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FFAA―End of river―(14話完了) (梓(シンと読む。))

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匿名ユーザー

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第1話『受話音は、はじまりの』(1日目、AM9:00頃)

今日も昼過ぎまで寝ていると電話が突如なり始め、(面倒臭いなぁ)とか、考えながら、受話機を取った。
「えー、こちらは2chシティ電話担当板です。ただいまお掛けになった電話番号は只今、使われておりませ・・・」(アナウンスの声真似)
そんな黄色のAAのおふざけを遮って、その電話をかけてきた主は言った。

「今のモナに・・・そんなふざ、けた・・・事をしている、暇ないモナ!」
微妙に声がかすれ気味であるが、もの凄く慌てている事だけは分かった。
「(っち、だめか。)どうしたんだゴルァ?随分と慌ててるみたいだけどゴルァ。」
その時、胸騒ぎがしたんだ。なんとなく。
「モナがオフィスで仕事をしていたら・・・社員の山崎さんとカサーリ達が突然襲ってきたモナ!
悪い予感がするモナ!モララーの所へ逝って欲しいモナ!!」

切迫しきった声だったので、半信半疑だったが思わず。
「わ、分かったゴルァ!!」(それに凄い気迫も感じて)、そういうとモナーは電話を切ってしまった、仕方なく寝たかったがモララーの家に走り出した。

カサーリたち(今物語では色々運搬するAA)の悪戯じゃねぇのか、社長のモナーを驚かそうとか考えて・・・でも、電話では襲ってきたと言っていた。
企画なら、怪我はさせないようにするはずだ。・・・ん?町そのものの様子がおかしいな。誰も歩いてねぇ。

しばらく逝くとモララーの家が見えてきた。

「糞、そう簡単にはやられないからな!!」

そういっているモララーの声が聞こえた・・・急ぐべきか皆で俺を驚かそうとしているのかもしれない、見えるとこまで逝って様子を伺おうとした時、

アボーン!!

という、爆発のような音がモララーの居る方から聞こえてきた。
マジでヤヴァイ雰囲気な音だったので、足を速めた。

見えてきた・・・そこには、さいたま達(明らかにいつもと雰囲気が違う。)っと、散乱したモララーの家とモララーが物陰にいるのが見えた。

「モララー!」
声のした方を見ると青いのAA〝モララー〟がこちらを振り向いた。
「ギコ! 何故ここに?!」
かなり焦った口調で聞いてきたので、率直に述べた。
たくさん一気に話しても分からないと思ったからだ。
「モナーがさ、モララーが危ない事になっているとか・・・言っていたから、心配してきたんだゴルァ!!」

「そう、か。」
ものすごく、今までにないくらいの間抜け声で返事が返ってきた。
(ありえねぇ/笑)
「まて! 太陽は攻撃を喰らうと・・・強烈なカウンターをしてくるからな!」
モララーは、立ち上がると忠告してきた。

ギコは、少し考えると言った。
「なら、即行で倒すだけだゴルァ!!」

そういうと、ギコは脳内スロットを回す。
そして「500ゲット!」と、いうとさいたま達の方へ滑り込んだ!

それで、さいたま達にそれぞれ500ずつダメージを与えることができた。その攻撃で、さいたまの右と左は倒れたが、太陽だけが残った二人が胸をなでおろそうとしたとき。

太陽が表情を引き締めた瞬間、右と左が蘇った。

しつけぇ・・・もう一発かますか。
「もう一発かましてやらぁ、ゴルァ!!」

再び脳内スロットを回した。
「1000ゲットォ!!!」
さっきの倍の数字を言いながら再び滑り込んだ。

今度は、太陽もろともさいたま達をやっつけた。

「・・・死んだのか?」
モララーの質問に対し、俺は・・・
「いや、気絶しただけだろう」
 気絶しているさいたま達を、とりあえず家の外に運びだす二人。
そして、モララーがそっと口を開けた。
「ギコ、すっごいなぁ~どうやったん・・・!」
モララーはいつもの口調で話だしたのだが、途中で黙った。
どうしたのだろうか・・・。
「・・・ギコには、行くべきところがあるんじゃないのか?」

しぃ・・・!?

そうだ、モララーの言うとおり、逝かなきゃ。
自然と体が走り出していた。後ろから「ここは任せろ。ギコ!」っという声が聞こえた。
俺は、「お、おう!」っと返事だけをし、振り向かずに走ったしぃの家へ!

待ってろ、しぃ・・・!


第2話『強襲、オマエクマー!』(1日目、PM13:15)

はぁ、は、は、はぁ、はぁ、しぃ待ってろ!今・・・行く!!

家の近くの公園まで行くとしぃが、走って出てきた。
「おまいもクマった奴だなぁ・・・クマが手に入れたこのみなぎる力を思い知らせてやる!!」
振り上げた腕が、ピンクのAA”しぃ〟に当たるぎりぎりでなんとか抱え避ける事ができた。

「しぃに手を出す奴は、俺が・・・俺が許さないぞゴルァ!!」

一息に、それだけいうとしぃを連れて走り出そうとすると、ソイツが何か言ってきた。
「たかが・・の・・・・で。」

再び襲いかかって来たので、俺はしぃの手を引いて走っていた。
いつものオマエクマーと違いかなり俊敏な動きですぐに逃げ道を塞がれた。
(く、くそ・・・!)

そう思った瞬間、何かが上から降ってきた。

ガギィィィン!

「モナー(さん)!!」
俺たちは、斬馬刀でオマエクマーの爪を止めていなした奴、白いAA”モナー〟に声をかけた。

「間に合ってよかったモナ、二人はこれを使うモナ!」

槍をギコに、杖をしぃに投げた。
「槍か・・・ゲームの見よう見真似だがなんとかなるだろうゴルァ!!」
そういうとブンブン回し、構えた!
「ギコ君、かっこいい!!私は杖ね、私もガンガる!」
そういうと杖を握り構えた。
「しぃも、似合ってるぞゴルァ!!」
二人は、はにかんで笑いあった。

――この世界の何処か――
「良かったのか?あんな代物を人形にやって。」
先程のフードの人が入ってきて、ぶっきらぼうにソイツに言った。
『まぁ、良い…いずれあの代物の恐ろしさに、奴も気づく…その時には手遅れだろうがな。クククッ。』
冷笑を浮かべ堪えきれないのか、笑い声が漏れた。
「ふーん、そういう魂胆かい。」
青いAAが去った方を見ながら、フードの人はうなずいた。

「来るモナ!」

その声と共に目が黒光りするオマエクマーが迫ってきた、異常なまでに強くなっていて槍で何とか払い除けるがやっとしかし、次の瞬間にはもう一方の腕が襲ってきて勢いよく吹き飛ばされた。
「ぐあぁああぁぁ!!」

「ギ、ギコ君!」
「しぃちゃん、回復魔法『ケアル』を唱えてみるモナ!」
斬馬刀を構えなおしながら、モナーがしぃに指示を出した。
「う、うん。癒しのそよ風『ケアル』!」
その呪文と共にギコの体が翡翠色に輝き、体中にあった打ち身と擦り傷が癒えて消えた。
「さんきゅ!しぃ。」
「どういたしまして。」

再びオマエクマーに視線を戻すと背後から闇色の光が出てきている、体中の筋肉が膨れ上がり、ぎしぎしと破裂しそうな音を立てていた。
「オマエラ、ジャマ、テキハ、ハイジョ。」
虚ろにそれだけ呟くとギコの目には見えないような速さで跳躍をした。
「筋肉が悲鳴を上げてるのにそんな事をしたら死んでしまうよ!クマーさん!?」
しぃが、目に涙を溜めながら必死に制止しようと叫ぶ。
「う、る、さ、い。し、ね。」

振り上げられるクマーの腕、目を瞑るしぃ、そして

ザン!

しばらくの間ギコは呆然としていたが、我に返るとモナーの胸倉を掴み上げると怒鳴りつけた。
「おい、モナー真っ二つはいくらなんでも、やり過ぎだろゴルァ!!」
それに対してモナーは、さも当たり前のように嘲けた表情を浮かべた。
「どうしてモナ?やらなければしぃちゃんが死んでたモナよ?」
平然とした表情と口調ではあったが、斬馬刀を握っている手は震えていた。
「…今度からは加減するモナ。」
ギコの手を払いのけギコから背を向けた。
「モナーどうしたんだよ、今日なんか変だぞゴルァ?」
俺はすげぇ心配になってきた、だっていつものモナーと何かがズレてる気がしたから。それになんだか今日のモナーは冷たいんだ。
「どこがモナ?モナはモナよ。
 そんな事より、モララーはどうしたモナ?」
(モナーおかしいだろ?いつもは、いつものモナーは!!)
「あ、あぁモララーは今頃は家を片付けてるは…」
とりあえず後で問い詰める事にしようと思ったきり、することはできなかった。
そして、この冷たさの正体をもっとずっと後に一番知りたくない形で知ることになったんだ。
「なんだって!急がないと手遅れになってしまうモナ!」
そういうとモナーはモララーの家の方へもの凄い速さで駆け出した。
「ど、どうしたんだよ!急に!?」
慌ててしぃの手を握りながら後を追いかけながら
「とにかく急ぐモナよ!」
そういうと全力疾走でモララーの家を目指した。

モララーの家の中――
「いないモナね…手遅れだったモナ。」
その声は震えていた上に、ギュッと拳を握りしめて固まっていた。
「…今一事情が呑めねぇんだけど説明してくれねぇ?モナー」
これ以上は酷だと思い深読みは止め、質問の趣旨を変えて今回の事態に見合った事を真面目に聞く事にした。
「…わかったモナ、とある伝説に出てくるお話しと同じ状況だと思って欲しいモナ。その伝説では、

〝闇より孵りし者現れる時、世界に破滅を呼ばん〟

〝ありとあらゆる災いの種をばら撒き、闇に染まる〟

〝その災いの火の粉を浴びし者の自らも災いと成す〟

大まかに話すとそんな内容だったモナ。
つまり完全に断ち切るにはあの方法しか今のところないからモナよ…仕方なかったモナ。」
部屋の中の方を向いたまま、答えた。
「じゃあ、モララー君はもしかして…!」

「その可能性が高いモナ、だからとりあえず人口の多い場所の2chシティに行こうと思っていたモナ。いいモナね?」

「その意見に俺は賛成だゴルァ、災いを振り撒くには最適じゃねぇかあそこは!!しぃは?」
俺はモララーの家で倒れた本棚腰をかけて、しぃに聞いた。
「私もそう思う…行きましょう!2chシティへ!」

「あぁ!」
「急ぐモナ、これ以上に災いを広げないために…!」
三人は、2chシティに向け駆け出した。
この世界の災いを止めるため、大切な人を取り戻すために。

〝さぁ、行きなさい…未来を守るために!〟

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第3話『再会は、別れの始まり』(一日目、PM16:00)
俺達は、2chシティのハイウェイを走っていた。
大きな街、大きな建物、賑やかな通り、それらがもうすぐ消えようとしていた。
「…ビルにはもうすぐ着くモナ、仕事で何度か足を運んだことあったから知っ
てるモナ。」
あと一息あともう少しで削除人の配備を依頼できる、そうすれば最悪の事態を免れる事が出来るかもしれねぇ。
(モララー、今度だって絶対助けてやるからな!)

ドオォォォオオンッ!!

「な、爆発!もう、始まっているのかゴルァ!?」
爆発した方を見ながら、走っていく三人。
「そうかもねモナ、急ぐモナ……!」
モナーは走るのだって早い、運搬業者の社長であったためだろう。
「どこまで壊せば気が済むの?壊してその先はどうするの!」
しぃが、叫ぶ。これ以上はたくさんといいたげに。
「さぁ……?本人に聞くのが一番じゃないのかモナ?」
モナーはやっぱりどこか冷めた口調で話していく
「そうだな、さっさと張本人をとっ捕まえて。一発殴ってやるぜゴルァ!!」
俺は、とりあえず今状況が収集がついたらモナーに一体何があったのか、問い詰めようって決めていた。
「……。」
いつものモナーなら、『そんな事はよくないモナ!!』とかいうんだけどなぁ。
調子も狂う。

「貴方まで・・・そんな・・・」
 しぃは、信じたく無かった…信じていたかった、だからこそ思わず声に漏れてしまった。そこの言葉で俺は前に向き直ると、やっぱりなっていたんだ。
「モララー・・おまいまで操られたのかゴルァ・・!」
ギコも、モララーの家を再度訪れた時に覚悟を決めていたはずなのに…それでも聞いてしまった。

「操られた? 違うね、これが俺の本当の姿なのさ。これが俺の…本当の心
なのさ!」
モララーは、手で顔を覆いクククッと狂っていなきゃ浮かべれないような笑顔を浮かべながら、手に持っていた剣で切りかかってきた。
(やめてくれ、モララー。俺は…俺は、おまいを傷つけたくねぇんだ!)
迷いがある者とない者には、戦い方に雲泥の差が生まれる。

ガキィィィンッ!

モナーがモララーの剣を受け止める、
「ギコはモララーを助けるって言っていたモナね、ここで止まる気モナか?」
(あぁそうだな、モナー…俺はこんなとこで止まる気はねぇ、必ず助けるぜモララー!待ってろ!)
「っふ、効かないね!そんなナマクラ刀などさ!」
モナーの斬馬刀をなぎ払いながら、そういうと少し離れたところに着地をして、地面と平行に剣を構えると刀身が闇色に輝きだし、それが一瞬笑ったと思った。

(なんか…ヤバイ!)
肌で不吉さを感じとった時には、既に手遅れで

「さぁ、喰らうがいいさ!『暗黒』!」
その声と共になぎ払った刀身から無数の闇色の刃が飛び出し、俺達を切り刻んだ。

全員はその痛みで膝を着いた。

「な、なんだゴルァ…一体なんなんだ、今のは…!」
(モララー一体、分かれた後に何があったんだ?)
俺は、立とうともがいたが痛みが大きく膝が立たなかった。
「分からないモナ、あれは一体…?」
隣にいたモナーも目をパチパチさせながら同じ意見を述べた。
「ギコ、貴様と別れてから新しい力を手に入れたのさ…!アヒャヒャ!?」
そう狂笑して再び刀身に力を注ぎ始めた。
(モララー楽しそうに笑うなよ、正気に戻った時一番辛いんじゃないのか?)

「癒しの風『ケアルラ』!」
その時、しぃがなんとか立ち上がり回復魔法を精一杯の声を上げ使った。

モナーが耳打ちをしてきて、
【ギコがジャンプしてモララーに一撃与えたら、即効で通り抜けるモナ。】
その作戦に対し俺は、
【それいいな、それで行こうゴルァ!!】

「よく言っている事わかんねぇけど…とりあえず目を覚ませやゴル
ァ!!」
モナーの提案通りに槍を持って高くジャンプして、モララーの右腕に直撃させることが出来た。モララーは、頭に手をやり何かブツブツいっていたが、やがて俺の方を見ると上にジャンプした。
(逃げるのってムリぽ)と俺は思った。
「これで貴様は、終わ!?」
声が途切れた、一体何がモナーの方を見るとモナリア家に伝わる秘技を出していた。
それを見て下を向いたまま俺は笑った、あれを喰らったら一週間は動けないはずだから。
「これで、モララー終わりモナー!必殺『オマエモナー』!」
俺の目の前に落ちて膝をついた僅かに血を吐き黙った。

「た、倒したのか、俺はいいとして皆平気かゴルァ?」
俺は気の抜けた声を漏らす、決戦前になんだこのテンションは。
「俺たち以外と、すんごいバトルしたモナ?したモナね?」
モナーは興奮しながら話した、いや午前中から俺らすごいから。
「そうね!」
しぃが頷く、それから
「ギコ君、痛くない?腕怪我してる…癒しのそよ風『ケアル』」
擦り傷程度なのに回復魔法をかけてくれた。
「ありがと…!」

「おまいの…」
突然の言葉に困惑の表情を俺達は浮かべ呆然と聞いた。
「貴様は出てくるな!」
「おまいの負けだからな!」
「黙れ!」
「もう、出てくるなよ」。
「貴様こそ、でてくるんじゃない!」
「糞!」

「くっ・・・ 貴様等がこの先に行ったところで、 誰も奴を止めることは出来
ない!」
そこで立ち上がり、俺達に謎の言葉を残してセントラル・ビルへ走っていった。

しばらく俺達は呆然としていたが、我に返ると俺はしぃに
「ここからは…しぃは逃げろ。」
ちゃんと伝えなくてはいけない、だって大切な人だから
「えっ?」
しぃは驚いて聞き返す
「大丈夫ちゃんと戻るさ、そんでまた楽しく暮らすんだゴルァ。」
俺は、無理矢理に笑顔で答えた。
「で、でもギコ君…!」
しぃがとっても不安げに俺を呼んだ

俺には耐えられなかっただから、ギュッと目を瞑るときびす返し走り出し最後にもう一度言った。
「ちゃんと逃げるんだぞ、しぃ!!」

モナーが慌てて
「待つモナぁ、ギコ!!」

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第4話『譲れぬモノと』(1日目、PM19:00)
「ギコ君……。」
私は、しぃ。
ギコ君とは大親友で、どっちかっていうと友人以上恋人未満な関係。
ギコ君の走っていった先を見つめる。

その時

「きもいよぉぉぉぉぉおおお!!」
不思議な叫び声を出しながらセントラル・ビルの職員だろうか、ローラーに乗ってこっちに逃げて来る。
「いちさぁぁぁあああん!」
その後ろを八頭身の中でも一番キモいというモナー族が追っかけてきている。
私も瞬間的にセントラル・ビルとは反対に走っていた、無茶苦茶必死に走った。
(だって、噂通り物凄くキモいんだもん!!)

(でもこのままじゃ、絶対追いつかれる!!)
立ち止まると、1さん達の方を向き杖を構えた。
(悩んでいられないな、八頭身さん達ってどうも操られているみたいだし。)

「キモいです、キモ過ぎます!でも、女の子に戦わせるのは申し訳ないのでキモいけど戦います。おにぎり君はいいかい?」
後ろを振り返りながら、僕は尋ねた。
「うん、構わないワッショイ!それに今日のあいつ等変だワッショーイ!」
1さんはローラーをハンマーとして、おにぎり君は踊っている。

(私が白魔導士で1さんがハンマー使い、おにぎり君は踊り子か。)
私達が真面目に構えてるというのに、八頭身達は勝手な妄想に加え恐ろしい事を話している。
はっきりいって普通の敵に数倍怖い。
「いちさぁ~ん、こ、これからはずっと一緒ハァハァ。」
「ジャマな奴らは殺すよぉ、皆ぁ。」
「そ、そうだねハァハァ。」
「ジャマな奴は消して、1さんは強姦だ。」

(ギコくーん怖いよぉ、この人達。)
とか、思っているといきなり一体がこっちに向かって跳んできた。
(き、来た!)

私は、なんとか自分一人で避けた。二人の方を見ると彼らも反射的に避けたようだ。
その時、おにぎり君と1さんが叫んだ。

「鬼塚流秘鼓舞『ワッショイ乱舞』行くよぉワッショイ!!」
「一坂家秘技『一発逝きます割り』だぁぁ!」

おにぎり君が三人に増えて神楽という踊りに近い舞を舞う、黄色の光が私達に降り注ぎ力が漲ってきた。
(暖かい、とっても優しい。)
その光を受け
「ありがとう!おにぎり君!!」
1さんはそのまま勢いよく大地を叩くとそこから亀裂が入り六人いた内、前衛の三人が亀裂から無様に落ち後衛の三人が驚いて怯んでいる中、落ちていく三人の最後の言葉が。
「「「いちさああぁんの馬鹿ぁぁ!」」」
(アホらしい事この上ない言葉が遺言って哀れすぎるわ。
でも、二人に私も負けられないよね!ギコ君!!)

私は、両手を前にかざすと唱えた。
「月の神ルニャーンよ、その大いなる力よ。
我が力となりて彼の者に怒りの裁きを与えたまえ。
『httpレーザーSP』!!」
私の両手の中に淡い月色の光が集っていく、そして巨大な光が一筋の閃光となって八頭身である三人を吹き飛ばした。

目の前にはないはずのない現実

そう、それはきっと白昼夢

真っ白な世界に一つだけ

子供の泣いている、誰?

あれは、ギコくん…?

「大丈夫ワッショイ?えっと、しぃさん?」
「だ、大丈夫です。っじゃ、私大切な人を追いかけますので。」
私は、あの時見えた幻を振り払い走り出した、大切な人と共に在るために。

セントラル・ビル前――
俺達は電車と同じ構造の門を軽く改札を飛び越え、庭園の砂利道を広場の前のビルを超えた。

その時、広場に四つの影を確認した。
「フサ、どうしてとk…!」「つーちゃんと兄者、弟者さんも!」
俺達は目の前の光景に驚いた、大地は裂けビルには複数の亀裂に穴が開いており、たくさんのAAが横たえている。
その中には、ぼるじょあさんとシーンさん、モウコネェヨ、レモナさんもいて地獄絵図そのものと言ってよかったかもしれない。
「ギコにモナー〝どうしてここに〟は俺のセリフだぁ!つーヤメロ!どうしちまったんだ!」
つーさんから飛んでくる包丁を刀で弾きながら、話す。
「時に聞くが、お前ら事情知っているか?」
兄者が木の影にこっそり隠れながら
「漏れも今の状況把握をしたい。」
つーさんの包丁を避けながら
「な、なんでおめぇら二人は冷静なんだぁ!つーちゃんやめろ、てぃや!」
飛んでくるナイフ十連打を跳ね返し、後ろへ下がった。
つーさんが後を追ってくるその足に弟者がすかさず銃で狙撃をした。
「邪魔者ハ皆ミンナ消エチャエ。」
つーさんの体から闇色の光がオマエクマーと同じように立ち込め始めた。
「おい!な、なんだ…あれは!?」
驚きのあまりフサが声を張り上げ、声には出さったものの流石兄弟も目を見開いた。
「…オマエクマーと同じモナね、ギコ。」
ギコとモナーは一度経験済みなので問題はなかったようで、余裕な雰囲気で前に一歩出た。
「あぁ、そうだな…加減できないな、どうする?」
「じゃあ遠慮なく動けなくするっていうのはどうモナ?」
二人は不適な笑みを浮かべる。同意したようだ、そのまま二人は走り出した。
ギコは右にモナーは左に回りこむ、ギコはそのままジャンプしモナーは斬馬刀を地面から平行に構える、そのままなぎ払いさらにジャンプで肩にダメージを与えると、つーさんがそのままうずくまったのでとりあえず振り返って、兄者達の方を見るといった。
「…時に、事情は詳しく呑めんがとりあえず…この先に何かあるって事か?」
「あぁ、…詳しく説明はぁモナーにバトンタッチだゴルァ!!」
「えぇ!!…わかったモナ。(しぶしぶ)
えーとまず、モナが初めてこういった系にあったのは今日の朝のモナリア運搬会社の社長室でモナ。
なんとか社員達を眠らせてギコ達と合流、再会したモララーもあっち側にいて、ついさっきまで戦闘していたモナ。
でも、様子おかしかったな。
今までの奴と違って…じゃなくて、それで削除人の要請を出しにセントラル・ビルに住むひろゆきのところに向かっていたってわけモナ。」
モナーは、一通り分かる限りの事を話すとフゥッと息を短く漏らした。

「時に、根本的な原因まではわからないが…どうにかここm」
「ハハハ、ハ、ひろゆきハ今頃モウアノ方ノ腹ン中サネ!」
突然つーが大声で笑い出した、明るい声のはずなのにどこか影のある声だった。
「…つまり、集団で一つの目的のために行動しているって事モナ?」
モナーには、その言葉で新たな疑問が生まれた。
「ククク、アタイヲ倒セタラコノ続キハ教エテヤルサ!!」
そういうと、先程の時の数倍の速さで飛び掛ってきた。
「じゃあ、ここは俺が受け持つ。弟者と兄者は先にセントラル・コードへ行って例のバックアップを取って来い!」
モナーとギコが避けている間に、フサは兄者達を先へ行かせた。

「OK承知、兄者行くぞ!」
「OK、急ごう!時に、お前ら死ぬなよ!」
二人は駆け出した、セントラル・コードのあるプログラムソフトを取るために。

フサはつーさんと交戦中のギコ達の方へ向かった。
「ギコ、苦戦してんな…行くぜぇ!!つーちゃん!?」
彼は笑ってはいたが本当はとても辛い戦いだ、だってついさっきになって互い
が両想いだと知った仲だったから。

彼らは何度も包丁を防ぎ、モナーは時として回復魔法ケアルを使い、ギコはジ
ャンプを繰り返しフサは何度もスピードブレイクを使ってつーさんの速さを抑
えた。
その末なんとかつーさんを倒して、フサは悲痛な表情を浮かべながら言った。
「つーちゃんは、俺が殺るよ…さっきの内緒話聞こえてたんだ。ちなみに俺、耳だけはいいから。」

そういうと、フサはむせて呻いているつーさんを一思いに首をはねた。
俺達はただ呆然と見ていた、フサの刀動きはまるで時が止まったみたいにスローモーションように見えたのだった。

(ゆるせねぇ、つーちゃんをこんなにしたアイツが!)
「…先行けよ、兄者が後から屋上に向かうらしいから。」
つーさんの方を向いたままだったので顔まで分からなかったが、声が震えていた。
その言葉で俺達はやっと元に戻り、フサに頭を下げると屋上を目指し走り出した。

その場に一人残されたフサの目からは大粒の涙が伝っており表情は憎しみに歪んでいた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第5話『名を奪う者”ナナシア〟・上』(2日目、AM0:13)
つーさんを倒した後、セントラル・ビルをモナーとギコは駆け上がっていた。
いつも学校へ行くと一人細々と食事を摂っていたモララー。
だから、なんだか皆引いていたでもさ、なんだかほっとけなかった。
話してみると以外といい奴だったんだよな、噂話よりもずっと。
クリスマスの日は誘ってみて本当にアイツ嬉しそうだった事を覚えている。

だからさ、今度また一緒に飯食ってカラオケ行って、しぃがいてモナーがいてお前もいてそんでまた、たくさん遊ぶんだ。
なんだかあの時は当たり前な気がしていたんだ、俺。
そのためにも、絶対に助けるからな!モララー!!

カサーリや職員のあっち系を倒しながら、最後の階段を駆け上がりモナーは。

バンッ!(扉の開く音)

・・モナーが慌てて、荒い息遣いのまま
「お、お、オンドゥルウラギッタンディスカー!」
モナーの舌は回っていなかったが何が言いたいのかくらい、多分モララーなら分かると、思う。
「普通にしゃべらんかい!」
 ・・・と、木槌をモララーはモナーに投げつけた。
さて、あいつらの漫才は置いといて・・だ。

・・・・本題に、入る
「本当に裏切ったのかって・・・? ああ、そうだ。俺はおまいらを裏切った。」
俺達に背を向けビルの遠方を眺めながら、モララーは答えた。
「そうモナ、か。」
モナーもそんなにショックは無いようだ、そうだよな。覚悟は俺よりも数倍強かったからな。…覚悟か。
俺達を他所にモララーは唐突に話し始めた、まるで聞けと言いたげに。
「奴は・・・この世のAAを争わせ、自滅させていく・・そう、俺もヤツの僕(しもべ)、だ。
この世には名無し、と呼ばれる不特定多数の存在がいる。
存在、というより『名無し』という名を〝器〟を被る事で、な。
その中の一人が、たった一人だけの『名無し』なろうとした。」
その事に…俺もモナーも顔を顰めた、心当たりは数え切れない程にあったから。
モララーは皮肉そうに笑い〝俺にもあるよ〟っと、言っている気が俺はした。
「奴は自ら名を捨てた。そして、奴は俺を必要としてくれた。
だから、お前らを殺そうとしたんだ。
・・・すべては奴の理想の世界を築くために。」
口の淵を釣り上げて笑っていた、でもそこには先ほどの戦闘時の狂気染みたものは微塵もなかった。

その言葉にしばらくその場にいた皆は沈黙していたが…モナーが口を開いた。
「その奴って、まさかだけど――。」

「そう、2ch伝説の・・・闇よりの使者『ナナシア』」
静かにモララーはその問いに答えた時、モララーの後ろから近づいてくる不気味な影に気がついた。

「おまいがナナシアかゴルァ!?」
俺は叫んだ。

狂った哄笑を浮かべナナシアは言った。
『私は、ナナシアだ。貴様らも生は苦痛であろう?だからこそ、滅ぼしてやろうとしたのだがな・・・、クク!』
「な、何を言ってんだ!おまいに勝手に殺されなきゃなんねんだゴルァ!!
おまいに俺等の運命決める権限無し、逝ってヨシ!」
俺は、ソイツの言い分が身勝手すぎてキレた。

「まったくだな」

モララーがそういってナナシアの胴の部分を切りつけると、俺達の方へ来て止まった、彼の顔には不適な笑みが浮かんでいた。
『なに!?』
「「モララー!!」」
ナナシアも俺達も驚いて声を張り上げた。

「ナナシア言ったはずだ…おまいを殺すのは、この僕だと。」
モララーは声は今までになく、声は冷酷な響きがあり顔は皮肉そうに笑っていた。
「そうだったな、モララー…貴様は、支配されぬか。
 よかろう、あの時の決着今こそつけようではないか。」
ナナシアは〝あの時〟と言った、前にも戦ったことがあるって事だよなとぼんやり思った。
「一人背負い込むなモナ…一人じゃないモナよ、モララー。」
モナー一歩前に踏み出て苦笑を浮かべながらモララーの肩に手を置いた。
「そうだな、何も一人で奴を倒す必要もねぇゴルァ!!」
俺は、手とボキバキと鳴らしながら、力強く言った。(つもり)
「どんなになってもモララーはモララー、仲間モナよ!」
モナーが俺の言葉の不足分を補ってくれたようだ。
以前は照れくさくて言わなかったことを、今はとっても大切な事だと気づいけたから。

俺達の間のわだかまりが取れ始めた頃、非常口のほうから
「時に、漏れの『デジタル魔法』をなめて貰っては困る。」

兄者の声がした。

『ファイアウォール』
巨大な炎の壁がナナシアを貫く。
『ぐぁぁぁ!』
ナナシアが叫び声を上げ膝をついた。

後ろを振り返ると、そこには兄者が自慢したそうに立っていた。
「兄者、オセェぞ。」
俺は微笑みを浮かべながら、軽く小突いた。
「何してたモナ?トイレでも行ってたモナか?」
俺はモナーが天然No1だという事知っているから、ほっとく。
「オホンッ、色々と準備があって手間取ったのだ。」
兄者は、ぜってぇ怒ってる顔でパソコンを開きながら言った。


「さぁ、逝こうか皆!」
モララーが声を張り上げて言った。

「「あぁ!!」」

ナナシアの方を向くと黒光りをし始めていて
『ぐぐぐ、死を前にして抗うか…だが、そんな事をしても何もかもが変わるわけではないのだ!!!』
その言葉と共に変容を遂げていく体…

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第6話『名を奪う者”ナナシア〟・下』(2日目、AM1:30)

変容を遂げた姿は最初にモララーと倒した、さいたま(太陽)の姿をしていた。
「さいたま(太陽)、か…。なら『ブリザド』!」
モララーの左手から巨大な氷の塊が飛び出した。
しぃとは比べ物にならない程の黒魔法の威力、気づいた者は気づいたかもしれない彼の『ブリザド』は普通よりも僅かに黒ずんでいた事を。
「一つ聞いたことがあるんだ…さいたま(太陽)族は水気に激しく弱いと…
てさ。」
「なら、ブリザド系とかウォータ系でイチコロって事モナ?」
恐ろしいことをさらりとたまに言ってのけるモナー。
ある意味コイツが一番最強かもしれないと思う、今日この頃の俺だったりします。

ガガガガガガッ(兄者のパソコンから)

「な、なんだぁゴルァ!!」
いきなりの効果音に音に驚き振り向く。
「OK、ブラクラGET!」
兄者が右手で握り拳を作りながら、叫んだ。
「こんな時に、ブラクラとは流石・・・兄者だな。」
モララーは関心を通り越してもう、呆れているようだった。
別にいいんじゃあねぇ、こういった機会ないかもしれないし。
「ほんと、モナね。」
モナーはいつもの風景を見て安心したようで、さっきの言葉に対し兄者は意味不明な言い訳をしだした。
「っむ、それはどういう意味だね?ブラクラ無しに過せと言ったら半日以内で漏れは死ぬ、否・・・自ら命を絶つに決まっている!」

「「「ヲイヲィ」」」

「OK、ブラクラGETも無事できたし行くか。」
(((どうもこの人は聞いてなかったな、今までの流れ絶対。)))

「ふぅ、じゃ…仕切り直して、今度こそ逝くぞゴルァ!!」

ナナシアは、その間に変化を遂げていたようだった。
「今度は、『サンダー』だ!」
モララーが第二撃目も与えたはずだった…
「ぐわぁぁぁ!!!」

だが何故か、サンダーがモララーに炸裂した!
「く、くそぅなんなんだ?…今のは。」
「時にあ、あれはシラネ―ヨ!!」
その言葉に反応したのはモナーだった。
「シラネーヨ!2chの最果てに棲む竜神族というあれモナか!?」
その驚きようといったら凄い目玉が飛び出ていた。
「モナー、兄者、俺にはさっぱりだぞゴルァ!!つか、モララーに回復魔法かけろ。」
無知の象徴に近いギコが首を90度傾げたが、すぐに今の状況を思い出し言った。
「ご、ごめんモナ!シラネーヨを初めて実物見たモナから・・・ブツブツ」

「いいから、さっさとせんかい!」
モララーの投げた木槌がまたまた、モナーの頭にクリティカルヒットした。
笑いをこらえた顔で、言っていた。
「癒しの風ケ、『ケアルラ』!」
モナーが慌てて呪文を唱えた、翡翠色の光がモララーを包み込み傷が癒えていく。
しぃほどでは無いけど。
「時に、シラネ―ヨは特殊な能力を持っていて伝説によると常にリフレク状態らしい。」(2ch辞典←実在しません)
兄者がわかりやすく説明をしながら、右手でノートパソコンを持ち左手でキーボードを激しく叩き打ちしながら唱えた。
そのスピードに俺は着いてゆけない、意味不明だし。
「つまり、だ。漏れの『デジタル魔法』は防げない…よって『フラッシュボム』!」

その言葉と共に雷の塊が発生して爆発をした。

「モララー、俺たちやったのかゴルァ…?」
電撃を人工的に産み出した事による水蒸気のなかで、水蒸気の向こう側に目を凝らしながら…聞いた。
「いや、奴は真の姿をこの戦闘で曝していない。だからまだ、奴は死んでいない…並のAAでは一瞬で奴の攻撃一発で餌食だ…アヒャ!ま、大切な人を守れないでどうすんだろぉな。」
モララーはそういうと、自分の右の手の平を見ながら自嘲気味に笑っていた。
精神的に絶対すっごいキてる。
「モララーしっかりするモナ!これからモナよ!!」

「モチツケお前ら、シラネーヨとさいたま(太陽)気配が、水蒸気の向こう側から消えてる…どうやら、倒せば元に戻るようだ。」
デジタル魔法をだした後パソコンで調べモノをしていてそういった結論に達したらしい、その時水蒸気の向こう側から半ギレ声でナナシアの声が聞こえた。
『ならば、俺の本当の力を、みせるしかないな・・・#』

『そして、貴様らは後悔する…真の私の力に!』

ゾクゥゥゥゥ!!! ∑(‘0‘!|!)ハッ!

奴の使った魔法は、ただのファイアなのに直径2メートル程大きさの炎が飛んできた。

ずざざぁ!!(カンで避けた音)

『ち、外したか…私を本気にさせるとはいい度胸だな、私の糧となり永遠に私という存在の中で存在し続けるが(・∀・)イイ!!さ。』
今の攻撃で水蒸気は消え、そこには不気味に狂気染みて笑うナナシアが、ブツブツと何か言っているようだった。フサなら聞こえる範囲かもしれなかった。

「はぁい、真打ち登場なのかな?ナナシア様ぁ。」
いつの間にか、後ろに立って剣を構えていた。
そのセリフはモララーらしくなかったし、無理矢理に笑っていた。
でも、モナーは気づいていなかったし、兄者はさっきから慣れない戦闘続きでかなり動揺しているみたいだし。

『…私には、見える貴様はもう〝限界〟であろう?』
ナナシアが唐突に謎めいた言葉をいう。

「うっせぇ、僕はまだ…くたばる気なんて、さらさらないからな!!『闇殺
剣』!!?」
モララーには分かるようで、〝お前には言われたくない〟っと、いいながら俺達には、使わなかった技を繰り出した。
生き物が出せる速さじゃないスピードでナナシアに向かっていく、表情までは見えないが、かなりに負担はあるに決まっている。

そのままナナシアのかなり側まで来てモララーが剣を高く掲げた、闇色の無数の刃が四方八方に生まれ無茶苦茶にナナシアを引き裂いたはずなのだが、

それなりにいやかなりの怪我をしたはずなのに平然と立っていた。
『貴様とて馬鹿ではあるまい…ラグナロクの力を解放すればするだけ、己の命を削る事を知っているだろうに?』
小さな声でナナシアは呟いた、誰かにいうわけでもなく。

『ならば、その苦しみ開放してやろう。』
それだけ呟くと手を高く掲げ闇色の光がそこに集まり始めたのを見て。
(やばい!!)

「な、何かくるぞ!とりあえず『ジャンプ』だゴルァ!!?」
俺は、高々を上に跳び構え。

「漏れは、オールフリーズ!!」
「モナは、この愛用の斬馬刀で防ぐモナ!!」
下を見ると各自安全を期して構えていた。

〝君は、まだ知らない――自分が本当は何であるかを。〟

〝だから、あの人を倒す事にも違和感がないのね。〟

誰にも聞こえない世界が存在する、そこにたった一人で住んでいるAAが囁いた、とびっきりの優しくて寂しさ、悲しさを感じる声で…

『破滅の閃光』

紫色のビーム砲のような物が発射されビルに直撃はしなかったものの後ろにあった街に当たった、そこは先ほどの爆発と同じような大爆発を起こし、ラウンジ板についでオカルト板もほぼ壊滅状態になっているようだった。

「こ、これは…酷いモナ!『オマエモナー』!!」
「許せねぇゴルァ、ていやぁぁぁ!!」
「ジエン逝くぞ!『ジエンストライク』!?」
「漏れとてあんな事をやってのける奴は許せん!『ブラクラ』!!」

四つの必殺技が炸裂する、それらは見事直撃を受けナナシアがそのままビルから落ちて逝った。ソレをその場で見ていた一人、モナーがゆるゆるになった声で
「倒した…モナ?」
腰も抜けているみたいだった片膝を着き、斬馬刀を下ろしていた彼に兄者が補足をして。
「わからん、だがしかし…街の混乱はもはやとめられまい。」
どこからか携帯を取り出し、どこかへかけた。相手が出たらしく。
「弟者か、こっちはなんとかなったぞ。」
その言葉に対し弟者は、
「OK、兄者こちらの準備も整ったぞ。2chシティから出入り全て確認、
『飛空挺アーク』起動!」

「な・・・何だ、この揺れは・・・モナ!」
モナーは、突然揺れだすビルに驚いたようで叫んだ
「ん、あぁこれはエンジン起動による揺れだな」
兄者は携帯をしまいながら
「エンジン起動…なんのため?」
モララーがその答えに問い返した時に指のーのーみたいな動作をしながら
「っちっちっち、ひろゆきに内緒で飛空挺に兄弟で改造していたのだ。」
【ップ、正確には母者から逃れるための足にしようとしてだが。】
スピーカーから弟者によって真実を告げられて、皆吹き出し笑った、声を上げ
て腹を抱えて…こうやって笑うのってすっげぇ久しぶりな気がする。
「う、うるさいぞ!弟者」
その真実を告げられてそれなりに、否かなり動揺しながらも兄者は弟者を怒鳴りつけていた。それから、これから何をするかという事を話していたが、俺は聞いていなかった。
「と、とりあえず今乗っているメンバーを安全な場所へそれから逃げ遅れた人
達の避難させよう。」

そんな話をまったく聞いていない団体のひとしきり笑いが収まるとモナーが率直な感想を述べた。
「・・・びっくりしたモナ~・・・」
それに続いてモララーも。
「まさかビルの屋上が空飛ぶなんてな・・・」
 気の抜けきった声で、モナーとモララーが言った。
「どうするんだゴルァ?」

・・・(しばらくお待ち下さい)・・・

「とりあえず、今乗っている奴らを安全な場所へ・・・それから街に戻って、
逃げ遅れた人達の誘導を・・・っつってるだろう。」

俺はそんな話しを上の空に聞いていた、心の中ではしぃを心配していた。
(しぃ…お前は無事逃げ切れただろうか?)

「ギコ君…!!」
俺は、目を見開いて非常口を見る、そこにはしぃが紛れも無くそこにいた。

「しぃ、どうしてここに?」
「ギコ君や皆を置いて、私だけ逃げるなんて出来ないよ。」
皆は二人の方を向いて成り行きを見守っていると、後五メートル程の距離になった時、突然赤黒い閃光が

バチィ!!

「…ッ!!!」
「・・・しぃ(ちゃん)!!」
そこに先程確かにセントラルビルから落ちたはずのナナシアがいて、閃光を放ちその閃光をまともに喰らった、桃色のAAしぃは弾け飛び…飛空挺の外へ。
俺は必死で跳んだが、その努力も空しくしぃはそのまま…

「しぃぃぃぃぃ!!!…ナナシアァァアアァァ貴様ぁぁぁ!!」
ギコの目にはたっぷりの涙をためて、叫びながら槍を構えてナナシアに向かって突進した。ナナシアの輪郭が歪み、そして…
「ギコクン・・・、ワタシヲコロスノ?」
ギコの目の前にはしぃちゃんに化けたナナシアが居て、そして微笑んだ。
しぃらしく。
 ギコには十分な効果があった、誰も動けなかったそして
「ミソコナッチャッタ・・・バイバイ」
 ナナシアは槍をいとも簡単にギコの手から奪い取ると、矛先の向きを変
え・・・




 刺した――。

(なんだよ、これ…こんなのないだろ?俺なんで動けないんだ、動けよ。俺の体
…!
しぃごめん、守れない。無様だよなぁ俺、ナナシアがしぃに化けただけで攻撃できないからさ。
…ごめん。)

俺の意識が薄れる中で最後に聞いたのは、残酷な言葉だった。

『さぁ、次は貴様らの番だ逝くがよい。』

(やばい…よ、n。)
ギコは、そこで針が折れるように意識が途切れたようだった。

その凄惨な光景に理性を放棄し立ち尽くしていた彼らにナナシアは容赦なく『破滅の閃光』を放った。
沈む飛空挺アークに叫び声、泣き声、苦しみそれらが響きながら焼けながら墜ちていく。その中モララーは一人立ち上がり
「なぁ、僕が…しぃちゃんを助ける、その代わりギコを頼んだからな。」

「無理モナ!!!」
「時にモチツケよ、モララー!?」
振り返って皆に微笑むとモララーは、しぃちゃんの落ちた方へ飛んだ。

「「モララァアアァァアァ!!!」

夕闇に染まった空にナナシアは独り漂い、呟く。
少し狂気の混じったような、どこか傷ついた少年でもあるような声で

 〝まだだ・・・〟

 〝まだ・・・更なる力が要る・・・〟

 〝やはり・・・行かねばならぬか・・・〟

 〝死霊の山「カコログ」へ・・・〟


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
第7話『果てない荒野の・・・』(2日目:?)

目を開けると・・・そこには、荒野が広がっていた。
空を見れば暗雲、見回せば風も吹いていないみたいなのに砂埃が俟っていた。

「ここは・・・どこだろうな。」
誰かと話すわけでもなく、呟いた。

そして、何もわからない中ただ、前に進まなくてはならない気がして、歩き始めた。大切な何かを・・・探して。

小一時間程経った頃に、諦めて座り込んだその時…

『君は、どうしてここへ来たの…?』

何があったのか思い出せず、膝を抱え下を向いて座っている俺に、少し幼い雰囲気のする声が聞こえた。

「えっ?」
顔を上げるとオレンジ色の頭にピンクのリボンをしたAAが立っていた。少女は、5メートルほど離れた所で、優しく悲しそうな笑顔を浮かべたまま立っていた。

彼女は、俺の意思と問いに関係なく…静かに優しく話し出した。
『そう、貴方も〝あの人〟の僕(しもべ)なのね。』
(あの人って誰だよ。)
『…でも、君には今までのAAとは違う何かを感じる。』
(変な事いう子だな…。)
『だから、私の力を僅かだけど分けてあげる。』
その言葉と共に、オレンジ色の暖かい光が荒野に溢れた。
眩しくて目を閉じた。

『君は、AAの希望…だから、〝あの人〟を止めて。』

少女は、そういうと空間に裂け目を創った。

『貴方は、さぁ行きなさい…仲間と共に、未来へ。』
再び目の前に光が溢れて、目を閉じた。

希望ってなんの?

僕は、誰?

どうして、ぼくはここにいたんだ――?

『貴方は…〝モララー〟。』




「ここは…?しぃちゃん!!!」
そう叫び、体を動かそうとして体中に激痛が走り項垂れた。
「ちくしょう、しぃちゃん…。」
自分の体が思い通りにならない、否なるはずがないむしろ命があるだけでもマシな方だと状況から言って思う。
(完全に着地ミスったからなぁ。右腕と左足が完全に逝ってる。)
なんとか動く首をキョロキョロと辺りを見回してしぃちゃんの足を見つけて、安心した。
(とりあえず、しぃちゃんの怪我の確認だ。)
彼は激痛の走るなかなか動かない体をどうにかよじって、しぃの元に辿り着き左手をおでこに当て、暖かい温度を感じホッと溜め息を吐き。
「しぃちゃん、大丈夫か!?」

「おい!しぃちゃん!」

「しぃ!!!」

瞼がピクリと動いた、呻いた。
「ン、く…ギ・コ、君、どこ…な・の?」
同時に必死に手を伸ばす、まるでギコを探すように
(今は、僕しか居ないだから代わりに!)
モララーは必死にどうにか動く左手でしぃの彷徨うその手を掴んだ。

「俺はここにいるぞ、ここにいるだから戻って来い!しぃ!?」

しぃちゃんは目を覚まさない、でもうなされていたような声は止んでいる。
とりあえず僕は安心して大の字になって目を瞑った。
(ギコ達は、きっと大丈夫。
僕もいつまでもここでゴロゴロしてるわけにもいかないな。
さて、どこに行けば会えるだろう?
とりあえず、ここが死霊の山『カコログ』の一部に違いないのは確か。)

『また、会ったね。モララー。』
静かに優しい声を聞いて再び目を開ける。
しぃの体で動く別の何か、体の傷はどこにも無かった。
「…やぁ、また会ったね。どうしてここに?」
なんとなく、誰だかわかった…とうの彼女は、寂しそうに微笑ったまるで雪のように。
『そんな体では行けないでしょう?だから、力を貸しに。』

「…どうして、僕なんだい?」
気になっていた事を率直に聞いてみた。
『夢でいいませんでしたか?貴方はただのAAにはないモノを感じると。』
おどけた口調で返事をした
「説明になってないね。」
『えぇ、ありませんから。』
にこやかにまた返事。
「…名前は?」
(細かい事はこの際どうでもいいや、とりあえず名前だ。)
『ボクはリリィです。』
「ふーん、宜しくリリィ。」
互いにどこか陰はあるが微笑い合った。

『〝太陽神ギコメディス、我が盟約の名の元にこの者を癒したまえ!ライテール!!〟』
しぃちゃんの体を借りて彼女は天を指差しながら、詠唱を唱え終わった途端みるみる内に体中の傷が癒えていく。
「リリィ、君はすごいなぁ!あんなに酷かった傷が一瞬で治った。」
関心してリリィに言うとあまりそういった事を言われた事がなかったのかはにかんで笑った。
『じゃあボクはこれで。』
その言葉の後突然、しぃちゃんの両膝がガクリと折れ僕にもたれかかる形になった。

「居なくなるなら居なくなると、事前に言ってくれ。」

肩をガクリと下げモララーは呟いた。
(まぁいいか、いちいち気にしていたら…キリないかも。)
僕はしぃちゃんを背中におぶさりカコログを歩き出した、ギコ達と合流するために。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

第8話『崩壊の足音、それは近く。』(2日目PM12:30頃)

――ギコ――
痛みがなくてフワフワする感覚で、ふと目を開くと真っ白な世界が目の前に広がっていた。
(俺、ナナシアの化けたしぃに刺されて…それで。)
「はじめまして、ギコ・エル君。」

顔を上げると真っ黒ではあるが確かに俺が目の前にいた、優雅さを感じる笑顔でお辞儀をしてみせた。
「ど、どうも。…つーか、なんで俺の名を知っている?」
肩すくめながら奴は、こっちに皮肉そうに笑ってみせた。
「それは、ここは君の心…表と裏の交わる場所、つまり僕は君だ。」
「ここは、心の中で表と裏の交わる場所…つまりお前は俺の中にいる俺って事
か?」
なんとなく意味は分かるが一応聞き返した。

「表の僕は僕と違って…ふむ、思ったより飲み込みがいい様だ。」
先ほどと変わらぬ笑みを浮かべながら、顎に手をやり一人事をブツブツと言っている、はっきり言って変な奴と、俺は思う。
「ごちゃごちゃ言ってないで、用件をさっさと言え…!」
その言葉で、ハッとしたらしく
「あぁ申し訳ない、説明は省くが体を貸して頂けないだろうか?」
ソイツはそれだけいうと、スッと目の前に手を差し出してきた。
「はぁ?」
俺は、意味不明さ極まりない行為と言葉に思わず変な声を上げた。
「僕のしたい事を果たすために君の体がどうしても必要なんでね。」
さらに肩を竦めて見せた。でも、信用できる奴とはどうしても思えなかった。
「何をする気だ…俺の体を使って。」
「簡単さ、ナナシアの理想を手伝うのだよ。僕にとっても都合がいいから…ね。」
唐突に奴の笑みが冷たいものに突然変わった。
「なんだどぉ!お断りだ!!アイツの手伝いなんか!?」
俺は咄嗟に後ろに後ずさる、奴が一歩前に足を踏み出す。
「僕は乱暴なんて嫌いだ。だが僕の行く手を阻むのであれば手加減はしない。」
ゆっくりと奴は俺に一歩一歩近づいてくる、俺は全身に冷や汗をかいていた。

(…コイツ、やばい!)

「つまり、俺を殺して…外へ出るというのか?」
さらに俺は後ろへ後ずさりながら聞く、奴の感じはナナシアに近いと思う。
「あぁ、そうだよ…何か不自然な事でもあるのかい?」
さも、ソイツは当たり前のように言い笑った。

「ありまくるぜ!お前殺しは良くねぇし、大切な者を奪うことはもっといけねぇんだよ…!」

「だが果たしてその武器も守るものも、失くすものもない…君に僕を倒せるかな?」
ソイツはさらに冷ややかに笑うと、背中から黒い一対の翼を生やし襲いかかってきた。


モナー&兄者――
「ギコ、レイズをかけたのに起きないモナ…。モララーとしぃちゃんは、無事かなモナ。」
飛空挺『アーク』が運よく山の中腹にある砂漠地帯に不時着をしたので大爆発だけは避けられたし、色々な設備もある程度無事のようだった。
だがギコは、体の傷は癒えたのに目を覚まさない。
時折、悪夢にでもうなされているらしく呻いているだけだ。
その隣で弟者が気絶している、こちらは容態は比較的に安定しているようだ。
「時に、推論ではあるが、これは体ではなく精神の方が危ないのかもしれん。」
兄者がアークに備え付けていた簡易式の医療器具を弄りながら、答える。
「もし、精神がやばいとして…治る見込みってあるのかモナ?」
兄者が返事をしないので、ショックでそのまま床に力なくへたり込むモナー。
「わからん…が、出来る限りの事をする。」


その時、

ジャリッ

「モララーかい?それともしぃちゃん?」
「残念だけどね、違う。」

そこには黒いフードを被った奴が立っていて、目が赤く輝いていた。

「生きてんな…さては、ナナシアの野郎殺し損ねたなぁ。
 面倒だが俺らの計画を狂わす可能性のある奴は消さないと、な。
 というわけで、お前ら死んでくれる…?」
感情の籠もらぬ声のままワザとらしく言うと、腰にある真っ赤な帯剣を鞘から出すと、崖から飛び降りて襲ってきた。

「時に、漏れ等もタダではやられるわけに行くまい。」
兄者も真顔で、崖から降りてくる敵を見据えている。
「そうモナ、兄者いい事言うモナ!」

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