―――第一話(始まりの告白。)―――――――――
屋上へと上がる足が重い。俺は今、大事な親友を裏切ろうとしている。
階段をのぼりきり、ドアを開けると
そこには幼馴染で年を重ねていくにつれ好きになったしぃがいた。
しぃは振り返ると俺に声をかけてくる。
「ギコくん、どうしたの?」
首をかしげて聞いてくるその姿は自分にとって苦しませる動作でしかなかった。
「しぃ・・・俺は・・・」
『しぃの事が好きだ』そう言いたい。言いたいが口が動かない。
脳裏にモララーの姿がよぎる。
モララーはいろいろとケンカはしてきたけど今でも大切な親友だ。
今でも―――・・?
否、
多分言ってしまえばもう戻る事など無いだろう。
「ギコくん?」
親友か好きな人か・・・・俺は・・
「・・・・・しぃ・・・」
「?」
「しぃはモララーの事どう思う?」
親友をとる。ましてや理由が理由だ。
しぃが好きだと告げてきた時のアイツはもう体が不治の病に侵された後だった。
アイツには時間が無い。
俺には時間がある。
しぃは不思議な顔をすると、
「どう・・って・・どうだろう私には分からない」
「そうか・・・・」
「うん・・・・」
沈黙が続く。
黙っていればいるほど、空からの飛行機の音や鳥の鳴き声がいつもより大きく聞こえる。
そんな沈黙を破るように、急いで階段を上ってくる音が聞こえた。
音がだんだん大きくなる。
バンッッ
音とともに屋上の扉が開かれた。そこに居たのはモララーだった。
かたで息を切らしながら(寿命が縮むぞ;;)落ち着けようと息を呑む。
モララーはしぃに向かって叫んだ。
「しぃっ・・・・ギコにもしかしたらさき越されたかも知れないけど、
俺はrっはgぼあjふぁg;p!!!」
「「・・・・はっ!!!??」」
二人の言葉が重なる。
「も・・モララー・・時に落ち着け;;」
「そ。。そうだな・・」
もう一回大きな深呼吸を言うと、
しぃをその目で見据えると今度は落ち着いてハッキリと言った。
「しぃ・・・・俺は・・お前の事が好きだ。」
「え・・・?」
信じられないと言うふうにしぃが目を見開く。
それでもまだモララーは目をしぃを見据え続ける。
そんな二人の間にいる自分はどうしようもなくいらなく感じた。
風が三人の中を遊び狂いながら駆けていく。