モナー小説掲示板ログ保管庫@wiki(´∀`*)

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・・・プロローグ・・・

 事の始まりは6年前だった。
 「上層部の輩はなんといっていた?」
 研究室だろうか。そこで長髪の男が、『夜勤』と書かれた帽子をかぶった男に聞いた。
 「とっとと実験に移れ!・・・とのことです。」
 「全く、老人共は何を考えているんだか・・・。一度も成功例がない、しかも名前からして『失敗しますよ~』っという感じの実験をやれだと?おまけに何故私が責任者の役までしなくてはいけないのか、あの老人共に小一時間問いt」
 「しかし、上からの命令には逆らえません。」
 「・・・クッ、仕方ない。で、誰が中にはいるのだね?」
 「ここの研究員の皆様の1/3の方と、削除人の皆様だそうです。あと、母者さんの息子さん達とそのお友達だそうです。」
 長髪の男は少々驚いた口調で質問した。
 「・・・彼らは自らか?」
 「自ら、だそうです。ちなみに削除人の皆様は、何らかのトラブルが起こったときのため、だそうです。」
 『夜勤』と書かれた帽子をかぶった男は、つらそうにいった。
 「彼らは、おもしろいゲームかなんかだと思っているだろうな・・・。実際はゲームなんかではないのにな・・・。しかし、やらねばならない、か・・・。」
 しばしの沈黙が研究室に流れた。そして。
 「・・・ただ今より、『NIGHTMARE CITY計画』を実行に移る!夜勤!!研究員及び削除人共と、彼らをカプセルの中にはいるようにいってくれたまえ!それから、残りの研究員に『管理AI』と念のため監視プログラムのスタンバイをするようにいってくれたまえ!!!」
 「了解!!(人使い荒いなぁ、ひろゆきさん・・・)」
 そういうと夜勤という男は、研究室の外に出ていった。中に残っているのはひろゆきという長髪の男だけだった。
 「・・・今まで3回やってきて失敗したが、今度こそ成功してくれ!未来がある彼らのために・・・!!」
 だがそんなひろゆきの願いもむなしく、この実験は彼が恐れていた事態になっていくのである・・・。
 そう、NIGHTMARE(悪夢)の始まりである・・・。
──────────────────────────────────




・・・第一章~予兆~・・・

 ジリリリリリリ・・・・・・
 とあるマンションで目覚まし時計が鳴った。かなりの高音量だ。
 その中でけたたましい音にも関わらず、寝ている少年がいる。
 彼の名は、ギコという。弱冠16歳の黄色い猫AAである。短気で、物事を感情にまかせて行動するタイプだと、周りからはよく言われている。さらには、半日は眠っていられるというのが驚きなところである。
 「う~ん・・・うるさいなぁゴルァ・・・。」
 しかし流石のギコも、高音量の目覚まし時計が5分もなっていれば目が覚めてくる。
 「何だよ・・・まだ8時じゃねぇか・・・・・・って8時いぃぃぃぃ!!!!?」
 普段この時刻ならば、高校に行って友達と教室でおしゃべりをしている時間である。更に言うと、この10分後にはホームルームが始まっている。
 「兄キィ!!兄キィィィィ!!!!・・・・・・ってこんな時間にいるわけねぇか!」
 微妙にたった寝癖をくしでとかし、半べそかきながらギコがいった。
 普段ならばギコの兄は大学にいるはずだ。普段ならば・・・。
 「うるせぇ!朝っぱらからドタバタしてんじゃねぇゴルァ!!!」
 声の主は、ダイニングルームから聞こえた。そこには、今ならとっくに大学に行っているはずの兄がお茶を飲んでいた。
 「!?!?あっキ!?何でいるんだよ!?しかも何であんな時間に目覚まし時計が鳴ったんだよゴルァ!?」
 お茶を飲みながら少々驚いた顔をしている彼の名は、フサギコという。ギコと違って、毛がものすごくに多い茶色のAA猫だ。
 他の者達からみれば、兄弟とは思わないだろう。性格が一緒じゃなければなおさらだが、性格は同じなので、まだ何とかなる。
 「ああ、もう分けわかんねぇよ!!でっけぇ音で目覚まし時計は鳴るし、今は8時とっくに過ぎちまってるし、おまけに兄キはのんびり茶なんか飲んでるし!!!どーなってんだよゴルァ!!!!!」
 あわててるギコをみて、フサギコはため息をつきながら質問した。
 「ギコ、質問するぞ・・・。今日は何曜日だ?」
 「何いってんの!?決まってンだろ!?今日は日曜・・・日・・・・・・あっ。」
 「ようやくお気づきのようだな、バカ弟。」
 ギコはすっかり忘れてた、という顔をしていた。
 「じゃぁ、あの大音量の目覚まし時計は?」
 「オレがセットした。もし起きなかったら、木刀で殴りつけてたが、手間が省けて良かったよ。」
 ギコは、なんだかむかつくようだが、安心したような気分だった。
 「なんだぁ、今日は日曜日かぁ。・・・・・・もういっぺん寝てくる。」
 「待たんかバカ弟!!!」
 寝室へ戻ろうとするギコを、フサギコは引き留めた。
 「なんだよ兄キ?」
 「まずメシ食え!!それから今日は出かけるぞ!!!」
 「ハァ(゜Д゜)!?なんでまた!?」
 そういったときにはもうすでにギコは、椅子に座らされていた。
 「ああ、今日から近くの科学館にプラネタリウムができるんだよね~。だからさぁ、みんなで行こうかなぁ、っと。」
 フサギコは目を輝かせていった。ちなみにフサギコは、天文学などが大好きらしい。
 「オレは勉強は嫌いなんだよ。他の奴らを誘えよな。」
ギコは冷めかかった朝ご飯を食べながら、ぶっきらぼうに行った。
 「なにいってんだよゴルァ!オレの弟だからこそ、連れて行くんだよ!」
 「なっ・・・なんでそうなるんだよ・・・」
 「あ~そうそう。おとといさ~削除人に知り合いがいるって奴から大剣をもらっちゃってさ~」
 「ハァ(゜Д゜)?何いってんの?バカじゃねぇか?」
 どうせオモチャだろう、とギコは思った。
 「しょうがないなぁ。見せてやるよぉ。」
 フサギコは嫌みったらしくいって、自分の寝室へ行った。
 2分後。フサギコが大剣を持ってきた。見た目は本物っぽいが、オモチャだろう、とギコはまだ思ってる。
 「疑ってるな?よしギコ、そこに閉まってあるまな板をとってくれ。」
 「分かった分かった。それを斬るんだろ?」
 「そーゆうことw」
 何考えてるんだ、とギコはそう思いながらしぶしぶまな板を取りに行った。
 「持ってきたな。んじゃ、逝くぞ・・・。」
 (その『逝』はオレの口癖のヤツだろう・・・)
 そういうとフサギコは左手にまな板を、右手に大剣を持って振り下ろす準備をした。
 ちなみにギコの口癖は、『逝ってよし』らしい。
 「・・・・・・でやあぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
 フサギコはかけ声と共に、右手の大剣をまな板にめがけて振り下ろした。
 次の瞬間、スパンッ、と何かが斬れた音とともにまな板が真っ二つに割れた。
 「えっ・・・マジ・・・ホ、ホンモノ?」
 ギコはあまりの出来事に唖然とするしかなかった。なぜなら、そのまな板は昨日買ってきたばかりの新品だったからだ。
 「本物だよw だからおまえは逆らえない。」
 フサギコはキッパリと、そしてまた嫌みったらしくいった。
 「こ、このクソ兄キィィィ!!!!!!!」
 「あははは。というわけで、準備ができ次第オレに声かけろよ。そうだ。せっかくだからおまえの友達も誘えよ。つか、誘え。」
 フサギコは脅しをかけながらいった。
 「バ、バカヤロォーーーー!!!!!」
 ギコは半べそをかきながらいったが、もはやフサギコの耳には届いていなかった。


 ギコとフサギコが低レベルな兄弟喧嘩をしている間、ある民家ではある愉快(?)な兄がパソコンをやっていて、それを弟がみていた。そして・・・。
 ガガガガガガガ・・・・・・・・・・・・・・・
 「Ok、ブラクラゲット。」
 「相変わらずある意味流石だなぁ兄者。この朝だけでもうすでに30回はブラクラとってるぞ。」
 「ふふふ、流石だろう。」
 (そういう意味でないのにな・・・)
 パソコンをやっているのは兄者という。ここの民家に住む、流石家の長男である。年は20歳で黄緑色の猫AA。趣味は萌え画像及び動画集め・・・だそうだが、動画どころか、画像すら一つも集まっていない。代わりにゲットするのはブラクラなどである。だが以外にも、地理以外の勉強はできるらしい。
 一方兄者の横でつっこみを入れている彼は、弟者という。兄者よりもまじめな、流石家の次男である。年は19歳で水色の猫AA。勉強は苦手だが、スポーツは万能にこなせるという。だが、引きこもりがちな兄者につきあっていて、最近ろくに運動していないという。
 「さてと・・・再起動、再起動。」
 「兄者、まだやるのか?いい加減あきらめたらどうだ?」
 弟者の言うとうりである。だが、兄者はあきらめる気配がない。
 「何を言う?ピンチの後にチャンスありとも言うだろう。それと同じで、ブラクラの後に萌え画像あり、だろう。」
 「いや兄者、そういうことj」
 弟者がいい終わる前に、すでに兄者がブラクラをゲットしていた。
 「OK、またまたブラクラゲット。」
 「兄者、いい加減にしろよ#」
 弟者も間抜けな兄に、少しキレてきたようだ。一発殴ってやろうかと思ったときだった。
 「おっきい兄者、ちっちゃい兄者、おはようなのじゃ~。」
 「おっ妹者か。おはよう。今日はやや遅かったな。」
 「おはよう、妹者。(ちっ、運が良かったな兄者・・・。)」
 眠そうに目をこすって兄者達の方へきている彼女の名は、妹者という。12歳の流石家の一番末っ子である。流石家の中では、最もまじめな方である。しかし、外見はスカイブルーの髪の毛と、それと同じ色の目をもつ人AA
である。それに比べて、兄者及び弟者は猫AAだ。性格、外見共に、本当に兄者達の妹とは思えない。口癖は、語尾に『~なのじゃ』と付けるらしい。
 「ねぇねぇ、ちっちゃい兄者~、さっきから携帯電話が鳴っているのじゃ~。」
 「何、まことか?それならばすぐに出なければ・・・。」
 「ちゃんと持ってきたのじゃ~。」
 「おお、すまない。」
 弟者は、妹者からまだ鳴っている携帯電話を受け取ると、早速電話に出た。
 「ん?フサからだ。おそらく兄者にだろうが・・・。フサか?」
 [フサだが・・・、悪いが、兄者いるか?]
 電話口の相手は、フサギコだった。
 「今、ブラクラをゲットしているところだが・・・変わるぞ。兄者、フサからだ。」
 そういうと弟者は、兄者に携帯電話を渡した。
 「・・・兄者だが。」
 [あのさ~、今日暇?]
 「氏にそうなぐらい暇ですが何か?」
 「ちょうどいい!!今から科学館いかねぇ?プラネタリウムができたって聞いたから、おまえらも誘おうかなって思ってんだけどよ?」
 「プラネタリウムか・・・。弟者達と話し合っていけたら行ってみよう…。」
 「そうか!?わかった。じゃぁ科学館の正面の時計台前で待ってるから、来れたら来いよな!」
 「OK。では、さらば。」
 そういうと兄者は携帯電話を切って、弟者に返した。
 ちなみにフサギコは、フサとも呼ばれている。
 「フサ、なんて言ってたんだ?」
 「科学館にプラネタリウムができたから来ないか、とのことだ。」
 「プラネタリウム!?すごいのじゃ~!!おっきい兄者~、連れてって欲しいのじゃ!!」
 「いいかもしれんなぁ。兄者、連れってくれ。むしろ、連れてけ!」
 兄者は少し迷った。まだ萌え画像を取りたいらしい。。だが、すぐに答えた。
 「うむ、たまには外に出るのも悪くないだろう。そうと決まれば早速準備に取りかかるがいい。」
 「OK、兄者。」
 「オッケーなのじゃ!」
 弟者も妹者も、張り切って準備に取りかかった。
 しかし、浮かれている弟者や妹者と違って、兄者は何かを感じ取っていた。
 (なんか嫌な予感がするが・・・気のせいか?だと良いのだが・・・。)
 その予感が気のせいではないことを、兄者達は身をもって思い知らされることになろうとは、思っていなかった。


 「ギコ、おまえは誰を誘ったんだ?」
 フサギコは携帯電話を切りながらいった。
 「ん?ああ、クラスメイトの≫1とおにぎりを誘ったけど。」
 ギコは、クラスメイトの≫1とおにぎりという人物を誘ったらしい。
 「なぁ兄キィ。今更だけど、質問していいか?」
 「?何をだ?」
 ろくな事じゃないだろう、とフサギコは思った。
 「この町の名前ってさぁ、本当はなんていうんだ?」
 本当にろくな質問じゃなかった。だがそれは、この大都市の住民達にとってはろくな質問ではなかった。無論、フサギコもそうだ。
 「う~ん・・・どうなんだろうな・・・オレにもさっぱりだ。」
 実はここの住人達は、この大都市の名前を知らない。そういうことに気づいたのは、つい最近の4年前だ。名前のない都市なので、住人達は勝手に『ナナシティ』と名付けらしい。
 「う~ん、今更ながら気になるな~・・・・・・ってあれ?」
 『ナナシティ』の本当の名前を考えていたギコは、ふいに上を向くとあることに気がついた。
 「んっ?どうしたギコ?」
 フサギコもつられて上を向く。
 目にしたものは、太陽がどんどん黒くなってゆくところだ。
 「何だぁ、あれ・・・?」
 「日蝕だ。」
 「日蝕?」
 ギコは不安そうにフサギコに質問した。
 「ああ。オレも見るのは初めてだが、月が太陽と地球の間に入って太陽光線をさえぎって、太陽を隠す現象らしい。しかし、恐ろしく早えーな・・・。」
 1分もしないうちに、太陽が真っ黒になった。
 「まっ、オレら自身に害はないはずだから、このまま行こうぜ。」
 「え・・・あ、ああ。」
 だがギコにはこれがただの日蝕でないように見えた。
 そう、彼には何かの予兆に見えたのだ・・・。


 ちょうどギコ達が住んでいたマンションの屋上。そこに紫、赤、白、長身かつ白い猫AA達が何やら話し合っていた。
 「・・・時が来た。」
 「アヒャヒャヒャヒャ、ミナゴロシノジカンダ!!」
 「もうすぐ、モナ達の計画のスタートモナね。」
 「ハァ、ハァ、・・・≫1さん・・・。いよいよだよ。」
 内容からして、良い会話ではない。
 「まぁ待て。計画実行はこれより1時間後だ。」
 紫色の猫AA がいった。
 「ドウシテダヨ!?」
 「しぃちゃんがいないからモナ。」
 赤色の猫AAの質問を、白い猫AAが代わりに答えた。
 「そうだ。まぁそれでも見つからなかったら、さっきも言ったとうり1時間後に計画開始だ。」
 「チッ。シカタネェナ。」
 「OKモナ。」
 「1時間後に合おうね、≫1さん・・・。」
 「よし。じゃぁ、一応それぞれの持ち場に散れ!」
 紫色の猫AAがそういうと、他のみんなはそれぞれ散っていった。
 「しぃ、1時間だけ猶予を与えてやる。それまでに戻らなかったら・・・キミも殺すからな!」
 そういった瞬間、彼の左手から紅色の大剣が出てきた。
 もうすぐ、悪夢が始まろうとしている・・・。


 ギコ達のマンションから、少し離れた路地。そこに1人のAAが、ビルの壁により掛かって座っていた。16歳ぐらいの、桃色の猫AAである。
 彼女の名は、しぃという。そう。あの紫色の猫AAの仲間である。
 しかし、彼らがこれから行う計画には反対して、1人抜け出したのだ。
 「モララー。あなたはここのみんなを殺せば、自由になれてあっちの世界へいけるっていってたけど、それは間違いよ・・・。殺せば殺すだけ、自由が失われるのよ・・・。私は、あなたの『人間界へ行く』という野望を阻止してみせるわ。ここのみんなのためにも・・・、あっちの世界の人達のためにも・・・!」
 そう固く決心すると、しぃは走り出した。あの紫色の猫AA、モララーがいう、『人間界に行く』という野望を阻止するために・・・。
──────────────────────────────────




・・・第二章~悪夢の始まり~・・・

 ギコ達が、みんなと待ち合わせをしている場所に着いたのは、ちょうど8時30分頃だ。そこは、科学館の正面にある、時計台であった。
 そしてそこにあるベンチには、2人の人影が座っていた。
 「おっ、≫1におにぎりじゃねぇか。おーい!」
 ギコはベンチに座っている二人に声をかけた。どうやら顔見知りらしい。
 「あっ、この声は・・・。やっぱりギコ君だ!」
 「ホントだワッショーイ。」
 『ワッショーイ』と語尾にくっつけてぎこに向けて手を振った彼の名は、おにぎりという。ギコとはクラスメイトである。顔の形がおにぎりと同じな、ちょっと変わったAAである。
 そしてその隣にいる人AAは、≫1という。彼もギコとはクラスメイトである。黄色くたった髪も毛と、それに似合わない細目が特徴的である。
 「やあ、ギコ君。来たんだ。」
 「まあな。・・・脅されてだがな・・・。」
 「ギコ~?なんかいったかゴルァ~?」
 「何でもありませんよ、兄さん!!」
 口喧嘩しながらも、ギコ達は空いているベンチに座った。
 「フサさん、ご無沙汰してます。」
 「ああ、こっちこそバカな弟が世話になってるな。」
 「……(゜Д゜#)」
 「これで全員かワッショーイ?」
 「いや、あと流石兄弟が来るはずだが・・・。」
 あの兄者のことだ。多分来ないだろう、とフサギコは思った。だか、その予想は外れた。
 「お~い。フサ~。」
 聞き慣れた声だ。そしてその声の主も知っている。兄者だ。
 「ども。」
 「おはようなのじゃ~。」
 「へ~。来たんだ。てっきり来ないかと思ったぜ。」
 「失礼だぞフサ。俺だって、たまに外を出歩くときぐらいあるぞ。」
 「・・・とにかく、これで全員か?」
 ギコがみんなにそう訪ねた。
 「うん。レモナちゃんも呼んだけど・・・、今日は忙しいから来れないって。」
 ≫1がそういうと、弟者もつづけていった。
 「こちらもネーノを呼んだが、用があるから来れないらしい。」
 「ということは、これで全員だねワッショーイ。」
 今回時計台に集まったAA達は、ギコ、フサギコ、兄者、弟者、妹者、≫1、そしておにぎりである。
 「・・・では全員そろったところで早速見に行こう。宇宙の闇を・・・。」
 右手を挙げつつ、座っているギコ達に兄者は言った。
 「・・・」
 誰もが沈黙する中、やっと弟者がつっこんだ。
 「兄者、その台詞はまずいだろ・・・。」
 「・・・そうなのじゃ。ちょっとまずいのじゃ・・・。」
 まじめだがつっこむことは少ない妹者も、珍しくつっこんだ。
 「むっ、そうか?」
 「ま、まあ全員そろったということで、早速行きましょう。」
 「そ、そうだなゴルァ。」
 ≫1に続いて、ギコも行った。
 「んじゃぁ兄k・・・って、兄キ?」
 「フサさんなら、もうとっくに行ったよワショーイ。」
 そういって指を指すおにぎりの先には、すでに科学館でチケットを買っているフサギコの姿があった。
 「なっ・・・!もうあんなところで!一声かけろよなゴルァ!!!」
 「時に落ち着け、ギコよ・・・。まあ、我々も早速行こうではないか!」
 「うん!行くのじゃ!!」
 そういうと兄者は妹者を連れて、科学館に向かった。
 「あ、兄者!!・・・しょうがないなぁ。・・・・・・ってあれ?」
 弟者が兄者を追いかけようと思ったときには、もうすでに1人取り残されていた。
 「ま・・・、待ってくれー!!」


 彼らが最初にはいって目にしたものは、たくさんの望遠鏡だった。
 そこで、すでに興奮しているAAが1人いた。
 「あ、この望遠鏡!!!けっこう倍率高いヤツなんだよ!!すげえなぁ・・・。でも今月ピンチだしなぁ・・・。」
 「兄キ!!みんなもうプラネタリウムの方へいっちまったぜ!!」
 「分かった分かった。先に行っててくれ。俺はもう少し望遠鏡を見てかr・・・。うほっ。この望遠鏡も捨てがてぇなぁ!」
 「どっかのガキみてぇだ・・・。」
 そう言い残し、ギコはプラネタリウムのある方へ行った。


 そのころ兄者達は、大きな扉の前に立っていた。どうやらその奥に、プラネタリウムがあるらしい。
 「・・・ここだな・・・。」
 「そのようだな、兄者。」
 「わくわくするのじゃ~。」
 「心臓がバクバクっていってるよ・・・。」
 「早く中に入ろうよワッショーイ。」
 「そうだな・・・。では、ゆくぞ!」
 そういうと兄者は、その扉をゆっくりと開けた。
 その瞬間、彼らの目に驚くべき光景が映し出された。
 「・・・・・・!!」
 「・・・何とも神秘的な・・・。」
 「きれいなのじゃ~・・・。」
 「・・・こんなすごいの、みたことないよ。」
 「本物の星空みたいだねワショーイ。」
 プラネタリウムの星々は、彼らを神秘的な光景で迎え入れた。


 「おっ、ここだな・・・。」
 兄者達が入ってから3分後、ギコが来た。
 「暇つぶしぐらいにはなるかな・・・。しかし、無駄にでけぇ扉だな・・・。」
 そういいながらギコは、その扉を開けた。
 「さーてと、どんなもんg・・・・・・!!!!!す、すげぇ・・・。本物以上じゃねぇのか・・・。」
 ギコでさえ、その神秘的な光景に目を奪われてしまった。
 「な!来て良かったろ!?」
 いつの間に来たのだろうか。フサギコが後ろにいた。
 「!!!な、なんだぁ兄キか・・・。脅かしやがって・・・。」
 「おまえが勝手に驚いただっけだろう。」
 「ふつう、誰だって驚くぞ。」
 そう文句を言ったギコは、当たりを見わたしながら、うろうろと歩き出した。
 北側には、4人の人影がそこに見える正座などを言い合っていた。声からすると、兄者達のようだ。
 更にギコは、南側の方へいってみた。そして、ある星があるところで止まった。
 「なぁ兄キ。これ、なんてゆうんだ?」
 ギコが指を指していったのは、4つ星が、まるで十字架をかたどっているようみ見えた。
 「お、珍しいなぁ。ギコが星に興味を持つとはな・・・。しかし、こんなものも分からないとは、やはり日頃の勉強が大切ですよ?」
 「んなもんどうでもいいからとっとと教えろゴルァ#」
 「やれやれ・・・。あれはな、南十字星ってゆうんだ。」
 「南・・・十字星?」
 「ああ。ほら、4つの星が十字架をかたどっているように見えるだろ?しかも南にあるから、南十字星ってゆうんだ。ちなみにこの4つの星は、それぞれアルファ、ベータ、ガンマ、デルタってゆうんだぜ。」
 「ふーん。そうなんだ。」
 「あともう1つ。南十字星はな、『サザンクロス』と呼ばれてるらしいぜ。」
 「・・・サザンクロス・・・。」
 ギコはしばらく、南十字星をみていた。
 その時、ギコが思わぬ行動に出た。
 「Go,if you come up against a hurdle.
Fight,fight for the things you belive in...」
 ギコが、突然歌い出したのだ。しかも、一番苦手な英語で。
 「ギ、ギコ?どうしたんだよ?」
 「Pssion,Joy,Sorrow,pain and tears.
All they will be pabulum of your life...」
 「おいギコ!!どうしちまったんだよ!?」
 心配したフサギコは、大きめの声でギコを呼びかけた。
 「!!!あ、兄キ・・・。わりぃ・・・。」
 「大丈夫かギコ・・・。それに、今の歌・・・。」
 「分からねぇ・・・。けど、急に今のが頭ン中に浮かんだんだ。いや、浮かんだんじゃない。思い出したんだ。どこで聞いたか、誰が歌ったかも、知らねぇけどよ・・・。」
 「『行け、たとえ困難に直面しても。戦え、己が信じる物のために。情熱も、喜びも、悲しみも、痛みも涙も。全部キミの生きる糧になるから。』・・・訳すとこんなもんかな。しかし、よく歌えたな・・・。」
 「ああ、自分でも驚いている。」
 しばらくすると、後ろから声が聞こえた。
 「フサ!!先ほどお前の声が聞こえたが・・・。大丈夫か?」
 声の持ち主は兄者だった。
 「え?ああ、ダイジョブダイジョブ。気にしないでくれ。」
 「そうか。ならば良いのだが・・・。」
 兄者は心配そうにいいながら、その場を離れた。
 「・・・もう少したったらここを出よう。」
 「ああ。わりぃが、そうさせてもらう。」


 「あと2分・・・。」
 ここはギコ達が住んでいるマンションの屋上。そこに人影が1つ。そう。あの紫色のAA、モララーである。左手には、血のように紅い大剣を持っている。
 プルルルルルル・・・
 突然、電話が鳴るような音が聞こえた。それは、モララーが持っている携帯電話から聞こえた。
 「・・・またつーか。・・・つーか。なんのようだ?」
 「マダミナゴロシシチャイケナイノカヨ!?」
 電話口の相手は、先ほどモララーと一緒にいた赤色のAA、つーだ。性別不明。殺しが生き甲斐だという、危険きわまりないヤツだ。
 「ハァ・・・。つー。いくら僕に電話してきても、計画開始の時間は変わらないからな。わざわざキミのだけにタイマーを付けてやったんだからな。」
 「ワカッタヨ。デ、アトナンプンナンダ?」
 「あと2分を切ったよ。今度からはタイマーをちゃんとみろよ。」
 「アヒャ、ワカッタカラ、セッキョウハアトニシテクレ。ソンジャ、ニンゲンセカイトヤラデ。」
 「ああ、もうかけてくるなよ。」
 そういってモララーは電話を切った。
 「しぃ、やはり裏切る気か・・・。ならば仕方がない。キミも殺すからな!」
 モララーの憎悪と欲望に満ちた目が、おぞましく光った。


 「いや~、今日はすごかったね、ギコ君。」
 「え?あっ、ああ。そう・・・だな。」
 ギコは今、さっき自分が無意識のうちに歌っていた歌のことを、ずっと考えていた。
 「?どうしたの?なんか元気ないよワッショ-イ。」
 「ああ。こいつなぁ、使わない頭使ったんで気持ち悪いんだとヨ(本当は違うけどな・・・)。」
 「勉強することはよいことだが、少しは休んだ方が良いぞ。」
 (兄者は勉強できるのにその頭を使わない・・・。)
 「何か言ったか弟者?」
 「幻聴だ。俺は何もいってないし、聞こえなかったぞ。」
 「そうか。」
 「でも、今日は楽しかったのじゃ~。」
 「よし、今日はオレがおごってやるぞ~!!」
 「いいのかよ兄キ?金欠じゃなかったのかよ?それに、今9時半だぞ?」
 「たこ焼きぐらいなら全員分おごれるぞ。それに、おやつ代わりにもなるぞ。」
 「はいはい。」
 そういって彼らは、たこ焼きがうっているところへ向かった。
 もうすぐ悪夢が始まることも知らずに・・・。


 「・・・・・・あと30秒。」
 モララーが嬉しそうにいった。彼らの計画開始が、もうすぐであるからだ。
 「あと20・・・・・・15・・・・・・10・・・・・・。」
 先ほどからいっているのは、計画開始のカウンドダウンである。
 「・・・・・・5,4,3,2,1,0!!NIGHTMARE、スタート!!!!」
 そしてついに、悪夢が始まった。


 「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
 「「「「「「「!!!!!!!」」」」」」」
 大きな悲鳴がこの大都市を沈黙させた。
 悲鳴。また悲鳴。どんどん聞こえては消えてゆく、大きな悲鳴。
 「な、なんなんだゴルァ!?!」
 「しらねぇよゴルァ!!!」
 「なんかヤヴァそうだな・・・。」
 「そうだな、兄者。」
 「何!?何が起こっているのじゃ!?」
 「なななななんかやばいよ!?!?」
 「ガクガクブルブル(((゜Д゜;)))」
 「と、とにかくいってみようぜゴルァ!!!」
 「うむ、そうだな。皆のもの!!ゆくぞ!!!」
 「え!?い、行くの・・・?」
 そういって彼らは、悲鳴が聞こえたところに走った。
 そして彼らは、NIGHTMARE(悪夢)と闘うも事になる・・・。
──────────────────────────────────




・・・第三章~NIGHTMARE CITYの恐怖~前編・・・

 「ここだよな。さっき悲鳴が聞こえた場所は・・・。」
 「間違いねぇよ。ここだ。」
 ギコ達が駆けつけたところは、都市内の大通りだ。普通ならば、たくさんのAA達でにぎわっているはずなのだが、今は誰もいない。
 「いったい何が起こっているのじゃ?・・・・・・!!!うっ!!」
 妹者が口元を押さえてうずくまった。
 「ど、どうした妹者!?」
 「あ・・・、あれ・・・・・・。」
 妹者が指さす方向には、バラバラになったAAが倒れていた。
 「ウヒャァ!!!」
 「ひぃぃ!!!」
 「ひ・・・、ひでぇ・・・。」
 「おい、よく見てみろよ・・・。」
 フサギコに言われて辺り見わたすと、何人ものAAの死体があった。
 「酷い・・・・・・。」
 「あwせdrftgyふじこlp;@!!!!!」
 「ギャーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
 「と、時に落ち着け。≫1とおにぎりよ。」
 ≫1とおにぎりは、精神がおかしくなりかけていた。それもそのはず。生まれて1度も、本物の死体など見たことないのだから。
 「と、とにかくだ。ここから早く離れなければな。」
 「同感だ、兄者。とりあえず、我らの家へ。」
 「なんでだよ!?」
 「我らの家には、様々な仕掛けがあるからだ。地下とか、屋根裏とか、いろいろとある。あと、妹者を少し落ち着かせないといけないからな・・・。」
 「あ~なるほど。・・・よし。流石家へ行こう!!!」
 「わわわわかったたたよ。」
 「安全な場所ならどこでもいいよワッショーイ!!」
 全員が賛成したようだ。だが。
 「わりぃ。先に行っててくれ。ちょっとうちに戻るわ、オレ。」
 「!?!兄キ!何いってんだよ!?」
 「あるもの取ってくるんだよ!兄者!ギコを頼むわ!!」
 「お、おい!!」
 ギコと兄者が止める中、もうすでにフサギコは行ってしまった。
 「どどどどどどーするの??」
 「とりあえず、我らだけでも家へ行くぞ!」
 「アヒャ、ソウハサセナイゾ。オマエラハゼンイン、アタイノタメニシシンデモラウンダカラナ!!!アーヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」
 奇声をあげて笑っているのは、赤色の猫AAだ。
 「何!?」
 「え!?!」
 「な、何なのじゃ!?」
 「わからないよ!」
 「しゃべり方おかしいぞこいつ!!!」
 「貴様、何者だ?どうやら貴様がこいつらを殺ったらしいが・・・。」
 「ソウダヨ!アタイハツー。オマエタチヲコロスタメニウマレテキタモノサ!アーヒャヒャヒャヒャ!!!」
 こいつはマジでやばい。いかれている。誰もが思った。
 「こ、殺す道具もないのに、どうやってオレ達を殺すんだよ!?」
 「コロスドウグ?ソンナモノヒツヨウナイゼ。イルノハ・・・キノブキダケダ!!!」
 そういってつーは、何やら力を手に集めている仕草をし始めた。
 次の瞬間、つーの手が光り出した。その光が収まると、つーの手には無かったはずの、桃色の短剣がでできた。
 「ええぇぇぇ!!!!?」
 「なんで!?!?」
 「そんな馬鹿な・・・。」
 「ど、どうなっているのじゃ・・・・・・?」
 「キサマラハソンナノシルヒツヨウハナイ。ナゼナラ・・・ココデシヌンダカラナ!!!!!」
 「!!!まずい!逃げるぞ!!」
 「当たり前だゴルァ!!!」
 彼らはいっせいに後ろを向いて逃げようとした。
 「ドコヘニゲルキダイ?」
 いつの間にか、つーが逃げようとする方向へいた。
 「な、何ぃ!!!」
 「どうして!?」
 「瞬間移動でもしたのかゴルァ!?」
 「アヒャヒャ、ドウダイ?アタイノチョウコウソクイドウハ?」
 「くっ!」
 今度は反対側に逃げようとしたが、またしても先回りされた。
 「くそ!!!打つ手はもう無いのかよ!?」
 「ここで死ぬのはいやだぁぁぁぁぁ!!!!」
 誰もがダメだと思ったときだった。
 「オレがおとりになる!その間にみんなは!!」
 「馬鹿者!!死に急ぐことはないんだぞ!!」
 「そうだよ!!何でそんな危ないことを!」
 「それに、フサさんが戻ってきたらどうするのじゃ!?」
 「それでも!!!全員が死ぬよりもましだ!!早く逃げろ!!!」
 そういいながら、ギコは偶然見つけた鉄の棒を拾った。
 「仕方がない・・・。頼んだぞ。」
 「!!兄者!?」
 「絶対死なないでよ。」
 「≫1さん、何を・・・!?」
 「先に帰って待っているのじゃ。」
 「ああ。わかった。」
 ギコの強い意志は、兄者と≫1と妹者に伝わったようだ。
 「そうと決まればすぐ行くぞ!!弟者!早く来い!!」
 「え!?あ、おい、兄者!」
 「おにぎり君も早く!!」
 「わ、分かったよワッショーイ・・・。」
 兄者達は、まだ納得のいかない弟者とおにぎりを連れて行った。
 「ここから先は、オレを倒してからいくんだなゴルァ!!」
 「アヒャ、オモシロソウダナ。ンジャ、ソウウサセテモラウゾ!!」
 そういった瞬間、つーの姿は消えた。
 「!?!どこだ!?」
 辺りを見わたすと、何やら赤い球体みたいなものが、はね回っていた。
 「シィネェェエェ!!!」
 そういった瞬間、つーはギコの真上から襲ってきた。
 「っ!!!」
 つーの攻撃を、ギコはかろうじて避けた。
 「ヘー。ヨクヨケタナ。」
 つーのいるところは、いくつもの亀裂があり、そこからこの都市が崩壊しそうなぐらいめり込んでいた。
 「なっ!!あんなのまともに喰らったら終わりだぞゴルァ!!」
 「ソウナルナ・・・。ソンジャァ、コンドハショウメンカライクゾ!!!」
 「へっ!なめるなよゴルァ!!」
 そう互いに行った瞬間、激しい金属音が辺りに響いた。
 ぎこは何とか持ちこたえているようだが、防戦一方である。
 「くっ!!攻撃する隙がねぇ!!!」
 「ケッコウヤルヨウダガ、ボウギョダケジャアタイニハカテナイヨ!!」
 そういった瞬間、つーの後ろから声が聞こえた。
 「あれ?つーったら、モナの担当場所にまで来ちゃったの?」
 「ナンダ。モナーカヨ。」
そういってつーは後ろに下がった。
 「な、仲間!?」
 「そうモナ。モナはモナーというモナ。」
 語尾にモナと付けているのが特徴的な、白い猫AAだ。
 「苦戦してるモナか?」
 「イヤ。アソンデイルダケダ。」
 「そうモナか・・・。それじゃぁ、モナにもやらせて欲しいモナ!!」
 「イイケド、トドメハアタイニササセロヨ!!」
 そういった瞬間、モナーの右手が光り出して、黄緑色の双剣がでてきた。
 「に、2対1かよ!?」
 「いや。2対2だゴルァ!!!!」
 「!!!」
 「ナンダァ!?」
 つーとモナーの後ろから聞こえた声の主は、いきなり大剣を振り下ろしてきた。
 「危ないモナね~。」
 「ダレダ!?」
 「兄キ!!」
 後ろからつーとモナーを攻撃してきたのは、フサギコであった。
 「ったくよ~。さっきの殺り様から見て鉄の棒で勝てるわけねぇだろ?学習しろよな?」
 「うっせえな!!」
 「2タイ2ヵ・・・。オモシロソウジャネェカ!!!」
 「いや。4対2だな・・・。」
 「え?」
 その声は、ギコの後ろから聞こえた。
 振り返ると、兄者と弟者がギコに向かって銃を構えていた。
 「ちょちょちょちょちょっと待てやゴルァ!!!てめぇら裏切ったのか!!?」
 「・・・ギコ、当たるぞ。」
 「正直、邪魔だ。」
 どうやら狙いはつーとモナーらしい。
 「あ・・・わりぃ・・・。」
 そういってギコが避けた次の瞬間、兄者達はいっせいに銃を撃ち鳴らした。
 「わ!!あぶないモナね~!」
 「アヒャヒャ、イガイニツエーゾアイツラ!」
 「ってうおわーーーー!!!オレまで撃つんじゃねぇゴルァ!!!」
 つーとモナーにかわされた銃弾は、後ろにいたフサギコに危うく当たるところだった。
 「むっ。すまぬ。」
 そういいながら兄者達は、つー達に向けて銃を撃っている。
 「さすがに4対2じゃキツイモナね・・・。つー。いったん引くモナよ。」
 「チッ、シカタネェ。ダガイツカオマエラヲコロスゾ!!アヒャヒャ!!」
 そう言ってつー達は去っていった。
 「大丈夫か?」
 「少しビビったが、大丈夫だゴルァ。」
 「こっちもだ。」
 ギコとフサギコは苦笑しながら言った。
 「うむ。無事で何よりだ。」
 「ンな事よりどうしたんだその銃は?あと妹者達は?」
 「これか?削除人の死体から拝借してきた。あと妹者達は先に帰らせたぞ。」
 「へー、削除人から・・・って削除人殺られちまったの!?」
 「ああ。俺たちが通ったところには、4,5人逝っていたな・・・。使える武器を全てかぱらって来た分けた。」
 「そういや、オレの携帯電話に友達からかかってきてな。全滅だそうだ・・・。」
 削除人とは、いわば鍛え上げられたエリート軍人のようなものである。
 「・・・それは知らなかったな。まさかあの削除人が全滅するなんて・・・。」
  しばらくその空間に沈黙が襲った。
 「と・・・とにかく、これからどうするんだ?」
 先に口を開いたのは、ギコである。それに続いて、兄者も口を開いた。
 「うむ。我らはこれから、生存者を探しに行こうと思ってな・・・。」
 「そんじゃぁ、オレも行くわ。」
 「よかろう。ではギコは我らの家d」
 「オレも行く!!」
 強くギコは言った。
 「バカ言うな!!さっきのお前の戦い方からして無理だ!!!死にに行くようなm」
 「それでも俺は行く!!!もし友達が生きてたら助けたいんだ!!!頼む!!!」
 「しかしだな・・・。」
 「よかろう。」
 「な!?」
 「兄者!!なぜ・・・。」
 「強い意志が彼にはあるからだ。それに、今のギコは、家へ向かわせても後でこっそり行くかもしれんしな。だったら今行かせた方が良かろう。」
 そう言って兄者は、ギコに向かって何やら黒く重い物を投げた。
 「わっとと!!・・・兄者、これは・・・。」
 「見ての通り銃だ。護身用に持っているといい。」
 「おいおい、いいのかよ兄者!フサはどうn」
 「オレはギコがそれほど言うのなら構わないぜ。」
 「兄キ・・・。」
 「ただ、1つ約束しろ。死ぬなよ・・・。」
 「・・・ああ。氏なねーよゴルァ!!」
 「よし。弟者は家で待機していてくれ。」
 「やれやれ・・・。承知した。」
 そう言って弟者は、自分の家に戻った。
 「友達の話によると、今オレの友達は西にある建設中のビルに隠れているそうだ。」
 「そうか・・・。よし。フサ!大変だろうが、お前は一度そこに行ったら北側を捜索してくれ!俺は東側を探す!!」
 「まかせな!!」
 「ギコは南側を捜索してくれ!!」
 「OK!!まかせとけって!!!」
 「では、それぞれ散ってくれ!・・・GOOD LUCK!!!」
 「おまえこそ!!」
 「みんなちゃんと生きてろよゴルァ!!」
 そう言ってそれぞれ散っていった。


 ここはある研究所。そこでなにやら大変なことが起こっている。
 「カプセルNO.123、タカラ!!心音脈拍共に停止!!!死亡確認!!!」
 「カプセルNO.442、443、444、さいたま兄弟!!死亡確認!!!」
 「クッ!!やはり恐れられていた事態になってしまったか…。おい!生き残っている者は何人いる!?!」
 そこにいる1人の長髪の男が、近くにいた『夜勤』と書かれた帽子をかぶった男に聞いた。
 「研究員は全員死亡確認!!!削除人は・・・ニダー少佐、ぼるじょあ中尉、ヒッキー軍曹、ドクオ二等兵以外は死亡確認です!!!」
 「あの2人はともかく、まさかヒッキー軍曹ドクオ二等兵が生き残るとはな・・・。他にはもういないのか…?」
 長髪の男が、絶望的な口調で尋ねた。
 「あとは…。!!!信じられません…。あの母者さんの息子さん達と、そのお友達が全員生き残っています!!!」
 「なに!!!本当か!?!」
 「間違いありません!!!」
 長髪の男の中に、わずかながら希望がわいてきたようだ。
 「しかし我らにできる事はただ祈ることだけ…。夜勤!私は司令室にいるから、何かあったら呼んでくれ!!」
 そういうと長髪の男は、そこから立ち去り、司令室というところに向かった。
 「君達には未来があるんだ…!だから…生き残ってくれ!!!」
 長髪の男は祈るようにいった。


「ハァ・・・ハァ・・・。2時間も叫びながら走り続けると・・・さすがに応えるぜ・・・。」
 南側を任されたギコは、建物の中から、裏路地まで、生存者を捜したが、結局見つからなかったようだ。
 「・・・ハァ。しょうがない。流石兄弟の家へ行くか・・・。」
 ギコはあきらめたのか、しぶしぶもと来た道を戻り始めた。
 ちょうど交差点の曲がり角を曲がろうとしたその時だった。
 ドカッ
 「うわ!!」
 「キャッ!!」
 誰かとぶつかってしまったようだ。
 「いててててて・・・。大丈夫か?」
 「こちらこそ、ごめんなさい・・・。」
 ぶつかった相手は、桃色の身体をした猫AAの少女だ。
 「・・・・・・」
 「…どうかしましたか?」
 ギコはしばらくその少女を見ていた。そして。
 「なぁ。携帯電話持ってねぇか?持ってたら貸してくれないか?」
 「え?いいけど…。」
 ギコはその少女から携帯電話を借りると、ある人物に電話をした。


 「ハァ…。まかせな!!ってゆうんじゃなかった…。まぁ、みんな無事でよかったけど…。」
 フサギコは今、北側で生存者を捜索している。
 西側いる友達は、全員無事らしい。
 「生存者ゼロ…か。しょうがない。戻るか…。」
 そう思ったときだった。
 プルルルルルルルル………
 フサギコの携帯電話が鳴り出した。
 「ん?知らねぇ奴からだ…。ハィッ。」
 「兄キ?オレだ!ギコだ!!」
 かけてきたのはギコだった。なにやらあわてているようだ。
 「どうしたギコ?いつ携帯買ったんだ?」
 「これは借りているものだ。ンなことよりも、生存者を見つけたぞ!!」
 「なに!ほんとうか!?よくやった!!!よし、そのまま流石兄弟のうちに行ってくれ!!オレは……っと、もう少し時間がかかりそうだ。」
 「…そうか。きぃつけろよ。」
 「おめぇもな。んじゃ。」
 そういってフサギコは携帯電話を聞いた。
 「ふぅ…。さて、何のようだ?」
 フサギコの後ろには、かなり長身の白い猫AAがいた。
 「君を頃させていただくよ。ついでに、≫1さんの居所を教えてもらうよ。ハァ、ハァ……(´Д`*)」
 こいつはさっきの赤い奴らよりもある意味ヤバイ。フサギコは直感で思った。
 「へっ。殺される気はねぇし、教える気もねぇよゴルァ!!」
 そういって大剣を構えた。
 「しょうがない…。この八頭身が君を頃してあげるYO!!!」
 そういった瞬間、八頭身なるAAの右手から、オレンジ色の鞭のようなものが出てきた。
 「趣味わりぃ武器だ。……ぅおりゃーーーーーー!!!」
 こいつキモいと思いながらも、フサギコは八頭身なるAAに飛び掛ってきた。


 「誰にかけたの?」
 シィがギコに尋ねた。
 「ん?ああ、兄キに…フサギコってゆーんだ。」
 「お兄さん?」
 「そうだな。…っと、こんなところで立ち話をしているのをなんだ。知り合いのうちに行こうぜ。」
 「え?…でも…。」
 「大丈夫だって。オレの知り合いは、優しい奴らばかりだから。さ、行こうぜ。」
 「う、うん…。」
 「っとその前に、自己紹介がまだだったな。オレはギコってゆーんだ。よろしくな!」
 「私は…しぃ。…よろしくね、ギコ君。」
 このときギコは、まだしぃが何者なのかを知らなかった。


 「結局生存者ゼロ…か。黒くて見えにくいが、日もだいぶ暮れてきたな。」
 そういって兄者は自分の家の玄関の戸を叩いた。
 「何者だ?」
 中からは、弟者の声が聞こえた。
 「俺だ。」
 「兄者か…?今開ける。」
 そういって弟者は、玄関の戸を開けた。
 「どうだった…っと、聞くまでもなかったようだな、兄者。」
 「うむ。あとはギコたちにかけるだけだ。…妹者達は?」
 「中で眠っている。」
 「そうか…。」
 そういいながら兄者は、家の中へ入っていった。
 弟者が戸を閉めようとしたときだった。
 「待ってくれゴルァ~。」
 兄者の来た反対側から、ギコの声が聞こえた。
 「む。ギコが帰ってきたようだ。…なんと!1人見知らぬおなごを連れているぞ!」
 「生存者か彼女か…。俺もほしぃな・・・。」
 「俺より先に彼女を見つけることは許さんぞ#」
 「な!?別によいではないか!?#」
 くだらない話をしているうちに、ギコはしぃを連れて中に入っていった。


 「…南側にはあのしぃという者1人、東側はゼロ・・・か。」
 「ところで、しぃは?」
 「しぃさんは居間のほうにいるのじゃ。」
 あれから3時間後、ついさっき起きた妹者達とギコ達は、フサギコの帰りを待ちながら話し合いをしていた。
 「しかし、いくらなんでも兄キおせぇな・・・。」
 「よかろう。我らが見に行ってくる。弟者、行くぞ。」
 「承知した。」
 そういった今まさにそのとき、玄関の方から戸を叩く音が聞こえた。
 「兄キか?」
 「あるいは敵か…。」
 「よし、行こう。」
 そういって兄者と弟者は、玄関のほうへ行った。
 「良いか兄者…。開けるぞ!」
 「OK!!」
 戸を開けた瞬間、茶色の何かが倒れてきた。
 驚いた兄者と弟者は、倒れてきたものに銃を向けた。
 「ま、待て・・・。オレだ・・・。」
 「フサ!?」
 その倒れてきたものは、フサギコだった。
 「な!?フサ!どうしたその怪我は!?」
 「ちーとばかし、キモい奴と闘ってな…。それより、≫1はいるか?」
 「なに?」
 いつの間にか、≫1が流石兄弟の後ろにいた。
 「気をつけろよ。お前を狙っているヤヴァイ奴がいるぞ。」
 「え!?」
 その『ヤヴァイ』という言葉に、≫1は悪寒を感じた。
 「と、とりあえず気をつけるよ…。」
 「そんなことよりフサ!お前の手当てをしなくては!!」
 「ああ。だが湿布だけで大丈夫だ。」
 そういって兄者は、フサギこの方を抱えながら、先ほどまでいた部屋に連れて行った。


 「オレの友達の話によると、削除人の生き残りがいたらしい。」
 「まことか!?ならばこちらもまだ望みがあるというわけだ。そういえば、西側の生き残りの名前は?」
 「オレの友達ではショボ、ジエン、弟者の友達でもあるネーノ。あと削除人は、ニダー少佐とぼるじょあ中尉ってのがいた。ほかに、≫1の彼女のレモナが居たな。」
 「彼女じゃないよ!!でも、生きてたんだ…。」
 ≫1は、怒りながらもホっとしたように言った。
 「しかし何なんだゴルァ!?あの光る武器を持った奴らは!?そしてこのナナシティはどうなるんだよ!?」
 「この町の名前は…、『ナナシティ』じゃないわ。あと、あの人たちのこと、私知ってるわ…。」
 混乱しているギコに、しぃは言った。
 「な!?ホントか!?」
 「彼らは、『管理AI』というの。」
 「管理AI…。」
 そういって兄者は、パソコンで何かを調べ始めた。
 「何者なんだ?その…管理AIって奴らは?」
 「彼らは……ギコ君が言っていた光る武器、あれは、『気の武器』と呼ばれているらしいわ。それを使いこなすAA達よ。」
 「とにかくヤバイ奴らには違いはあるまい…。あった!探せばあるものっだな。」
 「なにを探していたのだ兄者?」
 「うむ。その管理AIとやらについてだ。名前はわからないが、5人で作られた組織らしい。本来は、このナナシティの管理を任されているらしぃな。・・・しかし何ゆえにそんな奴らが。」
 「そうね。あと私、この街の名前を知っているわ。管理AIの言っていた事をだったけど。」
 「んで、この街の名前って!?」
 「うおっ!!ギコ、押すな!!」
 弟者を押しのけて、ギコはしぃに尋ねた。
 「…この街の名前は…、『ナイトメアシティ』。彼らがそう言ってたわ。」
 「訳すと…『悪夢の都市』…だよな?」
 「・・・」
 そこにいたみんなが唖然とした。この街の名前が、恐ろしい名前だったなんて。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――



…第四章~少年の誓い~…

 ギコは眠れなかった。この街の名前を知ってしまった。恐ろしい、本当の名前を。
 「とりあえず寝ろ。」とフサギコに言われたが、眠れるはずがない。
 「どうしたの?ギコ君。」
 横を向くと、しぃがそこにいた。
 「ん?あ、ああ…。ちょっと考え事をしてて…。」
 重い声だった。正直彼は、もっといい名前だと思っていたらしい。
 「それより、しぃはどうしたんだ?キミこそ早く寝たほうがいいぞ?」
 ギコはしぃを見ていった。
 「え?…そうね。でも、もう少し起きてる。…月がきれいだから。」
 「そうか?…そうみたいだな。」
 ギコは窓の外を見てそう言った。そして、再びしぃを見た。
 「?どうしたの?」
 「いや…、一度あったような気がするんだ。ずっと昔に…。」
 「そういえば…私もギコ君に昔あったような気がするの。」
 「まぁ、こんなところで考えても意味ないし、オレは寝るよ。しぃも早く寝ろよ。」
 「ええ。おやすみなさい。」
 そういってしぃは、ギコのもとを去っていった。
 「……かわいいなぁ。」
 そういってギコは、布団の中にもぐりこんだ。


 しぃは流石家を少し出たところにいた。空から、耀く月と星を見たかったからである。
 「きれい……。」
 「…この計画が成功すれば、ここの月明かりも、あっちの世界の星空も、全て僕たちのものになるのに…。」
 どこから聞こえたのか分からない声だが、しぃはあまり驚かなかった。その声の持ち主を知っているからだ。
 「モララー…。何でこうゆうことするの?どうして殺すの?」
 そう言いながらしぃは、自分の右側を見た。そこには、同じ管理AIのモララーがいた。今はあの大剣は出していないようだ。
 「フンッ、愚問だね。この計画を始める前に言ったはずだよ。僕は人間達に復讐するのさ。僕を殺し、あげくにこんな身体にしたあいつらを…。」
 「だからといって、みんなを殺すのはよくないわ!!それn」
 「しぃ!この計画は…もう、止まらないからな。」
 ゆっくりとモララーが言った。
 「…しぃ。明日の朝だ。明日の朝までに、僕たちの見方になるか、あいつらと一緒に死ぬか…選んでおくんだな。」
 そう最後に継げた後、モララー一瞬のうちに姿を消した。
 「……モララー。私の答えは、もう出ているわ…。」
 そう言いながらしぃは、流石家へ入っていった。


 暗い闇の中…。ここがどこなのかが分からない。ただ、静かに聞こえる機械が動く音だけの闇の中。そんな闇の中にギコはいた。
 (な…何なんだ…ここは?)
 少しだが、闇の中に慣れてきた彼の目に映ったのは、無数のカプセルと2人の男だ。
 「…くそっ……やはr……実験は…失敗だったか…。」
 (?実験?)
 「だ…す!!!コンピュータが仮想空間で反乱しています!!!」
 (コンピュータ?仮想空間っ…て、なにに言ってんだこいつら…。)
 「未だに…誰も覚醒しません…。」
 「できなければ、死の幻影が現実にその命を奪う…か。」
 (ハァ!?覚醒!?死の幻影!?!なに言ってるんだ!?!?サッパリだ!!!)

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