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†NIGHTMARE CITY† ~過去には戻れないから~ (・。*ルミナリエ*。・)

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匿名ユーザー

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あの頃の俺を思い出すといつも 鏡の前で憂鬱そうな顔で 身だしなみを整える姿の男がそこにいる。

遺跡探検とか発掘の時のバッグの中身は メジャー 探知機 手袋 方位磁石とか何だか意味の分からんものばっかだったな。

ギコ=ハニャーン 当時14歳 俺の一日は遺跡探検だけで終わってしまう。どこか物足りないような気もする。あの無謀な事件が起きる前までは、いつもそうだった・・・・・


Ploroghe.

PM4:10 ナイトメアシティ 大橋通り

橋の片隅にギコとしぃが仲良く歩いている。

「しぃ・・・おい、しぃ!!」

ギコがしぃに向かって怒鳴った。

「なによギコ君、そんなにはしゃいじゃって。」

しぃがくすっと照れ笑いをした。

「あのさ・・・夜夢岩の調査あるってから、明日のデートドタキャンさせてくれいっ!!」

ギコは目を輝かせた。

「も~~、またなのぉ?ギコ君最近デートキャンセルし「んじゃ、遅れるから逝くな!」
「あ・・・ギ、ギコ君!!」

ギコはしぃを置いていくと、風のようにさっさと走って逝ってしまった。


act1.始まりの世界

PM4:30 レジェンド隊控室

部屋にはたくさんのAAが集まって会議をしていた。その中には、あのギコの姿が。

「じゃあそろそろ始めようか。んじゃあギコ、出席と明日の事を・・・」
「はい。俺と流石兄弟・妹者殿、フサ、≫1、おにぎり、レモナ、ショボ、ネーノ、毒男、ヒッキー、以上12名全員集まりました」

背すじをピンと伸ばしたギコは、まるで大人っぽく見える。

「ほう、久しぶりに全員集まるとは。流石だよな俺ら」
「明日がまちきれないのじゃー」
「早く始めて早く終わらせちゃおーぜ」
「ああ…やばい…。明日が近すぎる…」
「ワショーイ♪遺跡ワッショイ、遺跡ワショーイ♪」
「あらあらみんな、そんなに急がなくてもいいでしょ」
「シャキーンだね、やっぱり」
「意味が分かんないんじゃネーノ?」
「けっ、マンドクセェ・・・」
「…………」

ちなみに明日、ギコ達レジェンド隊の逝く遺跡・夜夢岩とは、ここナイトメアシティ最大規模の遺跡である。それは、このナイトメアシティの守護神・サザンクロスの奉られている岩石なのである。世界遺産登録もされている程の巨大岩石なのだ。月夜になると、月が照らす光で岩が七色に光るので、鮮やかで何とも言えないくらい美しい。この夜夢岩は、名通りに夢を叶えると言われる岩石である。例えば、戦に勝利をもたらしたり、暗黒に光を照らし、そして死者には復活の儀を約束するという。

しかしここ最近、そんな夜夢岩にあるちょっとした異変が。

「でも、またあそこに変な装束の軍団が現れたら怖いよ…」

ショボがポツリと呟く。しかし、心配は無用だった。

「何を言っているんだ。大体俺達が活動するのは、正午だ。そんな朝っぱらからあんな奴らが現れるわけがないだろ」

ギコがきっとショボを睨みつける。

「では、明日の内容についてギコ、よろしく頼む」
「はい。明日は午前10時集合だ。朝は早いから、みんな、遅れないようにしとけよ」

そして兄者が終わりの式をとる。

「よし、じゃあこれにてレジェンド隊解散!」


PM5:15

「しっかし今日のギコは、すごかったなー」

帰り道、親友のフサがギコの肩をポンッと叩き、褒めた。

「何言ってんだよ、いつもと同じだぞ、ゴルァ!!」

ギコは照れ笑い。その笑いはまさしく、嬉し恥しの笑い。

「あー、でも遂に明日かー。楽しみのような、ないよーな…ってあれ?」
「どした?」

フサが突然立ち止まった。

「おい…あれ…」「ん?あーーーーー!!!!」

なんと夜空に月食が浮かんでいたのだ。それも、殆どがかけている。

(…あれ?さっきから…何だろう?この胸さわぎは…?)

ギコはとっさに肝をつぶす。そう、何かが起こりそうで、起こらぬようなキがして…


PM5:43 しぃ宅

「もォーーーーっ!!」

どこからか高い怒りの声が聞こえてきた。その声の主は、ピンク色に花柄の模様が頬にあるAA。それは間違いなく、しぃだ。

「ギコ君ってば、ワガママなんだからーーーー!!」

とっさにしぃは布団に入り込み、顔を赤くさせる。と、すると…

「?あら…?」

部屋のドアを開けるとそこにはあの、月食が。

「うわあ…きれい…」

目を丸くさせながら、しぃはある事を思いついた。

「明日、ギコ君達が遺跡に行くんだっけ。そうだ、明日ギコ君にお弁当作ってあげよーっと♪」

しぃは怒りからまるで気分をルンルンという感じになった。

「…で」

しぃはまた顔を赤くさせた。

「明日こそ言おう…ギコ君に……好きって…」

と、その時。

                       チ リ ー ン チ リ ー ン

「?」

遠くから鈴のぶつかるような音がした。それも、あの夜夢岩の方から。その瞬間

                                ふわあ・・・

突然しぃの体が浮かんだ。

                         キ イ イ イ イ イ イ ン   

なんと頭の中に二つの映像がうかんできたのだ。一つはある神殿。そしてもう一つが、謎の月のような、星のような形のマーク。

「な、なに、今の…?」

しぃは息を呑んだ。そう、この後彼女にある悲劇が訪れるとは知らず…


act2.ゲームという名の序曲

翌日。あの遺跡には沢山の発掘者と取材記者、カメラマンの数。
                         コ ツ 、 コ ツ 、 コツ ・ ・ ・
内部から階段を下りる足音が聞こえる。そのAA、ギコであった。

「あれ?」

ギコは突如立ち止まった。そう、そこには―・・・

「見た事もないマークだなぁ」
地には巨大な印(マーク)が。

「他の国の物か?」

と、ギコは目を丸くさせ本を開いた。しかしどのページを見ても、それらしき物はない。

白い翼と黒い翼。その真ん中に描かれている月と太陽。ギコはその印がどこかで見た事あるような、ないような気がするのだ。

「・・・・・・・?」

ギコはうーんと唸ったままだった。と、すると・・・

「ギーッコ君♪」
「うわあ!!??」

後ろの方から高く、可愛らしい声が聞こえてきたのだ。ギコがそーっとその方を見上げると、そこにはピンク色のりんごほっぺの猫型AAの姿が。そう、しぃだ。しぃがにこにこ笑って立っていたのだ。

「はー、なんだしぃかよ・・・驚かせんなって・・・っていうかどうやってここから来たの?」
「うん、今日バイト休みだしっ。妹者ちゃんから入れてもらったの、特別にね」

するとしぃがあのマークを見つけた。

「・・・これは?」
「ああ、それは俺にもよく分からないんだ。でもそれどっかで見た事あるようn「あ、昨日見た・・・・」
「え?」

しかしギコが気付く時はもう遅かった。その時、

                          パ ア ア ア ア ア ア

突然マークが光りだしたのだ。それとともにしぃの体が浮かび上がったのだ。

「し、しぃ!?おい、しぃ、しぃーーーーーーーー!!」

ギコは慌てて階段を上り、しぃのいる方へと向う。

中だけでなく、外部にも異変が現れたのだった。

「おい、何だありゃ!?」「遺跡が消えていく…!?」

と、その時だった。突然空から2匹のAAが現れたのだ。

「オラオラオラー!!シィサマハドコダー!?アヒャヒャヒャ」
「全員皆頃しだモナ」

そのAAは、赤いのがつー、白い方がモナーだ。

「アッヒャッヒャッヒャッヒャー!!」

                              ズ バ ッ

一人の取材記者が斬りつけられた。

「みんな、下がってろ!!」

二人のAAの前に現れたのは、流石兄弟の兄者だった。

「こいつら、一体何処から現れたっていうんだ!?」

兄者はとっさに銃を取り出した。

 
『 行 方 を 指 し 示 す 夜 夢 岩  動 き 出 す 神 秘 の チ カ ラ 』

どこからかこんな声が聞こえた。その声の主は、モララー。

「今、その力が蘇える」

その声と共に、しぃの体が何かに引き寄せられるように吸い込まれて逝くのだ。 

「しぃーーーーーーーーーーーーーー!!」

ギコはしぃの方へと飛び上がった。無事しぃは何処にも逝かなくすんだ。

 ガ ラ ガ ラ ガ ラ ・ ・ ・                        
そのとたんに、一気に遺跡が崩壊し始めた。

「あれ?ギコ君、あたし・・・」
「くそっ、しぃ、早く外に出るぞっ!!」

ギコはしぃの手を握り、光の差す方へと向かった。


と、その頃。

「ただいまー、結局しぃ様の捕獲は失敗しちゃったようだねー」

あのモナーとつーが戻ってきた。ここは真っ暗闇で何も見えない。更に、全身鏡張りなのだ。するとまた2匹の紫色のAAと長身のAAが出てきた。

「あーあ、僕も逝きたかったのにー、≫1さんと逢いたかったYO」

長身のAA・8頭身モナーが大きくため息をついた。紫のAA・モララーはしばらく黙りこんでいた。

「ああ、だが神秘の力は必ず手に入る。どれだけ血が流れようともな」

やっと固い口を開けた。そのモララーの言葉に皆うーんと唸った。


そして、ギコ達は・・・
やっと遺跡から出てきた所だった。

「ふう」

するとギコの前に、兄者が姿を現した。

「遅いぞ小僧、その娘にケガはさせてないだろうな?」
「あ、兄者殿!!」

兄者は変わり果てた姿だった。全身傷だらけでしかも、フラフラとよろついている。その時、兄者は倒れてしまった。

「兄者殿、兄者殿!!大丈夫でありますか!?」
「ギコ!!」

向こうの方から黄色い髪のAAが走ってきた。彼女の名は、レモナ。

「レモナ姐さん、これは一体・・・!?」
「うん、兄者は大丈夫よ。相手の刃に毒が塗ってあったみたいね。」

レモナが唇を噛みしめる。ギコが即行聞いてみた。

「あの、姐さん!!何で殆どの人達も消えているんスか!?」

するとレモナは辛辣な顔付きで言った。

「あのね・・・私と流石兄弟、妹者ちゃん、毒男さん、ヒッキーはここにいるけど、他の人達は私の転送装置を使ってある世界へと飛ばしたの」
「そのある世界って!?」
「もう一つのナイトメアシティ。あそこの方が安全よ。貴方もあの世界へと逝った方がいいわね」
「どうして!?俺もここに残ります!!」

ギコはレモナをきっと睨みつけた。レモナは表情を変えずまた喋り続ける。

「私達はここに残って遺跡の事と、奴らの追跡をする。でもギコ、貴方達のような転移装置の召還できない人達は、悪いけどあっちに非難させてもらうの」
「・・・・・」

レモナはそれだけを言うと、不思議な門を召還させた。これが、『転移装置』だ。

「大丈夫よ、私達もいずれギコ達を追う事になる。それまで待っててね」
「・・・・・・はい」

ギコは返事だけを返すと、意識がうつろなしぃをしっかりと抱きしめ門へと飛び込んで逝った。

レモナは門がゆっくりと閉まるのを見ながら呟く。

「どうか彼らの旅路に盛んあれ」と。


act3.真実の光

気が付くと俺は、十字路に立っている。が、不思議な事にしぃがいない!

「おいっ、しぃ、しぃーーーーーーーーーっ!!」

するとどこからか声が聞こえてきた。

「ギコ君」「しぃっ!!」

二人同時に名前を呼び合った。

「なんか前までは、二人で異世界の話をしてたり、二人でいつも笑い合ってたりしていてあっという間に時間が過ぎて逝ったけど、今は時間が長く感じるよ」

しぃがポツリと言う。

「だから今は・・・余計な事ばかり考えるっ・・・」

ここは危険すぎる。あのお方が非難の場所―と、言われても、俺にも何か使命が残っている、いや、成し遂げなければならんのだ!!このゲームと俺に与えられし試練を。

とたんにしぃの手を握りしめる。

「ギコ君・・・?」

しぃはきょとんとしたように見える。そして俺は、

「しぃ、俺は守ってみせる。愛するキミを」
「ギコ君・・」

しぃは頬を真っ赤にさせた。

「ありがとう・・・ごめんね・・」

そして彼女の目からは一滴の涙がほろり、と。


  真 実 の 光 を 求 め  こ の イ ツ ワ リ の 町 を 出 よ う

しぃ、決して泣くんじゃない、俺はキミを泣かせたりしない。そして、未来に背を向けるな!!

                     必 ず キ ミ を 守 る か ら

キミは絶対に氏なせないっ!!

二人はひたすら走り出す。ただ一つの光を求めて・・・


その様子をモララーがビルの屋上から見ていた。

「守ってみせる、か。フン、そんなわけなかろう。この世界はもうじき、僕のものなんだからな」

右手には、血のごとく紅きソードがしっかりと持ち構えられている。

「アーっハッハッハ、ここは誰にも渡さない、渡したりはしないぜ!!」

モララーはあざむき笑いをしていた。


そして青き空には、日食が。その日食は彼等の面影を追っている、そう、いつまでも、いつまでも―・・・。

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