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EMBLEM STORY -紋章物語- (ファイヤ兄弟)

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            EMBLEM STORY -紋章物語-

プロローグ

 古の時代、人々を恐怖の底に落とした<魔王サーガ>。

 <魔王サーガ>とその有力部下、<闇の紋章五人衆>によって、多くの人が殺され、多くの国が滅ぼされた。

 そんな中、魔王達に立ち向かったのは六人の賢者。
 彼らはそれぞれ生まれ持っていた【紋章の力】を使っていた。

  一人目は、【炎の紋章】を司った元気な少年の賢者。

  二人目は、【召の紋章】を司った唯一女性の賢者。

  三人目は、【氷の紋章】を司った立派な毛の賢者。

  四人目は、【風の紋章】を司ったにこやかな賢者。

  五人目と六人目は、【雷の紋章】を司った姉妹の賢者。

 彼らはそれぞれの持つ力で戦い、ついに魔王達を封印することに成功した。封印したのは【封の紋章】と言われる、魔力のある紋章だった。

 そして【封の紋章】は2ちゃんねる大陸の『AA王国』の地下、人は『封印の間』と言う部屋に保管した。



 時は経ち、既に古の戦いのことは忘れ去られていた。賢者の子孫も力をなくし、ひっそりと暮らすようになった。
それだからだろうか。【封の紋章】の異変に気づく者は、誰一人いなかった。

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第一章

「おい! ギコ! 起きろ! 交代の時間だぞ! ギコ!」

 ここは『AA王国』の城。その門の中、見張り用の仮眠室で大きな声がする。

「うっさいな・・・。わかったから静かにしろって、フサ・・・。あぁ眠い」
「俺も眠いんだよー!!」
 はいはい、と言いながら起こされていた少年兵、ギコは寝台から降りた。そして起こしていた少年兵、フサが替わりに入る。

 彼らはこの城で、門番の夜勤と言ういかにも大変そうな仕事をしていた。二時間交代でやっていて、今日の仕事はこのギコの見張りで最後だった。
 寝惚け眼な目をこすりギコは言った。
「よぉーし! あと二時間、がんばるかぁ!」
その後、大きく背伸びをして気合を入れた。
 出て行く時、フサの鼾が聞こえ始めていた。


 東の空には、もう太陽が見え始めている。
 明け方なこともあり、外は結構寒かった。
「とは言っても・・・。暇だよなぁ、この仕事」
 ギコは見張り用の槍を片手に持ち、呟いた。
 元々この城はかなり平和な方だった。なので、門番の仕事なんかいらない、と言う者も多い。
 しかし、それは一気に覆される。もう、平和ではなくなるのだ・・・。



「ギコ! フサ! 夜勤ご苦労。昼は任せとけ」
 二時間後、昼の警備である二人の兵士がやってきた。ギコとフサは簡単に会釈をし、城に戻った。


「あぁーあ、疲れた」
 二人は愚痴を吐きながら、城にある自室へと向かった。
 この城は四階建て。一階は一般人でも入れる簡単な広場。二階は兵士の部屋や特訓場などがある兵士専用の階。三階は何かの研究者や学者など、特別な職業の人が入れる階。この階には一般人はおろか、兵士であるギコ達も入れない。兵士長などは別として。そして四階は王の間。ここには呼ばれた人しか入れない。
 この国の王の名前は<ひろゆき>。まだ若いが、仕事はしっかりこなしている。

 二階に着き、二人は相部屋へ向かった。しかし、元気のある声に妨げられる。
「ギコ君!フサ君!夜勤お疲れ!」
 振り返ると、後ろには書物をたくさん持ったピンク色のAAが立っていた。
「何だ、しぃか。お前も大変だろ」
「そうだよなぁ。召喚獣の研究だっけ?先祖が召喚獣使いだからって」
「うん。けど好きでやっているから・・・」
 声の主はしぃと言う少女だった。ギコ達とも仲が良く、小さい時は三人でよく遊んだ。
 成長したしぃは召喚獣の研究をしている。先祖が召喚獣使いだからと言っていた。その証拠に、と【召の紋章】と言われるしぃの家に代々伝わるものを持っている。それを調べる研究もしていた。
「あれ? けどギコ君ちもなんか紋章持ってたよね?」
「あぁ、【氷の紋章】ね。別に俺は興味ねぇよ」
 フサが思い出すように言った。ギコも頭を掻きながら言った。
「俺は・・・、【炎の紋章】だったっけかな?」
 二人とも紋章は持っている。しかし、それを調べる気はないし、興味もないらしい。
「俺たちの先祖って何なんだろうな?」
 少ししぃは考えていたが、急に手と手を合わせて言った。
「学者の流石兄弟さんに聞いてみよう! 確かあの人達も紋章持っているって!」
「成程、物知りの流石兄弟なら良いかもな」
 ギコがしぃの考えを肯定した。
「よし。善は急げ、行ってみるか」
三人は流石兄弟の部屋へと歩き出した。


 地下の部屋、薄暗い部屋の真ん中に紋章がおいてある。そこから不思議な声が聞こえた。
「こっ、こんな・・・所から・・・出る・・・のだ・・・」
 紋章が蠢く。
「力を・・・失わ・・・ないために・・・も」

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第二章

 ギコ達は三階に上がってきた。確かに研究者などの人が多く、薬のような臭いもした。
「なぁ、俺たちここに来ちゃダメなんじゃないっけ?」
 フサが二人に言う。
 確かに、ここにはただの兵士であるギコやフサは入ってはいけない決まりになっている。しかししぃが胸を張って言った。
「大丈夫!私が何とかしてあげる!」
 なんかなぁ、と二人が不安そうな顔になった。
「えーっとね、流石兄弟さんの部屋は・・・、あっちよ」
 しぃが指差した方向には薄暗い廊下、そして扉があった。
「変わりもんとは聞いていたけど・・・、ホント変わった奴だなぁ」
「そういう事言わないの!行ってみましょう」
 しぃを先導に三人は歩き出した。



「まさか知らぬ間に紋章が・・・」
「こんなことになっているとはモナ・・・」
 赤い絨毯が敷き詰められた部屋。その奥の方に玉座と見られる椅子がある。そこに、一人の男性が座っていた。そして周りには二人の男性。顔は困ったような表情だ。
「うむ・・・。このままでは魔王が復活するのも時間の問題だ」
 玉座の男性は顎に手をつけ考え込む。
「ひろゆき王。古の時代、魔王が現れた時倒したのは六人の賢者だと聞きました。その子孫がこの城にいるみたいです」
 王のひろゆきよりかなり年上と見られる男性、否、男性と言うより老人に近づいた男性である。
「大臣よ、それならもうここに一人いる」
 大臣は一瞬ポカン、となったがすぐ表情を改めた。
「モナー兵士長殿ですか?」
 言った途端、モナー兵士長といわれた男が言った。
「そうモナ。モナは古の賢者の一人、<ガナー>の子孫モナ」
 モナーの言った言葉に大臣が驚く。
 彼らはこの城の重役達。成程、モナーを除いては貴族風の服装だ。逆にモナーは薄い鎧を着ている。腰には長剣を付けていた。確かに何もない時に重装備では明らかにおかしいだろう。しかし、少年染みた顔からは、まさか彼が兵士長ということを信じる人はいないだろう。
「そうだったのですか・・・。他の五人については?」
 大臣の質問にひろゆきも困った表情だ。
「うむ・・・。それが分かればな・・・」
 またひろゆきは顎に手をつき考え込む。
 しかしモナーが口を挟んだ。
「王。二人なら知っています」
 モナーの言葉に今度は二人が驚く。
「何!? モナーよ! それは誰だ!!?」
 モナーはゆっくりと言った。
「学者の流石兄弟だモナ。彼らは姉妹の賢者、<流石姉妹>の子孫モナ」
 流石兄弟。その名が出て王は黙り込む。
「どうかしましたモナか、王?」
 モナーが聞くとひろゆきは苦笑いしながら言った。
「流石兄弟の祖父と私の祖父が友達だったんだ。しかし、一度大喧嘩をしてな・・・。それからは彼らの家系とは仲が悪い」
 意外な関係に大臣とモナーも驚いた。
「初耳ですぞ、王!・・・ではモナー殿に頼むとするか」
大臣がモナーの方を向き、言った。
「わかったモナ」

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第三章

「開けるわよ」
 しぃがドアノブに手をかけた。
「ちょっと待て!」
 突然ギコが叫んだ。何事か、とフサとしぃが見る。
「何だよ!?」
「紋章・・・。持ってきたほうがいいんじゃないか?」
 ギコが言った言葉を二人は納得する。確かに肝心の紋章を持ってきたほうがいい。
「フサ! 取りに行こうぜ!」
「あぁ! しぃ! 待ってろよ」
 二人は走り出した。
「えぇー!? ・・・もう!」
 しぃの額には青筋が一つ、うかんでいた。


「あったあった。これだな」
「俺もあったぞ」
 二人は自室に戻り自分の荷物を探っていた。それぞれ見つけた紋章にはその力を表す、不思議な紋がうかびあがっている。
「これが紋章・・・」
「結構威厳があるなぁ・・・」
 フサの持っていた紋章には【氷山】のような絵が描いてある。周りにはなぜか、冷たそうな蒼い冷気を纏っていた。一方ギコの持つ紋章には【業火】を表す炎が描いてある。周りには、紅い熱風を纏っていた。
「・・・行くか。気になってきたしな」
 二人は部屋を出る。その時、二人は気づかなかった。紋章が少し光っていたことを。



「遅い! 私は待つの嫌いなの!」
 案の定、しぃはかなり怒っていた。ギコ達は適当に謝り、部屋の前に立った。
「よし・・・開けるぞ」

  ガチャ・・・

「失礼しまーす・・・」
 ギコを先頭に部屋に入ると、中は廊下以上に薄暗かった。湿っている空気も感じられ、こんなところで生活できるのか考えさせられる。
 周りを見渡しても、流石兄弟らしき姿は見えない。しかし、部屋の一番奥から声が聞こえた。
「画像発見!直ちにクリック!」
「・・・ブラクラに千円」
 二人いるようだった。その後いきなり聞こえた音。

  ガガガガガガガガガガ・・・

 何の音かはわからなかったが、ギコ達は部屋の奥へ進んで行った。すると彼らの背中が見えた。緑と水色のAAだ。緑色のAAは椅子に座っていた。水色は机の横に立っている。彼らの目線にあるもの、それはパソコンだった。
「あのー」
 フサが一言声を出す。しかし、この声も彼らの声に遮られた。
「OK、ブラクラGET。流石だよな、俺」
「・・・仕事はしないのか兄者・・・」
 男性の声だが少し訛りのある声だった。
「フッ、悪いが弟者。俺はこの生活をやめる気はない」
「・・・・・・来客のようだ」
 三人は少し驚いた。水色のAAは自分達の存在に気づいていたらしい。しかし、緑色のAAは知らなかったらしく、慌ててこちらを振り返った。
「いつの間に・・・!? ・・・まぁいい。君達、どうしてこの部屋に来た?」
 緑のAAは水色のAAを軽く睨みつけながら言った。
 彼らが紋章の研究者、流石兄弟だ。緑のAAが兄者、水色のAAが弟者と言われている。
 やっと、自分達の存在に気づいた兄弟に少し戸惑いながら三人はとりあえず自己紹介をした。
「こんにちは、流石兄弟さん。私はしぃです。何回か会ったことがあるような気がするんですけど」
 しぃの自己紹介の途中弟者が口を挟んだ。
「あぁ、しぃちゃんか。君も紋章の研究者だな。よろしく」
 どうやら、二人ともしぃの存在は知っているらしい。
「えっと、俺はギコです・・・」
「お・・・僕はフサです。今日はちょっと紋章のことで聞きたいんですが宜しいでしょうか?」
 フサは目上の人に対する口調で話す。なぜこんな口調を知っているのか知らなかった。
「ギコとフサか。わかった。紋章のことねぇ・・・? なんて言えばいいだろうな」
 二人は考えていたが途中ギコが話しかけた。
「あの・・・、俺達も紋章持っているんです。そのことについて」
 ギコの言葉は最後まで聞いてもらうことがなかった。
「何!?君たちも紋章を!?」
「何の紋章だ!?」
 いきなり身を乗り出して聞いてきたので、三人は驚いた。
 だが、そのまま紋章を取り出して説明した。
 ギコの持つ【炎の紋章】。フサの持つ【氷の紋章】。そしてしぃの持つ【召の紋章】のことを。
 しかし三人はまたも驚いた。流石兄弟が口をポカン、と開けて見ていたからだ。
「あ、兄者・・・」
 弟者は兄者の方向を徐に見る。
「お、弟者・・・、ついに見つけた! 賢者の子孫だ!」
 兄者が叫ぶ。三人とも何がなんだかわからなかった。
「あの・・・。賢者の子孫って?」
フサが聞くと、兄者が答えた。にやり、と笑いながら。

 『お前達は古の賢者の末裔。偉大な力を持った六人の賢者の子孫である、三人だ』

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第四章

「はぁ?」
 三人はほぼ同時に答えた。自分が賢者の子孫だと言うのだ。現状が理解できない。
「あ、あの・・・。言っていることの意味がよくわからないと言うか・・・」
 ギコがはっきりしない口調で言う。兄者は頭を掻きながら言った。
「やっぱり、お前達にはまだ早すぎたか・・・。じゃあ、俺が愛用FM-Vを使って説明してや」
 台詞の途中兄者は顔を驚かせる。目線は入り口の方面だった。
 三人も振り返って、入り口の方を見やった。そこには見慣れないAAが一人。
「流石兄弟モナね?」
 白いAAだった。少し垂れ目で顔に浮かべている微笑。体格は痩せ型。フサより少し年上、と言った感じだろうか。
 しかし、鎧を着こなし、腰に長剣を付ける。これだけで城の兵士と言うことは想像がつく。
「誰ですか?」
 フサが流石兄弟に小声で聞く。この質問に二人は少し驚いていた。
「知らないのか? 彼はこの城の兵士長、モナーだよ」
 三人はかなり驚いた。特にギコとフサは目の前にいるのが自分たちのリーダーなのだ。驚きも大きい。
 自分達も装備はしているものの、モナーと違い簡単な鎧に短めの剣。自分たちより上の位という事まではわかるが、まさか兵士長だとは思わない。
「あ、あの人が・・・」
「兵士長だったのか・・・・・・」
 二人はまだ下の位。会議にでも参加しない限り彼が兵士長ということは分からない。
「来客のことなどどうでもいいモナ。それより君達二人を王が呼んでいるモナ」
「何?」
 流石兄弟も驚く。流石兄弟も研究者とはいえ、王のところへは行けない。しかし、直々に呼ばれると言うことは何かの緊急事態ということが分かった。
「王が俺たちに何の用だ」
 兄者が聞き返す。モナーはなぜか近づいてきた。小声で言いたいのであろう。
 兄者の耳に口を近づけ、ギコにも聞こえない声で言った。
「紋章のことについてモナ」
 兄者はにっ、と笑いを浮かべ、モナーに言った。
「丁度いいな。こいつらも連れて行くぞ」
 モナーは一瞬表情を変える。
「馬鹿なこと言うなモナ!王には呼ばれた方しか」
 言葉の途中で今度は兄者が顔を近づける。
「こいつらは賢者の子孫なんだがな」
 モナーは表情を驚きへと変える。
 ギコ達は何が起こっているのかまだ理解し足りなかった。



 結局、ギコ達は無理矢理に連れてかれた。
 三階に来るのも初めてだった二人は、かなりの緊張感が溢れていた。
「まさかこの城に子孫が六人とも揃っているとは・・・モナ」
 先頭を歩くモナーが呟く。
「王も驚くに違いないモナ」
 兄者が手を頭の後ろで組み、鼻で笑った。
「ふっ、そんなことを調べられないようじゃ・・・。この城も落ちるとこまで落ちたな」
 一瞬、モナーはムカッ、となるが周りを気にし咳払いをした。
「とにかく、あまり大事にならないようにして欲しいモナ。君達も頼んだモナ!」
「えっ!? いやっ・・・・・・はい」
 いきなり呼ばれたので、三人とも曖昧な返事しか出せない。
 ギコがぼぉーっ、としていると、いきなりフサに声をかけられた。
「おい、ギコ」
 小声で話しかけるフサ。ギコはなんだよ、といらいらしながら答えた。
「俺達が賢者の子孫って本当かなぁ?」
 ギコは返すことが出来ない。
 このことに関してはギコもちゃんと考えていた。流石兄弟や、モナーに言われたあの言葉。

  『君達は賢者の子孫だ』

 賢者の子孫。まだ、三人とも理解し足りないだろう。
(俺達が・・・、賢者の子孫・・・)
 紋章のせいなのか。それは王に会えばはっきりするかもしれない。
(【炎の紋章】が・・・、なぁ・・・)
 まだ賢者とは何かもはっきりしないのに、ギコの胸は高鳴る。

 やがて王の間に着いた。

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第五章

 王の間は赤い絨毯の敷き詰められた部屋だった。巨大な窓もつけられており、外から見える澄んだ空、はっきり見えた。
「初めて来た・・・。凄い広いなぁ」
 思わず、フサが呟く。確かに、この部屋はかなり広い。ここから玉座までも三十メートルはあった。
「俺たちも来るのは初めてだが・・・、流石は王、いい所にいやがる」
「無駄話はそこら辺にして、早く王に会うモナ」
 唯一、この部屋に入ったことのあるモナーが先頭を切る。しかし、残りの五人はそわそわとしている一方だ。
 玉座には、若い男性が座っている。この世界には珍しい、人間だった。人間は十万分の一の確率で生まれる。
「モナーご苦労、と言いたいところだが・・・、なにやら見慣れない顔もあるものだな」
 王の視線にはギコとフサ、そしてしぃの姿がある。
 挨拶としてモナーが頭を下げる。そして頭を上げる際に、状況を説明した。
「彼らはモナ達と一緒で、賢者の子孫モナ」
 にこにこしていた王も、いきなり表情を変える。
「まさか・・・!? 君達がか!?」
 また驚かれた、そんな顔でギコ達は苦笑いを返す。
 王が思わず立ってしまったので、玉座へ戻る。顔にはまだ驚きの表情が浮かんでいた。
「いやはや・・・、まさか・・・。この城に六人揃っているとは驚いた」
 モナーと同じ台詞を吐く。重役はこう言ってしまうのか、と錯覚してしまう。
「あの・・・、質問なんですが、賢者とはなんですか?」
 王がモナーに視線を送る。モナ?、と自分を指差し、モナーは溜息をついた。
「話せば長くなるモナ・・・。大昔に、<魔王サーガ>と言う魔王が現れたモナ。AA達はなすすべもなく、無残にもやられてきたモナ・・・。でも、それを断ち切ったのが古の賢者六人だモナ」
 魔王・・・。ギコはこの言葉が深く心に刻まれる。重々しい言葉、いつの間にか皆も黙りこくる。
「賢者達は激闘の末、魔王を封印することに成功したモナ。この城にある南の塔・・・、その地下に眠っている【封の紋章】にモナ」
 そういった途端、フサがいきなり呟く。
「聞いたことがあるぞ・・・。南の塔の地下に凄いものが眠っているって・・・」
 フサの言葉にモナーはゆっくりと頷く。そして、伝説の話を続けた。
 その時、ギコは鎧の物入れに入れた紋章が熱くなっていることに気づいた。しかし、皆が集中して聞いている中、悪いと思い何も言わないことにする。
「戦っているときに使っていた力・・・、それが【紋章の力】だモナ。<流石姉妹>・・・、流石兄弟の先祖モナ。彼女達は【雷の紋章】を使っていたモナ。<ガナー>・・・、モナの先祖モナ。彼は【風の紋章】を使っていたモナ」
 それぞれの子孫を調べていたモナーに皆は少し驚く。しかし、それよりも続きが気になった。
「<フッサラー>・・・、フサ? だったモナね。君の先祖モナ。彼は【氷の紋章】を使っていたモナ」
「【氷の紋章】・・・、俺の先祖がか・・・?」
 フサが思わず拳を握り締めた。自分の先祖のことなんて、皆考えもしなかっただろう。
「で、後二人モナ。<でぃ>・・・、しぃだったモナ? 君の先祖モナ。彼女は【召の紋章】の紋章を使ってたモナ」
 ギコも聞き取りにくかったが確かにしぃが、私の・・・、と呟いているところを聞いた。しぃはそのまま立ち尽くす。
「そして、最後。<タカラギコ>・・・、ギコ、君の先祖モナ。彼は【炎の紋章】を使っていたモナ」
 自分の名前が呼ばれた。ギコの先祖は<タカラギコ>・・・。ギコもフサと同様、拳を握り締める。
「長くなって悪かったモナ。こんな感じモナ」
 また、モナーは王に頭を下げ、一歩下がった。その瞬間。
「熱っ!」
 フサが突然声を出した。そして、徐に鎧の物入れを探る。
 顔を顰めながら出したのは、先程と依然変わりのない【氷の紋章】だった。だが、フサの手は熱に包まれた様だった。
「どうした?」
「なんか・・・、凄く熱くなってて・・・」
 【氷の紋章】は冷気を纏っている。しかし、ギコが手を近づけると、ギコも顔を顰めた。
「うわぁ! 熱っ! なんだよこれ!?」
 ギコはふと、気になった。
(【炎の紋章】も・・・!?)
 そのまま、ギコも物入れを探る。
「熱っ! どうなってんだ!?」
(中断・少し!文句言わないでください・・・T_T;)

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