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MONNER FANTASY -ZERO- disc2 (MF作者)

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
元ネタ(ネタバレ注意)
(新)モララーのビデオ棚
http://sunset.freespace.jp/aavideo/2005/kasha/mf/MF.html

過去ログ
http://omaemona.flop.jp/mona/motoneta/2.html
前スレ
http://town.s96.xrea.com/cgi-bin/longmoto/anthologys.cgiaction=html2&key=20051223014900




 マテリアとは何か?

 マテリアとは体力を変換し、魔力とする石。

 マテリアとは魔力を原動力とし、魔法に似た現象を石。

 マテリアを使う際での暗黙のルール。

 それは最初に使ったマテリア以外を使わない事。

 使った者には必ず災いが訪れると言う…

 だから、戦いに生きる者にとってマテリアを渡すという行為は、

 命を渡すことに等しい価値がある。



 =MONNER FANTASY -ZERO-=



 普通なんて脆い。

 なぜなら、この世に普通なんて存在しないから。

 所詮、普通なんてモノは人間が勝手に決めた最低限のライン。

 そう、脆いのだ。

 だから、こうも容易く崩れたのだ。

 普通で平凡で少し幸せな僕の日常は…


 第11話=もう一人の主人公=


 ここは世界の中心。管理人のいる町とも呼ばれている。


「お~い、生きてるか?まぁ、死んでてても別にいいけどね」

 黒い学ランを着た若者が机に倒れ込むように寝ている男をシャーペンで突っつきながら、起こしている。

「ギコ犬ゥッ!お前は無二の親友が目の前で呆気なく死んでもそれでいいのかァッ!!」

 彼の名前はギコ犬。僕の小さい頃からの親友。

 成績はさほどいいとは言えないが、剣道の腕はいいらしい。

 かの有名な擬古流剣術の段位を取っているという。

「生きてるからいいじゃない。セイギコ」

 そう、僕の名前はセイギコ。

 真っ黒の瞳が特徴のちょっと背が低い高校2年生だ。

 自分で言うのもなんだが、成績は優秀。

 学年トップだ。模試も全国で3桁以内には入る。

 首には少し宝石が大きいネックレスを下げている。


 父さんが僕にくれた最期のプレゼント。マテリア。

 マテリアを扱う才能の無い僕には不要な物だが、僕の一番大切な宝物である。


「お~い、まだ寝ぼけてる?今、昼休みなんだけどね。食堂の席が埋まるんじゃ無いの?」

「あぁ、もうそんな時間か。今、行くよ」

 僕はノビをして、窓の方を少し覗いてみる。

 3、4人くらいの人達が同じ黄色いコートを着て、パトロールらしきことをしてるのが見えた。

 丁度、横断歩道を渡るところだ。

 僕はすぐに視線を教室の中へと移し、バッグに手を突っ込み財布を握りしめてから

 ギコ犬の後を追うことにする。



 僕はまだ知らない。

 今日、此処が戦場になることを…

 僕はまだ知らない。

 これから起こる惨劇を…

 僕は知らない。

 混沌の先にあるモノを…


     @       @       @       @       @       @


 このサラリーマンが忙しなく動く町の中で一際目立つ格好をした4人の集団が町を歩いていた。

 黄色のコートで後ろにはパトロール隊と書かれている。

「めんどいなぁ~。やっぱ、参加するんやなかった…」

 黄色のパトロール隊の一人がぼやく。

 当然、誰も気には止めず、その言葉は誰にも受け取られることもなく消えていった。

 なんで、私はこんな事をしているのだろうか?

 なんとなしに空を見上げる。

 太陽が眩しい。

 飛行機が雲で軌跡を残しながら飛んでいくのが見える。

 鳥が私の上を飛んでいく。

 私はそのまま目を閉じる…







 ここは町外れにある。薄汚い事務所の中。入り口の扉にはNSN探偵事務所と書かれてある。

 部屋には二人、一人は男性で二十歳くらいだろう。

 カタカタと熱心にパソコンをいじっている。

 どっかのエリートサラリーマンみたいな服装だ。

 だが、どことなく、凡庸な雰囲気を漂わせているのは気のせいであろうか?


 もう一人は、女性。こちらも二十歳前後と言っただろうか。

 ピッチリした黒いシャツを着て、肘まである黒い手袋。

 ジャージを短く切った物を履き、膝まである黒い靴下。

 それにブーツを履き、首にはモフモフした暖かそうな綿みたいなのを付けている。


「…事件、起きひんなぁ」

 黒で統一された衣類を着こなした、女性が口を開く。

「のー。事件を起こって欲しいなんて、願うものじゃないと思うぞ」

 エリート服装 凡庸男は、パソコンのモニターに視線を合わせながら注意する。

「だってなぁ。分かってるん?兄者。ここ最近ずっと、赤字経営やで。わてら」

「んなことは分かってる。だから、今ネーノと弟者がバイトに行ってるんじゃ無いか

 お前もバイトでもしろよ」

 兄者は机の上にあった、雑誌を のー の目の前に放り投げた。

 のー は仕方なく、渡された雑誌をパラパラとめくる。

「兄者はバイトをしいひんのか?」

 不機嫌そうな顔をして、問いかける。

「誰かがここに残らなければならないだろ。

 それにお前には接客は無理だしな」

 兄者がやれやれと言った感じで言い返す。

「なんやてぇ?」

 のー が、敵意を持った目で兄者を睨む。

「時に落ち着け。それに暇なら、これでも行ってきたらどうだ?」

 兄者が のー の前に一枚の紙を飛ばした。

 のー をそれを受け取り、内容を読む。

「パトロール隊募集?」

 内容は最近、姿を現した化け物の出てきて危険なので、

 パトロール隊を結成しようと言うわけだ。

 出来るだけ、腕っ節の強いのを求めている。 

「さっき、誘われたんだが俺はここに居なくちゃいけないから断ったんだがな。

 暇なら行けばいいだろう。これも立派な依頼の一つだ」

「つまらなそうやなぁ…」

「んじゃあ、俺の代わりにこの資料をまとめるのを手伝って貰ってもいいか?」

 のー の前に山積みにされた、ファイルや本が大きな音を立てて置かれる。

 

 こうして、渋々ながらも のー はパトロール隊に加わることになる。







「お~い!のー、どうした?」

 パトロール隊の一人に呼ばれる。

「ん?ああ、ごめん。ちょっと、惚けてたわ」

 私は小走りで少し先に行った、パトロール隊に追いかけようとした。



──ガササッ



「…ん?」

 雑音が多い中で聞き慣れぬ音が聞こえた。

 そして、視線を感じた。

 私は音の方向に振り向いてみる。

 あるのはフェンス。

 そして、学校だ。

「ふ~む…」

「お~い、どうしたんだ~!」

「…先に行っといて~!」

「はぁ?」

 その音の正体がどうしても気になった私は少しこの周りを見回る事にした。


     @       @       @       @       @       @


 場所は学校の屋上。

 居るのは二人。

 一人は犬っぽい外見をしている。

 もう一人はどこにでもいそうな普通の学生だった。

 二人とも昼食のパンを頬張っていた。

「お前が早く来なかったから、結局屋上だ」

 ギコ犬が嫌味っぽく言う。

「悪かったな」

 僕は最後の一切れを口に入れると生徒が落ちないようにと

 安全のため取り付けられているフェンスに歩み寄る。

「まぁ、別にどっちでも良かったんだけどね」

 ギコ犬も最後の一切れを口に放り込み、僕の隣に歩み寄る。

 僕達はフェンス越しに外の世界を見る。

 そして、下を見る。

 見慣れない人が学校の中庭をうろついていた。

「…あんな奴、居たっけ?」

「さあ?まあ、どうでもいいけどね」

 そのまま眺めていると視線に気付いたのか、その人物は僕達の方を見上げた。

 とりあえず、僕は手を振る。

 すると遠近法により米粒ぐらいだったその人物は急に大きくなった。

「見える?」

 僕はギコ犬に問いかける。

「お前も俺と同じ錯覚を見てるらしいね」

 ギコ犬はやれやれといった感じで両手を顔の横に上げ、首を振る。

 だが、錯覚なんかじゃ無かった。

 鋭い勢いでフェンス越しに僕達の前を通り過ぎ、僕達の数十メートル上で停止し、

 屋上に大きな音を立てながら着地する。

 いきなり屋上へと飛んできた男は耳に刺青が掘られており、服はボロボロのコート。

 手には大型のナイフが握られていた。

「お前のマテリア。渡せば殺さないでやるよ!」

 彼は大型ナイフで僕の首飾りのマテリアを指した。


      Let's go to next story!!

      ∧ ∧
      (Д・,,)
      
      く;;;ノ,rヾゝ
        (_,/ 、_)


 第11話=仲間を護るためなら自分を犠牲にしても構わない!=


 ギラリと光る、大型ナイフ。

 それは見る者全てを不快感を与えるような、奇妙な光り方をしている。

 そして、その決して日常では見られぬ程大きなナイフは今、

 僕達に向けられている。


「さぁ、どうする?マテリアを渡せ。さまなくば、死だ」


 両耳に輪っかのような刺青をした男が僕達に言う。

 この状況、冗談だと思いたい。

 思わず、頬を思いっきり叩く。

 痛い…。やはり、夢じゃない。現実だ。

 ならば、どうする?

 答えは簡単だ。

 マテリアを渡せばいい。

 そう思うと僕はそっと首に下げているマテリアに手をかける。


「こりゃあ、やっかいな展開だね」


 ギコ犬が僕の前に立ちはだかる様に一歩前に出る。

 そして、お守りだと言って、いつも腰にぶら下げている巾着から、丸い宝石を取り出した。


「ここは俺に任せるべきじゃないの?」

 マテリアが青く、美しく、冷たく光り出す…

「戦闘要員じゃない奴のすべきことを言ってみ?」

 その光は細長く凝縮される…

「わからない?じゃあ、行ってあげるよ」

 光の右端を持ち、振り上げる。

「出来るだけ助けを早く呼ぶこと」

 振り落とす。その時光は振り払われ、中から銀色の…そして、青いオーラのような物が纏った剣が姿を見せた。


「いや、そんなことをしなくても僕がマテリアを渡せば…」

「二つと無い、親父の形見」


 ギコ犬が剣を正眼に構え、ナイフの男に視線を合わせる。


「いつも、命よりも大切そうにしてた物をそう簡単に渡してもいいの?」


 背中で早く行けと訴える、ギコ犬。

 だが、そんなことで引き下がれるはずも無い。


「…だけどッ!」

「俺の実力が信用にならねぇの?なら、教えてやろうかな。

 俺の名はギコ犬ッ!剣道全国大会準優勝者ッ!!」


 ギコ犬が怒鳴るように叫んだ。

 僕にうじうじせずに早く行けというのが、肌を通してひしひしと伝わってくる。

 そして、最後に僕の背中を押すかのように男に向かって走って行った。


「擬古流剣術ッ!師範は御隠居、初代モナーッ!

 突の構えに攻はあっても、守りは無いッ!

 一の太刀に己の全てを込め、立ちはだかる全てを切り裂くッ!

 正に一撃必殺ッ!

 擬古流剣術奥義ッ!!」


 男は気迫に押されたのか、後ろに一歩退き、ナイフを構え直す。

 僕は男がギコ犬に集中した今を狙って、一気に屋上から校内への扉へ走り出した。


「暗・剣・殺ッ!!」


 その言葉を最後に僕は校内へと姿を消す。


     @       @       @       @       @       @


 凄まじい金属音。

 大型のナイフと青いオーラを纏った刀が交差した。


「くぅッ!」


 男は両手でナイフを支え、足を後ろに広げ。

 ギコ犬の思い攻撃に耐え忍んだ。


「ん~、これじゃ駄目みたいなんだな」


 ギコ犬は後ろに一歩、大きく飛ぶ。


「チィッ!マテリア使いだったのか…油断した」

「このマテリアは我が家に代々伝わる物。
 ソード
 『剣』のマテリアなんだけど…まあ、そんなことはどうでもいいけどね」

「まあ、生身じゃ苦戦しそうだな…

 仕方ない、化け物の本領を発揮しようか」


 そう言うと彼は両手を交差するように上げ、そのまま息を吐きつつ、拳を腰の所まで下ろした。

 その行動だけで他は何もしない。ナイフを逆手に持って構え直す。

 見た目は変わらない。だが、彼の顔は余裕と自信で満ちあふれていた。


「リミッター解除…これで俺は不死身だ」

「…不死身?確かめさせてもらおうかな」


 ギコ犬は切っ先を男に向けたまま、腕をたたみ、身体を小さく丸くして、低い姿勢で…

 だが軽快に…そして素早く 男へと突っ走った。


「チェストォォォォォッ!!」


 ギコ犬の間合いへ入ると、気合いを入れるためのかけ声を張り上げ、

 身体を一気に伸ばし、腕を前へ突き出し、男の身体を串刺しにする。


「一発目はサービスだ」


 そのまま、身体をひねり横へ切り裂く。

 血が飛び散り、ギコ犬の身体を真っ赤に染める。

 更にギコ犬はそのまま、身体を一回転させ剣を再び男の身体の中へと侵入させる。


「ハァァァァァァッ!!」


 力任せに男の身体を横に引き裂き、腸等が漏れ出て、血が噴き出し、辺りをより濃厚な赤へと染める。

 上半身はズルリッと身体の後ろに倒れ、下半身は糸が切れた人形の様に崩れ落ちる。

 ギコ犬は気軽に立ち上がり、血等に興味も無さそうに剣を横に振り、剣に付着した血を振り落とす。


「その躊躇いの無さ。お前、人を殺したことがあるだろう」


 男のニヤリと笑った。上半身だけの身体で笑った。血を吐きながら笑った。

 ギコ犬は躊躇無く剣を男の顔に突き落とした。


「不死身には遠く及ばないけどその生命力に関心はするなぁ…どうでもいいけどね」


 剣を抜こうと柄に力を込める。その時、剣が少し震えてるのを感じた。

 男の顔を見る。まるで笑いをこらえるかのような顔だ。

 そして、それは高笑いへと姿を変える。


「ウヒャヒャヒャヒャヒャッ!!」

「まだ、生きてる!?」

「ウヒャヒャヒャッ!…不死身を…ヒヒッ…不死身を…ハハ…不死身をなめるなよッ!!」


 彼の切断面から、赤く細い触手…血管とでも言えばいいのか。

 それが溢れるように吹き出し、下半身の切断面へと侵入する。

 そして、下半身は上半身へと引きずり込まれるように引きずられ、切断面と切断面が合体する。


「サービス期間はおしまいだッ!!」


 両手で顔に貫かれていた剣を鷲掴みにし、引き抜く。

 そして、仰向けの体勢から、ギコ犬の鳩尾に蹴りを入れる。


「…う…グゥッ!?」


 身体は宙を浮き、一直線にフェンスへと叩きつけられる。

 そのまま倒れ込み、ピクリとも身体を動かさない。

 それを見下すようにゆっくりと立ち上がる男。


「雑魚が粋がるなよ」


 そして、ギコ犬の頭を踏みつける。

 その時、彼の切断面だった所から、腸が飛び出てるのが彼の目に入った。

 優しく腸を素手で掴み、身体の中へとしまい込む。


「素直にあのガキが渡してくれればここまでする必要は無かったんだけどな。

 まあ、馬鹿な選択をしたな」


 一度、ギコ犬の頭を蹴る。

 そのまま、男はギコ犬を放置し、その場を離れて行った。

 ギコ犬は最後に男が校内で上がり込んで行く姿をぼんやりと眺めるしか無かった。

  To be continued!!

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