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『K』 聖なる騎士 (ゆう)

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匿名ユーザー

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俺達黒猫は人間にいみ嫌われていた
黒猫は不吉だから・・・


「出てけ!不吉な黒猫め!」

ちっ・・・怪我しちまった・・・

ある冬の日の夜俺はいつものように人間に追い立てられていた
でもそれを不幸だと思ったことはない

誰かを思いやることなんて・・・わずらわしかった・・


「君大丈夫?怪我してるよ」


!!また人間

「まったく・・ひどいことするよね・・・黒猫が不吉なんて言って・・」

何だコイツは・・・

「あ ごめんごめん 僕は絵描きなんだ と言っても全然売れてないんだけどね 安心していじめたりしないから 傷の手当てをしなきゃね」

そう言って俺を抱き上げた


  『ガリッ』


「イタッ・・・あ!待って・・」

俺は走った
『孤独』という名の逃げ道を

だって初めてだったから・・・
不吉だと言われて嫌われてきた俺を暖かい手で抱き上げてくれたのが
まだ信じられなかった

だがどんなに逃げても変わり者はついてきた

「こらこら 逃げなくても大丈夫だよ」

俺は生まれて初めて何かを許されたような気がした




それから二年の冬を過ごした

あんたは俺に名前をくれた



    『黒き幸 ホーリーナイト』



「ね いい名前でしょ」

そしてあんたのスケッチブックはほとんど黒ばかり
俺の絵ばかり描いてくれた

俺に名前をくれたあんたといるのが楽しかった
幸せだった
生きがいだった

でもそんな日々に終わりが来た

あんたはやせ、弱っていった
医者にいく金もなかった

お願いだから氏なないで

「ホーリー・・・ナイト・・・君に・・頼みが・・あるん・・だ・・この手紙を・・僕の故郷にいる大切な人へ・・・届けてくれないかな・・頼んだよ・・」

そう言ってあんたは冷たくなった
不吉な黒猫の絵など売れるはずもなく
それでもあんたは俺だけ描いた

手紙は確かに受け取った
必ず届けるから・・



雪のふる山道を俺は走った
今は亡き親友との約束を果たすため

「見ろよ!悪魔の使者だ」

子共が石を投げてくる

何とでも呼ぶがいいさ俺には
消えない名前があるから

『ホーリーナイト』

聖なる夜と呼んでくれた
やさしさも温もりも全てつめこんで呼んでくれたから

忌み嫌われた俺にも意味というものがあるならば
この日のために生まれてきたんだろう

そのためならどこまででも走るから



やっとついた・・ここがあんたの故郷・・
目的地までもうちょっと・・

「黒猫か・・目障りなんだ・・・消えてくれるかな?」

   !


「やだ・・見て・・黒猫・・」

「さっきおっぱらったんだけど全然駄目だったそうよ」

くそ・・足が・・
氏んでも届けるんだ

立て!動け!
あんたとの約束のためなら俺はどうなってもかまわない

「あっちいけー!黒猫ー!」

血だらけの身体・・・
俺は・・・俺は・・・

こんなところでくたばってたまるか!

走った 転んだ すでに身体はボロボロだった
それでもなおも止まない罵声と暴力

負けるか!俺はホーリナイトだ!
あんたがつけてくれた名だ!

見つけた・・・この家だ・・・


『ガリガリガリ・・・』


「誰かきたのかなぁ・・・?」

『ガチャ』

「・・・うわっ!どうしたんだよ君!傷だらけじゃないか!ん?この手紙・・」

よかった・・・
ねぇ・・俺はあんたとの約束・・ちゃんと果たしたよ・・・

「・・・そっか・・・ホーリーナイト・・君もよくここまで頑張ったn・・」

「・・・頑張ったね・・・ありがとう・・・」

その猫はもう動きませんでした

彼女はホーリーナイトを庭に埋めてやりました

アルファベットの『k』を入れて

聖なる騎士を埋めてやった

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