ζWe are the crusaders of the Southern Crossζ(再投稿） (tuki) - モナー小説掲示板ログ保管庫@wiki（´∀｀*）

†.プロローグ



ある夏の日の出来事だった。

その日は、真夏日といえるほど暑い日だった。

一人の青年が自分の部屋にあるパソコンを起動させる。隣には弟が立っている。つまりパソコンを起動させたのは兄である。兄はすぐにインターネットに入る。そして、アドレスをいれた。

それはあるサイトのアドレスだ。だが、そこにいくにはアドレスを知らないといけないサイトだ。何故なら、そのサイトは少しばかり危険な場所でもあるからだ。

そのサイトに名前など無い。あるといえば、どこから流れたかもわからない廃棄データばかりだ。廃棄データとは、インターネットで捨てられた情報が原因不明のまま、あるサイトに流れてきた事を言う。兄はその廃棄データの事を『生きるチャンスのあるデータ』といっている。廃棄データの中で利用価値のあるデータを兄は集めているのだ。

（今日はどんなデータがあるか楽しみだ……）

早速、廃棄データ一覧を見る。

画面一面にファイルがズラリと並ぶ。しかし、どのファイルも名前は無い。こう見ていると、名前さえも失った人間たちがそこにいるような気がしてくる。

ふと、兄が目をやると、そこには名前がついたファイルがあった。こんな事は今まで見てきたデータの中でも初めてのことだ。兄は名前の意味はよくわからなかったが、中身が知りたかったのでファイルを開いた。そこにはこんな事が描かれていた。






†.第一章　.You are standing here as true as you were born on this earth


「出来たぞ……私の最高傑作が！」

年老いた老人が目の前のカプセル状の物に向かって叫んだ。カプセルの中には何かがいる。だが、老人が叫んでもカプセルに入った何かはピクリとも動かない。

（なんだ……？）

「さぁ、目覚めるんじゃ……」

（誰に言っているんだ……？）

「目覚めろ……　モララー！！」

（……！！）

その時、老人の目の前にあったカプセルが壊れ、中にいた何かがカプセルを壊し、老人の前に現れた。その姿は猫と人を合わせたような姿だ。

（なんだ？　貴様は……）

現れた人……　いや、人とは言えないが、人と言うしかないのだろうか…。その人は口を動かしてなかったが、どこからか声が聞こえた。その声は頭に直接、響いてくる。

「おぉ……モララー…」

老人は驚きを隠せないようだ。

（モララー？　誰だそれは……）

「お前の名前じゃよ。　モララー。」

その人の名前はモララーというようだ。モララーが自分の名前を知ったときだった、モララーの体に色がついていく…。

（これは？）

「おぬしはわしの作り出した番人じゃ。名前を知れば、データは自分の存在に気づき、おぬしはここに存在したんじゃ。」

（どういう意味だ？）

「お前を作ったのはわし、そしてお前はここに存在するんじゃ。」

モララーは、まだよくわからなかったが聞かなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

モララー、彼は番人といわれていたが、実はある計画を守護するためのデータにすぎない。モララーは生まれてすぐにデータの使い方を知った。

データの使い方とは、電脳世界で余ったデータを様々な形状に作り出す事だ。そう、彼はパソコンの中に入れる人だった。パソコンの中では老人の計画を手伝い、邪魔をするものを消去してきた。パソコンから出てくると、モララーは人の姿になる。だが、猫の耳と尻尾は残っていた。

実は老人の計画を守護するデータは他にもいた。彼らもパソコンの中ではモララーと同じ事をし、パソコンからでると人の姿になる。この日々の繰り返しだった。

そして月日がたち、ついに計画もあと一段階というところまで差し掛かった。

だが、ある日の事だった。

パソコンに緊急事態という文字が浮かび上がり、警報のような音が鳴り響く。老人はすぐにパソコンの前にやってきた。モララーや他の番人も一緒だ。

「大変じゃ……敵が来てしまった……」

モララーがパソコンの画面に向かい、掌を当てる。

（敵は慣れている。　俺一人で十分だ。）

モララーがそう言うと、老人はモララーの手を掴む。

（どうした？）

「敵は一人では無い……それにじゃ……」

老人は何かを言いかけた。だが、言わなかった。

（敵が大勢なら全員で向かう。　いいか？）

老人はうつむいたまま、うなずいた。

番人全員がパソコンに掌をあて、パソコンの中に入り込む。パソコン画面は中継画面のように変わっていく…。老人はうつむいたままだった。

（何故……奴が生きているんじゃ……何故……）

モララーは、その様子をパソコンから見る。モララーは何かある、と感じていた。




†.第二章　.Fight, fight for the person you believe in


パソコンの中に入り込んだモララー達。その様子を老人がしぶしぶ見る。

「おい、敵はどこにいるんだ？」

「計４ポイントじゃ。　今からその場所のアドレスを送る。　一人づつ行きなさい。」

パソコンの中では、モララー達はハッキリと喋れるらしい。モララー達が敵の場所を確認すると一人一人各ポイントに向かった。

パソコンの中には都市が広がっていた。空は暗い暗雲と蒼い空が見える。この計画に使う都市の名は…。

　　
『　N i g h t m a r e C i t y　』


都市中心部に誰かが立っている。黄色い体をした人だ。彼は空を見上げていた。ここに来たのは初めてなのだろう。ここで生きて帰った者などいるはずがないからだ。

空を見上げた後、彼は走り出した。

しばらく走っていると、建物の影に座っている人を見つけた。彼はその人に向かって歩き出す。体の色は桃色、女性のようだった。

「お前、こんな所で何してるんだ？　こんな所にいたら番人に殺されちまうぞ。」

この都市にいる番人のことは、巨大掲示板『２ちゃんねる』にも話題になっているようだ。彼もその事をしっているようだ。

「あなた……今来た人？」

「あなたじゃねぇよ、俺の名は『ギコ』って言うんだよ。お前は？」

「私は『しぃ』。」

「わかった。じゃあ、しぃ…　さっさとここから離れよう。」

そう言うとギコは手を差し伸べる。

だが、その事は老人の目に焼きついた。

「モララー、しぃが敵を消去しない様子じゃ。少し見て来い、場合によっては……　しぃも消去せよ。」

モララーにのみ命令が届く。

「わかったよ。」

モララーはその場から立ち去り、しぃとギコの場所に走り出す。

「！！」

しぃにはわかった。モララーがこちらに向かっている事が。しぃはすぐに立ち上がる。

「お願い、ギコ！　ここから離れて！！」

「えっ！？」

「奴が来るみたいなの！　お願い！」

しぃがそう言うと、ギコはしぃの手を掴んだ。

「お前一人にはさせないよ。」

ギコがそう言うと、しぃの手を掴み走り出す。

だが、奴はもう来ていた。

（見つけたぞ…、裏切り者…。）

ギコとしぃが走り出してまもなく、目の前の建物の影から誰かが現れた。耳にはピアスがついている。実はピアスが付いているのは守護データである証拠だった。

守護データはパソコンに入り込むにはどうしても、その特別なピアスがないといけないのだ。だが、この事は守護データしか知らない情報だ。何故ならそのピアスを見たということは、守護データと出くわしたという事だ。そのため、今までその事を知って、生きて戻った奴は一人もいない、という訳だ。

現れた人は真っ白な体をしていた。ギコがしぃをかばい、その人を警戒する。

「おまえは！？」

そいつは鼻で笑った。

「君達の間では番人というべきかな？」

「お前らが…」

すると、ギコたちの後ろから誰かが歩いてきた。そいつもピアスをしている。真紅の体に頬に傷がついている。女性のようだがそいつは殺気に満ち溢れていた。

「くそっ、かこまれちまった！」

ギコが二人の守護データを警戒する。

その時、白いからだの人の掌に何かが集まっていく。するとたちまち、それは緑光を放つランサーの形になった。

「なんだよあれ……！！」

「俺ら番人は自分で武器を作れるんだよ。消去される前に知っとけ。」

「そんなことよりも、モナー。何故、お前がここに？」

真紅の体の人が白いからだの人に向かって言った。白いからだの人は『モナー』という名前のようだ。

「フフッ、つー。俺はあいつを目当てに来ただけだよ？」

そう言うと、モナーは、しぃを指差す。

真紅の体の人は『つー』というようだ。

「あら？　私と同じね。……でも……あいつは私が殺る。」

「それは俺の獲物だ。」

モナーとつーがにらみ合った…。すると二人の姿が一瞬にして消えた。その時、辺りに音がする。

それは、ギコたちの周りで刃物と刃物のぶつかり合う音だ

ギコには何が起こっているかわからなかったが、今、ここで死闘が繰り広げられている事は間違いないだろう。

そして音が止むと目の前に二つの姿が見える。

二人の番人は、さっきと同じ場所に立っていた。だが、つーの両手にはいつのまにか、赤い桃色の光をはなつナイフがあった。二人の体は傷だらけだ。息も荒い。

「へへっ……やるな……つー……」

「あんたもね……モナー……」

二人の会話の中、ギコは一人怯えていた。

（このままじゃ……殺される……！！）

ギコの恐怖が炸裂する。

「うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ！！」

ギコは死に物狂いで、しぃの手を掴み、走っていく…。

その様子を見たモナーとつーが、追いかけることは無かった。

「あちゃ～、逃げちゃったね。」

「しかたないな、別をあたるか。」

二人はその場を後にする…。

その時の事をひそかに建物の上から見ていた人がいた。耳にはピアスがついている。そして、掌に紅い光が集まる…。

（フフフ……裏切り者は俺が倒してやるよ……その時まで必死に逃げ続けるんだな……しぃ……）





†.第三章　.Go, if you come under the wet yourself



その時、ギコは走り続けていた。先程の目にも止まらぬ死闘を見て、歯が立たないと感じ、逃げていた。顔には冷や汗が流れている。手を繋いでいるしぃの事など考えてもいなかった。

（無理だ……あんなやつらに勝てるはずが無い……）

ギコは死という身近な恐怖に怯えていた。しぃには、そのギコの姿がどのように見えていたのだろうか。

トンネルを抜けたギコとしぃ。ギコは守護データが追ってこない事に気づき、少しづつ落ち着き始める。しぃと握っていた手を離し、膝に手をやる。走り続けたせいで、呼吸がしづらくなっていた。でも、しぃは疲れた様子ではなかった。かなりの距離を走ったにもかかわらず、まるで疲れていない。でも、ギコはそんな事は気にもかけずに呼吸をととのえる。

「ハァ……ハァ……歩けねぇ……」

ギコは言いながら座り込む、その際に空を見上げていた。丁度、夕焼け空と言えばいいのだろうか。うすくオレンジ色の空が見える。

「大丈夫？」

しぃが心配そうにギコに聞く。ギコは無理をして笑顔をつくり、ガッツポーズで返事をする。しぃは、その笑顔を見て何となくホッとする。

その時だ、目の前に一台のトラックが飛び出してきた。運転席に一人、後ろに一人乗っている。運転席の人がギコとしぃに気づき、ブレーキを踏んだようだ。すると、運転席の人が窓から顔をだした。

「おい！　早く乗れ！」

ギコは、ハッとして立ち上がる。

「え？　何で……」

「いいから乗れ！　番人が追いかけてきてるんだ！」

「なっ！！」

ギコとしぃはすぐさまトラックに乗る。だが、運転席には乗らず後方の貨物部分に二人は乗っていた。そこには金髪の男性が乗っている。

「あっ、どうも。僕は>>１といいます。あなたたちは……」

「俺はギコ、こっちはしぃっていうんだ。」

（こっちってなによ……）

しぃは不機嫌そうに顔を歪める。

「では、ギコさんとしぃさん。　これを持って撃ちまくってください。」

そう言うと>>１は近くにおいてあるスーツケースから銃を取り出し、ギコとしぃに渡す。ギコは何をすればいいのかわからなかった。

「これでなにを？」

ギコの問いに対し、言葉ではなく指で答えを指し示す。その指先を見てみると複数の何かが押し寄せている。このトラックにも追いつきそうな勢いで迫っていた。

「ななな……なんだあれは！？」

「あれが番人ですよ、さぁさぁ撃ちまくってください。」

>>１はまるで楽しんでいるようだった。だが、ギコは銃など触った事が無くどうすればいいのかわからなかった。

「俺は銃を扱った経験ないぞ！」

「しかたない。」

>>１はあるものをスーツケースから取り出すと、番人に向かって幾つも投げていく。たちまち番人の姿が煙に消えていく。

「あれは？」

「煙幕弾、とでも言っておこうか。」

その後、番人が追ってくることはなく、無事にトラックは走り続けた。




都市と都市をつなぐ橋についたトラック。ギコとしぃはここから向こう岸の都市にいくつもりらしい。

「あの先の都市からなら出口に辿りつけれる。頑張れよ、二人とも。」

「あぁ。」

トラックの二人に別れを告げ、二人は橋を渡っていく。

「この先にいけば、この都市からでられるんだ。」

「うん……」

しぃは何か隠しているような仕草だったが、ギコはきにせずに橋を渡る。

（来たな、裏切り者め。）

橋の上にいた何者かの掌に紅い光が集ってゆく。紅い光はたちまち鋭い刃を持つ剣に姿を変えた。

（いくぞ……紅光血白〔コウコウケッパク〕……裏切り者に制裁を！！）

すると、橋の上からギコたちめがけて何かが降りてきた。

「なにっ！？」

橋にヒビをいれるほどの衝撃とあわせて現れたのはモララーだった。手には紅く光る剣を持っている。

「見つけたぞ、しぃ。」

「くっ……」

モララーとしぃの会話に割り込むようにギコがしぃをかばう。

「しぃには指一本、触れさせねぇ！！」

「きさまは侵入者か、だが俺だけ武器があると面白くないからな……」

そう言うと、モララーは空いた掌で剣をつくりだす。その剣をギコに投げ渡す。

「どういうつもりだ？」

「これで正々堂々、戦えるだろ？」

モララーは剣を構える、ギコは屈辱を感じた。

「ふざけやがって……後で後悔させてやる……」

「できるのか？　君に。」

その言葉を聞き、ギコの怒りが爆発した。

ギコはモララーに向かって走り出した、そして剣を振り上げると思いっきり剣を振り下ろす。モララーは、ギコの攻撃をいともたやすく剣で防ぐ。ギコは一旦、その場を離れ今度は剣を横に振ったり、突きを繰り返す。でも、モララーにその刃が届く事は無かった。

「その程度か？　では、こちらからいくぞ！」

「！！」

モララーは素早く剣を振り下ろす、ギコも剣で防ぐ…。だが、モララーの攻撃はとてつもなく重く、防ぐのがやっとだった。立場は逆転し、モララーが圧倒的に有利となった。

「守ってばかりじゃ、話にならんぞ！」

「うるせぇ！！」

ギコが攻撃に回ろうとした時だ、足に激痛が走った。それは瞬時にモララーがつけた傷だった。でも、ギコには全く見えなかった。

「くそっ！」

「やはり、この程度か……」

それから幾つもの傷を負ったギコ。モララーには相変わらず傷一つつけていない。

しぃは黙ったまま、その戦いを見ていた。

二人の剣がぶつかり、光を放つ。すると、二人の姿はしぃの目の前から消えていた。でも、どこにいったかは、すぐにわかった。剣の交わる音で。

二人は橋の上で戦っていた。剣を交わせ、死闘を繰り広げていた。

そして、二人が狭く、しかも風の吹く橋の上で一度後方に飛んだ。着地すると、そのまま勢いをつけて互いの剣を振る。

二人はそのまま立っていたが、一人がふらつき始めた、ギコだった。モララーの鋭い刃はギコの体に大きな傷を負わせていた。一方、モララーはギコの刃を体を反らしてギリギリかわしていた。

モララーが不敵な笑みを表すと、ギコは橋の上から深く青い海に落ちていく。

（ギコ君……！！）

しぃの目には涙があふれ始めていた、落ちていくギコを目に宿しながら。



海に落ちたギコは目を閉じたまま、暗い海の底に沈んでゆく。かすかだが呼吸はしていたようだ、ギコの口から空気の泡がこぼれていく。

（……くそっ……俺は一体……なにがしたかったんだ……）

（もう……何もかも…どうでもよくなってくる……）

（俺は…）

ギコがあきらめかけたその時、頭の中に声を感じる。その声はハッキリと聞こえた。

（それがお前の望んだ運命なのか？）

（！！）

その声を聞き、ギコは目を開き海の中から見える空の光を目がけて泳いでいく。たちまちギコの泳ぎは、飛ぶようなスピードに達し、海の中から勢いよく飛び上がる。

そのギコの姿にモララーは驚かなかった。モララーは、しぃを殺すべく、橋の上から降りていたが、ギコの姿を見て標的を変えた。

（やはりな……）

しぃは上空のギコの姿を見て涙が止まりかけていた。しぃのその顔は希望が満ちているように喜びと嬉しさに満ち溢れてゆく。

ギコが上空に飛んでいる間、ギコの手に青い物体が集まってゆく。それはモララーのような守護データが武器を生み出す時と、少し似ていた。

「モララー……お前を…」

ギコの手には、しっかりと蒼い剣が握られていた。刃は水のように透き通っていた。

「……倒す！！」

ギコは蒼い剣をモララーにむかって振り下ろす、モララーは蒼き刃を紅き刃で受け止める。

双方の刃が交えた時、モララーは何かを感じていた。でも、それは何なのかわからなかった。ただ、何か懐かしく、そして憎しみすら感じていた。

互いの刃が離れ、モララーはギコに反撃の余裕を与えぬまま剣を振る。しかし、ギコにはモララーの紅い刃が見えていた。ギコはすぐさま後ろに宙返りし、紅い刃をよける。

（コイツ……見えてるのか！？）

モララーがそう感じたのは当然のことだったのだろう。先程のギコはモララーの攻撃が見えぬまま、傷だらけになっていたのに、海から飛び出したギコはまるで別人のように強くなっていたからだ。

モララーはあせりながらもギコに攻撃を続けた。でもギコを止めることはできなかった。

双方の渾身の斬撃が交わると、双方、後方に飛び距離をとった。そして、最後の一撃が橋の上で炸裂した。

ギコの斬撃はモララーの胸の辺りにしっかりと傷をつけていた。一方、モララーの斬撃はギコに紙一重でかわされていたのだった。

「うぐっ……」

モララーは傷に気づき、ギコを冷たい目線でにらみつける。すると、たちまちモララーの紅い剣、紅光血白は紅い光と共に消滅した。

「何故だ……何故、殺さなかった……」

「しぃの目の前で人が死ぬところは、見せられねぇ。」

ギコはモララーの言葉を背に受け止めたまま答えた。ギコはモララーにそう言うと、しぃの手をつかみ橋を渡っていく。

橋を渡っていく二人を静かに見ていたモララー、だが二人が見えなくなってすぐに何者かが空から降りてきた。

「どうした、モララー。」

降りてきたのは、守護データの一人『モナー』だった。

「それぐらいの傷、お前の……」

「あぁ、わかってる。」

モナーが言葉を言い終える前にモララーが答えた。モナーはあきれた様子のまま、橋を渡っていく。

（ギコ……やはりあいつが……）

モララーは胸の傷に手をかぶせる。







†.第四章　.Why do I have to hesitate any more?