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NIGHTMARE CITY2 -悪夢 再び- (ファイヤ兄弟)

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匿名ユーザー

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            あの悲しい悪夢から五年。

イツワリの街から抜け出した勇敢な勇者達は、今安全な生活をしているだろう。

もうあの悪夢は二度とない。そう信じたかった。

だが悪夢は再び人々に降り注ぐ。

悪夢の復活が始まろうとしていた・・・・・・。

--------------NIGHTMARE CITY2-------------
プロローグ

植物も何も生えていない荒地。
本来なら人の姿は無い。しかし、今は人影が見える。
 「ここか・・・?」
 「そうみたいですね」
黒髪の男と夜勤という帽子をかぶった二人組み。彼らの目線には古びた遺跡らしき建物があった。
帽子の男はパソコンを取り出し、遺跡の調査を始めた。
 「ひろゆきさん、ここにプログラムディスクが埋め込まれているようです・・・」
 「やはりか・・・。夜勤、ありがとう。アレさえ手に入れられれば、我が都市は不滅になるだろう」
黒髪の男、ひろゆきが思わず拳を握り締める。口には微笑を浮かべていた。
 「・・・入ってみましょう」
二人は入り口と見られる穴へ入っていった。



 「おぉーい、フサー!遊びに来てやったぞー!」
長く続く道路。そして、そこに通る数々の車。ここは、他国の人間も驚くほどの大都市である。
繁華街には人があふれ、住宅地には子供や大人の姿も多い。
その中にある家の前に彼は立っている。手には鞄も持っていた。彼はドアを叩きながら人名を叫んでいる。どうやらフサといわれる人のようだった。
そしてドアが開かれる。
 「よぉギコ、来たか。とにかく入れ。面白いゲーム買ったからよ」
 「おう。お邪魔しまーす!」
フサは髪の毛の立派な少年だった。それはもう青年になりかけているとでも言えばいいのだろうか。
そしてもう一人の少年、ギコはフサの自宅へと入っていった。



 「おお・・・!これがプログラムディスクか・・・!!」
遺跡の奥深く。石段を下り続けた先にあったのは、他とは違い明るみを帯びた個室だった。
その真ん中に置かれているもの。どうやらフロッピーディスクのようだ。
 「ついに見つけましたね・・・!」
 「あぁ・・・!コレさえあれば・・・!」
ひろゆきはフロッピーディスクを掴む。興奮しているのか手には汗がついていた。
 「よし!すぐに作戦実行だ!研究所に持ち帰るぞ!」
 「了解しました!」
帽子の男、夜勤は持っていた鞄を開け、なにやらやっている。
ひろゆきはもう一度フロッピーディスクを見た。
 「ついに・・・!ついに手に入れたんだ!AIの力を!」
ひろゆきの哄笑が響き渡った。



 「おいギコ。今日は何の日か知っているか?」
格闘ゲームのようなゲームをやりながらフサがギコに聞いた。
ギコの手は一瞬ピクッ、と震える。そして答えた。
 「・・・俺が忘れるとでも思ったか?」
ギコの言葉にフサは馬鹿にするわけでもなく鼻で笑った。
 「そうだろうな。五年前・・・。俺もあの傷は残っている」
そう言ってフサは右手の袖を捲る。そこには、痛々しい傷跡があった。
袖を戻し、フサはまたゲームに集中した。
 「人間の生活にも慣れたな・・・管理AIはどうなったんだっけ?」
ギコの質問にフサはコントローラーを動かしながら答えた。
 「都市の管理者が管理プログラムを『サーバー山』の遺跡に封印したじゃないか。八頭身の三人、つー、モナー、あと首領のモララー。そして・・・」
フサは言葉に詰まった。ギコの方を見ると顔が早く言えよ、と言っている様に見えた。
 「しぃ・・・だな」
フサは言った途端立派な髪の毛を掻いた。
 「あぁー、もうこんな話やめよう!・・・そりゃ!回転蹴り!」
いきなりの攻撃にギコ(ゲームの中)に避けることは出来ない。結局、ゲームはフサの勝ちだった。
 「ゲッ!?汚いぞ!」
ギコが抗議してもフサは知らん顔だった。にやっ、と笑っている。
ギコは糞ー、と呟いたが心に残ることがあった。

 (しぃ・・・。もう五年経ったのか・・・)

ギコは俯いていたがすぐに表情を改める。
 「もう一ラウンドだ!」

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NIGHTMARE CITY あらすじ

五年前の事件・・・。
それはもう誰も思い出したくないだろう。あの悪夢は。
事件から十年前、即ち今から十五年前のことだ。
この都市では人口が増え続け、街がぼろぼろになってしまうことが予想された。そんな中一人の学者から出てきた答え。それは。

  『人口の何割かを仮想空間に送り込む』

つまり、人間を殺すことなく減らす、ということだった。
最初は馬鹿げた事だ、と皆は本気にしなかった。
しかし、その学者が熱心に研究をしているところを見て一人、また一人と研究に参加していった。
そして、完成したプロジェクト、それはNIGHTMARE CITY。
ついにこの都市の夢が叶った瞬間だった。
プロジェクトに参加したのは応募の中から選ばれた人口の四割弱の人間だった。
仮想空間で精神を抜き出し、それを実体化する。正に夢のプロジェクト。
そして、このプログラムを支えたのは管理AI。プログラムで創られた、七人のAAだった。


そのまま五年間、仮想空間は平和で、管理AIも正常に活動していた。
しかし、五年前の今日。あの事件が起きてしまった。なぜあのようなことが起きてしまったんだろう。それは、運命しかわからない。



その事件は一人の少年がプラグアウトすることに成功し、最終的には管理AIをプログラムへもどし、仮想空間での五年間は幕を閉じた。
管理AIの反乱でかなりの犠牲者を出してしまった。皆は研究者を責めた。
だが、責めたって犠牲者が戻って来ることはない。勿論、そんなことは皆もわかっている。しかし、人は悲しみをなくすためにも責めることしか出来ないのかもしれない。
それが一番悲しいことなのかもしれない。


管理AIは都市の北に位置する『サーバー山』の遺跡に封印した。プログラムをフロッピーディスクに入れたのだ。これで、現実世界ではもう、安全だった。

しかし、またもそれが覆される。ある研究者の好奇心によって。

         悪夢が甦る・・・・・・・・・・・・。

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第一章

薄暗い住宅街の外れ。
繁華街と違いここには餓えて倒れるものや、通行人に金を求める乞食・・・。そんなところだった。
皆が薄汚れた服などを着ているが、二人の人間は立派な白衣を着ていた。
 「これが成功すれば、俺達は莫大な富を手に入れられる・・・!」
その中の一人、ひろゆきがおもわず呟いた。



 「じゃあなー!」
フサに挨拶を済まし、ギコは日が暮れかけた道を駆け抜けた。
顔はなぜか浮かない顔。目は遠くを見つめていた。
 (なぜだろう・・・)
ギコは考えてしまう。本当にここは平和なのだろうか。
五年前の事件。もうあれは終わりを迎えたはずだった。
しかし、考えてしまう。この平和がまやかしに過ぎないのかと。



 「ひろゆきさん。プログラムディスクと『実体化プログラム』の接続完了しました。スイッチを押してください・・・!」
パソコンが多い部屋の片隅で行われている、実験。
その中の一台に接続されていたもの。それは、あのフロッピーディスクだった。
 「そうか!よし・・・!押すぞ・・・!」
ひろゆきが立ち上がる。そして、メインともいえるパソコンに近づいた。
ごくり、と夜勤が唾を飲み込む。手は、震えていた。
右手でパソコンのキー、『Enter』を押す。それより前に、ひろゆきは叫んだ。
 「これで長年の努力も報われる!俺達が求めた力!このような偉大なものを封印するなど、なんて馬鹿げた研究者達だ!これを実体化させてやれば、この都市はより素晴らしいものになるだろう!」
そう叫んでからひろゆきは深呼吸をする。
 「・・・押すぞ・・・・・・!!!」

  カチッ



同時刻。
こちらもパソコンを使用し、『Enter』キーを押している。しかし、こちらは実験でも何でもなかった。
 
  ガガガガガガガガガガガガガガ・・・・・・

 「OK、ブラクラGET。流石だよな、俺」
 「・・・どこでもこれだけは一緒か・・・」
二人の青年がパソコンをやっている。一人はパソコンの前に座り、もう一人は机に手をかけて様子を見ていた。二人とも丁度十七歳を超えた、ぐらいだろうか。
彼らは流石兄弟。その内、パソコンをやっているのが兄者、横に立っているのが弟者である。
二人も五年前に起きた事件の被害者。しかし、他のものと違い、研究者に文句を言うことはなかった。彼らの仲間で二人が一番年上だったからだろう。文句を言ったって何も変わらないことを知っていたのかもしれない。
 「時に兄者。今日であの事件から五年目だそうだ」
この言葉に兄者もパソコンの手を止める。
 「なんと。もうそんな時が経ったのか」
パソコンをスタンバイ状態にし、兄者は立ち上がった。
 「兄者、ギコはどうしているだろう」
兄者は窓の外を見る。
 「そりゃあ・・・、平和に暮らしているだろうさ」
兄者は窓の外に見える空を見る。
夕焼けで紅く染まった空。あと二時間もすればこの都市は闇に包まれるだろう。平和な闇に。
だがそれは叶わない。この都市は、闇に包まれる。

         悪夢の闇に、再び・・・・・・・・・

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第二章

薄暗い部屋が、突如光に包まれる。それはパソコンから発せられた光だった。
目の前を見ることもままならない。ひろゆきと夜勤は目を硬く瞑っていた。
 「くっ・・・・・・」
思わず出た呻き声。少し風まで感じられた。
しかし、それも終わる。光が弱まってきた。
薄々開けた目。そこに飛び込んできたのは七人の人影だった。
 「成功か!?」
目も慣れてきた。七人の人影も細かく見えてきた。
一人は長身の白色AA。これは三人いた。他に赤いAA、白色のAA――長身の三人よりは小さい。赤いAAと同等の背――だった。後は藍色のAA、そして・・・桃色のAAだった。
 「これが・・・管理AIか!?」
彼らは目を開けない。言葉を話すこともない。死んでいるように動かない。
 「なぜ・・・動かない?」
ひろゆきの後ろに夜勤が歩いてきた。
 「多分、まだ完全な実体ではないんでしょう。まだ、記憶がプログラムの状態なんです」
ひろゆきは舌打ちをするが口には嫌な笑みを浮かべている。
 「まぁいい。すぐ目覚めるだろう。こいつらを『実体化カプセル』に入れておけ!」
ハイッ、と答え夜勤は準備に取り掛かった。
ひろゆきは部屋を出る。そして隣の自室へと向かった。
 「ついに、やった・・・!後は目覚めるのを待つだけだ!」
既に太陽は沈み、都市は闇に包まれようとしていた。



ギコの自宅、フサの家から一キロほど離れている。
ギコももう慣れて、今では三分で往復できるようになった。
ギコの家族はもういない。仮想空間に入れた一年後、死んでしまったらしい。交通事故だったようだ。
 「ご馳走様」
適当に夕食を済まし、ギコはお気に入りのソファーに腰をかける。そのまま横にある新聞をとった。
 「たまには勉強しねぇとな」
しかし、内容も読まず、漫画のように頁を捲っていく。殺人事件や強盗・・・。嫌な事件が多かった。
ギコがその中目に留めた欄。そこは。
 「事件から五年、平和な暮らし・・・か」
そこにはあの事件の見出しがでかでかと取り上げていた。
写真に写っているのは被害者だろう。子供の様で、可愛げにVサインを浮かべている。
 (・・・俺は、結局駄目なままなんだろうか・・・・・・)
ギコは思い出す。
しぃと走ったトンネル。モララーと戦った橋。現実世界での決意。帰ってきた世界。そして・・・、あの瞬間。
あれは自分の無力さのせいなのか。光になって消えた瞬間、ギコは目の前が真っ白になった。結局自分は護られてばかりだった。自分は何も出来なかった。
 (俺が・・・もう少し強ければ・・・)
ギコは拳を握り締める。ギコはここにきても、絶望は抑え切れなかった。
どうしようもないだろう。大切な人を失った悲しみ。それは自分の心を無茶苦茶にしてしまう。
だが人間は変わることが出来る。悲しみを開放することが出来る。まだ、ギコにはそれが早い。そうなのかもしれない。
 (もう一度逢えたなら・・・、俺は言う。しぃ、お前を想って・・・)

  『ごめんな、しぃ』

月は和やかに都市を見守っている。月だけではない。
南十字星・・・。北の明かり・・・。全てがこの都市を照らしていた。



真夜中になった。
もう都市は眠りにつき、道を歩くものも少ない。
ここでも、二人は眠りについている。
 「ぐぁー、ごぉー」
一定の速さで奏でる、鼾の合奏。聞きたいものではない。
ひろゆきと夜勤、二人とも夢の世界だった。しかし、隣の部屋はそうではない。悪夢が甦ろうとしている。

七つのカプセル。中には薄い赤の液体が入っていた。
それぞれ、まだ動かない。永遠なんだろうか。
そうではない。着々と準備は進んでいる。その合図が響いた。

  ビーッ!ビーッ!ビーッ!

何かの信号音。カプセルから聞こえる。
何事か、とひとゆきと夜勤も駆けつける。
 「何だ!?」
すぐに夜勤がパソコンを出して確かめようとする。
しかし、その必要はなかった。
悪夢が今、目覚めた。

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第三章

 「ひろゆきさん!目が!」
夜勤が叫ぶ。ひろゆきが視線を変える。ひろゆきも驚いた。
 「開いている、だと!?」
すぐに目覚める、といっても翌日ぐらいだろう、と思っていた。
しかし、現実は違う。管理AIは目を開けている。
だが、瞳には光が宿っていない。まるで、瞳孔が開ききっているようだ。
 「・・・ん?こいつだけ目を開けてないぞ?」
ひろゆきの視線は一番端のカプセル。桃色のAIの入ったカプセルだった。
 「・・・まぁいい。目覚めた、即ち力を取り戻したのだ。これが我々の求めた力なの・・・だ・・・?」
途中ひろゆきの言葉が止まる。驚愕の表情で。
藍色のAI、彼が笑っているのだ。口に嫌な微笑でにっ、と。
それに気づくより早かっただろうか。もう、遅かった。

  ガシャァーン!!!

カプセルが割られた。藍色のAIが入っていたカプセルが、粉々に。
それは、藍色のAIの手に握られている、剣の力だった。
紅い。紅く光り輝いている。しかし、光り輝くといっても嫌な光だ。この都市を飲み込む、破壊の光。そう、連想できた。
 「馬鹿な・・・!!!?」
思わず吹き飛ばされた二人。
まだ、藍色のAIは口に微笑を浮かべている。

  ガシャァーン!!!!!!

先程の倍以上の音。
後ろのカプセルが五つ、割られていた。中に入っていた、赤、白、そして長身の白三人組みもそれぞれ手に武器が握られている。
赤いAIは両手に体と同じ色である二本の短剣。白いAIは緑色をしたオール状の棒。そして長身の三人は橙に光り輝く鞭だった。
全員、カプセルの残骸を踏み潰す。そして二人に近づいてきた。
二人は声も出せない。そのまま、壁に寄りかかるだけだ。
そして、藍色のAIが言葉を出す。
 「お前らだな?僕達を生き返らせてくれた人は・・・」
紅い剣に纏わる光の密度が増す。
 「ま、待て・・・!カプセルに戻れ!動くな・・・!!」
ひろゆきが手を前に出す。しかし、藍色のAIは微笑を濃くした。
 「それはないな。僕達はこの都市を殺さなければならないんだよ。この都市は人口が増えすぎ、ぼろぼろになってしまうのだろう?だから、僕達はこの都市を殺す。使命なんだよ・・・!」
そして、手に持つ剣を振り上げる。
 「や、やめろぉおおお!!!」
叫ぶが、お構いなしに藍色のAIは勢いよく振り下ろした。
 「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
二人が切り捨てられる。断末魔の咆哮が響き渡った。
流れ出る血。紅く、禍々しい。もう、二人は動かない。
 「ふん、寝起きからこれか・・・」
藍色のAIは手の剣を消滅させた。どちらかと言うと、力を押さえつけた。
彼の後ろにいた他のAIが歩み寄る。
 「アヒャ!久しぶりだな、モララー!初っ端から殺しかよ!」
赤いAIがにやり、と笑いながら言う。
 「アヒャヒャヒャ!血を見るとうずうずしてくらあ!」
死体の血を眺めながら赤いAIが続ける。よく見ると、顔は桃色のAIに似ていた。
 「つー、お前はその性格、直らないのか」
藍色のAI、モララーが呆れた様に言う。
 「それよりモララー。この世界は全員人間の形をしているモナ。と言うことは・・・、ここは現実世界モナね?」
白いAIが赤いAI、つーを退かしつつ言う。
 「そうみたいだな。ってことは、モナー。あいつらもいるって事だ・・・!」
モララーは拳を握り締める。一瞬、紅い剣が現れるが、即、腕の中に消えた。
鼻で笑い、モナーと言われたAIは長身組みのいる方向を振り返る。
 「>>1さーん・・・!」
 「何処にいるんだぁーい・・・!」
 「会いたいよぉ・・・♪」
 「八頭身!また>>1さんとか言うやつのことを考えているモナ!?」
モナーの声でも、八頭身というAIは妄想をやめない。夢の世界に入り込んでいた。
 「アヒャ!モララー、しぃがまだ目覚めていないようだな!」
カプセルは一つを除いて粉々になっている。一つを除いては。
そのままの状態で残されているカプセル。その中には桃色のAIが入っていた。
 「しぃが一番、遣られ方がひどかったからかもな」
モララーが呟くがモナーが突っ込みを入れた。
 「またまたまたー!モララーが殺したくせに!・・・じゃあ、ほっとくモナね」
モララーは腕組をして考える。しかし、五秒ほどでモララーは顔を上げた。
 「無理矢理壊すこともない。もうやつは裏切ったんだ。だったら、もうほっとこう」
モララーの言葉につーは身を震わせた。顔は残念そうな表情だった。しかも、もう手には短剣も握られていた。
 「畜生!殺したかったのに!アヒャヒャヒャ!!!」
(中断)

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