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救世主猫 ~天使の書~ (使い捨て)

最終更新:

匿名ユーザー

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救世主猫 ~天使の書~ 
ここを読む前に前のを見てください。

最終更新日は3月1日
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「あーめんどくさい、何で見回り時間にばいなんだよ。」
懐中電気を片手に見回りしている男が愚痴をこぼした。
夜勤とかかれた帽子をかぶっている。
「その通りだな。給料二倍なら嬉しいんだが。」
「ははは、そうだな。」
紫色の亜人型AA・ドクオ、こちらは機械検査のカルテのようなものを持っている。
「しかし最近は物騒なもんだ。発電所を狙った荒らしが多くて、もう個々以外の発電所は使い物にならないしな。」
「だからこうやって見回りしてんだろ。しかし・・・まったくひろゆきさんは人使い悪いよな。給料下げるくせに仕事量増やすし。」
ドクオが不服そうに言う。
「しかたねぇだろ。さてと次は・・・大型器具用のエレベーターか。」
その時、大型器具用エレベーターに向かって走っていく人影があった。
「!!!誰だ!!!」
夜勤があわてて懐中電気を当てるがすでに人影はなかった。
「・・・今のは・・・。」
「猫・・・じゃないよな・・・。」
「・・・いってみよう。」
夜勤とドクオは懐中電気で前を照らしながら護身用の銃を片手に少しずつエレベーターのほうへ歩き出した。
そしてエレベーターに近づいた時、
「!!誰だ!!ここは立ち入り禁止k・・・。」
夜勤がいい終わらないうちに銃声が鳴り響く。
同時に後ろにばったりと倒れる夜勤。
夜勤の左胸からあふれる血を彼の懐中電気が映している。
「あ・・・・ぁ・・・。」
あまりに突然なことに腰が抜けてその場に座り込むドクオに夜勤を殺した影が近づいてくる。
月明かりに映された銃身と、茶色い毛。そして今人を殺したとは思えない落ち着いた目。全てがドクオに恐怖を与えていた。
「待て、命だけは・・・。」
ドクオの命乞いが聞こえないかのようにトリガーに指をかける。
「命だけは・・・命だけは・・・」




ドンドンドン
月夜に響く銃声、そして飛び散る赤い液体。
それがこれから起きる事をあわらしていた。
「相変わらず人をあっさり殺すじゃネーノ。フサさん。」
「へ、お前だってそうだろ。ネーノ。」
フサがほほについた血をふき取りながら言う。
ネーノと呼ばれたAAが微笑する。
ネーノの隣にいた赤いAA、つーも同じように微笑する。
「さてと、じゃあこれからこの大型器具用エレベーターを使って侵入する。敵もここから侵入してくるとは思ってもいないだろうからな。じゃあ行くぜ!!」




一方同時刻に暗い路地裏を走るギコがいた。
「やべぇ!!今日は8時に帰ってこいっていわれたのにもう7時58分かよ!!お、やっと家が見えてきたって後一分か!くそ!こうなったら!!」
急にギコがこけたと思ったらそのまま滑った。
「うぉーーーーー家ゲットォォォォ!!」
もう家は目前、後は止まって家の中に入ればいいのだが止まる方法を考えてなかったギコはそのまま・・・。


バキドカガラガラガッシャーーン

ドアを突き破って食器棚に激突!!
「いってーーー。やべぇな今度からは止まる方法考えてからすべんねーと。」
頭をさすりながらギコがいう。どうやら怪我はないようだ。
「しぃ、ただいま。」
しかし返事がない。
「しぃ?」
ギコが心配してリビングのほうへ回る。
そこにソファー横になってるしぃがいた。
「なんだ、昼寝中か。」
「いいえ、催眠薬で眠ってもらっているだけです。」
ふいに後ろから声がする。
「誰だ!!」
ギコは振り向きながらアタッシュケースに手をかける。
「知る必要はありません。あなたは今日ここで死ぬのですから。」
黒いサングラスをかけたAAが答えた。
「そのサングラスは削除人のやつがつけているものと同じ・・・て言うことはお前は削除人か!!!俺の家になんのようだ!削除人が繰るようなことはしてねぇぞ!!」
削除人が口元は微笑させながら言う。
「あなたに用があるのではありません。後ろで寝ているしぃさんにようがあるんです。モララー様からしぃさんを連れてこいというようにいわれてここに来ましたからねぇ。」
「モララーからだと!?」
ギコが驚くのも当たり前だ。モララーはこの掲示板で最も権力があり、そしてその権力は他の掲示板まで及んでいるからだ。
「何でしぃをつれてこいといわれたんだ!!」
「それをあなたが知ることはありませんよ。」
そういうと削除人はギコに銃を撃った。
「チッ!!」
しかしギコはアタッシュケースで弾を防いだ。
「ほう、アタッシュケースで防ぎましたか・・・。しかし一発防げなかったようですね・・・。」
ギコの左肩から血が流れる。
「くそ、これでもくらえ!」
ギコは近くにあった木槌を投げつけた。
「悪あがきはよせ!!」
 ドンドン!
削除人の銃から放たれた弾はギコのわき腹と太ももに当たった。
「グ、くそ・・・!!!なんだ、体がうごか・・・な・・い???」
「麻酔弾ですよ。しばらくの間動けなくなります、ま、動けるようになるときにはあなたは出血多量で死んでますが。では私はこれで・・。」
そういうと削除人はしぃを抱えて家を出て行った。
「待て・・・しぃをつ・・・れて・・・・・な・・・ガク。」






そしてまた発電所。
「いたぞ!!荒らしだ!!こっちだ!!」
通路に響く削除人の声。それと同時に走り出す削除人たち。
銃声と硝煙の匂いが充満した通路。
排水溝に流れ出す赤い血。
そして絶えることのないあわただしい足音。
全て戦場というのにふさわしい。
「荒らし!!二手に分かれルート7とルート5を疾走中。やられた兵の数はおよそ20人です!!」
管理室に響く伝令の声。
「くそ!荒らしが!!」
長髪の男が机をたたく。
「ひろゆき様。落ち着いてください。」
長髪の男はひろゆきといい、この世界では珍しく人間だ。
「・・・・を派遣しろ。」
「え?」
「削除人特殊部隊のK班とZ班を派遣しろ。」
「は、ハイ!削除人特殊部隊のK班はルート7に、Z班はルート5へ向かえ!!」
指令を聞いた削除人たちがすぐに現場に向かう。
「こちらK班、荒らしを確認した。これよりあぼーんする。」
「任務開始!!」
隊長のような男の言葉と同時に削除人のマシンが火を吹く。
「おっと。ヒュ~ウ、凄いなこりゃ、流石に敵さんも黙っちゃいないか。」
ルート7にいるのはフサ、八頭身、>>1さんの三人。
「>>1さーーん!!ハァハァ。」
「こんなときにハァハァするなー!!うわぁぁぁーーーーん、キモイよーー!!」
異様に身長が高いAAと>>1さんと呼ばれるAA。
「二人の愛があればこんなやつらいっぱつだよ、>>1さーん。ハァハァ。」
「誰と誰の愛だよ!!キモイよー!!」
(こんな状況でも相変わらずだな、この二人。)
「八頭身、その二人の愛を敵に撃て!!」
「ハイ、了解!!」
そういうと後ろ向きに走りながら背中に背負っていたロケットランチャーを構えた。
「>>1さんと僕の愛を注入・・・完了!発射!!」

ドカン!!

「あれは危ない!!伏せろ!!」
発射されたロケット弾は空中で炸裂し、中からさらに小さいロケット弾が無数にでてきた!!
「うわぁぁぁーーーー!!」

ドカドカドカドカーーーーーン!!!!!

「・・・さ、流石ヅーの特製ロケット弾だ。何て威力だ・・・!!」
流石のフサもこれには驚いたようだ。
「・・・こんなことをしている場合じゃない。早く行くぞ!八頭身、>>1!!」




「くそ、逃げられた。」
まだ爆発の煙と炎が渦巻く通路で削除人が一人立ち上がる。
「ルート5のほうも気になる。」
そういうと削除人は無線機を手に取った。
「こちらルート7のK班、ルート5のZ班。応答しろ。」
「こちらルート5、Z班だ。」
「そっちの様子はどうだ?」
「ああ、今のところは優勢だzぎゃぁぁぁぁぁーーーー!!!!」
「!!どうした、おい、どうした!!応答しろ!!」
「・・・ツーツーツーツー・・・。」
「・・・まさか・・・全滅・・・か。」
まだ血と硝煙の匂いが残る通路をただひたすら走り続けるAA達。
フサ達とは別のルート5を進んできた、ネーノ、ヒッキー、そしてつー。
「アヒャヒャヒャ。ズイブン暴レタナ。ネーノ。」
「あなたのほうが暴れたんじゃネーノ。つーさん。」
「アヒャ、ジャア早クフサ達ト合流スルゾ。」


「K班は生存者三名、Z班は全滅しました!!」
「くそ、ここまでか・・。」
「ひろゆき様、早くお逃げ下さい!」
「・・・だめだ。俺にはこの発電所を護る義務が・・・。」
「ジャ、強制的ニ逃ゲテモライマスヨ。」
そういうとひろゆきのたっている足場が開いてひろゆきが落ちた。
「アレーーーー!!?」
「行キ先ハ出口デスヨ。サテト、モウコノ変装ハ必要無イワネ。」
  バリバリ。
「フー、スッキリシタ。」
夜勤に成りすましていたのはつーと同じような姿をしているAA、ヅーだった。
「後ハココノエンジンヲ暴走サセテ爆発サセチャエバイイノネ。」
コンピューター画面が切り替わりパスワード入力画面になった。
「フフ、ココノコンピューターハ全部調査済ミヨ。全部ノーミスデ開放シテヤルワ。」
カタカタ・・・ブーーー。
いきなりミスった!!
「アア、チクショーー!!今度コソワ!!」
カタカタ・・・ピンポーーン。
「ヤッター。サァドンドンイクワヨ。」



一方フサたちは8つの通路が交わる広間に来ていた。
「よし、ここが合流地点だな。後は待つだけだ。」
フサが壁に寄りかかりながら言った。
「>>1さーん、待ってよーー、ハァハァ。」
「うわーーー、来るなーーー、キモイよーーー!!!」
八頭身と>>1は相変わらず追いかけっこをやっている。
「はぁー。」
フサがため息をつく。
「何ダモウ来テイタノカ。」
不意にルート5の通路からつーの声がした。
「何だつーか、びっくりさせやがって。」
「オ前ガ勝手ニビックリシタンダロ。」
「へ。」
     カツカツ
後ろの通路から足音がする。
「「誰だ!!」」
「誰ダトハ失礼デスヨ先輩。」
「「何だヅーか。」」
「ココノシステムヲ暴走サセマシタ、後20分デ爆発スルデショウ。」
「ソウカ、ジャアココニハモウ用ハナイナ、フサ」
「ああ、じゃあ逝くぜ、とんずらだ!」
       ダッ!!





ここは、何処だ・・・。深い、海みたいだ・・・。ああ、そうか俺は出血多量で死んだのか・・・。じゃあここはあの世・・・過去ログか・・・。
ん、あれは・・・。

ギコの前に恋人のしぃが現れた。

しぃ!!何でお前がここに!!

しぃに近寄ろうにも足が動かない。そして、しぃが少しずつ遠ざかっていく。

待て!しぃ!くそ、足が・・・!しぃ、しぃーーーーー!!!

         ガバ!!
「わ、なんだ急に起きないでYO。びっくりするじゃないKA。」
「うう、ここは??」
自分の家、ではなさそうだ。
「ここは僕の家だYO。新聞勧誘しに来たら倒れていたから手当てをしてたんだYO。」
手当て・・・どうりで傷口がふさがっているわけだ。
「でも君の体は凄いNE、あれだけの傷が一晩で治っちまうなんてYO。」
「何、1番で直ったのか、俺の傷!」
「うん、そうだYO。」
「そうか、その前に聴きたいことがある。お前、誰?」
「あ、そういえば名前言うのわすれてたYO。僕はぼるじょあっていうんだYO。」
「そうか。」
「そういえばさっき何かうなされてたけどどうしたんDA。」
「!!そういえば、スマン、モララーのやつがどこにいるか教えてくれ!!」
「モララーってまさかモララー様ののことかYO!」
「ああ、そうだ。恋人を、しぃをとりかえさねぇと。」
「な、なんか複雑なんだYO。普通はとめるべきなんだけどとめないほうがいいような気がするんだYO。」
「とめてもムダだぜ。俺は一度決めたらやるっていうのが心意気だからな。」
「・・・わかった。そんなに言うなら協力しよう。モララーのところへなら新聞勧誘で逝ったから。」
「あるじょぼ、お前の会社、相当ヤヴぁいんだな。そんなとこまで勧誘に行くのかよ。」
「ああ、やばいよ。ま、そんなことより、モララーがいるのは、管理所だ。お前もここの住民なら知っているはずだ。なるべく武装して自分の姿を見られないようにな。」
「・・・分かったけど、ぼるじょあ、かなり口調変わってるぞ。」
「そ、そんなことないYO。」
「そうか、手当てしてくれてありがとうよ。じゃあ、悪いが俺はこれで・・・。」
「あ、うん、気をつけるんだYO。」
「ああ、じゃあな。」
そういうとギコは家を出て行った。
「・・・さてと、仕事に戻らないと会社がやばいんだったYO。」
ぼるじょあは新聞勧誘の資料を持って家を後にした。







ここはこの掲示板を統べるモララーの居城。通称管理所。
ここは城と言うよりも要塞に近い。
何十もの砲台、侵入者迎撃システム、監視カメラ、赤外線トラップ・・・。
ここに進入することは絶対にできないといわれる。
そして、この要塞に侵入しようとするものがいる。
「ここか、モララーのやつがいるのは。」
黄色いネコ型AA、ギコである。
(管理所に逆らってはいけないよ。)
ギコの思考にいつか聞いた言葉がはいってくる。
(管理所に逆らったり刃向かう事はこの世で最も罪が重い。管理所に手を出せば一生幸せにはなれない。)
いくつもの声によって繰り返される言葉。それでも、ギコの決心は変わらない。
(しぃを救う為なら俺は反逆者になってもいい。たとえ、周りからなんと言われようが、たとえ地に堕ちようが、俺はしぃを救う!!)
ギコは頭に巻いてあるバンダナを強く縛った。
このバンダナはしぃがくれたものだ。
「今行くぞ、しぃ!」
そういうとギコは暗闇をかけていく。進入不可能と呼ばれた要塞へ侵入し、しぃを助ける為に。




「ついた。問題はここからだ。まず敵を混乱させることだ。」
そういうとギコは背負っていたリュックをあさった。
何もギコは無防備でここに来たわけでもない。
この町は銃や爆弾が普通に買える。
ギコもそこで装備を整えてきたのだ。
ついでにギコお気に入りのアタッシュケースには数々の改造が施されている特別製だ。
「じゃ、逝くぜ。」
ギコの手には手榴弾が握られている。
ヒュッ!



   ポト・・・・
ズドーーーーン!!!

突然の爆音に静まり返っていた管理所は一瞬で混乱した。
「よし、いまのうちに!!」
ギコは得意の身軽さを生かしてへいを飛び越し窓をつきやぶって侵入した。
外ではまだギコが仕掛けた時限式爆弾の爆風が鳴り響いている。
はじめにギコをまっていたのは赤外線が張り巡らせた通路。
一歩間違えれば警報が鳴り響く。
しかしギコはここも身軽さを生かして器用にすり抜ける。
その後もギコは順調に進む。
ついでにギコは闇雲に進んでいるのではなく裏の情報屋からどこにしぃがいるかという情報を買収している。
そして・・・


    バン!!!
勢いよくドアを押し開けギコは部屋の中に入った。
「ここのはずなんだが・・・。」
まるで動力室のような部屋だ。
絶えず動く鉄の筒と蒸気を吹くパイプ。
そしてその部屋の奥に・・・

「しぃ!!」
横になっているしぃがいた。
ギコは思わず駆け寄る。しかし
「まだ、しぃはかえさないよ。ギコ君。」
ふいに後ろから声がする。昔聞いた声とはまったく違う冷たい声が・・・
「モララーか。」
そういいながらギコが後ろを向くとそこには藍色のネコ型AA、モララーがいた。
「まだしぃ返さないってどういうわけだゴルァ!!!」
「いわないさ・・・。」
そういうと藍色が少し薄くなったと思ったらまた戻った。
そして、さっきの冷たい声ではなく懐かしい声で、
「ある薬品を飲ましてどうなるかみているから返さないなんていわないからな!!」
少しの間沈黙が流れる・・・。
「・・・・・いってるじゃん・・・。」
「し、しまった!!もうお前を生きて帰さないからな!!」
「へ、できるかよ!!」
   バキャ!!!
モララーの右ストレートがほほに命中、ギコは吹っ飛んだ!!
ギコは吹っ飛ばされた時鉄パイプに肩をぶつけた。
「ク、まだまだ。」
ギコが肩に手をやり顔を上げたとき・・・!!
「!!!!しぃ!!!!」
倒れているしぃの背中から羽のようなものが生えてきた。
「ふふ、どうやら実験は成功のようだな。」
藍色が少しこくなったと思ったらまた元に戻った。
そしてまた冷たい声でいった。
「しぃに飲ませたのはあの力、天使の翼を覚醒する薬品だ。まだ試作品だから完全な羽ではないがな・・・。」
「天使の翼だと!!」
「ついでに天使の翼を持つものに勝てるのは同じ天使の翼を持つものだけだ。」
「だからどうした!!」
「僕も天使の翼を持っているからね。君は勝てないって事だ。」
「何を!!」
「ははははは、さて、もう遊んでる時間がない、これでお別れだ。」
そういうとしぃとモララーがいるところが競り上がって外にでた。
「あ、待て、このやろう!!」
ギコが急いで窓から外に回る。しかし、そこにモララーとしぃはいなかった。
「何処に逝ったんだ?」
そうギコが思ったら足場が急に開き気球船が出てきた。
「ではさらばだギコ。」
モララーの声が聞こえたような聞こえなかったような。




「う、ここは何処?」
しぃが目を覚ましたの見覚えのない部屋・・・。
大きな窓が三つ三枚鏡の様に並んでいる以外何もない部屋だ。
「どうしたんだろ、確か家でテレビ見てたら急に眠くなって・・・。・・・窓から外を見れば分かるかな?。」
しぃが窓から見た光景は、
「うそ、町が、燃えてる・・・。」
さっきまでいたはずの町が赤い炎に包まれている。
「それに町が下にあるなんて。」
「ここが気球船だからだよ。」
「そう、ってあなたは!?」
「僕はモララー、以後よろしく。」
「モララー、何で私はここにいるの?ギコはどうなったの?」
「ギコならまだ生きている。ただし、あの町の炎の中だけどね。」
「そんな・・・。」
「・・しぃ、僕の下に来ないか?」
「なっ!!」
「別に僕とケコーンしろと言っている訳ではない。僕の下で働いてくれというわけだ。」
「何で私がそんなことを・・。」
「君には天使の翼が眠っている。僕と同じでね。」
そういうとモララーの背中から6枚の翼が生えた。
「天使の・・翼・・。」
しぃが唖然とする。
モララーがしぃのほほに手をやりながら。
「もし僕の下で働いてくれるならギコ君は助けよう。どうだい?」





そのころ燃える町にあるビルの屋上にギコがいた。
「モララーのやつ、町に火を放ったか。まぁ町の奴等には避難する様言ったから誰もけが人はいないだろ。後は・・・しぃを助けるだけだ。」
(天使の翼を持つものに勝てるのは天使の翼を持つものだけだ)
要塞に入った時のモララーの言葉を思い出した。
「そうなら俺は天使の翼でお前と戦うぜ。」
そういうとギコの背中から2枚の翼が生えてきた。
「逝くぜ!モララー!!!」
そういうとギコはコンクリートの地面を強くけった!!





空高く飛び満月にギコの姿が映る。
(久しぶりだな。この感覚。さてと、飛行船を探すか。)
ギコが下をみたらちょうど飛行船があった。
(なんかアニメやマンガみたいなタイミングだな。まぁいくぜ!!)
ギコは一気に急降下した!



そのころ飛行船の中では
「私はあなたなんかに屈しません。」
しぃがモララーの手を振り解く。
「そうか、なら強硬手段にでるしかないね。というよりもうでてるけどね。」
「え!?」
「いまこの部屋には特殊な睡眠薬が流れている。」
(天使の翼を強制的に覚醒させる効果を持つ・・・ね。)
「もうそろそろ効いてくる筈だよ。多分、次起きる事はないだろうけどね。」
「う、眠い。」
「そろそろ睡眠薬が効いてk」
  



ズガ~~~~~~~~ン!!!!!


突然の轟音と激しい揺れ
モララーが揺れの中通話管を通して運転室と連絡を取る。
「何なんだいまの揺れは!!」
「何かにぶつかったようです!!」
「馬鹿な、ここは空の上だぞ!!ぶつかるものなんて」
その時、上で声がした。
「モララー!!しぃを返しにもらいに来たぜ!!!」
「ギコ!!!!」
「・・・あいつか・・・。」


「いてて、やっぱり止まる方法を考えないとな。」
どうやらギコは急降下したまま止まれず飛行船に激突したのだ。しかし、激突の時に持っていた槍で直接ぶつかるのは避けた。
「さてと、しぃを探せねぇと。」
「・・コーーーーーー!!!」
「今の声は・・・。」
「ギコーーー!!!」
「しぃ、すぐしたか。確かガラス張りの部屋のはずだ。よし。」
そういうとギコは飛行船の前に回りこんだ。
「あそこか・・。今行くぜ、しぃ!!」


「ぶつかったと思われる物体が今度はこちらに向かって突撃してきます!!」
「撃ち落とせ!!!」
「ハイ!砲撃兵に告ぐ、全兵目標を撃墜せよ!繰り返す、目標を撃墜せよ!」
飛行船についている全砲門がギコに向けられた。
「砲撃開始!」
全ての砲門が合図と共に火を吹いた!


「ん、なんか飛んでくる。」
いくつもの砲弾がギコめがけて飛んでくる。
「あったたら死ぬな。だけど、行くぜ!!」
ギコはさらに速度を速めた。
「目標の速度、1,3倍にアップ。」
「砲撃続けろ!!後激突の衝撃が少しでも減るように速度をなるべく落とせ!!」
「ハイ!!プロペラを停止させろ!」
作業員がスイッチをOFFにするとプロペラが止まっていった。
「目標!射撃不可能範囲に進入!迎撃不能、衝突します!!!!!」




バリーーーーーーーーーーーン!!


しぃたちのいる部屋のガラスを勢いよくわってギコが入ってきた。そして・・
ドガン!
やはり止まれなかったが運良く衝撃吸収マットにぶつかった。
「ギコ!!!」
しぃがギコに駆け寄る。
「へへ、しぃ、待たせたな。」
ギコが起き上がりながら言う。
「後は・・・。」
ギコがモララーを睨む。
「この前の決着をつけようぜモララー!!」




空の上を飛び続ける飛行船その飛行船で二人の戦いは始まった。
「この前の決着か、いいだろう。受けて経つよ。」
モララーは壁に飾ってあった剣を手に持った。
「ここは狭いから、どうせなら外でやらないか?」
「いいぜ。」
「ふふ、決まりだね。」
そういうとモララーは外に飛び出した。
しぃはまだ飛べないのでギコに連れて行ってもらった。
「さぁ、やろうか。」
「この前のようにはいかねぇぜ。」




ここは町が燃える前に脱出した人たちがテントを張っているキャンプ地。
「大変なことになったね、つーちゃん。」
「アア、本当ニ大変ダッタナ。」
フサとつーがベンチに座りながら話していた。
「しかしモララーのやつ、相変わらずなに考えてんだが。」
「あの方にはいろいろあるんですよ、フサさん。」
「あ、山さん、こんにちは。」
「こんにちは。」
灰色の体で他のAAよりも1,2頭身高いAA、山さんこと山崎渉が、コーヒーカップ片手に話しかけてきた。
「大変ですね、一度にこんな人数の人が外に出るというのは。」
「本当に大変だったよ。」
「オトーヒャン、オカーヒャン。」
「どうしたんだフーちゃん」
「ドウシタ、フー。」
「アレ、アレ」
フーが指差す先にはモララーの飛行船があった。そしてその周りに。
「何だ、あの閃光は!!」
藍色の閃光と黄色の閃光が互いにぶつかり合っている。
「山さん!」
「ハイ、単眼鏡です。」
フサは山さんから単眼鏡を取って閃光が激突している場所を見る。
「まさかあれは、ギコか!?」
フサの目にははっきりと槍を持つギコの姿が映った。
「じゃあ藍色のほうは・・・」
フサが藍色の閃光に単眼鏡を向ける。
「・・・モララーか・・・」
「ナンダッテ!」
つーがフサから単眼鏡を奪って藍色の閃光を見る。
「ホントニモララーダナ・・・・。」
「・・・。」
「どうするフサ、助けに行くか?」
「・・・いや、助けに行かない、いく必要はないと思う。」
「???ナゼダ?」
「あいつのことだ、絶対生きて帰ってくる。」
「ソウダナ。」
フサとつー(&山、フー)は藍色の閃光と黄色の閃光を見上げている。





「どうしたんだギコ君!!さっきまでの余裕は何処に行ったんだい!」
「チッ。」
(くそ、マジでやばい・・・。)
切りあう二人のAA。
「まだだぜモララー!!」
ギコの槍がモララーの頬をかすった。
「く、こんなかすり傷、ならこれでどうだ!!はあぁぁぁぁぁぁ!!!」
「なっ!!!!」
今までより数倍重いモララーの斬撃にギコは槍と一緒に吹き飛ばされ叩きつけられた。
「っっっっが!!!」
飛行船の砲台に・・・。
「ギコ君!!!」
しぃがギコに駆け寄る。その時
「う、背中が、痛い・・・。」
しぃの背中から天使の翼が生えてきた。
「しぃ、大丈夫か!!」
「ウン、私は・・・でもギコ君は・・・。」
「俺は、大丈夫だ。つっ」
「だめよ、動いちゃ出血は少なくないんだから!!」
しぃがギコの背中を押して起き上がらせる。
「すごい出血だね、ギコ君。」
モララーが剣を構えながら言う。
「くそっ。」
「無理に動かなくていい、すぐ楽にしてあげるよ。」
モララーが2歩前に踏みでる。
「これで終わりだ!!!」
モララーが剣を大きく振り掛ける!!
「まだ終わらないぜゴルァ!!!!」
ギコはすぐ近くにあった鉄の破片を手に持ってモララーに立ち向かう。
「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!!!!!!!!」」
明るい光を放つ満月の下に・・・。
二人のAAの激しい戦いがあった。






「うん、ここ・・・は?」
ギコが目覚めたのは前に来た覚えのある場所。いや、来たことはないがなぜか覚えている場所。
「過去ログ・・・にしちゃあ明るすぎる。何処なんだよここは。」
まるで雲の上のような場所。そして、自分の体はなぜか浮いている。
「確か俺はモララーにたたきつけられてそれで・・・。」
ザク!!!
ギコの真後ろから聞こえる誰かが切られる音。そして叩きつけられる音。
ギコは後ろを振り向いた。そこにいたのは自分とまったく同じ姿をした天使AA。
そのすぐ近くにいたのはしぃと同じ姿天使AAとモララーと同じ姿天使AA・・。
その状況はさっき自分がいた状況と似ている・・・。
「破壊の衝動!!」
モララーと同じ姿をしているAAが手から何かを出す。
「へ、こんなもの飛んで避ければ・・。」
「ギコエル!飛んじゃ駄目!!」
「何で・・・。」
「こういうことさ!」
空を飛んで破壊の衝動を避けたギコエルのすぐ真後ろにモララーに似ているAAがまわっていてギコエルの背中に容赦ない斬撃が襲い、ギコエルは地面にたたきつけられた。それと同時にギコは背中に激しい痛みを覚えた。誰かに激しく斬られたような痛みを・・。
その痛みを最後にギコの意識が途切れた・・・。





次に目覚めたのは見覚えのないテントの中だった。
「ここは?」
ギコはゆっくり体を起こした。背中に激しい痛みが走る。
「夢じゃ・・・なかったの・・・か??」
ギコは辺りを見回した。机の上でパソコンが起動している。機種はFMVだ。
画面にはブラクラの後が残っている。

「・・・・・だからあれはブラクラだって言っただろ兄者。」

外から声が聞こえる。
「気にするな弟者。さて、画像集めを再開するか。」
そういいながら二人のAAが入ってきた。
片方は緑色の体。もう片方は青色の体だ。
どちらも猫型で普通より1~2頭身高い。
「ん、目が覚めたのか。」
緑色のAAがギコをみて言う。
「兄者、けが人が目を覚ましたぞ。」
緑色のAAが青色のAA、兄者のほうに振り返った。
ガガガガガガガガ
「OKブラクラゲット。」
「今迄で最速記録とは流石だな。兄者、怪我人が起きたぞ。」
「わかった、弟者。」
兄者は返事をするとまたパソコンを起動した。
「そろそろやめろ兄者。」
「なぁ、ここは何処だ。お前らは誰だ?」
ギコが弟者達にたずねる。
「ああ、スマン。俺は弟者、流石弟者だ。であそこでまたブラクラに引っかかってんのが・・・。」
「兄者だ。」
「ここは俺たちのテントさ。一家全員でちょっとした旅をしててね・・・。」
「そうか・・それよりしぃは!!!しぃはどうしたんだ!!」
「彼女なら隣のテントで姉者達が見ているが。」
「そうか。じゃそろそr・・・!!」
急にギコの体中に痛みが走る。
「まだ動かないほうがいい。全身打撲の上何箇所か骨を折っている。それに背中の傷もかなり深い。普通なら全治するのに3ヶ月ぐらいだろう。ふつうならな。」
「天使の翼の治癒能力なら5日間あれば動けるようになる。」
「!!何で天使の翼のことを・・・!!!!」
弟者はギコの背中を指差した。
「その翼が何よりの証拠だ。」
「え。」
ギコの翼は出たまんまだった。
「そろそろしまったほうがいいぞ。天使の翼のエネルギー消費量はかなりのものだからな。」
「あ、ああ」
ギコは翼をしまった。
「何でそんなことまで知ってんだ?」
「俺たちも同じ天使の翼を持っているからさ。」
そういうと兄者と弟者は天使の翼を出した。
「俺たちの一家は全員天使の翼を持っているからな。」
「母者はなくても十分だと思うがな。」
「さてと、俺たちはちょっと外に行かないといけないからギコはそこで眠っていてくれ。」
そういうと弟者と兄者はテントを後にした。





それから一週間ほど経った。
その間にギコの傷はみるみるうちに完治し、背中の傷口も完全に消えた。
ギコは久しぶりに外にでた。
「くーまぶしー。」
久しぶりに見た太陽はいつもよりまぶしく見える。
「もういいのか?」
後ろから兄者と弟者が話しかけてきた。
「ああ、おかげさまで。」
「そうか、そうそう、しぃって言う女の子も傷がある程度直ったみたいだ。なんかお前に話したいことがあるからきてくれってさ。」
「わかった。」
そういうとギコはしぃのテントのほうに走っていった。
「しかし、地上でいったい何があったんだか。」
「上の町が崩れてくるなんてめったにないからな」



ギコはテントの幕をめくり開けて中に入った。
「しぃ!」
ベットの上に横たわるしぃをギコが見つけた。
「ギコ君。」
しぃが起き上がってギコを呼ぶ。
「何だ?」
「多分ギコ君が覚えてないと思って・・・。あのときのこと・・・。」
「あの時?」
「モララーと戦った時の最後。」
「ああ、確かに覚えてない。」
「私はまだ覚えているけど・・・聞きたい?」
「ああ、もちろんな。」
「じゃあ話すわ。」





あの時、ギコ君とモララーの最後の一撃の時、モララーの色が一瞬薄くなったのよ。
それと同時にモララーは攻撃を止めてギコ君の攻撃はモララーのわき腹に当たったわ。
でも、それでギコ君は気を失って倒れたわ。
少しの間だけど、モララーの声は昔の時と同じ、優しい声だったわ。
それで、私に一つだけ言ってまたもとの声に変わってしまった。
「なんといったんだ、モララーのやつは!?」
確か

―――僕があいつを押さえている間に逃げて・・・―――

そういって、元の声に変わったの。
それでギコ君は背中を強くきられて飛行船から落ちてそれを追って私も飛行船を降りたの・・・。
「それできずいたらここにいた、と。」
「うん。」
「でも、モララーがいったその言葉はかなり引っかかるな。」
「私もそうだった。あの時は何も落ち着いて考えられなかったけど今なら考えられる。多分モララーは誰かに操られてると思うの。」
「確かにそれなら今までのことも納得出来る。」
ギコはあいずちをうった。
「ねぇ、ギコ君。こうなったら・・・。」
「モララーのやつを操ってんのを倒してモララーを救おう、だろ。」
「うん。」
「じゃ、決まりだな。それにもう帰る場所もないしな。」
「うん。」
「ギコ君、しぃちゃん、ご飯できたわよ。」
いきなり姉者がテントに入ってきた。
「じゃ、俺は先に行くからな、お前も早くこいよ。」
「うん。」
そういってギコはテントを出た。
(でもモララーを操ってるやつっていったい。)




ここはギコたちがモララーと戦った飛空船、まだ戦いが終わってからまもない飛空船の上にモララーの姿があった。
「何とかあいつらは倒すことが出来た。」
モララーのわき腹の傷はまだ跡が残っている。
「しかし一番厄介のはあいつらじゃない。」
モララーは自分の胸に手を当てた。
「体は言いなりになっても心までは屈しないというのか、モララーめ。操り人形の癖に・・・。」
モララーは手を握り締めた。
「まぁいい、所詮あの方を蘇らせるための操り人形。いつか捨てるものだ。それまで耐えることなどへでもない。」
モララーは微笑を浮かべた。
「全てはあの方の為に!!!」





そのころギコ達は昼飯を食べ終わって荷物を整理していた。
「悪いね、荷物の整理に手伝わしてしまって。」
人型AA、母者がいう。ついでに母者は流石家の中で最も強く戦闘値ではフリ○ザの10倍近くある。
「いえいえ、こちらこそ助けてもらってこれぐらいしかお手伝いできなくてすいません。」
しぃが段ボールに荷物を詰め込みながらいう。
「しかし凄い量の荷物だな。トラック一個で足りるのか?」
ギコが段ボールを運びながらたずねる。無理して4個持ちながら。
「心配するなギコ、あのトラックは外から見ると小さいがコンテナの中は意外と広いぞ。」
「父者と兄者が無駄に作った空間増幅装置のおかげでな。」
「弟者、一言多いぞ#」
兄者が弟者に向かってアルミの空き箱を投げる。が、弟者はそれをキャッチした。
「なぁ、弟者、聞きたい事があるんだが・・・。」
「ん、なんだ?」
「俺たちも一緒に・・・トラックに乗っていいか?」
「ああ、もちろんだ。ただし、命の補償は出来ないぞ。」
「ど、どういう意味だそれは。」
「これを見たら分かるだろ。」
そういうと弟者はメモ帳に挟んでいた紙を取り出してギコに見せた。
「これは・・・手配書?」
弟者が見せた手配書には流石家全員の写真が描いてあった。
「何で、お前らが手配されてんだ?」
「さぁな、俺たちも心当たりがねぇ、唯一あるとしたら手配書が出される前にキタ削除人の言っていた(天使の翼)のことだ。あいつらなんか実験でもやってるのか?」
「・・・・ああ、やっている。天使の翼を強制的に覚醒させる薬を作ってやがった。」
「「何!」」
兄者と弟者が同時に反応した。
「しぃが飲まされた薬がそれだ。」
「そうか・・・。」
「ということはお前はしぃを助ける為にモララーには向かったんだな。」
兄者がギコに尋ねる。
「ああ。」
「だからか・・・。」
「ん?何がだ兄者?」
「これを見ろ弟者。」
そういうと兄者はパソコンを起動してインターネットにつないだ。
「これはなんだ?兄者?」
「指名手配犯の手配書が張ってあるサイトだ。見ろ、ここ一週間に新しく発行された手配書を・・・。」
弟者とギコは兄者の横から顔を出してパソコンの画面を見た。
「な、俺の名前が!」
「お前だけじゃない、しぃの名前まであるぞ。」
手配犯の名前が記されているリストにはっきりとギコとしぃの名前があった。
「・・・まぁ、当たり前といえば、当たり前か・・・。」
「ギコ・・・。」
弟者が何かを言おうとしたが兄者に止められた。
「・・・兄者、別に俺は命は惜しくないぜ。」
「じゃ、決まりだな。」
「かなりいい加減な気がするがいいか。」
こうして兄者達のトラックに乗せてもらう事になった。






「にしても広いなこのトラックの中。」
ギコは流石家のトラックの広さに驚いていた。
外から見ると少し狭そうだが、中はかなり広い。
「本当に広いね、ギコ君」
隣に座っているしぃが言う。
「そろそろ出すぞ!」
弟者の声と共にトラックがゆっくり動き始めた。
「まぁ、しばらくは何も起こらずに逝けそうだな。」
しばらくの間、トラックの中は話し声でいっぱいだった。
父者と兄者はギコと、母者と姉者、妹者はしぃと話しかけていた。
「このトラック、なんか普通のトラックとはズイブン違うな。」
ギコが兄者に尋ねる。
「ま、俺と父者が中古トラックを買って、」
「半額までねぎってな。」
兄者の話に弟者が割り込む。
「それを改造して作ったんだ。いちようミサイルやらマシンガンやらいろいろな装備をつけてある。」
「ジェームズ・ボ○ドの車作ろうとしてな。かなり失敗しまくってたし。」
また弟者が割り込む。
「弟者、殴られたいのか?」
兄者が弟者のほうに振り向く。後ろに怒りのオーラが出ている。
「OK,時に落ち着け兄者。」
その時、
「そこのトラック、止まりなさい!そこの指名手配犯、止まりなさい!」
後方からパトカーのサイレンとスピーカーの声が聞こえる。
「・・・やべ、ばれた・・・・。」
そういうと弟者は一気にアクセルを踏んだ。
「弟者!パトカーがついてきてるぞ!」
父者が後ろの窓からそろを覗きながら言う。
「妹者!スナイパーでパトカーのタイヤを撃ってくれ!そうすれば後を追ってこれないはずだ。」
「任せるのじゃ!」
「はい妹者、スナイパー。」
兄者が妹者に銃を渡す。
「逝くのじゃー!」
そういうと妹者はトラックの穴(もともと後ろの敵に反撃する為の穴。)からパトカーのタイヤを撃った。
見事命中。そのままパトカーは後ろに下がった。
「よし、いまのうちに逃げるぞ!」
しかしこのときまだ誰もきずいていなかった。
トラックの上で飛んでいるヘリコプターの音に・・・。





「弟者。」
「何だ兄者。」
トラックに設置されたカメラの画面をパソコンを通して見ていた兄者が弟者に話しかける。
「さっきからヘリが上にいるぞ。」
「そうか・・・・・な、何ィィィィィ!!!」
弟者が遅めに反応する。
「10分ぐらい前からいたぞ。」
「兄者早く行ったほうがよかったあァァァァ!!!」
トラックにヘリのミサイルが打たれるが弟者が器用にかわす。
「弟者、こりゃ一歩間違えるとデスるな。(笑」
「笑えるかぁぁぁーー!!!」
「うるさいよあんたら、上はあたしがかたずけるよ。」
そういうと母者が屋根に上った。
「さぁ、来るならきな。」
そのころヘリの中。
「何だ、あのババァ、死にたいのか?」
「そのようだな。」
パイロット達が話していると

「誰がババァだって!!」

母者の声でヘリの周りの空気の向きが変わってヘリの羽が折れた。
「うそーーー!!」
「こうなったら最後っ屁だ!!!」
パイロットの一人がミサイルを母者めがけて飛ばす。が、
「なんだいこれは。」
母者にミサイルを受け止められる。
「もらったものは返すよ。」
そして母者はヘリにミサイルを返す。
「「ウソォォォォォォォ!!!」」

ドッカーーーーーン

ヘリはもちろん爆発♪
「流石なのじゃ母者。」
妹者が言うと。
「ホント流石だぜ母者。」
流石家の男組も口をそろえて言った。
「後はこのまま目的地の擬人化板に行くだけだ。」
「「擬人化板?」」
「そうかギコたちは知らなかったな。擬人化板ってのは最近できた板でな、そのなの通りその板内だと擬人化するところさ。」
弟者が運転席から説明する。
「前、俺らはそこに住んでてな、また家に帰るんだ。」
兄者がパソコンをいじりながら話す。
「擬人化板に入ると前の面影は消えるから、隠れるにはうってつけの場所出しな。」
「小さい兄者はそこに彼女がいるんだよね。」
妹者が言う。
「ああ、妹者は彼氏がいるけどな。」
そういっているうちに擬人化板の検問所の前に来た。






「え~と擬人化板へ大人5人と子ども3人お願いします。」
父者がお金を出しながら検問所のおじさんに言った。
「お、父者さんじゃないか。1年ぶりですね。しかし大変ですね、指名手配されるなんて。」
「ホント散々ですよ。今日なんてヘリにミサイル打たれるし。」
「大変ですねぇ。では、ハイ、これがパスポートだよ。」
おじさんから父者にチケットのようなものが渡される。
「なぁ兄者。」
「ん、何だギコ。」
「何で俺たちが指名手配だって事知ってんのに捕まえようとしねぇんだ?」
ギコが不思議そうに兄者に尋ねる。
「みんな俺たちは何もしてないって信じてくれるからだ。」
「賞金に目がくらむやつなんていないしな。この町のやつらは全員仲間だと信じている。」
「たとえ裏切られてもね。」
兄者、弟者、姉者が順番に答えてゆく。
その間にトラックは擬人化板へ続くトンネルへ進んでいた。
「そろそろ擬人化板だ。みんなパスポート持っとけよ。」
そういうと父者はみんなにパスポートを配った。
パスポートには金文字で名前が書かれていた。
「行くぞ。」
そういうと弟者はトンネルに入った。と同時に体に違和感が走る。
トンネル内は暗く、トラックについている電灯を消したままで何も見えない。
唯一見えるのは出口の僅かな光だけだ。
そしてトラックはトンネルを抜けた。
ギコは自分の姿を見た。そして
「これが・・・俺?」
体は前みたいな猫ではなく人になっていてちゃんと服も着ていた。服から出ている尻尾と頭に生えている耳が普通の人間と違うだけでそれ以外は人とまったく同じだった。
「なかなかにあっているじゃないかギコ。」
パソコンを持った青年が話しかけてきた。
「兄者か。」
(擬人化しても面影は残るんだな。)
しぃもギコと同じで自分の変貌振りにズイブン驚いていた。
「兄者、何で拳銃を持ってんだ?」
兄者の腰には銃を入れるポケットがついていて、その中に銃が入っていた。
「ああ、これか、これは擬人化するときに護身用として作られたやつだ。そいつの記憶や想いとかからそいつに合っている武器を作り出してるんだ。お前のやりもそれで作られたものさ。」
ギコはようやく自分の足元にある槍の存在にきずいた。
「作られた武器は握れば何かを思い出す。お前もやりを握って何か思い出すか?」
ギコは拾って槍を握る。すると脳にモララーとの戦いの記憶が蘇ってきた。
「ああ、思い出す。」
「とまァ、こんなとこだ。ここの住民はいつも武器を持って出歩いてるから下手にケンカうるなよ。」
兄者がギコに言う。
「そろそろ家に着くぞ。」
いつの間にかトラックは流石家宅についていた。
「すまないギコ、荷物降ろすの手伝ってくれ。」
「おk。」






荷物も降ろして、部屋も片付いたころ。
「そろそろ自由行動にしていいかな。」
兄者が空の段ボール箱の山を運びながら言った。
「ああ、いいよ、好きなところに逝きな。」
母者から了解を得た。
「じゃあおれはこれで。」
そういうと弟者は出て行った。
「私も逝って来るのじゃー。」
妹者も出て行った。
「しぃ、俺たちもどこかに行くか。」
「うん。」
「お前らまだこの町の地理に詳しくないだろ。俺が案内するぜ。」
というわけでギコたちは家にでた。その後いろいろな名所を回ったあと酒場に入った。
そこでギコは懐かしいやつを発見した。ギコと同じような格好で髪の毛が茶色で背中に日本刀をしょっていた。
「もしかすると・・・フサか?」
「へ?何で俺の名前知ってんだ?」
「やっぱりフサか。俺だよ、ギコだよ。」
そういいながらギコはフサの隣に座る。
「ギコか、お前生きてたんだな。」
「なぜそんな事いうんだ?」
「案だけ激しい戦いやった後飛行船から落っこちたら死んだと思うぜ、普通。」
フサが苦笑しながら言う。
「ソノトオリダナ。」
すぐ隣にいたつーも言う。
「あれ?つーお前いつからいた?」
「サッキカライタゾ。」
つーが少し怒り気味に言う。
「つーさん久しぶり。」
「シィジャネェカ!ヒサシブリダナ。」
そのまま会話がしばらく続く。




その間暇な兄者は酒場を出て町をプラプラ散歩していた。
「しかし、まだこの町は寒いな。息が白くなりやがる。」
兄者が歩いていると、町の公園辺りで弟者の姿を見つけた。
「弟者に近くにいるのは・・・。もしかするとあいつの彼女か。」
その通りでした。
「一年ぶりだよな、君に逢うのは。」
「そうだね、一年前、君がこの町を出るっていったときからもう一年経ったんだね。」
かなりイイ雰囲気だ。
「あ、これ。」
そういうと彼女はバックから小包を出した。
「少し遅いけど、バレンタインのチョコだよ。」
「あ、じゃあ俺からも。」
そういうと弟ものも小包を出した。
「去年のバレンタインのお返し。11ヶ月遅れだけど。」
「クス。 これ、私の作ったお守り、また町を出ることになると思ったから絶対に帰ってこれるように。」
「ありがとう。絶対帰ってくるからな。次女者」
「約束だよ。弟者。」






「随分イイ雰囲気だな。弟者のやつ。」
ずっと木の影から弟者たちを見ていた兄者が言う。
「本当なのじゃ。ところで兄者、そんなところでなにやってるの?」
いきなり妹者が後ろから話しかけてきたので兄者はかなりびびった。
「い、妹者、急に話しかけてくるなよ。びっくりするだろ。」
「昔みたいに兄者を驚かせて見たくてね。」
「ハァ。じゃそろそろ帰るぞ。酒場に。」
そういうと兄者は酒場に帰っていった。
「兄者もそろそろ彼女作ったほうがいいと思うだけどな。」
妹者が兄者に聞こえないようにつぶやく。






そのころ酒場では
「くそーなんで町に火なんて放つんだよ、モララーのやろう。まだローンが残っているってのによー。ヒック。」
完全に酔っ払ったフサとギコがいた。
「お二人とも飲みすぎですよ。後ろに怖ーい人がいるのをお忘れなく。」
山さんがフサたちに注意する。ついでに山さんの武器は死神が持ってそうな大鎌だ。
「へ?」
酔っ払ったギコとフサが後ろに振り向くと今にも飛び掛ってきそうなぐらいにらんでいるつーがいた。
「フーサークーンー。ホウチョウデキラレルカナイフデキラレルカドッチガイイ?」
「いや、待てつーちゃん。まだ俺は何も悪いことしてないしせっかく友達に会えたんだし今日だけは・・・。」
「モンドウムヨウ!!」
「ギャァァァァァァァァ!!!」
「奥さん落ち着いて、AAのときのフサさんならともかく今は擬人化してますし。」
山さんが止めに入る。
「AAだったらいいのかよ。」
フサが嘆く。
「アヒャ、ワカッタヨヤメレバイインダロ。」
つーはフサへの攻撃をやめた、しかしフサの背中は包丁が刺さったまんまだ。
「フサさん大丈夫ですか?」
山さんがフサの包丁を抜く。
「あいたたたた。大丈夫、いつものことだから。」
(いつものことだからって理由だけで大丈夫なのか?)
ギコが疑問に思う。
「オトーヒャン、ナンデダイジョウブナノ?」
「いつものことだからさ。」
(あくまでもそういいきるか。)
「ギコーそろそろ帰るぞ。」
兄者が酒場の扉を開けて入ってきた。
「あーわかった。」
そういうとギコは席に立った。
「ギコさん、忘れ物ですよ。」
山さんがギコの財布を見つける。
「あ、わりぃー。」
ギコが山さんから財布を受け取るときに
「ギコさん、強くなりたいですか?」
山さんがギコにしか聞こえない程度の声で言う。
「へ?」
突然やまさんが言ったことにギコが困惑する。
「モララー様と戦うのならもっと強くならなければいけない。」
「なんでそのことを。」
「もし強くなる気があるなら、明日の午前3時、シラネーヨ像の前に来てください。私が修行の相手になってあげますよ。あ、別に無理してこなくてもいいんですよ。」
「・・・」
ギコは少し考えた後こういった。
「明日午前3時にシラネーヨ像の前でいいんだよな。」
「ええ、そうです。」
「わかった、明日よろしく頼むわ。」
「来るんですか。分かりました。」
そういうと山さんは元の席に戻っていった。
ついでにこの間にかかった時間は約1秒です。
「何ぼやっとしてんだギコ、置いてくぞ。」
「ああ、わかった今行く。」
そういうとギコは出口のほうへ歩いていった。
(でも、なんで山さんは突然あんなことを・・・モララーの事はフサたちから聞いてるとしても・・・。)
ギコは後ろを向いてフサたちにじゃあなと言って前を見た。
いつもの山さんの笑顔が少し不気味に思えたのはそのときだ。





その日の夜遅く、ギコは家を出た。
なれない町の地形に惑わせられながらも、兄者に案内してもらった記憶をたどりに目的地を探す。そして
「やっとついた、これがシラネーヨ像」
約束の3時より少し早くついた。
「修行って言ってたからやリを持ってきたけど、使うのか?」
手には槍が握られてる。
「山さんが修行の相手になるって言ってたけど相手になるのk。」
その時ギコは本能的に後ろへ思いっきり足をけった。
そしてギコがいた場所に大鎌が突き落とされる。
「よくよけましたね、ま、これがよけられないなら困りますが。」
その大鎌を持っていたのは山崎だった。
「や、山さん、なんで急に・・・。」
「ちょっとだけ実力を試してみたかったものでね。まァ、今のは実力の10分の1くらいですが・・・。」
「あ、あれで10分の・・・・1かよ・・・。」
「さて、こんなもので驚いてもらっては困りますよ。今からの修行で、あなたはこれより強くなれるんですから。」
「え?」
「あなたの中にある力を目覚めさせれるんですよ。」
「もしかして天使の翼のことか?」
「いいえ、天使の翼ではありません。」
「じゃあ何を・・・」
「G・S、すなわちガーディアン・スピリッツです。」
「ガーディアン・・・スピリッツ・・・。」




「ギコ君、そろそろおきて!」
しぃが寝ているギコをゆする。
「うーん後5・・・・・時間・・・。」
「五時間も寝てるひまないよ!」
しぃが時計を見るともう朝11時だ。
「ふぁぁー、わかったよ、おきればいいんだよな。」
ギコはベットから降りた。
「ったく、でも不思議ね、いつもは早起きのギコ君がこんなに遅いなんて。」
しぃが乱れた布団を直しながらいった。
「ああ、そ~だな。ふぁぁーー。」
ギコがまたあくびをする。まぁ、夜遅くに修行だったから仕方がないが。
「じゃあ先に下へ行ってるから、ギコ君も早く来るんだよ。」
「わかったよ。」
ギコは階段を下りていくしぃに返事をした。
「・・・激しい感情が必要・・・か。」
ギコは昨日のことを思い出した。







「あなたはこの力の覚醒に必要な心を持っています。」
「待ってくれよ山さん、急にそんな事言われても」
「そうですね、すいません、つい先走っちゃって。ま、まず基本的なことからはじめましょう。」
山さんが近くのベンチに腰掛けた。




G・Sは人の心にある力で、その種類はさまざまです。

人を傷つけることが出来る能力もあれば、逆に人を癒すことができる。

使い方によっては恐ろしい力を持つ能力です。

このG・Sは4つのレベルに分かれています。

そして経験をつむことによってレベルが上がります。

私は第2覚醒などと呼んでいますがね。

それとG・Sは大きく分けて3つの種類があるんです。

剣や銃といった武器を操るガーディアン・ウェポン、すなわちG・W

風や炎などといった自然の力をを操るガーディアン・フォース、すなわちG・F

そしてそのどちらも操るガーディアン・マスター、G・Mの三つです。

この三つにはそれぞれの特性があり、それぞれの弱点があります。

ま、使う人しだいですが。さらにこの力は人の感情の変化によって形を変えます。

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