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Each desire ~それぞれの思い~ (美怜)

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匿名ユーザー

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ネットワーク上の一角に広がる、「板」の中で。

「板」の住民の頂点に立つ、4匹の猫たち。

自らに課せられた、思わぬ災厄を前に。

彼らは何を思う?



Epsord1 Mona side



ギコがタカラっておもちゃ会社に、無理やり連れて行かれた話。

モララーからその話を聞いたとき、モナは危うく失神しかけたモナ。

・・・信じられなかったモナ。

モナだって、あの会社から作られたおもちゃは、小さい頃は大好きで、よく遊んでたモナ。

でも、そのときは失望したモナ。

あの会社は、平気でこんなにも酷い事をするのかって。

そう思ってたのは、モナやモララー、しぃちゃんだけじゃなかったモナ。

モナたちの呼びかけで、2ch管理人は早速動いたモナ。

そのかいあって、ギコは無事戻ってきたモナ。

本当に安心した。モララーもしぃちゃんも皆も、とっても喜んでたモナ。

・・・それなのに。

同じ災厄が、今度はモナに降りかかってくるなんて。




「恋のマイアヒ」って、何だかコミカルなあの歌。

ホントの歌詞は、至って普通のラブソングらしいんだけど、

ある2chの住人が、どこかの国の歌詞を日本語に空耳した、

接点も大意もへったくれもない、完全に受け狙いの歌詞を「板」に書き込んだ結果、

それはいつしかものすごい流行へと発展して行ったモナ。

その流行が、モナを突然襲ったモナ。

モナは、散々な言いがかりをつけられ始めたモナ。

プロモに映ってるあの変な猫と、モナは一緒じゃないかって。

それどころか、モナは偽者なんじゃないかって。



・・・違うモナ・・・

ホントのモナは・・・

ここに、いるモナよ・・・?

どうして、気づいてくれないモナ?



ギコ。

モララー。

しぃちゃん。

管理人さん。

「板」に住んでる皆。



皆は、モナを助けてくれるモナか・・・?

ギコの時みたいに・・・

モナの事・・・



助けて、くれるモナか・・・?



Epsord2 Giko side



漫画だとかアニメだとかのキャラクターをリスペクトして、おもちゃだとかゲームだとかの商品にする、

日本有数のおもちゃ会社、タカラ。

その会社の手は、とうとう俺たちの住むところにまで伸びてきて、俺を掴んだ。

・・・モナーには、モララーには、しぃには。

口が裂けても、絶対言えないけど。



俺は・・・正直、どうでも良いやと思ってた。



俺が会社に連れて行かれて、その会社の売り上げに貢献できるなら。

名誉なことだし、それはそれで良いかも、とか思ってた。



そんな考えは、数日後にはとうに消えていた。



「板」に住む奴らの必死の呼びかけで、2ch管理人がすぐ動いたこと。

管理人の、そしてみんなの思いが、会社の取締役に通じたこと。

モナーたちからそれを聞いて、俺は嬉しかった。

なんとも言えない感情が、俺の心を駆け巡ったんだ。



すったもんだがあった数日後。

いろんな「板」の「過去ログ」を見に行った・・・いや、正確にはモナーに無理やり連れてこられて、俺は絶句した。

ある時はラーメン屋台の大将。またある時は銭湯の番台。

ありとあらゆる場所から、俺だけの姿が、忽然と消えた風景。



代わりに、俺に良く似た、でも絶対俺とは違う奴がいた。

「俺」から「僕」に代わった一人称。

調子はずれのですます口調。

やたら愛想の良い目つき。

へらへらとした笑顔。



不思議がる人々。不安がる人々。涙する人々。



俺は俺自身の心を、今更になって悔いた。

たった一瞬だけでも「どうでも良い」と思ってしまった俺の心を、激しく悔やんだ。



そして歳月が過ぎた後、俺は疑ってしまった。

俺とほぼ同じ、いや、もしかしたら俺よりも酷いかもしれない災厄が、モナーに降りかかってきたなんて。



違うぞ、モナー。

あの俺を模した、へらへらしたキャラも、俺じゃない。

あのプロモに映ってる、変な猫だって、お前じゃない。

俺も、モララーも、しぃも、「板」の奴らも、管理人も。

皆、知ってる。

だから、お前達が俺にしてくれたみたいに、



俺は、お前を絶対助けるから。



Epsord3 Morara side



ギコが「逝って良し」と怒鳴る。

モナーが「オマエモナー」と返す。

僕が「マターリしようよ」と間に割って入る。

しいて言うなら、僕は、平和的キャラ。

自分で言う筋合いはないかもしれないけど、それが僕が僕であるべき姿だと思う。

それなのに。

いつからこうなっちゃったんだろう。

ふと魔が差して、アブノーマル系統の「板」を見に行った時、僕は絶句した。



しぃだとか、ぃょぅだとか、ちびギコだとか、ビーグルだとか。

そんな小さくて非力なAAたちの群れを、散々忌み嫌うばかりか。

ぶん殴って、蹴っ飛ばして、引きちぎって、踏み潰して、武器を使って、一匹残らず殺して。

そんな事をしながらも、心の底から楽しんでいる「僕」。

「モナー」や「ギコ」も一緒になって笑ってる光景まであった。



信じられない。信じられるわけがない。

現実を否定するように、僕は10分も経たないうちにその「板」を後にした。



帰り際、僕と同じ種族のAAたちが、僕の背中に向かって怒鳴った。



「モララーの癖に虐殺しないのか!信じられない!!貴様はモララー族の恥さらしだ!!」

黙れ。

「モララーといえば虐殺だろ!何で逃げんだよ!!」

黙れ!

「ストレスたまってんだろ!だったら殺せよ!!」

黙れ!!

「非力で臭ぇしぃを殺さないなんて、何様のつもりだ!!」

黙れ!!!



恥さらしは、あんた達だ!

あんた達こそ、何様なんだ!

どうも思わないのか!

しぃを殺すだけじゃなくて、原型すらも留めてない無残な姿にして、何が楽しいんだ!



僕がモナーたちにこの話をしたら、3人とも絶句した。

モナーは憤慨。ギコは激怒。しぃちゃんなんか、泣き崩れた。

その日は皆で、いっぱい怒って、いっぱい泣いた。

僕も一緒になって、涙した。

僕が、いや、僕の種族が、長い時を経てこんなにも変わり果ててしまった事が。

とてつもなく、悲しくて。



お願いだよ。

「板」に住む皆。

ホントの僕を見て。

あれは、僕とは違うんだよ。

僕は、こんなこと、絶対しない。

自分のストレス発散なんかのために。

いくらひ弱で情けなくても、しっかり生きてる一つの生命を、簡単に奪うことなんか。

出来る訳、ないのに。



僕には、絶対、出来ないのに・・・



Epsord4 C side



私、この世界に甘かったのかもしれない。

ちょっと言葉が厳しいところもあるけど、皆良い人だと思ってた。

私達のこと、大切にしてくれてると思ってた。



それなのに。



モララーさんからアブノーマル系統の「板」の話を聞いた時、私は絶句し、泣き崩れた。

モナーさんと、ギコ君と、モララーさんと同じ種族の人たちが、

私と同じ種族の人を、余興のために惨殺している光景。

でも、それよりも衝撃的だったのは。



「私」たちの、傍若無人すぎる振る舞いだった。



皆に「抱っこ」を強要して、どうにか受け入れてもらえれば可愛らしく喜ぶけれど、

断られれば五月蝿いぐらい泣き叫んで。

挙句の果てには自分の良いように現実を捻じ曲げて、

何の罪もない人を「虐殺厨」と煽り、罵る。

その結果その人の逆鱗に触れて、惨殺されてしまうのだけれど。



確かに、私は抱っこが好き。

抱っこされる時の、お互いのあったかさが、大好き。

ギコ君に抱っこされれば、とっても嬉しい。



だけど。



抱っこは絶対じゃない。

私は抱っこだけで、愛想振りまいてるだけで全部解決するなんて、全然思わない。

ギコ君だって、私達が管理人さんにいっぱいお願いして、どうにか返して貰ったんだもの。

今だって皆、モナーさんを助けるために、いっぱい頑張ってるんだもの。



お願い。

気づいて欲しいの。

ホントの私は、あんなじゃない。

愛想振りまいてれば、何でも上手くいくなんて思ってる、能天気なキャラじゃない。

モナーさんも、モララーさんも、ギコ君も、きっとそう思ってる。

だから、お願い。

あの私は、違うよ。

ホントの私じゃないよ。

だから、私を見て。



ホントの、私を・・・



・・・・・・

突きつけられた、4つの真実。

だけど、逃げはしない。

逃げても、何にも変わらない。

変わらない、だからこそ。



モナは。

俺は。

僕は。

私は。



立ち向かってみせよう。



ホントの、自分自身を、信じて。



~end~

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