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Southern Crossに見守られて・・・第一話


いつも通り街を散歩するギコ。

街の名前は「NIGHTMARE CITY」名前とは打って変わって平和な街だ。

そう、今までは・・・・・・・・ 

これから起こる悲劇は 街をその名の通り「悪夢の街」に変えてしまうのである・・・・・



ギコはそんな事は知る由も無い。今日も明日も今まで通りの生活があると信じている。

今日もフサの家に遊びに逝く途中だった。

「お~いフサ。遊びに来たぞ。」



--------NIGHTMARE CITY中枢部-----------------------------



「皆集まったか?」薄暗い部屋で紫色をしたAIが言った。

   「AI全員集合完了モナ」白色のAIが返事を返す。

   「よし、作戦実行は明日実行される。」

   「いよいよだね」赤色のAIが言った。

   「ハァハァ>>1さん・・・・」周りに比べると少し背が高いAIだ。口からは涎をたらしている。

   「この街を我々AIの物にするために何人たりとも逃がしてはならん」

   「全員処刑モナ?」

   「楽しくなりそう」赤色のAIは誰かを頃せる事が楽しみでたまらないと言った様子だ。

   「>>1さんハァハァハァハァもうすぐ僕のオモチャにハァハァ」相変わらず自分の世界・・・・・

   「ん?しぃはどうした?」

   「知らないモナ」

   「まあ、いい。よし、皆明日作戦実行の合図を待て。解散」



   「フハハハハハハハハハハハハ」紫色をしたAIは不気味に笑った。



--------------フサの家-----------------------------------------



  「くそ、また負けた!!」ギコが言う。

  「俺に格ゲーで勝とうなんて100年早し!」いかにも得意げに茶色の人物が言った。

  「チェッ・・・・・・ん?」

  「?どうしたギコ?」

  「・・・・・・いや、なんでも無い」

  「珍しいな・・・お前が考え事するなんて・・・・・」
  
なんで、こんなに背筋がゾクゾクするんだ?何か・・・悪い事が起こるような・・・・・・まさかな・・・・・・

                        

                      
この時のギコの悪い予感は的中する事になる・・・・・・
                        

 


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Southern Crossに見守られて・・・第二話




ここは流石家。ここに住んでいるのは、PC御宅の兄者。

そして、兄者に影響されている弟の弟者。ハッキリ言って弟者の方がまともである。

もう一人は、妹の妹者。流石家で一番マトモな存在だ。



兄者は、PCを眺めていた。どうやら、画像を探しているらしい。

そんな兄者の横で弟者がまるで、ツッコミを入れるタイミングを待っているかのように立てって居る。



  「お!!今度こそ本物だ!!」

  「・・・・・今日その台詞を効いたのは十五回目だ、兄者。」

  「絶対にコレは画像だ!!俺は、「名無しさん」を信じる」

    カチッ  兄者は弟者の返事も聞かないでクリックしてしまった。

   FMV: ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ



  「OK ブラクラゲット」

  「;;今日で何回目だろうな?いい加減諦めろよ、兄者;」

  「少しは妹者を見習えよ!」



妹者は何の変哲も無い本を読んでいる。変な兄弟が住んでいる場所に真面目な妹が一人いると、返って変である。



もう日が傾き空がオレンジ色に彩られようとしている。



  「時に兄者、もうすぐ一日が終わるぞ。あの台詞を言わないか?」 

  「ああ。そうだな。言わないと今日が終わらない。」


         「流石だよな俺ら」



私はあの中には入れないな。妹者はこの台詞を聞くと何時も仲間外れみたいで少し寂しかった



------------------------------丘の上で-----------------------------------------



月明かりに照らされた丘の上に一人座り込んで星を見上げている者がいた。



今日は満月だ。もう10:00も廻っただろうか?空には星達が煌いていた。



月の光に映し出されたその空を見上げる顔は何処か悲しそうだった・・・・・・



そう、その者の名前はしぃ。AI達の仲間である。

しぃは明日の作戦には反対だった。

しかし、しぃが反対した時には既に遅かった。

AI達はしぃが賛成しないと言う事を知っていたので、あえて作戦実行が決まったあとにしぃに知らせたのであった。



しぃの見上げる夜空に他の星よりも強い光を発する美しい星があった。



Southern Cross・・・・・・・・南十字星・・・・・・・・・それは暖かい光で街を包み込んでいた・・・・・・・・・・・・





          


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Southern Crossに見守られて・・・第三話





ギコはいつもより大分寝坊してしまった。

  「おかしいなあ?目覚まし時計をセットしたはずなのに・・・ん?」

ギコが寝坊した原因は昨日スイッチを入れ忘れたためであった。

しかし、ギコにとってそんな事はもうどうでもよかった。何か外が騒がしい・・・



急いで広場へ行ってみると、そこにはフサが来ていた・・・ずっと空を見上げている・・・

ギコが近づいてキタ事にもきずかないようだ・・・・



  「フサどうした?」

  「ギャア! なんだ、ギコか・・・脅かすなよ」

  「何で驚くんだ?何かあったのか?何時もと何も変わらないようだが・・・何かが違う・・・」

  「気づかないのか?今何時だ?」

  「? ああ、12:30だな。それがどうかしたのか?」

  「太陽を見てみろ」

  「?・・・・・・・・え!!?」


ギコには最初、フサが何を言っているのか分からなかった。
しかし、太陽を眺めているうちにある事に気づいた。

なんと、何時もなら太陽はもう頭上にあるころなのに、まだ地平線の上で止ったままだった。



  「太陽・・・動いてない・・のか?」信じられない、といった口調でギコが聞く。

  「ああ。」



しかし、それ以外に特に変わった事は無かったのでギコはいつも通りの生活をした。

もう、本当なら夕方になりかけている頃・・・外は、朝のままだった。



  「太陽が止まるなんて・・・どうなってやがるんだ?・・・でも、それ以外にも何か起こりそうだ・・・嫌な予感がする・・」



その時   トゥルルルルルルル  トゥルルルルルルル



電話が鳴った。



「はい、こちらギコ・・・・・え!なんだって?」

電話はフサからだった・・・・・・・・・・・「すぐに広場まで来い」



ギコが着くといきなりフサは言った。 

  「太陽を見てみろ」

  「?」

なんと、ついさっきまで地平線の上にあった太陽がいつの間にか頭上に来ている



  「コレはいったい何の現象だ?百科事典にものってねぇぞ!」

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フサは無言のまま太陽を眺めていた。

広場には沢山の人々が集まっていた・・・・・・

その中から不意に誰かが叫んだ  「おい、あれ見ろよ!!」



ギコとフサが見上げると、なんと太陽がどんどん黒くなってきている・・・・・



  「太陽が・・・・・・黒くなっていく」

  「日食・・・・なのか?」



日食にしては明らかにスピードが早すぎた・・・・・

五秒もしない間に太陽は真っ黒になった。本当にすぐの出来事だった。



太陽が真黒の球体になった瞬間悲鳴が起こった。

ビチャッ  血が飛び散る音・・・・・・・

ギコとフサが振り向くとそこには大量の血と真っ二つに切断された死体があった・・・



  「>>1さ~ん 何処だい?ハァハァハァ」



AIの八頭身がオレンジ色に光る鞭のような物を片手に広場に入ってきた。鞭からは血が滴り落ちていた。



いよいよAI達の計画が実行に移されたのであった。





                     


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Southern Crossに見守られて・・・第四話


  「なんなんだよ・・・あれ・・・」

  「なんで?AIの八頭身が・・・?」

いきなりの出来事に二人は、まだ現状が理解できなかった。広場にいる全員が「何が起こったの?」と言う顔をしていた。

  「>>1さ~ん 何処だい?今度こそ逃がさないよハァハァハァ」

    その言葉でギコとフサは我に返った。

「う・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

広場にいた全員が一斉に逃げ出した。



  「逃がさないよ。それに何処に逃げても同じだよ」

そう言って八頭身はオレンジ色の鞭を再び放った。



ギコの耳にも断末魔が響いた・・・・・



  「くそっ どうなってやがるんだ・・・・・」

  「とりあえず逃げるんだ」


五分ほど走ったあと不意にフサが立ち止まった



  「どうしたんだよ?逃げるんじゃないのか?」

  「ギコここで待っててくれ。すぐ戻る!」



そう言うとフサは来た道を引き返して逝った。

  「お、おい!!なんなんだ?そっちは広場へ戻る道だぞ・・・」



フサを置いて逝く訳にはいかなかったので、ギコは待った。



  「何をやってるんだ?もう五分は待ったぞゴルぁ・・・ぎゃあああ」

隣の突然ビルの窓が割れてオレンジ色の鞭がギコをはじき飛ばした。



   「ぐあっ」

ギコは地面に打ち付けられてあまりの痛さにのた打ち回る・・・・・・



ビルの陰から八頭身が出てきた。



  「何で逃げないの?ま、いっか。頃す前に少し聞きたい事もあるしねぇ」

オレンジの鞭がギコを捕まえて宙吊りにした。そして、ギコの首を絞め始めた。



   「がッ」

   「>>1さんは何処だい?君は>>1さんの知り合いだったはず。さあ、早く教えてくれ」

   「だ・・誰が・・おまえなんかに・・・・・・」

   「分かってると思うけど、君の命は今僕の手の上で転がされてるんだよネェ。早く答えてくれないと逝っちゃうよ?」

   「この・・・変・・態・・が・・・とっ・・・とと・・・うせや・・がれ・・・・・」

   「そんなに氏にたいのなら頃してあげるよ。仕方ないから>>1さんは自分で探すよ」

そう言うとギコの首を絞めていた鞭がさらにきつくなった。



  「う・・・・・・・・・」

   ちくしょう・・・・・・・目が・・・霞んできやがった・・・俺は・・・・ここまで・・・なのか?



薄れ行く意識のなかでギコはフサの声を聞いた。



  「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

なんとフサが大剣を持って走って来るではないか。



  「くらえ!!」

フサは持っていた大剣で八頭身に切りかかった。
八頭身はフサの攻撃を紙一重で避けた。



   「チッ!!」



ギコを締め付けていた鞭が緩んでギコは地面に落ちた。ギコの意識がハッキリしてきた。

  「ゴホッ ゴホッ おせーんだよ!」

フサ「すまん。帰りに迷ってしまってな。これでも全速力で走ってきたんだぞ」

確かにフサは息切れしていた。



気がつくと八頭身は何時の間にやら何処かへ消えていた。

  「その剣を取りに逝ってたのか?」

  「ああ。幸いこの騒ぎで武器屋はいなかった。」

  「盗んだのか!?」ギコは少し驚いた。

  「ああ。この際だから気にするな。万引きなんて俺達よくしてたじゃないか。」

  「・・・・・・・・俺の分はあるのか?」とっさにギコは聞いてみた。

  「激しい戦いの後があった。そこら中血だらけだった。どうやら暴れだしたのは八頭身だけでは無さそうだ」フサの表情は険しかった。

そう言ってフサはギコにリヴォルヴァー式の銃を投げてよこした。

  「悪いがそんなのしか見つからなかった。弾も六発だけだ。」

  「無いよりはマシだな。フサには命の借りが出来ちまったな・・・」

  「そんな事より、先ずは生き残った者たちと合流しよう」

  「そうだな・・」

二人は生き残った人々を探し出すため友の元へ急いだ。「無事で居てくれ」と祈りながら・・・・・





                   


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Southern Crossに見守られて・・・第五話


-----------------------------------流石家-------------------------------------

  「時に兄者、こんな状況なのによくPCに噛付けるな;」

  「こんな時だからこそソニアタンの画像をだな・・・・・」

       FMV:ガガガガガガガガガガガ

  「OK ブラクラGET!」

  「どんな状況でも結果は変わらないな・・・諦めろよ兄者」

  「外では今大変な事が起こってるみたいよ」妹者が会話に割って入った。



ドーーーン!! 何かが爆発した音・・・・・外から聞こえてくる・・・そんなに遠くない・・・



  「しかし、流石家に秘密の屋根裏部屋が有るとはな・・・・・」
    弟者は少し感心して言った。

  「ああ、こんな緊急事態の時に備えて漏れが用意しておいた」
   兄者はまだPCに噛付いているので、上の空の返事だ。

  「・・・・・・・・・・・どうせ母者から隠れてエロ画像探すために作ったんだろう・・・・」

   弟者は早くも感心した事について後悔していた。

  「何か言ったか弟者よ?♯」
 兄者がPCから顔を上げて聞いた。

  「いや、幻聴だ兄者。漏れには聞こえなかった・・・」
いつもの事だ、と言わんばかりにさらりと弟者が答えた。

  「そうか・・・・・幻聴か・・・・・・・・」
     簡単に騙される兄者・・・・・・・・・・

  「はぁ・・・・・・」
二人の会話のやり取りを聞いていた妹者は、思わず溜め息をもらした。

  
その時、妹者はいきなりグロック(銃)を構えた。

   「? どうした妹者よ?」 兄者と弟者がほぼ同時に聞いた。

   「し! 誰か来る・・・・・」

   「なに!?」



三人は天井に開いた穴から自分達の部屋をのぞいた・・・・・・

誰かが階段を上って来る。



  「いいか。出来るだけ騒ぎは起こすな。相手が俺達にきずかずに帰ってくれれば幸いだ。」
  兄者が言った。

  「ああ。戦闘はできるだけ避けたほうがいいな。」弟者も賛成した。



やがて声が兄者たちの耳にも聞こえてきた・・・・・・



「おい、大分荒らされてるぞ。ひょっとしてあいつ等は・・・・・」

「いや、あの抜け目無い兄者の事だ、きっと大丈夫に違いない」

「だが、これだけ家具も荒らされてるのに生きていたとしても、もうここにはいないだろう・・」



「ん?あの声は・・・・・ギコと・・・・フサ??」



天井の穴から部屋をのぞいていた兄者の目に茶色をした人物が写った。



「やっぱり・・・おい、弟者に妹者よ。大丈夫だ。ギコ達だよ」

  肩の力を抜きながら兄者が言った。

  「なに?ギコか?無事だったのか・・・てっきりやられたのかと思った」

 弟者が驚きと安心感の入り混じった表情で言った。

 
  「はぁ、流石兄弟はここには居ないらしいな」ギコは諦めかけていた・・

  「別の場所を探すか・・・・・・」



  「おいおい、それはつれねぇな」
   誰も居ないはずの部屋に突如声が響いた。


    「!!?」

二人はとっさに身構えた。しかし、目の前の人物を見ると武器を下ろし微笑んだ。

  「脅かすなよ兄者」微笑みながらギコが言った。

  「何処にいたんだ?弟者と妹者は居るのか?」フサも笑顔で聞いた。

  「ああ。流石家を甘く見るなよ。そこら辺に抜け道や隠し部屋がある」

ギコとフサが兄者の後ろを見ると天井の一部が外れて階段が降りて来ていた。

  「よ、お二人さん。元気してたか?」
 天井の外れた部分から弟者と妹者が顔を突き出していた。

  「流石家へようこそ」



----------------------------とあるビルの七階---------------------------------



 「外じゃ大変な騒ぎになってるね」表情の暗い一人が言う。

 「そうだね・・・」もう一人が答えるが、やはり表情は暗くそんな事どうでもいい、と言いたげな口調だ。

「頑張って人生を生きてる人達が頃されて、人生から逃げてる引きこもりの僕らが生き残るなんてね・・・」

  「皮肉なもんだね・・・」



街で動く人影らしき物はもう無くなっていた。街で動くものはない。

 そう、ついに街はその名の通り「悪夢の街」になってしまったのである・・・・・





                        


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Southern Crossに見守られて・・・第六話


-----------------------------昼なのに薄暗い裏路地-----------------------------

  「>>1さーん、これからどうするんですか?」

  「どうするって言われてもねぇ・・・」 >>1が答えた。

  「僕ら丸腰ですよ。もしAIとかに見つかったらどうするんですか?」
 今にも泣きそうな顔でおにぎりが聞いた。
  
  「どうするって言われても・・・どうしよっか?」>>1も返事に困っている様子だ。



その時二人の後ろで笑い声が聞こえた。

二人は驚いて後ろを振り向いた。

すると、そこには八頭身がいた。

  「どうもしなくていいよ。僕のオモチャになって氏んでもらうんだから。じっとしててよハァハァ」

  「うわあ、見つかっちゃったよ・・・どうすんの?」
おにぎりは半分べそをかいていた。

  「どうするったって、逃げるしかないだろ!!」
>>1はこの世の終わりだ・・・と言う表情をしている。

そう言うと二人は一気に駆け出した。

   「逃がさないよハァハァ」



------------------------今は人気の無い大通り---------------------------------



  「ちくしょう、誰もいねぇ。どこの家も荒らされてる」
    ギコが悔しそうに言った。

この街には数人の生存者とAI達。そして沢山の亡骸があるだけだった。

  「皆氏んじまったのか?」

ふと前を見るとすぐ目の前の壊れた街灯に寄りかかるようにして誰かが座り込んでいた。

ギコはとっさにフサからもらった拳銃を構えた。

  「誰だ!!」

そこにはピンク色をしたAAが悲しそうに座っていた。

彼女はギコの言葉に少し驚いたようだが、すぐに質問に答えた。

  「私はしぃ。あなたは?」

  「お、俺はギコだ」

  「一人なのか?」

  「うん。皆氏んじゃったから・・・・・」

  「そうか・・・・・悪かったな。・・・出来れば俺と一緒に来てくれないか?」

  「え?」しぃは聞き返した。

  「俺は今、できるだけ沢山の生存者を探してるんだ。一緒に来てくれないか?」

しぃは何も言わなかったが、軽く頷いてくれた。

 「ありがとう。必ずキミを護るから」

しぃは答える変わりに微笑んだ。しかし、その顔が何処か悲しそうだった事にギコは気づいていなかった。



-------------------------------とあるビルの七階-------------------------------



  「おーい、誰かいないのか!」

  「もう、何度も呼んだだろ。ここには誰も居ないんだよ兄者」

  「そうか・・・下から見上げるとこの階に電気がついていたと思ったんだが・・・気のせいか」

  「兄者!生存者を発見したわよ!!」隣の部屋から妹者の声が聞こえた。

  「何!!ホントか!?行くぞ弟者よ」

兄者と弟者が行ってみると、そこには紫色をした青年と白色をした青年が居た。どちらの顔も暗く沈んでいた。

紫色をした方が口を開いた。

  「はじめまして。僕はドクオといいます」

やはり、暗い口調だった。一目見ただけで三人はこの二人が引きこもりだと分かった。

白い方が口を開いた。

  「僕はヒッキーです。あなた方は?」

  「ああ、漏れは兄者。こっちは弟の弟者。で、あっちが妹の妹者だ」

  「僕達に何か用ですか?」 ドクオがどうでもいい、と言う風に聞いた。

  「実は知っていると思うが、今街が大変な事になっている。」
   
   兄者が説明しだした。

  「漏れ達はできるだけ多くの生存者を探している。AI達と戦わなければならないかもしれない」

  「だから、仲間が多いに越した事は無い。一緒に来てもらえないか?」

  「・・・・・せっかくですがお断りします」

 ドクオは初めから断るつもりだったようだ。

   「僕達は人生と言う道を踏み外した引きこもりです。あなた方の役には立てません。残念ですが・・」 ヒッキーもドクオと同じ意見だった。

  「・・・そうか。人には皆事情と言う者があるからな・・・仕方ないな」

   兄者が諦めていった。

  「漏れ達は無理にとは言わない。断られたんなら仕方ない。長生きしろよお二人さん」

そう言って兄者と弟者は階段を下りて行った。しかし、妹者は残っていた。

  「誰でも道を踏み外す事はあるわ。問題はそのまま諦めるか、元に戻ろうと努力するかどうかよ」

そう言うと妹者は兄者達の後を追っていった。

  


  「・・・太陽を最後に体一杯で感じたのって何年前だっけ?」

   不意にドクオが聞いた。  

  「もう、三年になるかな?」ヒッキーは考えながら聞いた。

 「・・・・・・・・Go, if you come ・・・・・ up against a hurdle.・・・・・・・・・・Fight,・・・・・・・・・ fight for the things you believe in・・・・・・・」

  突然ドクオが歌いだしたのだ。全く音程が取れていなく、途切れ途切れで上手いとはお世辞にも言えない歌だったが、ヒッキーは心底驚いた様子だ。

  「!!? それ、なんて言う歌?何処で知ったの?」

  そんなヒッキーの問いかけには答えず、ドクオは歌い続けている。

   「Passion, Joy,・・・・・・・・・・・・ Sorrow, pain and tears.
 All・・・・・・・・・・・・ they will be pabulum of・・・・・・ your life・・・・・」

   「・・・・・・・・行け・・・・たとえ困難に直面しても・・・・・
戦え・・・・・・君の信じた物のために・・・」

  ヒッキーは歌詞を途切れ途切れに訳しだした。

  「情熱も喜びも・・・・・悲しみも、痛みも涙も
みんな・・・・・・君の人生の糧に・・・・・・なるから・・・・・」
 
  ヒッキーはしばらく考えてから話し出した。

  「いい曲だね。何処で知ったの?」

 「・・・・・・・・・忘れた・・・昔の話だよ・・・・・・・・・」

   そう言ったドクオの顔は笑っていた。ヒッキーもつられて笑った。



 今太陽は地平線に完全に隠れようとしていた。

  薄暗くなって来た空に早くも南十字星が輝いていた。







Southern Crossに見守られて・・・第七話

-------------時間は少しさかのぼる・・・一時間前-----------------------

  フサはギコとは別の大通りで生存者を探していた。
しかし、いくら探しても、誰もいない。あるのは返り血と壊れた家具など・・

「やっぱり、何処にもいねぇな・・・もう日も暮れかけて来たし・・・AIに見つかる前に帰るか・・・」

そう思いかけていた頃ふと半壊した家に軽トラが止めてあった。

「これは使えるかもしれねえな・・・」

鍵は付けたままだった。かつての持ち主はもうこの世にはいないだろう・・・

フサがキーを回してみると・・・・・・

 ブルルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥ

「よし!動いたぞ!!」


------------>>1さんとおにぎり、そして八頭身---------------------------

  
 三人はまだ追いかけっこをしていたw

「もうだめぽーーーーーーーーーーー!!!!!??」
 
>>1さんの目は半分逝っている・・・・・・・
 
「頑張るんだ>>1さん!大分走ったから少しは引き離したかも・・・」

 ・・・・だったらイイなぁ・・・と思いながらおにぎりが振り返ると・・・

「>>1さ~ん 鬼ごっこたのしいねぇ~ きっと捕まえるからねぇ~ハァハァ」

「・・・・・・・・・☆$=#△■§Д【※θ⊿√☆$=#△■§!!」
「もうだめぽーーーーーーーーーーーーーーー」

おにぎりは精神崩壊を起こしかけだ・・・・・・

「おにぎりくん、頑張るんだ!!」

 今まさにデッド・オア・アライブを抜け出した>>1さんが言った。


 ・・・・・・・・・・・・三十分経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はぁはぁ 息が 苦しくなって はぁはぁ きたな・・・・」

「もう はぁ もう少し はぁはぁ 頑張るんだ >>1さん はぁはぁ」

もう二人の体力は限界だった。

そんな二人に対して八頭身は・・・・・・

   「ハァハァハァハァハァ >>1さーん」

もちろん、息切れなどしていない。ニタニタ顔で涎をたらし、妄想にふけっている。

「はあはぁ ここまで・・・はぁはぁ なのかな?はぁはぁ」

「おにぎり君・・・・・はぁはぁ 今まで色々と楽しかったよ」

「何言ってるんだよ、>>1さん! はぁ はぁ これからもっと楽しい人生を二人で歩むのさ! はぁ はぁ」

 
 「>>1さーん。そろそろ諦めてくれるかなぁ~? 早く遊びたくてさぁ」

八頭身は>>1さんを捕まえるのが楽しみで楽しみでしょうがない、と言った様子だ(当たり前かな・・・)


二人が「もうだめぽーーーー!!」と叫ぼうとした瞬間だった。


ブルルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン

向こうから軽トラックがぶっ飛ばしてくる。明らかに120Kmは出ている・・・

「!!?なんて危ない操縦だ・・・・・誰が操縦してんだろう?」

そんな事を考えていた>>1さんの目の前で軽トラックはドリフトして止まった。

中からフサが叫んだ。

「後ろに飛び乗れ!!急げ!!」

「フサじゃないか?無事だったのか!!よかった」
 
 >>1さんの言葉を最後まで聞かないでフサは再び叫んだ。

「早く乗れ!!」

二人が乗り込むとフサは軽トラを出した。(130Kmほどのスピード)

走り去る軽トラを見つめながら八頭身が言った。

「ちぇっ 逃げられたか。 今度は捕まえるからねぇ >>1さーん」






Southern Crossに見守られて・・・第八話


--------------------三十分後-------------------------------------------

フサは軽トラックを止めた。まだ、流石家まで3kmほどある。

「どうしたの?流石家に行くんじゃないの?」

おにぎりが聞いた。

「いや、ちょっと夕飯を買いに来たのさ」

そう言うとフサは近くの誰もいないスーパーから食べ物を手当たりしだい買ってきた(正確には、盗んできた)

「それって泥棒じゃない?」

心配そうに聞く>>1さんにフサは軽い調子で答えた。

「いつもの事さ。いつもより大分量は多いけどな・・・万引きなんてしょっちゅうやってたぜ」


軽トラックの後ろに水や食べ物を積み込み終えたフサは、そろそろ出発しようとした。

その時、遠くでヤヴァイ感じのする声を耳にした。

 「>>1さ~ん!!僕は何処までも君を追いかけるよ~」

見てみると八頭身がものすごいスピードでこっちに向かってくる。

「ゲッ あいつこんな所まで追いかけてきやがった!!逃げるぞ!!二人とも」

そう言うとフサは急いで軽トラックに乗り込みエンジンをかけた。

ブルルルルルルルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥン

二人も急いで飛び乗った。そしてすぐに軽トラックを出した。

「これで振り切れるはず・・・ってマジかよ!!」

フサは自分の目を疑った。

なんと八頭身が三人、何処からともなく現れて走って着いてくるのだ。

「おいおいおい、嘘だろ!こっちは100Km出してんだぞ。あいつら何者だ?」


しばらく走り続けたが八頭身はいっこうに諦める気配がない。

「>>1さん、八頭身との距離はどれくらいある?」

フサが聞いたが返事がない。

「・・・?おーい、>>1さーん?」

フサが振り向くとそこに>>1さんは居たが・・・・・・・・・・・・・・・

「Oh,God.Please help me! Oh,God Please help me ・・・・・・・・・・・・」

神に助けを求めていた・・・・・・・・

「・・・・・だめだこりゃ・・・おにぎり、>>1さんを現実世界に引き戻してやってくれないか?」

フサは今度はおにぎりに頼んでみたが、こちらも返事が無い。

「おにぎりー!おーい・・・ってお前もか♯!!」

おにぎりは何処かから十字架を取り出して、やはり神に祈っていた。

「アーメン、アーメン。神よ、罪深き我等を助けたまえ。アーメン」

「♯!!こんな非常時によくのんきに神に祈りをささげられるな!!二人とも起きろ!!」

フサがいくら二人を呼んでも、その声は二人には届かなかった。

「はぁ・・・」

フサはついに諦めたらしく、ハンドルをさらにギュッと握ってアクセルを踏んだ。

「これ以上スピードを上げるとヤヴァイな。未来にワープしちまうかも・・・
ま、それはそれで面白そうだな」

フサは独り言を言った。軽トラックのスピードは150Kmを超えていた。
そろそろエンジンが悲鳴を上げるだろう・・・・・・・




----------------------------------------------------------------------

Southern Crossに見守られて・・・第九話


ギコはフサより一足先に流石家に戻ってきた。

「おーい、兄者!俺だ、ギコだ。開けてくれないか?それと、生存者を一名見つけた」

「とりあえず決めたとおりに合言葉を言ってくれ」

中から兄者が答えた。

「えええええ;実は・・・忘れちまった・・・・・」

ギコは申し訳なさそうにしぃを見た。しぃは相変わらずうつむいている。

「・・・・・・・何!?合言葉がわからねぇ?お前、ギコじゃないな?ギコに化けて騙そうとしてるのか。そうは逝かない!」

「えええ!!あ、兄者!!俺だ!本当に合言葉忘れちまったんだよ」

「時に弟者よ、ギコの偽者がやってきている。妹者も呼んできてくれないか?一斉射撃でハチの巣にするぞ」

「人の話を聞けーーー!!」

ギコが叫んだ瞬間・・・  バキューーン

弾丸がギコの右肩をかすめた。

「ぎゃああああ  お、落ち着け兄者ぁ!!てか殺す気か!!?生存者も居るんだぞ!!?」

ギコが力の限り叫んだ。

「何?生存者が居たのか?それを早く言え!!」

と言う兄者の声が聞こえて扉が開いた。兄者の右手には拳銃が握られていて、先から煙が出ていた。

「お!ギコじゃないか?そんな所に寝っころがって何してんだ?」

明らかに兄者の顔は笑っていた。

「お前なぁ♯!!!」

ギコはまず、何処からこのアフォを殴ってやろうかと考えていた。

「ん?君が生存者?名前は?」

しぃに気がついた兄者は聞いた。

「私はしぃ。」

しぃは顔を上げて答えた。

「漏れは兄者だ。流石家へようこそ。おーい、ギコー。入らないのか?」

自己紹介を終えた兄者がニアニアしながらギコに聞いた。

ギコは悪態をつきながらしぃに続いた。

ふと、ギコは気になった事を聞いた。

「フサは?まだ帰ってきて来てないのか?」

「ああ。さっき、妹者に探しに行かせた。もうすぐ帰ってくるだろう」

と軽く答えた兄者の表情は曇っていた。妹者とフサが心配なのだ。



-------------------一方、妹者------------------------------------------


「何処にいったのかなあ。この辺に探しに来るって言ってたのに」

妹者はフサが一時間前まで居た場所に居た。

「ひょっとしてすれ違いになったのかな?」

そう言って妹者は乗ってきたバイクに乗って、来た道を引き返し始めた。


--------------------フサの方は-----------------------------------------

「くそッ!!燃料がヤバイ。どうすればいいんだ?」

まだ、八頭身に追われていた。

「>>1さーーーん!降りて来なよ~」

「「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・くしき主の光 心に満つ御空(みそら)渡る日の 影にまさるああ主よ、我が主よ 輝く御姿を胸に映すとは 我が主の恵み
くしき物の音は 心に満つ口に言い得ねど 主は聞き給う春ののどけさは 心に満つ鳥は声清く 花は香る愛の喜びは 心に満つかくて我が歌は ついに成りぬぅぅぅぅぅ」」

まるで八頭身の声から逃れたいと言わんばかりに、>>1とおにぎりは、賛美歌を熱唱していた。もう賛美歌533番まで来ている・・・

「うるせぇ!!いい加減やめろ!!!あと燃料ちょっとなんだぞ!!現実に戻って来い!!」

もう軽トラックの燃料が無くなりかけている。もって、せいぜい二kmだろう。

「一か八か流石家まで行って、反撃にでるか・・・それしかねぇ。流石家まで、ぎりぎりの燃料だな」
流石家の誰かと連絡を付けなければ・・・・・・・・・・・

フサは無線の電源をONにした。




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Southern Crossに見守られて・・・第十話


突然、妹者の無線が鳴った。

「誰かな?もしかしてフサ?」

妹者は無線をONにした。

「はい。こちら妹者・・・あ、フサ!?何してるの?皆、心配してるよ・・・え!!?ホント?」

『ああ、本当だ。今、八頭身に追われている。しかも三人・・・生存者は>>1さんとおにぎりを発見した。』

フサは慌てていた。もう、燃料も底を突きかけているだろう・・・

「>>1さんとおにぎり君?無事だったの。・・で、どうするの?ふりきれそう?」

『てめぇら、いい加減に目ぇ覚ませ!!賛美歌の次はお経かぁ!?うるせぇから止めろ!!聞いてんのかボケェェェェェェェ♯』

無線からフサの怒鳴り声が聞こえた・・・・

「そうとうヤバイ事になってるみたいね・・・」

妹者はボソッと言った。

『ボコッ!!「あ、>>1さ」ゴカッ!!』

何かを殴った様な音が二つ・・・・・・

「!!?どうかしたの?」

  妹者は驚いて聞いた。

『いや、何でもない。ちょっとハエが俺の周りをブンブン飛んでたもんでな』

焦り気味のフサの声が無線から聞こえた。

多分、>>1さんとおにぎり君を殴った音だろう・・・と妹者は思った。

「で、どうするの?」

『ああ。もう、燃料も残り少ない。あと十五分くらいで流石家に着く。そこで一斉に八頭身を狙い撃ちしてくれないか?』

「分かったわ。私もあと五分くらいで家に着くから。敵の数は?・・あ、三人だたっけ?OK 任せて」

『ああ、頼む』

そう言って無線は切れた。

「いてててて、あいつら思ってた以上に石頭だな・・・」

フサは右手を振りながらいった。


妹者はポケットから携帯電話を取り出して電話をかけた。

「あ、もしもし兄者?実はフサが大変な事になってるみたいなの。そこで・・・・・」

妹者は兄者達に作戦を話した。


---------------------流石家--------------------------------------------

「おーい、弟者よ。妹者から電話で戦闘準備だとよ。フサはまだ無事らしいが、>>1さんとおにぎりを連れているため、八頭身に追われているらしい」

兄者が弟者に言った。

「八頭身か・・・>>1さん連れてるんじゃしょうがないな・・・」

弟者も返事を返した。

その会話を聞いていたギコは言った。

「フサは無事だったのか・・・あの野郎、心配させやがって・・・で、どうするんだ兄者?」

兄者はニヤッと笑って、こう言った。

「諸君、銃を持て!第一種戦闘配置だ!!八頭身を迎撃する!!!」




Southern Crossに見守られて・・・第十一話
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「よし!もう少しで流石家に着く・・・燃料も限界だな・・・」

フサは必死にハンドルにしがみついていた。

   ブルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥン


-------------------------流石家-------------------------------------------

流石家では、皆が表に出て拳銃を握っていた。

「よおし!フサが軽トラで突っ込んできたら後ろの八頭身三体を迎撃する。で、よかったよな妹者?」

兄者が作戦の確認をしている。

「ええ。でも、間違えてもフサ達には当てないでね」

妹者が心配そうに言う。

「時にギコ。六発しかない弾をここで使うのか?なんなら俺達だけに任せてくれてもいいんだぞ。後で困った事になったらどうするんだ?」

弟者がギコに聞いた。ギコの持っている拳銃はリヴォルバー式で弾は六発限り。ここで弾が無くなったら、ギコは身を護れなくなる。

「ああ。あいつには命の借りがあるからな。それに、これはあいつがくれた者だ。あいつのために使っても罰は当たらないだろう・・・」

  ギコが答えた。

「分かった。ところでしぃはどうしてる?」

「部屋で座ってる・・・・・何か知っていそうだけどなぁ・・・何も話してくれない」

「そうか・・・ま、こんな事になったんだからな・・・相当ショックな事が起こったのかもしれないなぁ」    

ギコと弟者がこのような会話を進めているときだった・・・

「見えたわ!」 

妹者が叫んだ。

「よし!攻撃準備。照準を合わせろ!!フサたちは撃つな!!」

兄者が叫んだ。





「ようし、流石家が見えた!勝機はあるな。あいつ等さえちゃんとしてくれていれば、だが・・・」

 フサはバックミラーを見た。

「>>1さんをわたせぇぇ!!」「もう逃げられないぞ!!」「観念するんだな!!」

八頭身がそれぞれ叫んでいた。

「観念するのはお前らの方だ!!」

フサが叫んだ瞬間・・・・

パーーン パーーン パーン ズキューーン

    四発の銃声


「ぐっ」 「がっ」 「ちっ」

弾はそれぞれ八頭身の右肩、左足、右腕に命中した。
ギコの撃った弾は、三人目の八頭身の左手に風穴を開けた。リヴォルヴァーなので凄まじい威力を発揮していた。

「ぐあ・・・くそぅ・・左手が・・・やっぱりお前はこの前、頃しておくべきだった・・・・・」

ギコが左手を打ち抜いた八頭身は昨日ギコを殺そうとした奴だった。
もちろん、八頭身は全員そっくりなのでギコには見分けがつかない。

「もう一発お見舞いしてやろうか?」

兄者が凄みのある声で言った。


「くそう。。覚えてろ!>>1さんは絶対に奪い取るからな・・・」

そう言って八頭身三人は姿を消した。


「痛ってーーー!! 手がしびれてる・・・すごい反動だな・・・」

ギコが手を振りながら言った。

「ふーー、助かった・・・ありがとよ皆。」

フサが軽トラックから降りて例を言った。

「おう!無事で何よりだったな」

弟者が言った。

「>>1さんとおにぎりは何処だ?見つけたんだろう?」

  兄者が聞くと

「ああ・・・後ろに乗ってる・・どうやら八頭身に会ったショックで気絶しちまったらしい・・・・・」

フサが気まずそうに答えて妹者を見た。

「ふふ、例の件に関しては、秘密にしといてあげるよ」

  妹者はそう言ってウィンクをした。

「ああ。頼む。そうしてくれると助かるよ・・・・・」

フサはひとまず深呼吸した。

「あれ?>>1さん、なんか誰かに殴られたような後があるけどなあ?フサ?知らないか?」

兄者が探るような目でフサを見た。

「ギクッ・・・え、えーと、それはだな・・・つまり・・・」

  フサが言い訳を考えていると

「多分、気絶してるときに車が揺れてぶつけたんじゃない?」

妹者が代弁してくれた。

「あ、なるほど!流石だな妹者よ」

簡単に騙された兄者は>>1さんとおにぎりを担いで家に運んだ。




「借りは返したぜ」

突然声が聞こえたのでフサが振り返るとギコが拳銃を手に立っていた。

「・・・・・ああ。残り五発になっちまったのか・・・俺のせいだ・・・すまん」

突然フサが誤ったのでギコは驚いた。フサが謝る事などめったに無い事なのに。

「気にするなよ。この銃はもともとお前がくれた者じゃねぇか。それに、この前のお返しをしてやれたしな。フサ、おまえが謝るなんて珍しいな。明日は雨でも降るんじゃないか?」

ギコがちゃかすとフサは言った。

「確かに俺らしくなかったな・・・・・だがな見ろよ、明日は雨は降らねぇぜ」

二人が空を眺めると今日もSouthern Cross -南十字星- が美しく輝いていた。

「街が変わっても星はかわらねぇな・・・・・・」ギコが呟いた。

同時に流石家の居間の窓からしぃも夜空を見上げていた。その悲しげな瞳から一筋の涙がこぼれていた・・・・・


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Southern Crossに見守られて・・・第十二話
       


フサが無事に帰還して一時間後、殴られて気絶していた>>1さんとおにぎりが目を覚ました。

「ぎゃああああ!!神様~・・・ってあれ????」

目覚めた瞬間>>1さんとおにぎりは悲鳴を上げた。

「お前ら、夢でも追いかけられてたのか・・・・・・・トラウマになっちまうぞ・・・」

ギコがあきれて言った。

「あ!そうだ!!フサ!よくも殴ったな!!!」

「そうだそうだ!!許せないぞ!!!」

思い出したように二人が言った。

「げっ・・・い、いや・・あれは・・だな。。その。。あまりにも二人が・・・その。。。。。」

フサが口ごもっていると

「問答無用!!」

「言い訳結構!!」

そう言ってフサに殴りかかって行った。

「ぐわあ、痛!!って、てめぇらせっかく悪夢から開放してやったのによ・」

 フサが必死に言い訳すると

「「もっと酷い夢を見たじゃねぇか!!!覚悟せぇや!!」」

 ・・・・・それは逆怨みだろう・・・・・・・・

「いって!!噛み付くな!!!いてててて毛を抜くな!!!!」

五人の喧嘩を残りの三人はあっけにとられながら見ていた。

「あーあ、こうなっちゃったら代弁できないね」

妹者が笑いながら見ていた。

「なんだ、やっぱり殴ってたのか・・・・・そんな事じゃないかと思っていた。な、兄者」

「OK グラクラGET! 時に弟者よ、何か言ったか?」

「・・・いや、なんでもない・・・・・・・・・」

「ぷ・・・あははははは」

突然しぃが笑い出した。

皆は驚いた。さっきまで虚ろな目でうつむいていたのに・・・

「しぃが笑った・・・・・」

ギコも驚いていた。

しぃに気づいた>>1さんが聞いた。

「えーと、どちら様ですか?」

「あ、ゴメンなさい。私はしぃ」

しぃは笑いながら答えた。

「僕はおにぎり。よろしく」

ギコがふと、フサの方を見ると・・・・・・ボコボコにされていた。

「・・・・・・フサじゃなくて八頭身を倒せよ;;;」



--------------------次の日----------------------------------------------

「OK みんな集まったな?朝の会議を始めるぞ」

 兄者が言った。

「時に兄者よ、ギコが居ないのだが?」

弟者が周りを見回して言った。

「あいつはお寝坊さんだからな・・・・・」

フサが飽きれたように言った。

「すまないがしぃ、起こしてきてくれないか?」

兄者が言った。

「うん」


しぃが部屋に行くと、皆の予想通りギコは寝ていた。

「ギコくーん。起きて。みんなもう起きてるよ」

「・・・今日は日曜日だぜ・・・・・もうちょっと、ねむなふぉgはふぉいgh 」

「何寝ぼけてんの?もう。・・・火事だぁ!!」

 とっさにギコは目覚めた。

「な、何?火事か!!逃げなきゃ!!!」

ギコはあわてて逃げる準備を始めた。

「火事なんて嘘だよ。やっと、起きた。もうみんな話し合いしてるよ」

「え?ホントか・・・・・また寝坊したか・・・・・・・」

ギコは申し訳なさそうに皆の所に行った。

「よ、ギコ。どんな夢見てたんだ?蜘蛛に食べられる夢か?」

フサがニアニアしながら聞いてきた。

「うるせぇ!!」

とギコは返事を返した。

その時

「兄者、喜べ!レモナ達は無事だ。連絡がついた」

 弟者がいい知らせを持ってきた。


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Southern Crossに見守られて・・・第十三話


「なに?本当か??」  兄者が驚いて聞いた。

「ああ。兄者心配するな。たった今連絡がついた」

「して、連絡方法とは??」 

弟者がニアッと笑って答えた。

「『Skype』 だよ兄者。Skypeのファイルをダウンロードしている者どおしでチャットや話がだきるんだが、ずっとレモナ達を呼び出していたんだ。やっと連絡がついた」

と弟者が説明。

「何?話し合い???」

そう言って兄者が弟者の持っている自分のSMVを見てみるとマイクがついていた。

「時に弟者よ、漏れのSMVにいつの間にその様なファイルをダウンロードしたのだ?」

兄者が聞いたが、弟者は聞こえていないのかマイクに向かって喋りはじめた。

「こっちは8人の生存者が居るのだが、そっちはどうだ?」

すると、SMVのスピーカーの部分から声が聞こえた。

『こっちも、私を入れて8人だよ。「ショボン、ジサクジエーン、ネーノ、ニダー、ほじょるあ」と、昨日出合った、「ドクオ、ヒッキー」かな』

「おお、まさしくレモナの声!?便利な機能だな・・・」

兄者が感心した。

「ま、簡単に言ったらPC用の電話だな」

弟者が説明した。

『あ、今の声!兄者だね?一番にやられたのかと思ってたw』

レモナの声がPCから流れた。

「な、なにぃぃぃぃぃぃ♯漏れを馬鹿にするとは!許せん!!!」

兄者激怒。

「ギコ、あっちではいろいろと会話が始まってるぞ?さっき起きたばかりだろう。ゴロゴロするなよ」

フサが兄者達とは少し離れたところでギコに話しかけた。

ギコはひじをついてゴロゴロしている。

「何時間寝ても眠いんだから仕方ないだろ・・・ふぁ~」

ギコはあくびをしながら答えた。

「ったく。そういや、>>1さんとおにぎりと妹者としぃがいねぇけど?」

フサが部屋を見回して聞いた。

「二階で本でも読んでるんじゃねぇの?ふぁ~」

昼まで、皆は流石家で話あっていた。若干二名は昼寝、四名は読書をしていたが・・・

12:00位に兄者が言った。

「この街を出よう。」

「「えええええええ;;;;;」」

突然の発言に寝ていたものは飛び起きた。


「なんだ?話を聞いてなかったのか??レモナ達とで話し合って決めたんだ」

飽きれた、と言わんばかりの顔で兄者が言った。



それら、一時間ほど二階の四人も降りてきて今後について話し合った。

「もう一度確認するぞ。まず、チームは三つ。一つは漏れと弟者と妹者。もう一つはギコとフサとしぃ。最後は>>1さんとおにぎり。>>1さんとおにぎりは武器が無いから軽トラックを使ってくれ。」

兄者が作戦の計画を話した。これで三度目だ。

「おっと、言い忘れていたが、なんでバラバラに行動しないか分かるよな?」

兄者が突然不吉な笑みを浮かべながら言った。

「まさか・・・」

弟者がハッと気づいた。

「そう、AI達と戦う事になるのは、まず間違いない事だからだ。」

兄者が答えた。

「この街を無事脱出できた者は、別の街に救助を要請してくれ」

「って言われてもなぁ。俺達、生まれてこの方別の街になんて行った事ないからなぁ・・・」

ギコが言った。

「大丈夫だギコ。母者と父者とクックル先生は、一年に一回は旅行に出かけている。絶対に別の街は存在する」

兄者が気合を込めていった。

「そう言えば、疑問に思っていたんだが、母者を見かけないな」

フサが妹者に聞いた。

「うーん、一週間まえに旅行に出かけたっきりなんだけど・・・」

考えながら妹者が言った。それを聞いて弟者が言った。

「母者は大丈夫だろう。・・・隕石にぶつかっても帰ってきそうだからな・・・」

弟者は顔を青ざめさせながら言った。日頃の母者の最強ぶりがよく分かった。

「・・・・・とっとと出発しようぜ・・・なぁ、しぃ」

ギコが言った。

「え?・・あ、うん」

「ったく、いつまで長ったらしい話を続ける気だ・・・」

ギコが溜め息をついた時にその声は聞こえた。


       “少年よ、このイツワリの街を出よ”


「イツワリの・・・街・・・・・・?」

ギコは今聞こえた声の主を探そうとキョロキョロと辺りを見回した。

ギコは謎の声に気を取られていたので、しぃがとても驚いた顔をして、ギコを見つめ返していた事には気づかなかった。

もし、ギコがしぃの反応に気づいていたとしても、その悲しげな表情が語る本当の意味は理解できないだろう・・・

ギコが謎の声の正体を深く考える暇も与えずに、ついに兄者が立ち上がりこう言った。

「よし、みんな出発だ。氏ぬなよ。もう一度、生きて会おうぜ。」

 そして、流石家全員が敬礼をした。兄者がみんなを眺めた。
     
        そして静かにこう言った。
        
           「Good Luck !」




      
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Southern Crossに見守られて・・・第十四話



「これから何処に向かうんだ?」

朝にも関わらず薄暗い路地を三人は隠れながら歩いていた。

「とりあえず、この街から逃げられそうな所はないか?」

フサが聞いた。

「って言われてもなぁ・・・街の外に出られる場所なんて知らねぇよ・・・」

ギコが首を傾げながら答えた。

「街の外につながってる場所なんてあるのか??しかも、何で俺www

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