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神の気持ち (シエロ)

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匿名ユーザー

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ねぇ・・・ギコ君・・・
神様はいると思う?


神様の気持ち


今日も俺の一日が終わり、また明日がやってくる
当たり前の毎日だから薄っぺらいものだと思っていた
だから、大切にしなかった
だから、彼女が気に食わなかった
いつも、笑っている彼女が・・・


聞きなれた高校の教室の雑音
昨日何をしたかだの、何を見ただの、陰口だのが集まって出来た雑音
その雑音の中で一際目立つのが、あいつの笑い声
そいつの名前はしぃ
不登校だったのに、最近学校に来るようになった
前はあんまり感情を出さなかった彼女だが・・・
学校に来るようになってから、良く笑い、怒り、悲しみ、ふざけたり・・・
幸せそうだった
同じ彼女なのに、昨日の彼女と今日の彼女は違って見えた
毎日変わっていく彼女
毎日が同じ俺
同じ時間をすごしているのに、彼女と俺とはこんなにも違った
そんな彼女を見ているのは楽しかったが
時々、眩しすぎて見ることが出来なかった
自分が置いていかれている気がしてならなかった
それから・・・なんとなくだけど・・・

彼女と彼女の笑顔が嫌いになった


俺は今日も変わらない毎日を過ごしていたつもりだった
今日はいつもと違っていた。なぜなら
「ギコ・・君だよね?生活委員」
しぃがいきなり話しかけてきたからだ
「・・・・・は?・・あぁ、そうだったな」
「今日、つーちゃん休んでいるから、代わりに私が生活委員の仕事することになったの。よろしくね!!」
っと言って彼女は笑った
「んぁあ・・・よろしく・・」
いきなりだったから返事をしてしまい、普段なら絶対やらない委員の仕事をした

仕事はアンケートの集計だった

いつもなら、雑音がおさまらない教室がシーンとしていて耳が痛かった
それも当たり前だな。俺としぃ以外誰もいないのだから
「・・・・・・」
「・・・・・・」
話題があるわけが無く、普段から話さないから何を話したらいいか分からなかった
・・・何か話すべきか?いや、別に無理に話すことはねぇだろ俺!
でも・・・このまま、つまらねぇ男と思われるのもなんかいやだしなぁ・・・
「ねぇ、ギコ君」
「!なっなんだよゴルァ!いきなり話しかけんなよ!!」
驚いて、思ってもいないことを言ってしまった
しまった・・・傷ついたか?
「ゴメン!ちょっと聞きたいことがあってね」
傷ついていないようだ
「(・・・っほ)なんだよ?」
「神様っていると思う?」
いきなりこんなこと聞いてきた
話題が無いから、適当なことを言って無理矢理話題を出しているのだろうか
「いないんじゃねぇの?」
あんまり考えないで返事をした
彼女の顔を見たら、寂しそうな顔をした
な!俺悪いこと言ったか!!?このふざけた質問彼女はマジで聞いていたのか?
「あああぁ!前言撤回!!」
神様?神様がいるかだって?しるかっつーの!!
でも・・・こんなこと前にも聞かれたことあったな・・・

『ねぇ・・・ギコ君・・・』
その少女は、今目の前にいる彼女に・・・
『神様はいると思う?』
しぃに似ている気がする

俺はあのときの少女に答えた答をそのまましぃに言った
「俺は、神様はいると思う。だけど神様は力を持っているけど、
俺たちを見守ることしか出来ない。
力を持っているのに助けることが出来ないでいる。
そんな神様に願い事をするなんて、かわいそうだろ?
だから俺は神様に願い事なんかしたくない。
願いは自分の力でかなえてこそ意味があると思う。
だから、神様にちょっと肩の力を抜いて休んでろよって言ってあげたい」
・・・・・なにらしくないこと言ってんだ!俺!!
ヤバイ!絶対、今俺顔赤い!!
俺は下を向いて顔を隠した
「あははははは!」
顔を上げてしぃを見た
彼女は笑っているくせに泣いていた
「な!何だよゴルァ!!俺なんか言ったか?」
「違う!違うの!!うれしくて!ギコ君が変わってないのがうれしくて」
俺のコンプレックスを喜んでいるしぃを見て、なんか、腹立った
「変わってないって、まるで昔の俺を知っている口だな!」
「・・・・・」
しぃはいきなり黙ってしまった
「さて!集計も終わったし!私はもう帰るね!!」
と言って、立ち上がった
教室のドアの前まで行ったら、立ち止まり、振り向いてこう言った
「そのときは、一緒に言おうね・・・神様に!」
・・・その言葉は・・・


『だから俺は、神様にちょっと肩の力を抜いて休んでろよって言ってあげるんだ!!』
幼い俺が力いっぱい言った言葉に対してあの少女はこう言った
『そのときは、一緒に言おうね!神様に!!!』


「おい!しぃ!!お前もしかして!!!」
彼女はもういなかった


次の日、何も無かったように俺と彼女は教室にいた
昨日は特別いつもと違っていただけだ・・・
今日も特別なわけじゃない
今日はいつもと変わらない毎日なんだ
自分に言い聞かせた
今日も彼女が声をかけてくれるなんて事がある分けない
期待してはいけないんだ!

彼女は今日も笑っている
俺はいつもと変わらない

くそ・・・一昨日までは、変わらない毎日で平気だったのに
彼女を見なくても平気だったのに
彼女が気になって仕方ない!
・・・前から気付いていたんだ、この気持ちに
だけど、彼女と俺は違いすぎるという理由で自分の気持ちを押し殺していた
違いすぎるのは当たり前だ、俺が変わらないからだ
俺が変わらないのは当たり前だ、変わろうとしていないからだ
変わりたい・・・同じ毎日なんてもう、真っ平だ


放課後・・・俺はしぃのところへ行った
「しぃ・・・」
「ギコ君!!なにかしら?」
勇気を出してみようと思った
昔の俺が出来たのだから、今の俺が出来ないはずがない

「今日・・・一緒に帰らないかゴルァ!」
ヤバイ・・・また顔が熱い
しぃはびっくりした顔をした後に
「いいよ!喜んで!!!」

帰り道、俺は思っていたことを話してみた
「俺さ・・・神様の気持ちは分かっても、自分の気持ちに気が付かなかった気がする」
「そこが、ギコ君のいいところだよ」
勇気を出したおかげで、今日はいつもの今日ではなくなった
それがうれしかった
「お前が、転校した後・・・結構寂しかったんだぜ」
「小学生のころの話でしょ?私も寂しかった!
高校に入って偶々ギコ君と同じ学校だと気付いたのに、
ギコ君私に気付いてくれないんだもん」
それから、ずっとくだらない話をした


当たり前の毎日だから、大切にしたい
気に食わなかった彼女が愛おしかった
こんなに変われたのはちょっとした勇気のおかげだ



ちょっとした勇気のおかげで

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