー」
 寒空の下、歯をがちがち言わせつつ、ぼやく俺。
 でも、外出せずにはいられない。
 今日もあいつは、俺を一足先に待ってるはずだから。



「あ、ギコ君、おはよう」
「おぅ、しぃ。待ったか?寒くなかったか?」
「ううん、大丈夫。私も今来たところだから」
 嘘つけ。だったらなんで、そう顔面蒼白なんだよ。
 と、心の中で突っ込みつつ、俺はしぃを促した。
「じゃ、行くかゴルァ」
「うん」



 何処に行くかって?
 そんなの決まってない。
 俺達2人が何か面白そうなトコ見つけりゃ、そこが今週の俺達のデートスポット。
 中学卒業して学校別々になって以来、ずっとこの調子だから、お互い慣れちまった。
「あ、ねぇギコ君!見た事ないカフェがあるよ!」
「あ、ホントだ。じゃ、寄ってくか?」
「うん!」



「ありがとうございましたー」
 レジのガナー族がにっこり笑って言う。
 俺はコーヒーとレアチーズ、しぃはココアとベリータルト。
 しぃは甘党だから、こういう喫茶店に入るときは必ずココアだ。コーヒーやら何やらは、苦くて飲めたモンじゃないと、あいつはよく言う。
 逆に言えば、俺はココアみたいな甘ったるいモンは苦手だが。
「んー、おいしwいいお店だねw」
「だな。っと、隙あり!そのラズベリーもーらいっ!」
「あーギコ君ずるーい!じゃあ私も一口もーらいっ!」
「あ゛!やりやがったなゴルァ!!ずりー!」
「先にやったのはギコ君だよ。私はずるくないもんw」
「・・・ちぇ」
 どこぞの毒男やらヒッキーやらが聞けば、すぐさまマンドクセ状態になるような、甘ったるい取り留めのない会話。
 でもまあ、それが楽しかったりするんだが。 
「あ、レアチーズ美味しい!今度頼んでみよっか・・・・・・」
「?」
 言いかけたしぃが、窓の外を見て突然石化した。
「どうした、しぃ?」
「・・・外・・・」
 それだけ言われ、俺もしぃに習って外に目をやって・・・すぐ、しぃと同じ石化状態になる。



 雪が、降っていた。



「初雪か。珍しー、こんな都会で雪なんざ久しぶりじゃねーか」
「そうだね、綺麗だねw明日、積もってるかな」
「さあなぁ。天気予報見れば良いんじゃねーの?」
「むー、ギコ君の意地悪ー」
 再び取り留めのない会話。それでも、視線は窓の外の雪にずっと集中していた。



 お前にも、そのうち分かるさ。

 こんな取り留めのない会話の、面白さ、ってのがさw



「うぇ。甘ー・・・」
「そうかな?私は美味しいと思うよ?」



花咲き誇る春。
太陽輝く夏。
木の葉散り行く秋。
粉雪舞い踊る冬。

貴方はいつ、恋がしたいですか?



~ fin ~ 

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